現在、世界的に大きな広がりを見せているNFT市場ですが、日本国内においても着実にNFTに触れるユーザーの数は増加しています。
そんな中、日本の大手企業である楽天グループが2022年2月にRakuten NFT(楽天NFT)という独自のマーケットプレイスをローンチし、一時期大きな注目を集めました。
この記事では、Rakuten NFTの特徴や取り扱うNFTの種類、NFTを購入する手順などを初心者にもわかりやすく解説していきます。
また、Rakuten NFTを利用する上での注意点などもご紹介していくので、詳しく確認していきましょう。
この記事の構成
Rakuten NFT(楽天NFT)とは?概要や特徴を徹底解説
まずは、Rakuten NFTとはどのような特徴のNFTマーケットプレイスなのか解説していきます。
大手企業の楽天グループが展開するNFTマーケットプレイス
Rakuten NFTとは、日本屈指の大手企業である楽天グループが展開するNFTマーケットプレイスです。
2022年2月25日に正式リリースされ、主にスポーツやアニメ、音楽、漫画などエンターテインメント関連のNFTが多くラインナップされています。特に「ウルトラマン」や「シュート!」といった強力なIPコンテンツがNFTとして発行されている点は注目すべきポイントと言えるでしょう。
また、OpenSeaのようにイーサリアムなどのパブリックブロックチェーン上で開発されているわけではなく、楽天独自のプライベートブロックチェーンを採用していることも大きな特徴と言えます。
現状は日本国内のユーザーをメインターゲットにしていますが、2023年以降はグローバル展開していく予定とのことなので、今後の動向には注目しておく必要があるでしょう。
クレジットカードや楽天ポイントでNFTを購入できるので参入障壁が低い
Rakuten NFTの特徴として、クレジットカードや楽天ポイントでNFTを購入できるなど、とにかく初心者でも使いやすい特徴が挙げられます。
一般的なNFTマーケットプレイスでは、事前に暗号資産を購入してMetaMaskを準備する必要があるなど手順が煩雑ですが、普通のネットショッピングのような感覚でNFTを購入することができます。
古くからの暗号資産(仮想通貨)に触れているGeek(オタク)からすると邪道のようにも思えるかもしれませんが、とにかくNFTユーザーの数を増やすという観点ではよい設計になっていると言えるかもしれません。
「ショップ」と「個人間マーケットプレイス」の2ヶ所でNFTの購入・売買ができる
Rakuten NFTでは、「ショップ」「個人間マーケットプレイス」という2ヶ所でNFTの購入・売買ができるという特徴があります。
ここでいう「ショップ」とは、いわゆるIPホルダーが発行したNFTをユーザーが直接購入できる場所と考えれば問題ありません。
反対に「個人間マーケットプレイス」は、他のユーザーが「ショップ」で入手した後に出品しているNFTを購入したり、自分が持っているNFTを販売できる場所となっています。
このように2つのマーケットによって、役割や特徴が大きく異なっていることは把握しておいてください。
モーメント(トークン)とパックという用語の意味や違い
Rakuten NFTでは、モーメント(トークン)やパックというサイト内で独自の用語を使用してNFTの取引を行っています。
ここでは、この2つの用語の意味や違いについて見ていきましょう。
- モーメント(トークン):画像や動画などをNFT化したコンテンツのこと。一般的なNFTと同義。
- パック:1つもしくは複数のモーメント(NFT)をまとめた商品のこと。上述の「ショップ」でのみ購入できる。
上記のように、モーメントとは一般的なNFTを指す用語であり、パックとは複数もしくは単一のモーメントをまとめて1つの商品としているものと考えれば問題ありません。
普段からOpenSeaなどのNFTマーケットプレイスを利用している方は少し戸惑うかもしれませんが、おそらく初心者にもわかりやすいように独自の用語を使用していると思われます。
Rakuten NFT(楽天NFT)でNFTが購入〜移転されるまでの流れ
最後に、Rakuten NFTで購入したNFTがマイコレクションに移転されるまでの流れを解説していきます。
前述の「ショップ」「個人間マーケットプレイス」でNFTを購入した後の流れをそれぞれ見ていきましょう。
「ショップ」で購入したNFTが移転されるまでの流れ
「ショップ」でパックを購入した場合は、パックの開封→モーメントの確認→マイコレクションへの移転という流れになります。
つまりパックを購入した場合、開封されるまでどのようなモーメント(NFT)が入っているかわかりません。
また、公式サイトでは「開封」「移転」に少し時間がかかると記載されており、移転が完了するとメールで連絡が来る設定になっているようです。
