2021年にNFTがブームとなり、デジタルアートをはじめ、NFTゲームのアイテム、メタバース上の土地、音楽・動画などさまざまな作品が誕生しています。
NFTの取引はNFTマーケットプレイスと呼ばれる取引所で行われます。NFTのブームに伴い、多くのNFTマーケットプレイスも誕生しました。
取引量と知名度ともに海外発のOpenSeaやRarible、MagicEdenなどが世界トップクラスのNFTマーケットプレイスです。昨今は日本発のNFTマーケットプレイスも誕生しており、SBINFTもその内の一つです。
ただ、SBINFTについて、詳しく知っている人はあまりいないのではないのでしょうか。
そこで本記事では、日本発のマーケットプレイスであるSBINFTの特徴や始め方を徹底解説します。
記事後半では、SBINFTのよくある質問についても答えているので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の構成
SBINFTの概要・基本情報
SBINFTの概要と基本情報は、以下の表のとおりです。
会社名 | SBINFT株式会社 |
提供サービス | ・SBINFT Market
・GO BASE ・NFT Consulting |
会社設立日 | 2015年5月1日 |
会社所在地 | 東京都港区六本木 |
代表取締役社長 | 高 長徳 |
加盟団体 | ・日本ブロックチェーン協会
・ブロックチェーンコンテンツ協会 |
会社公式サイト | SBINFT公式サイト |
マーケットプレイス公式サイト | SBINFT Market |
SBINFT株式会社の設立は2015年で割と古く、ブロックチェーンやNFTをはじめとするWeb3の可能性に先見の明を持っていたことが分かります。
代表取締役社長は、高長徳氏です。同氏は「NFTの教科書」や「NFT1.0→2.0」などの書籍を出版しており、NFTに深く精通している人物です。
SBINFT株式会社は、日本ブロックチェーン協会やブロックチェーンコンテンツ協会にも所属し、ブロックチェーンの発展や普及に力を入れています。
その活動の一例として、独自のNFTマーケットプレイス「nanakusa」をリブランディングした「SBINFT Market」の運営やブロックチェーン事業者向けのプラットフォーム「GO BASE」の運営などが挙げられます。
SBINFTの特徴5つ
SBINFTの特徴は、以下の5つです。
- 日本の大企業「SBIグループ」の傘下
- 出品者が審査制なので安心感がある
- NFTの二次販売・転売は自由に行える
- クレジットカード決済に対応している
- NFT Consultingのサポートを受けられる
特徴1:日本の大企業「SBIグループ」の傘下
SBINFTは、名前から想像できるように日本の大企業「SBIグループ」傘下の企業です。SBIグループは「住信SBIネット銀行」や「SBI証券」「SBI損保」などの金融に関するサービスを提供しています。
SBINFT株式会社は、SBIグループの子会社としてブロックチェーンを活用したプラットフォーム事業を展開しています。
SBINFTは、主に金融サービスを展開するSBIグループの傘下なので、安全性にも十分力を入れていると考えられるでしょう。
特徴2:出品者が審査制なので安心感がある
OpenSeaやRarible、MagicEdenなどの大手海外NFTマーケットプレイスは、匿名で利用できて便利な反面、著作権違反の作品が出回ったり、詐欺目的の作品が売りに出されたりするなどの問題が度々起きています。これはひとえに、誰でも簡単に出品者になることができるからでしょう。
その点、SBINFTなら安心です。SBINFTの提供するSBINFT Marketでは、審査基準を満たした出品者しかNFTを出品することができません。日本で初めてこのシステムを導入したNFTマーケットプレイスで、アーティストは「nanakusa artists」として登録されます。
SBINFTのサービスでは、これまでのNFTマーケットプレイスで起こっていたような問題が起きる可能性は低いので、安心してサービスを利用できるでしょう。
また、審査を突破したクリエイターしかNFT作品を出品できないので、クオリティの高い作品が数多く見られます。
特徴3:NFTの二次販売・転売は自由に行える
SBINFT Marketでは出品者は審査制を取っており、基準を満たした人しか出品することはできませんが、NFTの二次販売・転売は自由に行なえます。
出品者が審査制であることによって、二次流通での取引の質を保つことができています。
特徴4:クレジットカード決済に対応している
多くのNFTマーケットプレイスでは、決済手段に暗号資産(仮想通貨)を用いることがほとんどです。
SBINFT Marketの場合、暗号資産(Ethereum/Polygon)のみならず、クレジットカードでNFT作品を購入することができます。
決済手段に選択肢があるので、自分の好きな方法を選ぶことが可能です。
特徴5:NFT Consultingのサポートを受けられる
