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萌系・アニメ系のNFT「Love Addicted Girls」は何がすごいのか?

解説系記事

NFTでは、デジタル絵画などの1点もののアート系作品だけでなく「キャラクターNFT」も高い人気があります。「退屈な類人猿」で有名なBAYC、ストリートスタイルの「Azuki」など数多くのキャラクターNFTが存在して高額で取引されています。

キャラクターものは日本人のお得意ジャンルで、ハローキティやポケモンは世界の人を魅了しています。日本のアニメは世界で人気があり、NARUTOやワンピースのキャラクターは、ディズニーキャラクターに並ぶ知名度があります。

こういったなか、日本からキャラクターNFTを発信する動きが出始めています。なかでも注目されるのが「Love Addicted Girls」というコレクションです。

萌系・アニメ系のNFTで「日本が誇るオタク文化を世界に広げる」ことをコンセプトにしており、多くの企業やグループとのコラボも実施され盛況を見せています。

この記事では、Love Addicted Girlsの特徴や用いられるパーツを紹介し、今後の展開から「日本が誇るNFTコレクション」に成長する可能性について解説します。

Love Addicted Girlsの特徴

「Love Addicted Girls」は、「soudanNFT」によって作られたNFTコレクションです。取り扱っているのは主に萌系・アニメ系の作品です。

soudanNFTが会社名で、そのレーベルとして機能しているプロジェクト名が「Love Addicted Girls」です。

引用元:soudanNFT

公式サイトには「日本の投資家とクリエイターが協働する会社」であり、投資活動とクリエイティブ活動に注力すると書かれています。

日本発NFTらしい「萌え」「アニメ」要素

NFTに興味を持つきっかけは人それぞれです。「投資案件」と考える人もいれば、「新しいアート空間」と考える人もいます。興味を持った人がまず目にするものは、アメリカの「ジェネラティブNFT」「キャラクターNFT」というケースが多いでしょう。

引用元:Twitter

毎日「NFTの売上」を集計して発表しているツイッタラーによると、海外NFTは「CryptoPunks」「BAYC」「MAYC」が2022年7月26日のトップ3です。トップ3のNFTは以下の通りです。

第1位:CryptoPunks

引用元:OpenSea

第2位:BAYC

引用元:OpenSea

第3位:MAYC

引用元:OpenSea

CryptoPunksは8ビットコンピューターで描いたような「トッド絵」です。BAYCは類人猿、MAYCはBAYCの絵をさらにグロテスクにしたものです。

普段アニメやマンガに接している日本人がこういった作品を見たときに「素敵」「可愛い」といった感想を持つかというと、かなり疑問です。「これ最高だな」と思う人はあまり多くないでしょう。あまりにも価値観が違いすぎて「ついていけない」と考えても無理はありません。「これがトップ3?」と疑問を持つ人もいるでしょう。

引用元:Twitter

「悪趣味」「気持ち悪い」というのが正直な意見ではないでしょうか。「どこが良いんだ?」というのは日本のポップカルチャーの受け手としては当然の感想と言えます。日本でNFTの人気がいまひとつなのは、「売れている作品に魅力が感じられない」というのが要因のひとつになっているという推測もあります。

「Love Addicted Girls」は、日本人が見て「可愛い」「萌える」と思える絵柄をNFTにして販売し、日本にもっとNFTが根付くことを狙っているコレクションです。以下のような作品が揃っており、海外作品とは明確に違うことが分かります。

引用元:OpenSea

こういった絵柄なら日本人、特に「オタク」な人たちには「可愛い」「楽しそう」という感想を持ってもらえるでしょう。「日本円でETHを買って作品を購入」というアクションを起こす可能性も、海外コレクションより高いだろうという推測は充分に成り立ちます。

Love Addicted Girlsは萌系やアニメ系の絵柄を中心にしたコレクションで、アニメやイラスト、ゲーム業界などで活躍する日本のクリエイターにNFTを作ってもらって、NFT文化を日本に広めようというコンセプトを持っています。

実際、「Love Addicted Girls」は先程の売上ランキングでも日本の第4位にランクインしています。日本のランキングと海外のランキングには明確な違いがあり、「日本人には日本人向けのNFTが売れる」ことが良く分かります。

soudanNFTコミュニティが制作

「Love Addicted Girls」は「LAG」という愛称でファンを獲得しつつあります。日本のオタク文化を象徴するような美少女デザインで、「顔・髪・服・背景」の4つのパーツを組み合わせる「ジェネラティブNFT」です。

「Love Addicted Girls」は直訳すると「恋愛中毒の女の子」になります。「今まさに恋に落ちている女の子」で、セクシーなキャラクターも創作されており、「気になっている男性を誘っている」ような雰囲気をだしています。

引用元:OpenSea

LAGを制作したsoudanNFTは、NFTコレクターとして知られている「はやっち」さんが創設したコミュニティです。

日本はアニメやイラストを手掛けるクリエイターの質は世界的に見ても高いものがありますが、NFTでは世界に大きく遅れを取っています。soudanNFTは日本のクリエイターが世界を相手に活動する際のサポートを行っています。

