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世界で戦えるNFTプロジェクト「MetaSamurai」とは?

解説系記事

2021年から取引高が急上昇したNFTアートは、日本人が得意とする「キャラクターもの」に高い人気があります。売れているNFTアートの多くはプロフィール画像にも使えるようなポップでキャッチーなもので、ハローキティやポケモンを生んだ日本人なら馴染み深いジャンルです。

日本のアニメ風のNFTは「アニメスタイルNFT」というジャンルを形成しつつあります。「Kiwami」や「Azuki」、「Azuki」などアニメスタイルNFTは高い人気を獲得しています。

引用元:OpenSea

人気のコレクション「Azuki」は日本の忍者アニメそのものと言っていいほどアニメ風です。

2022年に入って日本人が中心となったNFTプロジェクトが大変な勢いで増えており、世界が注目しています。

なかでも「MetaSamurai」はアニメ風NFTでありながら3Dグラフィックというコンセプトで、初回版はリリースから2分で完売するという人気を獲得しました。プロジェクト自体も巨大で今後の展開に期待が集まっています。

この記事では、「MetaSamurai」のプロジェクトの概要、コンセプト、大型コラボを紹介します。

規模感が従来のNFTプロジェクトとは違う

引用元:OpenSea

MetaSamuraiが今までの日本のNFTプロジェクトと違うのは、圧倒的な規模感です。

「犬型の3DグラフィックのNFTコレクション」で、3300アイテムがリリースされています。初回版は0.07ETHで売り出されましたが、現在すでに完売しています。一時は世界ランキング第7位、日本では第1位にランクインし、2022年6月には流通額が合計250ETHに達しました。

次々に発表されるコラボ企画も魅力にあふれていますが、まずはプロジェクトの発信元である「1SEC」と「1BLOCK」について解説します。

運営元はweb3プロジェクト「1SEC(ワンセック)」

MetaSamuraiを発行した「1BLOCK」は、ロサンゼルスと東京を拠点にweb3プロジェクトを開発運営している「1SEC」という会社の事業のひとつです。

引用元:1SEC

1SECは「AI/XR事業」のソフトウェア開発やバーチャルスニーカーなどのNFT関連事業のプロデュースを手掛けている会社です。

「1BLOCK」はデジタルファッションレーベルで、バーチャルスニーカーの「AIR S
MOKE 1」をリリースしたり、AIを搭載したバーチャルヒューマンを企画開発しています。「MetaSamurai」も1BLOCKの取り組みの一環です。

「1SEC」には「世界を1秒でWow!!!と驚かせたい」という意味合いがあります。既存の価値観に縛られることなく「次の時代の当たり前」を創っていこうという意欲的な会社です。

1SECの企業ホームページや社員のインタビューを見ると、「コロナ時代」を強く意識していることが伝わります。コロナは単に流行した病気というだけでなく、人類全体に「新しい生き方」を強制していく存在でした。

今後は人間同士のコミュニケーションに大きな変化が現れることは確実で、今までの常識がまったく通用しなくなる可能性があります。1SECはコロナなどの障壁に左右されない強い事業を展開したいという意欲を見せています。新時代の組織のあり方を提唱している会社と言えます。

「1SEC」のこれまでの実績

1SECは、これまでも多くのユニークなプロジェクトを手掛けています。

ブロックチェーン技術を基盤としてバーチャルランド型プラットフォーム「1BLOCKLAND」を開発し、その第一弾としてスニーカーセレクトショップ「atmos」とコラボーレーションしたNFTを発表しています。

「atmos」は2000年、東京・原宿にショップをオープンした新しい会社で、ファッションとしてのスニーカーをテーマとしています。ショップでは「スニーカーウォール」を設置して、ナショナルブランドとのコラボを初めとした最先端の製品のテストローンチやマーケティングなどを行っています。

引用元:atmos

このほか、「1BLOCKLAND」では、パソコンやスマホのブラウザからバーチャル上でブロックチェーン技術を応用した新しい体験を気軽に楽しめる企画が発表されています。

たとえば、NFTで作ったバーチャルファッションアイテムをARで装着できるアプリ「メタドリップ」がリリースされています。

3D仮想空間でのメタバースが注目を集めており、バーチャルウェアのNFT市場は大変な勢いで拡大しています。「メタドリップ」はARでリアルな身体に着用できるようにすることで、NFTアイテムの「マルチバース化」を推進します。

