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NFTとして売買もできる暗号資産のドメインサービス「ブロックチェーンドメイン」で自分だけのドメインネームを作ってみよう!

ハウツー系記事 解説系記事

大物アーティストや世界的な有名企業がブロックチェーンドメインを取得して、TwitterなどSNSに使用する事例が多く見られるようになってきました。

ブロックチェーンドメインとはどのような仕組みで、どのような魅力があるのか。

具体的な使用方法などとあわせて紹介していきます。

ブロックチェーンドメインとは

暗号資産の取引に必須なMetaMaskなどのウォレットアドレスは、0xfef…のような16〜24文字で表示されます。

暗号資産の取引の際、「アドレスの入力を一文字でも間違えると暗号資産の受け取りに失敗するので十分に気を付ける必要がある」ということは誰もが認識している事だと思います。実際、これは暗号資産取引の一つの問題として以前より指摘されていました。

それを解決してくれるのが、「ブロックチェーンドメイン」で、長いアドレスを「~.eth」のようにわかりやすい名前に変換してくれるサービスです。

ウォレットアドレスだけでなくWebサイトでの使用も可能になってきており、個人に留まらず企業などでも使用されるようになり、利用価値は高まってきています。

DNS(ドメイン・ネーム・サービス)との違い

「.com」に代表される一般的なDNSサービスと同じ考え方ですが大きく異なる点がありますのでその違いを簡単に紹介します。

  • 「.com」のDNSサービスは「ICANN」という非営利団体が管理をしている中央集権的なサービスである。
  • ブロックチェーンドメインサービスは、イーサリアムブロックチェーンなどのP2Pネットワークで発行されているため、管理者が不在の非中央集権的なサービスである。
  • ブロックチェーンドメインサービスはNFTとして売買が可能である。

メリット・デメリットは以下の通りです。

DNSサービス ブロックチェーンドメインサービス
耐検閲性(管理者によるサイト閉鎖など)の可能性 高い 低い
DDos攻撃など、サイバー攻撃を受ける可能性 高い 低い
ウォレットアドレスがオープンになる(取引内容がオープンになってしまう)可能性 低い 高い(暗号資産ウォレットと直結しているため)

 

上記の他、ブロックチェーンネームサービスは、実際に使用できる取引所などのサービスが少ないので、ドメインネームを取得しても今のところ利用できる場所がとても少ないです。

ブロックチェーンドメインの歴史

歴史は意外と古く、2011年4月にビットコインがフォーク(分裂)した「Namecoin」が、ブロックチェーンドメインとして初めてBTCブロックチェーン上で誕生しました。

その後2020年になるとドメインブームが起こり、2020年8月に「sex.crypto」というドメインがOpenSea上で230ETH、当時の価格で約9万ドル(約950万円)で売買されました。

(引用元:https://twitter.com/unstoppableweb/status/1299402487393325057?s=20&t=LF5mMyyOnkWYB36WNx579Q

これは、OpenSea上の単独NFTの二次販売としては史上最高値での取引となりました。

2021年8月には、ビールの大手メーカーである「Budweuser(バドワイザー)」が「beer.eth」を30ETH、当時の金額で約9万5,000ドル(約1,040万円)で購入すると、更にブロックチェーンドメインサービスの需要が増え、この後24時間でOpenSeaでのドメイン購入が300%増加しました。(記事参照元:https://www.coindeskjapan.com/123664/

(引用元:https://opensea.io/assets/ethereum/0xe18a32192ed95b0fe9d70d19e5025f103475d7ba/57896044618658097711785492504343953927996121800504035873582290433683637666878

最近では、2022年7月4日に「000.eth」が300ETH(約32万ドル、日本円で約4,300万円)で販売され、6月26日から7月4日の一週間でのNFT売上の最高値を記録しました。

(引用元:https://twitter.com/ensjournal/status/1543660436528238593?s=20&t=n1zIahEcz5D9Sxmmqnudyg

(引用元:https://dappradar.com/blog/ens-domain-names-shine-and-galz-make-a-mark?utm_source=Newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=NFT&utm_id=04_07_2022

ブロックチェーンドメインサービスの紹介

現在ブロックチェーンアドレスを提供しているサービスはたくさんありますが、その一部の特徴や購入方法などを紹介します。

ENS(Ethereum Name Service)

