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話題のweb3.0とは?NFTやメタバースとの関係性や分散型インターネットの概要を紹介

解説系記事

web3.0とは、2021年から加速度的に注目を集めているwebの新しい考え方です。

いまだ一般化していないキーワードであるため、一度は耳にしたことがあっても、詳しくは認知していない人も多いのではないでしょうか。

結論を先にいいますと、web3.0の明確な定義はまだありません。しかし、従来のWebの課題を改善できるとされており、次世代の目指すべき姿を現す指針のようなものだと認識していただいてもよいでしょう。

NFT、メタバース、プラットフォーム上の暗号資産やトークンなどを語るうえで、キーになってくるのがweb3.0の概念になっています。

今回は、話題のweb3.0とは?NFTやメタバースとの関係性や分散型インターネットの概要についてまとめて解説していきます。

web3.0とは?分散管理する新しいネットワーク

まずはじめに、web1.0, 2.0, 3.0の違いについて整理しておきましょう。

web1.0はネットワークの古典的な時代と言われており、個人がウェブサイトを作って情報を発信できるようになった時代です。

この時代のインターネットは、ハイパーテキストを使った情報提供が主流であり、またメールなど専用ソフトが使われていました。

情報の発信者と閲覧者との双方向なやり取りは、ほとんどできない時代です。

出典:https://cloud-ace.jp/column/detail247/

web2.0

web2.0は、SNSやクラウドの時代と言われています。

具体的には、情報を受け取るだけではなく、ユーザーが情報を簡単に発信することができる時代のことです。

スマホの普及により、より多くの人がSNSを利用するようになり、Twitterやインスタグラムといったアプリが注目されるようになりました。これらを利用することにより、コミュニケーションの手段がweb1.0と比べて、一方向から双方向へと変わっていきました。

また、「Google、Apple、Amazon、Facebook、Microsoft」といった、いわゆるGAFAMが代表するIT企業がこの時代を牽引しているのも特徴です。インターネットを使ったさまざまなサービスが生まれた時代であると言えます。

出典:https://cloud-ace.jp/column/detail247/

web3.0

これから始まろうとしているweb3.0は、ブロックチェーンの時代と言われています。

具体的には、これまでの読み書きに加えて、これまでのデータは複製することが簡単にできましたが、ブロックチェーンを用いることで所有するデータの真贋性を証明することが可能になります。

web3.0を実現するために、GAFAMなどの特定の企業が提供する、いわゆる中央集権型のサービスに依存するのではなく、非中央集権型(=分散化)のサービス(dAppsなど)を利用することが可能になると期待されています。

web2.0までの時代は特定の企業に、個人情報や購入履歴、行動履歴が集中する傾向にありましたが、web3.0ではそうした情報がブロックチェーン上に記録されることになります。ブロックチェーンは可用性やセキュリティも高いとされていますが、誰でも閲覧可能であるためプライバシーが審判されるという指摘も存在します。

出典:https://cloud-ace.jp/column/detail247/

web3.0の特徴5選

web3.0の特徴としては、大きく分けて5つあります。

特徴1:個人情報などのデータを自己管理できる

例えば、これまでは何かのサービスを利用する際に、メールアドレスやパスワードでログインし、企業側がこれらを一括管理していました。

しかし、ブロックチェーンを使うとウォレットアドレスと呼ばれる、アルファベットや数字を羅列した文字列だけでログインできる時代になります。

このウォレットアドレスは名義のような概念はなく、誰でも簡単にワンクリックでブロックチェーン上に生成できます。当然利用者が誰かというのは誰にもわかりませんので、プライバシーに関しては守られますし、個人情報の漏洩といった概念はなくなります。

また、データに関しても先ほどのGAFAMの例のように、特定の企業などが権限を独占しているような仕組みではありません。多くの人により、分散管理される仕組みです。

仮に、特定の人がデータを消去しようとしても、消去がとても困難な仕組みになっています。仮に悪意を持った人が、ブロックチェーン・ネットワークを構成するパソコン1台をハッキングしたところで、ネットワーク上にあるデータを改ざんすることはできません。

