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Play-to-Ownブロックチェーンゲーム『放置NFT』とは?独創的と言われる設計について解説

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NFT(Non-Fungible Token)とは、ブロックチェーン技術を利用することによって、唯一無二の価値を持ったデジタル資産を意味します。

従来は無限にコピーが容易であったデジタルデータをNFT化することで、代替不可能な存在へと変貌させたと言えます。

この技術によって、デジタル画像や動画、音声ファイルといったこれまで価格が付けられなかったコンテンツが、高額で落札される事例が大量に発生しました。

なお、このデジタルデータに対して価値を見いだせるという点については、ゲーム内で報酬として得たアイテムについても同様です。

そのためNFTの普及に伴い、「NFTゲーム」と呼ばれる従来のゲーム概念とは一線を画すゲームが現れました。

2022年現在は、まさにNFTゲームの黎明期とも呼べる時期であり、多くの革新的ゲームがリリースされ続けています。

今回の記事では、そんなNFTゲームの中から2023年4月に正式リリースが予定されている「放置NFT」について紹介します。

従来のゲームとは異なる革新的なシステム、特徴を持っていますのでリリース前に内容を理解するためにもぜひ最後までご覧ください。

NFTゲームとは?

「NFTゲームはこれまでのゲームと何が違うの?」と、疑問に感じられる方もいらっしゃるかもしれません。

ゲーム本来の目的である、「遊び」という側面では大きな違いは無いかもしれませんが、最も大きな特徴としては以下の内容があげられるでしょう。

  • ブロックチェーン技術を利用している
  • 不正なプレイが発生しにくい
  • ゲームを通じて現実世界の金銭を稼げる

ブロックチェーン技術は、「ビットコイン」に代表される暗号資産(仮想通貨)のベースにもなっています。

ブロックチェーンでは取引履歴などの情報を、ユーザー同士で管理する仕組みになっており、従来の中央集権型のサーバーを利用したシステムとは異なります。

そのため通常のオンラインゲームなどで横行している、チートと呼ばれる不正なプレイが非常に困難という特徴を持つのです。

プログラムやデータを一個人が改ざんすることが困難であるため、ゲーム内で得られるアイテムやキャラクターに対して高額な価値が発生します。

これは現実世界のトレーディングカードゲームなどをイメージしていただければ、理解しやすいかもしれません。

希少価値の高いカードに対しては、高額な価格が付けられることは珍しくないでしょう。

この例と同様に、NFTゲームにおいても唯一無二の価値を持つ珍しいデジタルデータに対して、高額な価格が付くことがあるのです。

現在ではデジタル上でのトレーディングカードゲームや、仮想世界における土地などが売買されており、今後の展開に注目が集まっています。

アイテムを保有し売買できる

NFTゲームと従来のゲームを比較した時、最も特徴的で新しいと言えるポイントのひとつは「アイテムを保有し売買できる」ことでしょう。

これまでは特定のゲームで得たアイテムが、どれだけゲーム内で珍しいものであっても現実世界の金銭に変えることは不可能でした。

なぜなら、現実ではそのアイテムは単なるデジタルデータであり、ほぼ制限なくコピーができるものだったからです。

しかし、NFTはそんなデジタルデータに対して、唯一無二の希少性を持たせることに成功しました。

つまり、NFTによってゲームで得たアイテムの売買による利益が直接、現実世界における利益に繋がるのです。

また、従来のゲームシステムであれば運営サービスが終了した瞬間に、強制的にゲーム内で培ってきた全ての時間、アイテムが消え去ってしまいます。

しかしブロックチェーン技術をベースにしたNFTゲームでは、このような事例は発生しません。

なぜなら、特定の運営サービスに依存した中央集権型ではなく、不特定多数のユーザーによって分散管理されているからです。

そのため手に入れたアイテムを安心して保有し続け、任意のタイミングで売却することも可能となるのです。

Play-to-Ownである「放置NFT」

NFTゲームをしながら現実世界での金銭を稼ぐ行為を「Play to Earn(遊んで稼ぐ)」と呼ぶことがあります。

ゲームをしながら得た報酬や、アイテムの売買によって得た利益が直接金銭に変わる為、この表現は言い得て妙です。

しかし、NFTゲームである「Crypto Raiders」を運営するチームの調査によると、多くのプレイヤーはゲームの仕組みが収益化されることによって、本来のゲームの楽しみが損なわれると考えることが分かりました。

