現在、大きな盛り上がりを見せているNFT市場ですが、中にはBAYC(Bored Ape Yacht Club)やCryptoPunksをはじめとした並の資金力では到底手が出ない高額なNFTコレクションも取引されています。
しかし、そういった高額なBlue chip NFTをいま購入し、その代金はあとで支払うことができる「Ape now pay later」というサービスがリリースされました。
今回の記事では、「Ape now pay later」とはどういった内容のサービスなのか?という概要・特徴や購入できるNFTコレクションについて徹底解説していきます。
また、実際に「Ape now pay later」でNFTを購入する手順もご紹介していくので、サービスを実際に使ってみたいと思う方はぜひ最後までご覧ください。
この記事の構成
「Ape now pay later」とはどんな特徴・仕組みのサービスなの?
まずは「Ape now pay later」がどのような内容のサービスなのか、その特徴や仕組みについて詳しく見ていきましょう。
NFTをいま購入して、代金はあとで支払うことができるサービス
冒頭でも少しご紹介したように「Ape now pay later」とは、NFTをいま購入して代金はあとで支払うことができる、NFTと金融を組み合わせたサービスです。
現在流通している人気のNFTコレクションの中には、非常に高額な価格帯となっているものも多く、購入するための資金を確保するのが難しいケースもあるのではないでしょうか。
しかし「Ape now pay later」を利用すれば、購入代金の頭金だけを支払い、残りの金額をローンにすることができるので、今すぐに資金を全額用意できない方でもNFTを購入することが可能となります。
基本的には高額なBlue chipと呼ばれるNFTコレクションのみを取り扱いしている
「Ape now pay later」では、基本的に高額なBlue chipと呼ばれるNFTコレクションのみを取り扱いしています。
2022年8月現在、ラインナップしているNFTコレクションは以下の9つです。
- Doodles
- Cool Cats NFT
- Otherdeed for Otherside
- The Saudis
- Goblintown.wtf
- The Prossessed
- Adidas Originals
- Murakami.Flowers Seed
- RTFKT – MNLTH
リリース直後はBAYC(Bored Ape Yacht Club)やMoonbirds、Azukiといった高額なNFTコレクションの取り扱いもされていましたが、タイミングによって購入できるNFTが変更される仕様であると考えられます。
まだ始まって間もないプロジェクトであるため、今後さらにNFTコレクションのラインナップが増えていくことが期待できるでしょう。
「Ape now pay later」で後払いでNFTを購入できる仕組み
「Ape now pay later」の仕組みとしては公式のホワイトペーパーにもあるように、以下のような画像の仕組みとなっています。
画像引用元:Ape Now, Pay Later
簡単に利用する流れを整理すると、以下のような手順で利用することができます。
- ユーザーが購入したいNFTコレクションを選択する
- 購入したいNFTのToken IDを入力する
- ローン詳細などの購入条件を確認し、頭金を支払う
- 「Ape now pay later」の運営がNFT所有者に購入の交渉を行う
- 交渉が成立すれば、NFTを購入したユーザーは毎月ローンの支払いをする
- ローンを完済すると、エスクローウォレットからユーザーのウォレットにNFTが送付される
仕組みの特徴的なポイントとしては、NFTを購入したいユーザーが頭金を支払うことで「Ape now pay later」が代わりに保有者からNFTの購入交渉を行うことでしょう。
また、頭金を除いたローン部分の支払いが完済しない限り、ユーザーのウォレットに送付されない仕組みになっているので、NFTを持ち逃げされる危険性がないという点も大きな特徴と言えます。
ただし、購入するNFTコレクションによって「頭金」「ローン期間」「金利」などは異なっているので、事前にしっかりと購入条件を確認しておく必要があります。
「Ape now pay later」で購入できるNFTコレクションを一部紹介
次に、「Ape now pay later」で購入できるNFTコレクションについて詳しく解説していきます。
先ほどご紹介したように2022年8月現在、「Ape now pay later」では9種類のNFTコレクションに対応していますが、ここでは5つのNFTコレクションに厳選して解説していきます。
Doodles
「Doodles」は、2021年10月に正式リリースされた大注目のNFTコレクションです。
もともとTwitterをはじめとしたSNSなどのPFP(プロフィール画像)で使用することを目的に開発されたNFTコレクションであり、様々なパーツを組み合わせた合計10,000体が販売されています。
OpenSeaの取引高ランキングでも常に上位に位置しており、フロアプライスも約10ETH(022年7月31日現在)を超えるなど、すでに確固たる地位を築いていると言えるでしょう。
また、DoodlesはSteve Aoki(スティーブ・アオキ)やSnoop Dogg(スヌープ・ドッグ)といった海外セレブも所有しており、こういった有名人がDoodlesの価値を高めてきた側面も知っておく必要があります。
Cool Cats NFT
「Cool Cats NFT」は、2021年7月にローンチされた可愛い猫のイラストを描いたNFTコレクションとなっています。
もともとはColin Egan氏というクリエイターの方が10年以上前から描いていた猫のイラストから始まっており、その後複数のメンバーとチームを結成してNFTコレクション化されたという経緯があります。
また、「Cooltopia」という独自のエコシステムの構築を目指しており、NFTホルダーはCool Cats NFTが入っているウォレットを公式サイトと接続することで、MILKという独自トークンを獲得することが可能です。