特徴2:仲介組織を介さずに通信できる

web3.0の時代になると、ネットワークを管理する仲介組織を介さず、ダイレクトに通信することができます。

ブロックチェーンの仕組みにより、P2P接続が可能となるので、一部の会社による情報管理が不要となり、利用者同士がダイレクトに通信できるようになります。

特徴3:国や企業に規制されない

web3.0では既存サービスを中央集権型から分散型に変えていくという考え方です。

特定の管理者が権限を独占するのではなく、多くの色々な人によってその権限を分散させて物事を管理していこうという理論です。分散型の大きな特徴として、ブロックチェーンを使うことで分散型のネットワークを構築することができるため、従来のサービスではそもそもできなかったことができるようになります。

特徴4:セキュリティレベルが上がる

分散化によって、ノード(1台のパソコンと捉えてください)が増えることで、ネットワーク全体としてのセキュリティが向上します。

ユーザーがブロックチェーンに書き込んで貯めていくデータは、1つのノードに全て丸ごと書き込まれるのではなく、それぞれのノードで分散して持ち合う仕組みになってます。

例えば、悪意の第三者が一部のノードにアクセスして中身のデータを閲覧したとしても、暗号化された断片的なデータにすぎません。

仮に複合化しようにも一部のデータしか取得できないため、情報をかき集めて複合化するというのは現在の技術では到底無理と言えます。非常にセキュリティが高い技術といえます。

特徴5:ネットワークが安定する

web3.0によりネットワークはより安定稼働します。

「P2P」(Peer to Peer「ピアツーピア」)と呼ばれる技術を活用することで、パソコン間で情報を通信し、それが複数台し、分散型のネットワークを構築することが可能になりました。P2Pネットワークはブロックチェーンの重要な技術のひとつなので、覚えておきましょう。

これにより1つのサーバーにアクセスが集中することを防ぐことができます。その結果、アクセス負荷によるサーバーダウンなどが起こりにくくなります。たとえ、サーバーがダウンしたとしても、P2Pネットワークによりデータが保持されます。そのため、ネットワークの安全性も向上します。

ハッカーがターゲットを狙いにくくなるとともに、P2Pネットワーク上の一定数のパソコンがハッキングされたとしても、過半数を超えなければ論理的にネットワークを乗っ取られることはないため、データなどが改竄される可能性はかなり低い、といえます。

web3.0関連で注目されている技術

web3.0で注目されている具体的な技術についてご紹介しましょう。

メタバース

メタバースとは、一言で言えば「3D仮想空間」です。

仮想現実の世界をインターネット上に作る試みであり、最近ではMetaやGreeが100億円を超える巨額の投資をし、次世代のSNSをメタバースで実現しようと急速に業界が活気づいています。

VRゴーグルをかけてメタバース上の旅行を体験すると、現実世界に戻ってこられないくらい楽しいといわれることも。

今後様々な業界や職種、ゲームなどがメタバースと関係してくると考えられています。

例えば、「フォートナイト」や「Minecraft」「あつまれ 動物の森」などがメタバースを体験できるゲームとして有名作品として挙げられます。あるいは、映画で言うと「マトリックス」のような世界を思い浮かべていただければいいと思います。

「Minecraft」や「あつまれ 動物の森」では仮想世界の中で、自分のアバターを通して農業を体験したり、家を建てたり、現実では物理的に不可能な活動が、ネットワーク上で簡単に体験できます。

このようなリアルでは難しい体験を、リアル感をもって簡単にプレイできることがメタバースのゲームにおけるメリットといえるでしょう。

NFT

NFTとは「Non-Fungible Token:非代替性トークン」のことです。

NFTは、ブロックチェーンを用いることで真贋性を検証できる(唯一無二であることが保証される)ため、資産として価値が発生するという仕組みになっています。絵画や楽曲などのデジタルデータアーティストが直接ブロックチェーン上で販売することができるのです。

多くの場合は、著作者が作成した著作物に対してNFTとして発行します。

このNFTですが、デジタル化できる著作物であれば、ブロックチェーン上で動くアプリで誰でも簡単に発行することが出来ます。

著作者はNFTとデジタル作品をマーケットプレイス上で販売します。

ここで重要なのは、著作者はNFTに販売代金の一部を著作者に支払うというプログラムを仕込むことができること。そのため、転売による収入を見込むことができます。

ですので、近い将来アート、楽曲、ゲーム、アイテムなどを作るデジタル・クリエイティブは活性化すると予想されています。このNFTマーケットプレイスで販売される対象ですが、アート、楽曲、ゲーム、アイテムだけではなく、不動産証明書やライブチケットなどユニークであることを証明できるものであれば何でも販売可能です。