「個人間マーケットプレイス」で購入したNFTが移転されるまでの流れ
「個人間マーケットプレイス」の流れは非常に簡単であり、モーメントを購入するとそのままマイコレクションへの移転が開始されます。
しかし、ここでも完全に移転が完了するまでには少し時間がかかるようなので、その点は注意してください。
Rakuten NFT(楽天NFT)でNFTを購入する方法・手順を解説
ここからは、Rakuten NFTでNFTを購入する手順や方法をスクリーンショットとあわせてご紹介していきます。
一般的なNFTマーケットプレイスとは取引方法が大きく異なるので、事前にしっかりとチェックするようにしてください。
Rakuten NFT(楽天NFT)にアクセスし、楽天アカウントでログインする
Rakuten NFTでモーメント(NFT)を購入するためには、まず楽天アカウントでログインする必要があります。
Rakuten NFT公式サイトにアクセスしたら、画面右上にある「ログイン・会員登録」をクリックしてください。
画面が切り替わるので、自分の楽天アカウントでログインをしていきます。
もし、まだ楽天アカウントを持っていない場合は、このタイミングで作成手続きをしておきましょう。
ニックネームを設定し、利用規約などに同意する
楽天アカウントでログインできたら、次にサイトで使用するニックネームを登録していきます。なお、ニックネームはサイト上で公開されるので、本名やメールアドレスは入力しないようにしましょう。
また、ニックネームは一度設定すると変更できないので、その点は注意してください。
ニックネームの設定が完了したら、利用規約にチェックを入れて「決定する」をクリックします。
無事に各種設定が完了したら、上記のような画面が表示されます。
モーメント(NFT)を検索し、購入手続きを進める
最後に「ショップ」もしくは「個人間マーケットプレイス」でNFTを検索し、購入手続きを進めていきます。
ここでは、それぞれの購入方法を詳しくご紹介していきます。
「ショップ」でパックを購入する方法
「ショップ」でパックを購入するためには、まずRakuten NFTトップページを下にスクロールし、ショップ一覧を表示させます。
左右の矢印マークをクリックすると各ショップを確認できるので、パックを購入したいショップを選択しましょう。
ショップの個別ページに移動したら、「パック一覧を見る」をクリックしてください。
画面が切り替わると、販売しているパックの一覧が表示されます。自分が購入したいパックの枠にある「買い物かごに入れる」をクリックしてください。
買い物かごに追加したら、次に「購入手続きへ」を選択します。
購入したいパックが買い物かごに入っていること確認し、「購入手続きへ」をクリックしましょう。
最後に支払いに関する最終確認をし、問題なければ「注文を確定する」をクリックしてください。もし支払いに使用するクレジットカードを変えたい場合、このタイミングで変更するようにしましょう。
以上で、「ショップ」でパックを購入する手順は完了です。
「個人間マーケットプレイス」でモーメント(NFT)を購入する方法
次に、「個人間マーケットプレイス」でモーメント(NFT)を購入する方法を見ていきましょう。
まずは「個人間マーケットプレイス」の画面に移動したいので、画面上部の矢印で示した箇所をクリックします。
画面が切り替わったら、絞り込みを行いNFTを検索していきます。絞り込みは「ショップ名」「価格帯」などで行うことができます。
購入したいNFTが決まったら、クリックしましょう。
次に「選択して購入する」をクリックします。
画面が切り替わると、販売されているNFTがシリアル番号別に表示されるので、購入したいNFTにチェックを入れましょう。
チェックを入れたら、「買い物かごに入れる」を選択します。
買い物かごに追加されると上記の画面が表示されるので、「購入手続きへ」をクリックしてください。
再び画面が切り替わるので、「購入手続きへ」をクリックしましょう。
あとは「ショップ」でパックを購入する手順と同様にクレジットカードで決済すれば、NFTを購入することができます。
Rakuten NFT(楽天NFT)で取り扱うNFTの種類をいくつか紹介
次に、Rakuten NFTで取り扱っているNFTの種類をいくつかご紹介していきます。
具体的にどのようなNFTを購入できるのか気になる方は、ぜひ詳しく確認してみてください。
ULTRAMAN(ウルトラマン)
Rakuten NFTで購入できるNFTとしてまず挙げられるのが、ULTRAMAN(ウルトラマン)です。
このNFTシリーズのために特別にCGで制作されたデジタルジオラマアートとなっており、劇中を思い浮かべられるような動画コンテンツとなっています。
ULTRAMANが好きな子供はもちろん、大人まで楽しめるNFTと言えるでのはないでしょうか?