引用元:Twitter

多くの有名イラスレーターをパートナーシップを組んで世界的プロジェクトに育てようという気概が感じられます。

目指しているのは「日本のNFTプロジェクトが世界と戦えるようにすること」です。soudanNFTのDiscordはDAOは組織になっていて、メンバーが意見交換しながら、多彩なプロジェクトを進めています。

Discordのコミュニティメンバーはすでに4万人近くまで増加しており、確実にファンを増やしています。

コンセプトとキャラクターデザイン

「Love Addicted Girls」のコンセプトは「気になるあの人に気づいてほしくて、ちょっと大胆になっちゃった女の子」です。

日本のラブコメアニメやハーレムアニメを思わせるコンセプトです。日本のアニメは世界的な人気を博していますが、ラブコメやハーレムものに登場する「えっちなキャラクター」は海外のオタクの人たちに絶大な人気があります。

Love Addicted Girlsのキャラクターたちは大胆でセクシーな衣装を着ており、媚びを売るようなポーズを取り、見ている人の気を引こうとしています。

公式サイトには「普段からそうではないんです。あなたのために背伸びをして、普段は見せない大胆さを見せているだけ」と記載されています。

メインのデザインを手掛けたのは萌系のイラストで有名な「KURAMIN」さんで、自身もOpenSeaで作品を発表しています。

引用元:OpenSea

先行予約リスト(ホワイトリスト)に入っている人向けの「プレセール」が2022年2月13日、一般販売のパブリックセールが2月14日に開始されましたが、販売開始から1分で完売しています。

現在はOpenSeaで二次流通が行われており、2022年7月27日時点でフロア価格(最低価格)0.07ETHで取引されています。

参加アーティスト

Love Addicted GirlsはメインのイラストはKURAMINさんが手掛けていますが、一部のイラストはNFT業界でも有名なアーティストが手掛けています。

・onigiriman

引用元:Twitter

・碧 風羽 Foo Midori

引用元:Twitter

・sashimi

引用元:Twitter

・ミナミ

引用元:Twitter

人選も的確で、Love Addicted GirlsがNFTプロジェクトとして確実な成長戦略を持っていることをうかがわせます。

このほか、「uwucrew」や「KillerGF」など著名な日本のNFTプロジェクトがパートナーとなっています。宣伝活動も積極的で、今後は街中で「LAG」ガールズを見かける機会も増えるでしょう。

Love Addicted Girlsのパーツ紹介

NFTアートで良く見られる言葉に「ジェネラティブ」というものがあります。Love Addicted GirlsもジェネラティブNFTです。ジェネラティブという手法で大量に作成されたものですが、その手法について知識を持っておくことは、これからNFTのコレクションをするには重要です。

ここでは、Love Addicted GirlsがジェネラティブNFTとして「どのようにして制作されたものか」を解説します。

パーツの組み合わせで1枚のオリジナル画像を作る

ジェネラティブNFTとは、プログラムによって自動生成されるNFTのことで、プログラム処理によって顔の表情や服装、装飾などのパーツを自動的に組み合わせるものです。

たとえば、OpenSeaのLove Addicted Girlsコレクション内にある「LAG#0491」は以下の画像です。

引用元:OpenSea

肌の色は褐色で、髪は銀髪という特徴があります。この画像の下に以下のような説明が記載されています。

引用元:OpenSea

「アクセサリーはヘッドレスパール」「背景はスターイエロー」「体はシフォンピンク」「エフェクトはフェザー」などと記載されているのが分かります。

こういった要素をNFTでは「レイヤー」と呼びます。

Love Addicted Girlsでは「Background(背景)」「Body(体)」「Face(顔、顔立ち)」「Hair(髪、髪飾り)」の4つのレイヤーで構成されます。

4つのレイヤーに複数の種類のパーツが割り当てられています。1つのレイヤー内のパーツの数も決められており、よりレアなパーツが使われているほど「レア度が高い」コレクションとなります。

Background

BackgroundにはCelestial Moon、Water Blueなど29種類があります。

Celestial Moon

引用元:OpenSea

Water Blue

引用元:OpenSea

Body

BodyにはBunny Red、Dealer Whiteなど79種類あります。

Bunny Red

引用元:OpenSea

Dealer White

引用元:OpenSea

Face

Faceには、Baes Sun、Base Whiteの2種類があります。

Baes Sun

引用元:OpenSea

Base White

引用元:OpenSea

Hair

Hairには、Shoulder Length、Choco Cornet Purpleなど63種類があります。

Shoulder Length

引用元:OpenSea

Choco Cornet Purple

引用元:OpenSea

コレクション開始からマイナーチェンジが行われており、「Eye(瞳)」、「Accessory(アクセサリー)」などの選択肢が設けられるようになっています。

「希少枠」とは?