NFTは比較的最近誕生した概念・技術なので、どのように実生活に活用すればいいのか分からない方も多いでしょう。
SBINFTでは、そういった方向けのサービスとして「nanakusa NFT Consulting」を提供しています。
このサービスでは、NFTを使ってどのようなビジネスモデルを構築できるのか、必要な素材や要件、他社との差別化の方法、そして法律に関してのサポートを受けられます。
NFTマーケットプレイスの運営だけでなく、コンサルティング事業にも力を入れている珍しい企業です。
SBINFTで販売されている作品
SBINFT Marketでは、どのような作品が販売されているのでしょうか。ここでは、SBINFTで販売されている以下の作品について、ご紹介します。
- NFTアート
- NFTトレカ
- NFTゲームのキャラクターやアイテム
NFTアート
NFTマーケットプレイスなので、当然NFTアートはあります。アーティストは審査制なので、高いクオリティの作品が多く見受けられます。
イラストやドット絵、写真、動画など数多くの作品が出品中です。
寿司職人の技術をNFT化した「SUSHI TOP SHOT」や1万種類限定の「Replica Otaku Coin」などの珍しいNFTアートもあります。
NFTトレカ
NFTトレカとは、ブロックチェーンの技術を使ったデジタルトレーディングゲームのことです。アイドルやスポーツ選手、NFTゲームのカードを販売しています。
SBINFT Marketでは、特にアイドルのNFTトレカが多いです。
NFTゲームのキャラクターやアイテム
SBINFT Marketでは、NFTゲームのキャラクターアイテムも販売されています。
累計ダウンロード数3,800万の「Brave Frontier Heroes」や世界一ユーザー数の多い「Crypto Spells」、野球チームETHAPESを作る「WORLD OF BASEBALL」などがあります。
SBINFTに出品できるもの・作品
SBINFT Marketに出品できるもの・作品は、一般ユーザーと公認アーティストの両者で異なるので、それぞれについて見ていきましょう。
一般ユーザー
一般ユーザーは、他のNFTマーケットプレイスと異なり、自由にNFTを発行し、販売することはできません。
ストアで購入した作品を、二次販売することは可能です。
公認アーティスト
公認アーティストの場合、専用のクリエイトページで自由にオリジナルのNFTを発行し、販売できます。
NFTを発行する際は、以下の業務を行います。
- コレクション選択
- コンテンツデータの保存先の選択
- 作品とサムネイルのアップロード
- 作品の説明
- 価格と二次販売手数料(ロイヤリティ)の設定
SBINFTの始め方と必要なもの
SBINFT Marketの始め方と必要なものについて、ご紹介します。以下の3つのステップ通りに進めましょう。
- 暗号資産取引所で口座開設
- メタマスク(MetaMask)を作成
- SBINFTにメタマスクを接続
1:暗号資産取引所で口座開設
NFTの購入資金や二次販売の報酬として受け取るために、まずは暗号資産取引所の口座を開設します。
口座開設にあたって、以下のものを準備しましょう。
- 電話番号かメールアドレス
- PCまたはスマホ
- 銀行口座
- 本人確認書類
- 運転免許証
- マイナンバーカード
- 各種健康保険証
- 住民基本台帳カード
- 住民票の写しなど
暗号資産取引所には国内・海外にさまざまなものがあります。暗号資産取引所同士の比較や口座開設方法については「日本国内の暗号資産取引所の口座開設方法から、トラベルルール、税制までを一気に解説。」を参考にしてください。
2:メタマスク(MetaMask)を作成
購入したNFTや暗号資産を管理するためには、ウォレットが必要です。
ウォレットにもさまざまなものがありますが、SBINFT Marketでは以下の3つに対応しています。
- MetaMask(メタマスク)
- Torus Wallet(トーラスウォレット)
- Coinbase Wallet(コインベースウォレット)
おすすめは使いやすく日本語に対応し、PCとモバイル端末の両方からアクセスできるメタマスクです。
メタマスクのインストール方法については「初心者でもMetaMaskが使えるようになる。設定から送金方法までわかりやすく解説。」を参考にしてください。
3:SBINFTにメタマスクを接続
メタマスクをインストールできたら、SBINFTにメタマスクを接続しましょう。
まずは、画面右上の「LOGIN」をクリックします。
次のような画面になるので、利用規約とクレジットカード利用に関する特則を確認し「同意する」をクリック。
SBINFT Marketで使用するウォレットを選択する画面が表示されるので「MetaMask」をクリックします。
アカウントを選択、接続の許可、署名を行えば設定は完了です。
SBINFTでのNFT購入方法・買い方5ステップ