「1SEC」が発足させたデジタルファッションレーベルが「1BLOCK」

数多くのweb3プロジェクトを手掛ける「1SEC」が発足させた、日本初の「3DCGを軸にしたデジタルファッションレーベル」をうたっているデジタルファッションレーベルが「1BLOCK」です。

ここでは3DCGやブロックチェーンなど最新技術を応用したデジタルファッションやデジタルコンテンツ開発の統合プロデュースを行っています。

1BLOCKが発表した「コレクタブルバーチャルスニーカー」の「AIR SMOKE 1」は、販売開始から9分後に約140万円で完売しました。

引用元:Youtube

また、「世の中に唯一のヒロイン」を送り出す活動で注目されているアーティスト「Backside works.」とコラボしたバーチャルスニーカーも販売されています。

引用元:Youtube

日本人らしいアニメ風のキャラクターをあしらったスニーカーです。

「1BLOCK」のNFTプロジェクトが「MetaSamurai」

NFTプロデュースを手掛ける「1SEC」のデジタルファッション部門「1BLOCK」が2022年6月に発行したNFTコレクションが「MetaSamurai」です。

6月24日には「過去24時間の取扱高」で世界7位に食い込みました。このときの世界第1位は「BAYC」の略称で知られる「Bored Ape Yacht Club」、第2位はNFTの代表格「CryptoPunks」で、こうしたなか日本発のNFTがランク入りするのは画期的な出来事です。村上隆氏と「アーティファクト」がコラボした「CLONE X」に肉薄しました。

初動売上は約2億円を突破しており、「MetaSamurai」は2日連続でTwitterのトレンド入りを果たしました。

引用元:MetaSamurai

公式サイトによると、「MetaSamurai」3333体の公開はプロジェクトの「フェーズ2」にあたります。

フェーズ0は特別な顧客向けのセールで、フェーズ1は初回限定の特別カスタマイズのセールでした。一般顧客向けとして初めてのリリースが「フェーズ2」です。

フェーズ3以降は、アーティストとのコラボなどのスペシャルエディション、ホルダーとのパートナーシップ提携によるホルダー特典の付与などが予定されています。

また、MetaSamuraiは単なるコレクターズアイテムではなく、「特別なグループへのパス」を意味しており、1BLOCKのメンバーシップの役割を果たします。保有者向けに様々なカテゴリーで特別な体験を提供していく予定です。

MetaSamuraiのコンセプト

MetaSamuraiは運営側のスケールが今までの日本のNFTコレクションとは桁違いに大きく、今後の展開に期待が寄せられています。

それに加えて確固たるコンセプトがあるため、NFT事業として従来の会社・組織ではできなかった新規性が感じられます。

ここではMetaSamuraiのコンセプトやロードマップを紹介します。

犬とサムライをモチーフにしたNFTアート

MetaSamuraiは「犬とサムライ」をモチーフにしたNFTアートコレクションです。

引用元:OpenSea

犬がサムライとなって背中に刀剣を持っている姿で、可愛らしくスタイリッシュなアート作品に仕上がっています。

この犬は、世界的に有名な渋谷のスクランブル交差点に繋がる広場の名前にもなっている「ハチ公」がモチーフです。ハチは飼い主が亡くなった後も10年以上にわたって飼い主を待っていた犬として逸話が残っています。アメリカでもハチ公のエピソードを元にした映画がヒットし、スクランブル交差点とともに有名な存在です。

MetaSamuraiがハチ公をモチーフにしたのは、「常にホルダーに忠誠心を持ち続け、味方である存在」を目指しているからです。サムライは将軍や領主を命がけで守った武士道の精神からインスパイアされたものです。

犬とサムライ、どちらも忠誠心の象徴です。「犬とサムライ」は「面白いから」「可愛いから」というだけでなく、いかにも日本的なコレクションを目指した結果採用されたデザインです。

「I got your back」というメッセージの持つ意味

MetaSamuraiのコンセプトは「I got your back」です。

引用元:MetaSamurai

日本語にすると「君の後ろにはわたしがいるよ」となります。

この言葉は「MetaSamuraiに宿す思想を現している」と公式サイトで説明されています。大切な人をサポートしたい、いつもそばにいて守る存在という意味合いが込められています。

サムライは藩主・領主のために命を投げ出す覚悟のある人です。いつでも大切な人のために戦うことができるという武士道の思想が背景にあります。犬は飼い主に絶対的な忠誠心を持ちます。MetaSamuraiは常に「あなたの味方」でいることを誓います。