これに対する解決策の一つとして考えられた方法が、「Play-to-own(遊んで所有する)」というゲームスタイルです。

なぜなら、ゲームプレイヤーが他者から評価を受ける基準として、「いかにレアアイテムを獲得しているか」という点を重視するからです。

さらに、プレイヤーの多くはゲームが収益化されることは望ましくないと考えながらも、ゲームでお金を稼ぎたいという矛盾が発生していると、「Crypto Raiders」チームは述べています。

つまりNFTゲームは「Play to Earn」のような単純な稼ぎ方ではなく、所有欲を満たしながら稼ぐことも可能となる「Play-to-own」へと移行していく可能性が高いのです。

そして、「放置NFT」もこの「Play-to-own」であり、その特徴から多くのプレイヤーの参加が期待されています。

「放置NFT」の特徴

「放置NFT」は、HORIE RINが代表を勤めるZing株式会社がweb3.0ゲームエコシステムと呼ばれる概念を元に開発しています。

エコシステムとは「管理者がいない自律的状態」を指しており、ブロックチェーン技術をベースにしたNFTゲームの根幹を表しています。

プレイヤーはゲームに対する貢献度を積み重ねることで、独自の評価報酬やゲーム内での資産を蓄えられます。

参加方法についてもメールアドレスの登録等の必要がなく、NFTゲームの中でも比較的容易に参入できるシステムが採用される予定です。

「Play-to-own」のNFTゲームはまだ日本国内においては一般的とは言えず、「放置NFT」によってその認知度が大きく向上することが期待されるでしょう。

様々なゲームコンテンツ

ゲームの世界観としては、人類が地球外の惑星へ移住し新しい帝国を築いた近未来を舞台にしています。

その中で他プレイヤーよりも多く、資源である独自トークン$CLB(Chocolate Like Butterfly)の採掘を行うために、先駆者(NFT)と呼ばれるマイニング用マシーン同士での争いが発生しているのです。

プレイヤーはギルドと呼ばれる任意のパーティーを組み、資産となる$CLBを増やすために勝負を繰り広げます。

主なゲームコンテンツは以下の通りとなっており、長期的に楽しめる内容となっているでしょう。

  • ギルド戦:ギルドメンバーと協力した、侵攻部隊と守備部隊の勝ち抜き
  • チーム戦:マッチングしたメンバーで3対3、5対5での戦いを行い勝者に賞金
  • 略奪システム:他ギルドの資源を奪い合う
  • 傭兵システム:他ギルドに雇われることで戦いに参加する
  • NFTレンタル:費用を支払うことでNFTをレンタルして戦いに参加する