SBINFT MarketでのNFT購入方法・買い方は以下の5つのステップです。
- SBINFTで買いたいNFTを探す
- 決済用の暗号資産を購入する
- 暗号資産をメタマスクに送る
- 暗号資産でNFTを購入する
- 購入したNFTを確認する
1:SBINFTで買いたいNFTを探す
まずは、SBINFT Marketで買いたいNFTを探し、サムネイルをクリックします。
作品の詳細画面では、作品のタイトルや現在の価格、ロイヤリティの割合、作品の説明などを確認することが可能です。
マーケットでは、nanakusa公認アーティストとパートナー事業者の作品が出品されているので、高品質な作品が揃っています。そのため、好みにあった作品を見つけられるでしょう。
2:決済用の暗号資産を購入する
SBINFT Marketでは、出品者が受け取る暗号資産を指定している場合があるので、暗号資産の購入は必須です。
ETHとMATICを決済に使用できます。暗号資産の購入方法については「【簡単】暗号資産(仮想通貨)は誰でも持てる!買い方・売り方・選び方」を参考にしてください。
3:暗号資産をメタマスクに送る
先ほど購入した暗号資産を、メタマスクに送金します。
このとき、ウォレットアドレスを入力する必要がありますが、入力ミスが無いか入念にチェックしましょう。入力ミスがあると、購入した暗号資産を失う可能性があります。
手打ちで入力するのではなく、コピペするなど、確実に入力しましょう。
4:暗号資産でNFTを購入する
暗号資産をメタマスクに送金したら、その資金でNFTを購入します。
先ほども述べたように、出品者が受け取る暗号資産を指定していることがあるので、事前に確認しておきましょう。
次の画面のように「購入手続きに進む」とあるので、それをクリックします。
購入内容の確認画面が表示されるので、購入価格を確認し「暗号資産(仮想通貨)で支払う」と「SBINFT Marketの利用規約に同意して購入する」にチェックを入れて「購入する」をクリックします。
NFTを購入する際は、本体価格に加えてガス代(ネットワーク手数料)もかかるので、余裕を持ってメタマスクには送金しておきましょう。
また、ネットワークによっては、以下の画面のようにウォレットのネットワークを切り替えることを要求されます。
その場合はウォレットを起動し、ネットワークを切り替えます。そうすることで、購入手続きに進むことが可能です。
5:購入したNFTを確認する
最後に、NFTを購入できているかを確認しましょう。
画面右上のプロフィールアイコンにカーソルを合わせ「MY PAGE」をクリックします。
マイページに移るので、「Ethereum」と「Polygon」のいずれかのネットワークで購入したNFTを確認できます。
SBINFTで出品・販売(転売)する方法
続いて、SBINFT Marketで出品・販売(転売)する方法を解説します。
一次販売で自分の作品を出版する場合と二次販売で購入したNFTを転売する場合で異なるので、それぞれについて見ていきましょう。
【一次販売】自分の作品を出品する
以下は、認証されたnanakusa公認アーティストもしくはパートナー事業者に向けての説明です。
オリジナルのNFT作品を出品する場合は、まずNFTを発行します。NFTを発行するにあたって、以下のものを準備しましょう。
- メタマスク
- EthereumかPolygon
- NFTにしたい作品
NFTにしたい作品は、画像ファイル、音声ファイル、動画ファイル、3Dファイルのいずれでも問題ありません。ただし、オリジナルの作品を作り、著作権に問題がないかを、事前に確認しましょう。
NFTの発行にあたり、以下の設定を行います。
- コレクションの選択
- ファイルのアップロード
- 作品のタイトルとサムネイルの設定
- 作品の詳細な説明
- 出品形式の設定(通常の出品かオークション)
- ジャンルの設定
- ロイヤリティの諸設定
- NFTファイルの諸設定
すべての設定を終えたら「この内容でミントする」をクリックし、NFTを発行します。この際、ガス代と手数料がかかるので、事前にウォレットに入金しておきましょう。
発行したNFTを出品する手順は、まずマイページから出品したいNFTを選択します。
作品の詳細画面に移るので「出品手続きに進む」をクリック。
出品画面が表示されるので、以下の項目を設定します。
- 作品のタイトルとサムネイル
- 出品形式(通常の出品かオークション)
- NFT作品の価格
- クレジットカードでの支払いを許可するかどうか
なお、オークション形式で出品する場合は、クレジットカード支払いができないので、注意してください。
【二次販売】購入したNFTを転売する
一般ユーザーがNFTを出品する場合、購入したNFTしか出品できません。
出品の流れは、先ほど説明した流れと同じで、まずはマイページから出品したいNFTを選択します。諸々の項目を設定すれば、出品することが可能です。
SBINFTに関するよくある質問5つ
SBINFTに関するよくある5つの質問について、回答します。
- 手数料はいくらかかる?