ロードマップ

2022年8月現在、MetaSamuraiのロードマップは第7フェーズまで発表されています。フェーズ0・フェーズ1・フェーズ2は完了しています。

引用元:MetaSamurai

・フェーズ3
「気鋭のアーティスト」とのコラボーレーションがフェーズ3です。すでにCOACHとルパン三世とのコラボが実現しています。今後さらにサプライズ的なコラボが実現する可能性があります。

・フェーズ4
「MetaSamuraiは単なるNFTのコレクションではない」というのがフェーズ4の思想です。NFTアートに留まらない様々なユーティリティを実現します。MetaSamuraiホルダーが多彩な価値を得られるように、様々な施策を行っていく予定です。特に、MetaSamuraiとデジタルファッションアイテムを組み合わせる企画の実現が期待されます。

・フェーズ5
MetaSamuraiは「1BLOCKVERSEへの参加チケット」という役割があります。「1BLOCKVERSE」はメタバース空間を指していると推測されます。メタバース空間で著名なDJやアーティストを招いたイベントの開催があると思われます。

フェーズ6では「デジタルファッション」、フェーズ7では「Wear to Earn」を実現する予定です。

すでに実現している大型コラボ

フェーズ3を迎えたMetaSamuraiは、すでに大型コラボをいくつも実現しています。

どれも従来の日本のNFTプロジェクトにはなかったレベルのもので、今後のプロジェクトに大きな期待が寄せられています。

ルパン三世

「ルパン三世」の原点回帰的なシリーズとして、若き日のルパンたちを描いた「LUPIN THE ⅢRD」という映画シリーズが公開されています。コミカルなテレビシリーズにはないハードな世界を描いたシリーズとして高く評価されています。

MetaSamuraiはこのシリーズに登場するルパン三世、次元大介、石川五エ門をイメージしたデザインを軸にバーチャルスニーカーを発表しています。発行数はそれぞれのキャラクターのデザインが各40点、映画のデザインが計20点です。

また、2022年8月12日から「LUPIN THE ⅢRD×MetaSamurai」
を発表します。ルパン三世と次元大介、石川五エ門をイメージしたデザインを軸にした「1分の1」スケールの3Dコレクションです。

 

引用元:Twitter

ルパン三世シリーズは世界的に人気があり、アニメシリーズとしても大物中の大物です。歴史あるシリーズとコラボできるというのは、NFTコレクションとしての規模の大きさが感じられます。

COACH

COACHは、1941年創立のグローバルファッションブランドです。日本でも多くの愛用者がいて、誰もが知っているブランドのひとつです。有名ブランドながら購入しやすい価格設定なので、ブランド品とはいってもハードルが低いラインナップです。

COACHは「使いやすい」「買いやすい」だけでなく、「自分らしさ」「勇気あふれる姿勢」というビジョンを持っているブランドです。「自由と平等を掲げる1960年代のニューヨーク」の精神を受け継いでおり、単なる実用品以上の存在を目指しています。

MetaSamuraiは、「LGBTQIA+コミュニティをサポートするためにブランドが発信するメッセージ」である「Go All Out For Pride」キャンペーンと連動し、「COACHスペシャルエディション」のNFTを発行しました。

COACHの価値観である「自分らしさの表現」は、あらゆる次元で愛の多様性を広げるプロジェクトを展開しており、その一環としてMetaSamuraiとのコラボが実現しました。

引用元:OpenSea

COACHのロゴをあしらったNFTが発行され、すでに完売しています。二次流通も高額で、かなりの価値を生んでいます。

まとめ

プロジェクトとしての規模が大きい「MetaSamurai」について解説しました。

最後にこの記事をまとめます。

  • MetaSamuraiはweb3プロジェクト「1SEC」が運営する「1BLOCK」が発行しているNFTコレクションである。
  • 犬とサムライがモチーフになっている。
  • 「君の後ろにはわたしがいるよ」というコンセプト。
  • ルパン三世やCOACHとのコラボを実現しており、今後も多くのコラボが期待される。

MetaSamuraiのNFTは、今後のコラボやデジタルファッションコンテンツへの「参加チケット」の役割があります。NFTのコンセプトに共感できるなら、OpenSeaで入手してみましょう。

Spritz

Spritz

Web3領域を専門とするライター。DeFiやNFT分野への投資経験をもとに、クリプトに関する記事を発信しています。これまでに執筆した暗号資産に関する記事は70本以上。特に関心の強い分野は、セキュリティトークンです。ブロックチェーンによってもたらされる社会変革に焦点を当て、初心者にもわかりやすい記事を心がけています。
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