それぞれのコンテンツに参加し勝者となり、$CLBを獲得することが主なゲームの目的となります。

例えば、ギルド戦では獲得した$CLBの15%はギルドマスターへ配分、残りの85%を各メンバーのNFT戦力値に応じて配分されます。

また略奪システムでは揚陸艦NFTを使用して、他ギルドの保有する$CLBを奪うことができます。

しかし揚陸艦NFTを利用することで$CLBを消費してしまうため、戦いを行う前の判断が重要になってくるでしょう。

NFTについて

NFTには先駆者NFT、戦士NFT、揚陸艦NFTの合計3種類があり、それぞれに特徴が異なります。

揚陸艦NFTについては略奪システムで使用され、広大なマップを自由に行き来するために必要。

通常の戦闘については先駆者、戦士NFTが使用され、それぞれのパラメーター等を強化しながらゲームを進めることになります。

また、先駆者、戦士NFTはそれぞれの戦力値によって、獲得できる$CLBが異なってきます。

戦力値は星レベル2(戦力値1)〜星レベル5(戦力値15)で評価され、NFT同士を配合させることで強化させることも可能です。

NFTは攻撃力、防御力、生命力、エネルギーの4属性に分かれており、$CLBを消費することで各属性のレベルアップができます。

それぞれのNFTには4つのスキル枠があり、その内容はキャラクターによって異なります。

初期スキルは1つですが、星レベルが上がるにつれてスキルが増加していきます。

さらにそれぞれのスキルに対しても3段階のレベルで分けられ、レベルアップには$CLBを消費させなければいけません。

このように、NFTを強化させるための配合やスキルアップの$CLB割り振りなど、プレイヤーの考えが色濃く反映されるゲームシステムになっています。

豊富なキャラクター展開

NFTコンテンツにはバックグラウンドとなるストーリーや、魅力的なキャラクター展開が必須と言えるでしょう。

「放置NFT」は総勢100名を超えるキャラクターが登場し、それぞれの設定もしっかりと作り込まれています。

類似する例としてオンラインゲームの「艦隊これくしょん」があげられ、こちらではアニメ化などキャラクターコンテンツとしてゲームを超えた分野において成功を収めています。

「放置NFT」についても同様にコレクションとしての楽しみ方はもちろん、他コンテンツとの横展開も期待できるかもしれません。

DAOによるゲーム運営

DAO(Decentralized Autonomous Organization)とは、日本語では「分散型自律組織」と呼ばれる、従来の組織構造とは全く異なるシステムです。

従来のゲームであれば運営者が存在しており、運営者の一存でゲームシステムの変更からサービス終了まで、ありとあらゆる判断が可能となっていました。

しかしDAOによる運営であれば同様の事例は不可能となり、各プレイヤーが自身の利益を担保しながら、長期的なゲーム運営が可能となるのです。

「放置NFT」では3つのDAOを元に運営されることになり、それぞれ以下の通りとなっています。

  • プロジェクトDAO:プロジェクトの長期運営を目指す
  • コミュニティDAO:プレイヤー同士のコミュニティ作りを目指す
  • ギルドDAO:快適なゲーム環境作りを目指す

$CLB(Chocolate Like Butterfly)について

それぞれのDAOにおける意思決定については、独自トークンである$CLBを元に行われます。

$CLBトークンの総発行数は3億枚に設定されており、初期価格は1$CLB辺り0.1USDCとなっています。

$CLBはゲームを通じた勝利によって入手できる他、DEX取引所において直接換金することも可能です。

DAOにおけるガバナンストークンとしての使用はもちろんですが、ゲームを円滑に進めるためのアイテムとしても重宝します。

$CLBのレンディングについて

先駆者NFTを保有しているプレイヤーに対する特権として、レンディングサービスがあります。

$CLBと先駆者NFTをレンディングすることで、報酬として$CLBが追加で受け取れるようにあり、ロック期間終了後に配布予定。

必要な$CLBやロック期間、先駆者NFTの戦力値はそれぞれ3つに分けられており、それぞれ以下の通りとなっています。

ロック期間(日) レンディング収益(%) 必要$CLB数 先駆者戦力値
30 5 500 5
60 10 3,000 10
90 15 10,000 15

レンディングする場合、先駆者戦力値によってそれぞれのロック期間を同時に参加することも可能になっています。

レンディング中でも通常コンテンツはプレイできますが、NFTの販売ができなくなりますので注意が必要でしょう。

まとめ

ブロックチェーンゲームの特徴から、2023年4月リリース予定の「放置NFT」の概要について解説してきました。

ロードマップとしては2022年10月にサイト公開、NFTプレセール開催、2023年1月にDEX上場と一気にリリースへ向け進んでいます。

そして2023年3月にはβ版が、翌月には正式リリースされることが予定されており、多くのゲームファンの注目を浴びています。

一昔前まではゲームと言えば単なる娯楽の道具でしかありませんでしたが、ブロックチェーン技術の登場によって、現実世界における金銭を稼ぐことが可能になっています。

現在ではeスポーツで活躍するプロゲーマーも多く現れている中、近い将来は多くの人がゲームを通じて生活するという状況も考えられるでしょう。

Play-to-ownは、まだ世の中に浸透していない新しいゲーム概念ですが、「放置NFT」によってその存在が広く認知される可能性は高いかもしれません。

リリース後はどのように展開していくのか、その動向に注目すべきと言えるでしょう。

May

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ブロックチェーンを筆頭とする様々な技術が、今後世の中の仕組みを大きく変えるかもしれないという点に対し興味を持っているWebライター。 自身の経験を元にだれにでも分かりやすく、興味をもってもらえるような記事を執筆するように心がけて参ります。
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