ブロックチェーンドメインサービスの最大手で、OpenSeaでのTVLは42.8kを誇ります。

  • 公式サイト:https://ens.domains/ja/
  • Launch:2017年5月
  • 取扱いドメイン:「eth」のみ
  • 対応チェーン:イーサリアム
  • 購入通貨:ETHのみ
  • 特徴
    • DNSとの連携
      既に利用しているDNS名をENSと統合することができます。
      これにより、従来の「〜.com」の名前を、暗号資産の受取アドレスとしても使用できるようになります。

      • 対応しているDNS
        • .com
        • .org
        • .io
        • .app
        • .xyz
        • .art
      • 価格設定
        年間の費用はドルで記載しますが、実際には相当のETHでの支払になります。また、別途ガス代が必要です。

        • 5文字以上.eth:5ドル/年
        • 4文字.eth:160ドル/年
        • 3文字.eth:640ドル/年
  • 取得できる文字は英語の他、日本語や絵文字などでも可能です。
  • 契約期間:最低1年

購入方法

公式サイトで「アプリを起動」をクリックします。

アプリが起動したらMetaMaskを接続します。

この時、MetaMaskのチェーンがイーサリアム以外になっているとエラー画面になりますのでご注意ください。

検索画面に希望する文字を入力して、使用できる場合は「利用可能」と表示されます。

今回は「yukimasa」と入力してみると「利用可能」となりました。

このまま登録(購入)したい場合は「利用可能」をクリックすると下記の画面になるので必要な項目を確認し、登録手続きを行います。

すでに登録されているドメインの例を紹介します。

文字列に「こんにちは」と入力すると既に登録されているので「利用不可」になっているのが確認できます。

「利用不可」をクリックすると、登録者や期限などの登録状況が表示されます。

「こんにちは.eth」をOpenSeaで検索してみると、1.89ethで販売されていました。

(引用元:https://opensea.io/assets/ethereum/0x57f1887a8bf19b14fc0df6fd9b2acc9af147ea85/112318947606391372951289916614297897477908220755032901027231273857060080329303

Unstoppable Domains

ENSに続く有名なブロックチェーンドメインサービスです。
先述した9万ドルで売買された「sex.crypto」はUnstoppable Domainsで登録されたドメインです。

  • 公式サイト:https://unstoppabledomains.com/ja-jp?ref=e4482dd005e5430
  • Launch:2021年7月
  • 使用ドメイン
    • .crypto
    • .nft
    • .x
    • .wallet
    • .bitcoin
    • .dao
    • .888
    • .coin
    • .zil
    • .blockchain
  • 対応チェーン:Ethereum、Polygon
  • 決済方法
    • クレジットカード
    • PayPal
    • 暗号資産
    • Crypto.comアプリ
  • 特徴
    • 必要な費用は登録費用のみでガス代、更新料は不要
    • クレジットカードで購入可能
    • ドメイン名は下記の項目でも使用可能
      • アプリWebサイト共通のユニバーサルユーザー名
      • webサイトURL
      • ウォレット決済用メールアドレス

2022年1月に「Login with Unstoppable」というサービスが開始されました。

これは、Googleアカウントで様々なWebサービスにログインできるように、Unstoppable Domainsで取得したドメインネーム一つでログインできる機能です。