今後は独自のNFTゲームも開発していくとのことなので、これからのCool Cats NFTのエコシステムの発展には注目しておく必要があります。
Otherdeed for Otherside
「Otherdeed for Otherside」は、BAYC(Bored Ape Yacht Club)で有名なYuga Labs社が開発しているメタバースプロジェクトの土地のNFTとなります。
2022年4月30日に販売が開始され、わずか3時間で400億円を超える55,000個のNFTが完売するなど大きな話題となりました。
現状、まだ正式リリースはしていないので詳細が分からない点も多いですが、Yuga Labs社の公式Twitterの投稿を見る限り、BAYCやMAYC、CryptoPunks、MeebitsなどのNFTをメタバース上で使用できるようになると考えられます。
See you on the Otherside in April. Powered by @apecoin pic.twitter.com/1cnSk1CjXS
— Yuga Labs (@yugalabs) March 19, 2022
いずれにせよ、Othersideは現在開発されているメタバースの中でも、特に注目する必要があるプロジェクトと言えるでしょう。
The Saudis
「The Saudis」は、数あるNFTの中でも最も有名なCryptoPunksから派生したNFTコレクションです。
合計で5,555体のNFTが発行されており、2022年7月9日に販売開始されてから数時間で完売するほどの人気を獲得しています。
プロジェクトの名前の通りサウジアラビアをイメージしており、アラビア半島の男性をモチーフにしたユニークなデザインを採用しています。
Long Live the Kingdom 🇸🇦#MAXBIDDING pic.twitter.com/wha6kCYmc6
— The Saudis 🇸🇦 (🛢,🛢) (@TheSaudisNFT) July 10, 2022
リリース当初はOpenSeaの取引高ランキングで1位を記録しているなど、今後も盛り上がりが期待できるNFTプロジェクトと言えるでしょう。
Goblintown.wtf
「Goblintown.wtf」は、2022年5月に突如販売が開始されたゴブリンをモチーフにしているNFTコレクションです。
Goblintownの特徴として、誰が運営しているプロジェクトなのかが一切わからず、謎に満ちていることでしょう。
また、通常のNFTプロジェクトには存在するユーティリティ性やロードマップ、公式Discordなどがなく、現在のところ保有したとしても何かメリットを得られるわけではありません。
一説にはBAYCを手がけるYuga Labs社が背後にいるのではないか?との噂もたちましたが、関係者が否定するなど現在のところYuga Labs社との関係もわかっていません。
しかし、こういった謎の多さが人気を呼び、リリース後に9億円を超える売上を記録していることは目を見張るポイントです。
「Ape now pay later」でNFTを購入する手順・使い方を徹底解説
記事の最後に、「Ape now pay later」を使ってNFTを購入する手順をご紹介していきます。
実際にNFTを購入する画面のスクリーンショットもあわせて解説していくので、ぜひチェックしてみてください。
「Ape now pay later」の公式サイトにアクセスし、MetaMaskと接続する
「Ape now pay later」を利用する最初の手順として、MetaMaskなどの暗号資産ウォレットと接続する必要があります。
まずはApe now pay laterの公式サイトにアクセスし、画面右上の「Connect wallet」をクリックしてMetaMaskと接続していきましょう。
購入したいNFTコレクションとToken IDを選択(入力)する
MetaMaskとの接続ができたら「Buy NFT」と書かれたボタンをクリックし、購入ページへと移動します。
ここではNFTコレクションをプルダウンで選択し、購入したいNFTのToken IDを入力していきましょう。
上記画像のように、Token IDに関してはOpenSeaのNFT個別ページの作品タイトルから確認することができます。
もしくはNFT個別ページの「Details」の箇所でも確認できるので、このToken IDをコピーしておいてください。
再びApe now pay laterの公式サイトに戻り、OpenSeaでコピーしたToken IDを貼り付けてください。
入力が完了すると、画面の右側にOpenSeaで確認したものと同じNFTが表示されるので、問題なければ「Show terms」をクリックします。
購入条件を最終確認し、問題なければ「Buy NFT Now, Pay Later」をクリックする
最後に、NFTの詳細な購入条件を確認していきます。
- Duration:ローン期間
- APR:ローン金利
- Down Payment:頭金
- Loan Required:ローンの残額
上記の内容を確認して問題なければ、「Buy NFT Now, Pay Later」をクリックしましょう。
購入後は毎月ローンの支払いが発生しますが、支払いが完了するとNFTが保管されているエスクローウォレットから自分のウォレットにNFTが送付されます。
Blue chip NFTを後払いで購入できる「Ape now pay later」まとめ
今回の記事では、NFTをいま購入して後で支払える「Ape now pay later」について解説してきました。
ご紹介したように「Ape now pay later」では、頭金を除いた購入代金がローンとなり、支払いを完了した時点でNFTが購入者のウォレットに送付される仕組みとなっています。
ただし、後払いにしたローン残高には金利が発生するので、その点はあらかじめ把握しておく必要があります。
こういったNFTと金融サービスを掛け合わせたプロジェクトは、これからも新しく開発されると考えられるので、NFT×金融のジャンルにはまだまだ注目しておく必要があるでしょう。