現在代表的なNFTマーケットプレイスには、「Opensea」、「Rarible」、「コインチェック」などがあります。

ちなみにOpenseaは、2021年1月に約8億円だった月次取引高が翌月2月には約100億円となり急成長を見せています。

DeFi

DEX(分散型取引所)などが存在する世界を「Defi: Decentralized Finance」、日本語で分散型金融と呼んでいます。

DeFiの特徴について簡単に「資産の管理方法」、「利用可能時間」、「透明性」の3つの項目に分けられます。

まず、資産の管理方法としてDeFiでは個人で資産の管理を行っています。

そのため、ハッキングを受けたり、保有している資産を失うリスクを減らすことができます。

しかし、反対に自分自身で資産をしっかりと管理する必要があり、万が一パスワードなどを忘れた場合などに資産を失ってしまうことがあります。

次に利用可能時間についてですが、サービスを受けたり、問い合わせをする場合には24時間365日利用可能です。

また、送金時間についてですが多くの場合数分で完了させることができます。

最後に透明性についてです。DeFiでは基本的に誰でもサービス上、商品の詳細を確認することができるため、透明性が高いと言えます。

DeFiは従来の金融サービスと違って、自分で資産を管理しなければならない点などユーザー保護は保証されず、DeFiのサービスを利用するには、ある程度暗号資産(仮想通貨)や投資への知識も身につける必要があります。

そのため、どちらが優れているということではなく使用する場面や人により適切な選択をすることが大切です。

SocialToken

SocialToken(ソーシャルトークン)とは、主に「DAO(分散型自律組織)」において共同プロジェクトやコミュニティとして機能したり、コミュニティのメンバーシップへの貢献を可視化するトークンです。

例えば、トークン保有者のみが目を通すことができるコンテンツへのアクセス権、コミュニティの管理に関する意思決定のための議決権などがあります。

また、SocialTokenは、その発行者が個人か団体かによって、2つの種類に分かれます。

コミュニティソーシャルトークン(コミュニティトークン):

グループやコミュニティを中心に発行されるトークンのことで、トークン保有者だけのメルマガ発行や、非公開のDiscordチャンネル(限定コミュニティ)への招待といった特典を実行するために用います。

インディビジュアルソーシャルトークン(パーソナルトークン):

個人が発行するソーシャルトークンのことで、アーティストやクリエイターが発行する場合が多いです。

その特性から、ファンがダイレクトに発行者を応援できる「クリエイターエコノミー」を形成する1つの手段としても着目されています。

web3.0に関心を持つエンジニア向けのコミュニティ「UNCHAIN(アンチェーン)」でも、コミュニティトークンとして「$CHAI(チャイ)」が発行されていました。

この「$CHAI」は、Discordへの投稿内容やメンバーのリアクションを解析して、コミュニティ内での学び合いに貢献した人に付与される仕組みになっています。

web3.0を活用したサービス

web3.0を活用した具体的なサービスについてご紹介しましょう。

Brave

まず1つ目の例が、「Brave」というブラウザのサービスになります。このブラウザは使えば使うほど「BAT」という暗号資産がもらえるような機能を持っていることから、現在世界中で爆発的に支持を集めています。

ユーザー面では広告をブロックしてくれ、さらに暗号資産をもらうことができることになります。もちろん、プライバシーを最優先に考えて作られてもいるため安心。また、関連するデータはサーバー上では一切管理をされず、全て個人のパソコンの中に保管される仕組みになっており、このブラウザの開発会社ですら、個人のデータを覗くことができないような仕組みになっています。

web広告だけではなく、マルウェアなどの外部からの攻撃なども防いでいますので、これからの時代にマッチをした仕組みとなっているのではないでしょうか。
現在主流のGoogle ChromeやAppleのSafariなどに代わるブラウザになるのではないかとも言われています。