日刊スポーツ
Rakuten NFTでは、現存する日本で最も古いスポーツ新聞である日刊スポーツのNFTをラインナップしています。
主に競馬レース関係のNFTを販売しており、過去の大きなレースの結果を記載した新聞紙面や出走表などがNFT化されています。
また、漫画家・コメンテーターとして有名な黒鉄ヒロシ氏によるイラストをNFTにしたシリーズも人気を博しており、第1弾は約75分で完売するなど大きな話題となりました。
普段から日刊スポーツを愛読している方や、競馬好きの方には魅力的なNFTシリーズと言えるでしょう。
Daiki Sound(ダイキサウンド)
Rakuten NFTでは、音楽レーベルやCD販売、各種イベントの開催を行うDaiki Sound(ダイキサウンド)のNFTも購入することができます。
現在はNFTトレカを販売しており、アンダービースティーという女性アイドルグループのトレカなどをラインナップしています。
また、2022年6月には第2弾となる「安全だいいち」というVtuberのNFTトレカを販売し、約30分で完売するなど大きな話題となりました。
Kayama Yuzo NFT
Kayama Yuzo NFTとは、大物歌手として知られる加山雄三氏の名曲「お嫁においで」のデモ音源をNFT化しているシリーズです。
ただ単にデモ音源をNFTにしているだけでなく、加山雄三85歳記念モデルウクレレをもらえる権利が付与されるNFTもあるなど、しっかりとした付加価値も提供されています。
加山雄三氏のファンの方には嬉しい特典があるので、気になる方はぜひKayama Yuzo NFTの専用ページを確認してみてはいかがでしょうか?
シュート!
Rakuten NFTでは、2022年6月より累計5,000万部を超える人気サッカー漫画「シュート!」のNFTの取り扱いも開始しています。
漫画の表紙となったイラストや、厳選された名シーンがNFT化されており、ファンの方には非常に魅力的なシリーズとなっています。
当初の販売数も少ないため売り切れになっているものも多く、Rakuten NFTの売れ筋のNFTと言えるでしょう。
v(楽天NFT)を利用する前に知っておきたいポイント
最後に、Rakuten NFTを利用する前に知っておきたいポイントをいくつかご紹介していきます。
事前に知っておきたい注意点もピックアップしているので、確認しておくことをおすすめします。
NFTを購入することで楽天ポイントが貯まる
Rakuten NFTでNFTを購入すると、購入金額の1.0%の楽天ポイントが付与されます。
普段から楽天カードをメインの決済方法に設定している方など、楽天経済圏の利用者にとっては嬉しい特典と言えるでしょう。
また、NFTの支払いに楽天ポイントを利用することもできるので、貯まったポイントでNFTを購入することも可能です。
自分のオリジナルNFTを作成・出品することができない
Rakuten NFTでは、自分のオリジナルNFTを作成したり、出品することはできません。
2023年以降にはユーザーオリジナルのNFTを発行できる機能が追加される予定とのことですが、現状ではRakuten NFTで展開している各ショップ、もしくは個人間マーケットプレイスで購入したNFT(モーメント)のみ出品することが可能です。
一般的にNFTマーケットプレイスと言えばOpenSeaやLooksRareなどをイメージする方が多いと思いますが、Rakuten NFTはこれらのマーケットプレイスとは全く異なり、NFTのショッピングモールと考えた方がよさそうです。。
プラベートブロックチェーンなので分散性がない
ここまでご紹介したように、Rakuten NFTはイーサリアムなどのパブリックチェーンではなく、独自のプライベートチェーンを採用しています。
プライベートチェーンは取引の処理速度が速いなどのメリットはありますが、Rakuten NFTのプライベートチェーンは楽天グループが単一で管理しているため、分散性という観点では大きなデメリットがあります。
また、Rakuten NFTのプライベートチェーンは取引履歴をエクスプローラーで確認できないため、透明性という点も少し不満があると言えるかもしれません。
Rakuten NFT(楽天NFT)の概要・特徴や使い方まとめ
今回の記事では、大手の楽天グループが運営するNFTマーケットプレイス、Rakuten NFT(楽天NFT)の概要・特徴などを解説してきました。
ご紹介したように、Rakuten NFTはクレジットカードや楽天ポイントでNFTが購入できるなど、非常に参入障壁が低いマーケットプレイスとなっています。
しかし、オリジナルのNFTを発行できなかったり、楽天グループが単一で管理をするプライベートチェーンを採用しているなど、デメリットや懸念点があることも事実でしょう。
2023年以降は大幅に機能をアップデートしていく予定とのことなので、今後の動向には注目しておいてもいいかもしれません。