- 日本語に対応している?
- セキュリティ面は安全?
- 未成年でも利用できる?
- 購入したNFTは移動できる?
1:手数料はいくらかかる?
SBINFT Marketは、NFTの出品時に手数料がかかります。手数料は一律で、出品価格の10%です。
プラットフォーム利用手数料に加えて、ガス代もかかります。ガス代は出品時と購入時のどちらでもかかるので、余裕を持って暗号資産を準備しておきましょう。
2:日本語に対応している?
SBINFT Marketは日本発のNFTマーケットプレイスなので、日本語に対応しています。
言語の設定は、画面上部の「LANGUAGE」から選択可能です。日本語以外にも、英語、韓国語、中国語に対応しています。
3:セキュリティ面は安全?
過去にはnanakusaがハッキングの被害にあい、36体のNFTが流出する事件が発生しているので、不安に思う方もいるかと思います。
ただその後、メンテナンスやセキュリティのアップデートが行われており、以前より安全性は増しています。
また、金融サービスを展開する大手企業「SBIグループ」の傘下なので、セキュリティに関する対策も十分施していると考えられるでしょう。
4:未成年でも利用できる?
SBINFT Marketを利用するにあたって、特に年齢の制限はありません。
ただ、利用するためには暗号資産取引所の口座開設が必要です。暗号資産取引所によっては、年齢制限を設けているところもあるので、口座開設ができなければ、利用が難しい場合もあるかもしれません。
5:購入したNFTは移動できる?
SBINFT Market内で購入したNFTは、別のウォレットに転送することが可能です。
マイページに移動し、転送したいNFTを選択します。詳細画面に移ったら、サムネイルの下にあるプレゼントボックスのアイコンをクリックします。
転送先のウォレットアドレスを入力する欄があるので、そこに入力し「転送」をクリックすれば、手続きは完了です。
なお、ここでもウォレットアドレスを入力する必要がありますが、一度送ったNFTを取り戻すことはできないので、入力ミスがないか、入念にチェックしましょう。
まとめ:日本発のSBINFTは初心者でも簡単に使える!
本記事では、SBINFTの特徴や始め方を徹底解説しました。
SBINFTの運営するSBINFT Marketは日本発のNFTマーケットプレイスです。大企業「SBIグループ」の傘下企業が運営しているので、安全性が高く将来性も十分です。
NFT作品を出品するには、審査基準を満たす必要がありますが、そのおかげでクオリティの高い作品が出揃っています。また、他のNFTマーケットプレイスと同じく、二次販売は自由に行なえます。
クレジットカード決済が行えたり、NFT事業に関するコンサルティングを行っていたりするなど、NFTマーケットプレイスとしては珍しいタイプです。
SBINFTは日本語にも対応しており、直感的な操作ができるので初心者にもおすすめなNFTマーケットプレイスです。
始めるには、暗号資産取引所の口座開設が必要なので「日本国内の暗号資産取引所の口座開設方法から、トラベルルール、税制までを一気に解説。」を参考にして開設を済ませておきましょう。
本記事を参考に、SBINFT MarketでNFTの取引をはじめてみてはいかかでしょうか。