先程挙げた「コラボアーティスト」の作品は希少枠と言われています。4000作品のうち、約0.5%がコラボアーティストによる作品です。

4つのレイヤーが「Foo」「Kuramin」「Minami」「Onigiriman」「Sashimi」「Sonya」などのアーティスト名で掲載されているものが希少枠で、たとえば「Minami」さんの作品は50ETH以上の高額で売られています。

引用元:OpenSea

他のアーティストの作品は、2022年7月下旬ではまだそれほど高騰はしていません。NFTでは「人気コレクションのなかでも希少な作品」はいずれ高値で取引されるようになることがあります。今のうちに入手しておくと良いかもしれません。

多彩なホルダー特典を用意している

soudanNFTは、もともとDiscordのコミュニティです。NFT初心者へのサポートや、NFT紹介、オークション、ミント企画など多くの取り組みを行っています。

soudanNFTは「投資家とクリエイターをつなぐ」ことを重視しており、「Love Addicted Girls」のホルダーへの多彩な特典を用意しています。

公式ホームページでの発表

引用元:Love Addicted Girls

限定グッズ販売サイトの開設が予定されています。

「エアドロップ」というのは、NFTの世界では「キャラクターのNFTを一定期間保有しているホルダー」に無料配布するイベントです。先行予約という形で、「新規発行される作品」を安く入手できることもあります。

Love Addicted Girlsでは、LAGのキャラクターNFTを保有している人に新規発行のNFTを無料で配布したり、先行予約できたりという特典を得られます。

NFTプロジェクトでは「ホルダーに対する特典」を用意することは多く、投資商品として作品をとらえるのではなく「プロジェクトのファン」になってもらいたいという施策を実施することは珍しくありません。Love Addicted Girlsでも、ホルダーに新規発行のエアドロップやアーティストコラボのNFTのエアドロップが計画されています。

国内ホルダーを増やす施策

Love Addicted Girlsは2022年6月8日、「国内ホルダーを増やす施策」を実行することを発表しています。

たとえば、「LAGホルダーはベリロンCNP」のホワイトリスト入りが確定します。ホワイトリストは一般販売の前に実施される「プレセール」への参加のことで、LAG保有者は新しいプロジェクトのホワイトリスト参加が自動的に決定します。

引用元:OpenSea

Love Addicted GirlsはsoudanNFTという大きなプロジェクトの一環として投入されたコレクションです。そのため、他のNFTプロジェクトとのコラボが容易で、ホルダーは他のプロジェクトに有利な形で参加することができます。

Love Addicted Girlsの保有をきっかけにして、他のNFTプロジェクトに参加することでNFTライフが充実します。

soudanNFTは「日本人にもっとNFTを知ってもらいたい」と考えています。実際にはLAGホルダーは圧倒的に海外率が高く、日本人ホルダーは少ない状況と報告されています。国内ホルダーを増やすための試みは今後も実行されると推測されます。

NFT保有者に報いると発表されている

Love Addicted Girlsを運営するsoudanNFTは以下のように宣言しています。

「複数のNFTプロジェクトから構成されるNFTブランドを作る」
「ブランドを支えるプラットフォームを作って、そこからも収益獲得を行う」

さらに、「ブランドやプラットフォームが充分に構築されたら、NFT保有者やコミュニティ貢献者に報いる」とも語っています。LAGはsoudanNFTにとって「原初のNFT」という位置付けで、長期保有者や大量保有者に対して感謝の気持ちを込めて報いるとしています。

NFTは投資でもあるため、「価格が上がったら売って儲けを出す」という使い方もできますが、「プロジェクトが成長していくのを間近で見られる」という楽しみもあります。

LAGのホルダーは今後のNFTプロジェクトのホワイトリストを付与される可能性が高いことや、長期で保有している人・多く所有している人にはさらに特典を付与すると語っています。

本質はweb3であって、上場企業になるつもりはないとも語っており、新しいスタイルのキャラクタービジネスに成長する可能性があります。

まとめ

日本人による日本人向けのNFTコレクション「Love Addicted Girls」について解説しました。

この記事をまとめてみましょう。

  • 「Love Addicted Girls」は日本人クリエイターによる萌系・アニメ系のNFTプロジェクト
  • soudanNFTという大きなプロジェクトの一環として活動している。
  • 有名アーティストが作品の一部を手掛けている。
  • 顔や背景などを組み合わせる「ジェネラティブNFT」である。
  • ホルダー特典を多数用意しており、今後も長期保有者・大量保有者に報いる計画を持っている。

日本らしいNFTコレクションとして、今後も発展が期待されます。

Spritz

Spritz

Web3領域を専門とするライター。DeFiやNFT分野への投資経験をもとに、クリプトに関する記事を発信しています。これまでに執筆した暗号資産に関する記事は70本以上。特に関心の強い分野は、セキュリティトークンです。ブロックチェーンによってもたらされる社会変革に焦点を当て、初心者にもわかりやすい記事を心がけています。
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