現在、この機能を利用できるWebサービスの数は少ないですが、今後増えてくると予想され、利用価値が更に高まると期待されています。

購入方法

実際に購入してみましたので購入方法を紹介します。

トップページからサインアップを行います。

登録はメールもしくはGoogleで行ったあと、ウォレットの接続も行います。

ドメイン検索画面になるので「yukimasa」と入力して「検索する」をクリックします。

なお、ドメインネームは英語と数字のみで日本語には対応していません。

検索結果が出て、それぞれの価格もドル価格にて表示されています。

上記以外にも「yukimasa」の候補文字と価格が表示されます。

今回は「yukimasa.crypto」を購入しますので、カートに追加します。

カートに移動します。

「米国にお住まいですか?」にチェックを入れ、チェックアウトをクリック

決済方法が4種類から選択できます。
今回はクレジットカードを選択しました。

購入が完了しました。

ドメイン登録料の他、手数料などは一切かかっていません。

続いてミントを行います。

購入したアドレスをブロックチェーンに記録させる作業なので、ここではウォレットが必須になります。

ミントを行うと下記の画面になりますが、このまましばらく放置で大丈夫です。

5分程度でミントが終わっているのでトップ画面の「私のドメイン」をクリック。

ミントが終わり、「yukimasa.crypto」のドメインが完成しています。

自動的にOpenSeaにもミントされているので確認してみます。

先ほど購入したアドレスがマイコレクションに表示されていました。

プロフィール画面の紹介をします。

アバターはウォレット内にあるNFTとNFTではない画像も登録することができます。

登録してみました。

「Crypto」をクリックして取得したドメインネームで受け取れる暗号資産を登録します。
表記されていない通貨は「Add Currency」で追加できます。

その他、URLやTwitterなど、様々な項目がありますので、本格的に使用した方はプロフィールを充実して使用することができます。

Quick

  • 公式サイト:https://quik.com/
  • 使用ドメイン
    • .metaverse
    • .vr
    • .cain
    • .address
    • .i
    • .bored
    • .doge
    • .shib
    • .btc
    • .web3
    • 特徴
      • 対応チェーンはETHの他、BSC、GateChainに対応
      • 取得したドメインはwebサイトにも使用可能
      • .dogeなど一部ドメインには画像が付属して登録される
      • Quickサイト内のマーケットプレイスでドメインの売買が可能
      • 購入はETHのみ
      • ドメインの販売ごとに5%~10%のロイヤリティを得ることができる
      • ドメインの更新料は不要

購入方法

購入は3ステップで完結します。

  1. トップ画面のに望する文字列を記入し検索する
  2. 一覧が出てくるので希望するドメインの「mint」をクリック
  3. ETHで決済

「yukimasa」で検索すると一番安い「.doge」が0.12ETH、高いもので「.metaverse」、「.vt」で0.3ETHです。

「.doge」など、画像がつくイメージは下記の通りです。

(引用元:https://quik.com/collection/dot-doge-domains

「Doge」の他「.vr」や「.chain」などにもオリジナルの画像が付与されています。

Hazama Domains

日本発のドメインサービスです。

  • 公式サイト:https://quik.com/collection/dot-doge-domains
  • 運営会社:合同会社StarField
  • 特徴
    • 株式会社Indiesquareが提供しているブロックチェーン技術である「HAZAMA」を使用したブロックチェーンドメインサービスで、取得できるドメインは「HAZAMA」のみ
    • HAZAMAドメインを持つことにより、ビットコインやイーサリアムなど、異なるチェーンの暗号資産が「HAZAMA」のネットワークで送受信が可能になる
    • 英語のみ10文字以上のロングドメインが20ドルから購入可能
    • ドメイン購入はクレジットカードで可能で更新料も不要

Decentraland Names

  • 公式サイト:https://decentraland.org/blog/project-updates/manage-names-in-the-builder/
  • 特徴
    • Decentraland内で使用するドメインサービス
    • ランド内で使用する名前を取得することにより、アバターの管理ができる他、所有している区画・不動産のURLの代わりに名前を使用することができ、容易にリンクが可能になる。
    • Openseaで売買が可能

(引用元:https://opensea.io/collection/dcl-names

Bonfida

  • 公式サイト:https://naming.bonfida.org/
  • 特徴:Solana上のドメインサービス
  • 取得可能ドメイン:.sol
  • 支払通貨
    • fidaトークン
    • Browse Domainsというカテゴリーで「.sol」を提供しています。
    • 英文字の他、絵文字も使用可能で下記のようなドメインがサイト内マーケットプレイスで販売されています。

(引用元:https://naming.bonfida.org/auctions

Bonfidaでは、Twitterハンドルネームや、solドメインを使用してファントムなどと取引ができます。
Solanaを使用しているユーザーにはとても便利なサービスです。

まとめ

ブロックチェーンドメインは人気が出て間もないサービスということもあり、NFTの売買としての利用が主で、実際にドメインネームで取引できる暗号資産取引所やDEXなどのサービスはまだ少ないのが現状です。

しかし、著名人やインフルエンサーがTwitterのハンドル名で使用するなど、ステータスシンボルとして利用することが増えてきたこともあり、今後は様々なシーンで活用できるようになると推測されます。

利用者が増えると欲しいドメインネームの取得が難しくなる可能性もあるので、今のうちに理想のドメインを取得してみてはいかがでしょうか。

Yukimasa

Yukimasa

ブロックチェーン歴6年のライター。ブロックチェーンは必ず新しい時代を築き上げると確信し、その一躍を担うべく本格的に執筆活動中。とどまる事なく進化し続けるNFTやCryptoに関わる情報を初心者にもわかりやすく、そして的確に伝えていく。
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