My Crypto Heroes

My Crypto Heroes(マイクリプトヒーローズ)は、日本で展開されたブロックチェーンゲームです。

暗号資産を稼げるゲームとして着目されており、NFT化されたキャラクターやアイテムなどの価値が暗号資産によって担保されているのが特徴です。

キャラクターやアイテムのNFTを取得できるので、それらを「OpenSea」などのマーケットプレイスで売買することができます。

Opensea

3つ目に紹介をしておきたいのが、「Opensea」というNFTマーケットプレイス。Openseaは現在世界最大のNFT界のアマゾンみたいなマーケットプレイスです。自身のウォレットアドレスを接続するだけで、すぐに世界中の様々なNFTの売買ができます。もちろん、NFTを購入することで、所有権はユーザー側になります。

web3.0の注意点

どのサービスもweb2.0の問題を解決するため生み出され、徐々に身近なものになりつつあります。数年後には、当たり前に受け入れられている可能性は高いでしょう。
最後にWeb3.0の注意点について整理します。

利用上のトラブルが自己責任であること

大きな課題としては、全てが自己責任だということが挙げられます。

分散型の場合、中央集権型とは違い、データを個人で管理していきます。

仮にウォレットアドレスを紛失してしまうと、重要なデータや資産などが取り出せない、失ってしまう可能性すらあります。

従来のようにデータが集中的に管理されていないため、分散型サービスでは、問い合わせ窓口、サポートセンターのようなものは存在しません。この辺りに関しては、中有集権型で管理されている方が安心だと感じる人も多いのではないでしょうか。

現在は移行期であり、今後完全に中央集権がなくなり、分散型に完全移行することは少ないと言われています。

このような課題からweb3.0のサービスが世間一般的に利用されるようになるまではかなりの時間がかかると予想されます。

また、先ほどのDefiやブロックチェーンゲームなどの例でも挙げたように、現時点ではごく一部の間でしか利用されていません。だからこそ、今のうちに少しずつ慣れておけば、先行者利益を受けられる可能性は高いです。実際に2020年〜2021年に先行者利益を獲得できるチャンスはありました。

時代を先取りするためにも、すでにリリースされているサービスを利用して勉強したり、知識や技術を増やしたり、少しずつ慣れていくことを推奨します。ただし、リスクも潜んでいるため、多額の資金をまとめて投入することはないようにしましょう。

法的な整備が整っていないこと

web3.0の概念はいまだ浸透しておらず、紹介した技術やサービスに関しても、法律が明確に定められていないのが現状です。これから法整備が進行し、web3.0が世間一般化するにはまだまだ時間がかかりそうです。

国会でも議論が活発化しており、国内経済の核とすべきといった意見や評判もあるカテゴリーでもあるため、今後の動向に着目し情報にアンテナを張るようにしましょう。

成長に時間がかかること

成長に時間がかかることの問題も見逃せません。

ブロックチェーンではユーザーが増加すればするほど、やりとりにかかる負担や時間も増えていきます(スケーラビリティ問題など)。これからweb3.0のサービスを成長させるために課題も多く、その解決策が検討されています。

具体的には、取引履歴を削減し、ネットワークの負荷を減らすような仕組みの改善が進んでいます。特に利用者間のやりとりにおいては、途中のやりとりの履歴を残さず、やりとり後の最終的な結果のみを残すことで、負荷を減らせるという仕組みが検討されています。

web3.0は新しいインターネットの形!今後の進展にも期待!

web3.0では中央集権から分散型のネットワークへと移行していくことで、「トークンエコノミー」や「クリエイターエコノミー」はさらに浸透していくのではないでしょうか。

NFTのデジタルアート取引が注目されていますし、、インフルエンサーや芸能人がwWeb3.0に移行するようになれば、さらに新しいクリエイターエコノミーが構築されていくことが考えられます。

web1.0の時代からweb2.0への移行と同様に、web2.0からweb3.0への移行も急速な変化ではなく、ゆっくりと推移、あるいはweb2.0と併用していくものになるでしょう。web3.0が拡大するイメージは、まだ不明瞭ですが、今後の進展に着目していく必要があるでしょう。

Leo

Leo

投資系記事を中心として、特に初心者向けに知識やノウハウに関する記事で、2010年より活動しているライター。ブロックチェーンという新しい技術と、暗号資産やNFTの可能性に魅せられ、時代の変革期に立ち会っているかも知れないという思いから、『新しい世界を誰にでもわかりやすく』をモットーにお伝えしている。
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