Menu

WETHとはどんな暗号資産?ETHとの違いやERC-20の意味・特徴まで徹底解説

比較系記事 解説系記事

OpenSeaにてNFTを取引する際に、赤色のマークをしたETH(イーサリアム)のアイコンを目にした方もいるのではないでしょうか?

この赤色のアイコンをしたETHはWETH(ラップドイーサリアム)という通貨であり、通称ラップドトークンと呼ばれる暗号資産(仮想通貨)の一種類となっています。

この記事では、そんなWETHの概要や特徴、また通常のETHとの違いについて徹底解説していきます。

また、WETHをはじめとしたラップドトークンの使用用途やメリット、WETHを取引する方法までわかりやすく解説していくので、ぜひ最後まで参考にしてみてください。

WETHとはどんな暗号資産?ETHとの違いとは?

まずは、WETHの暗号資産としての特徴を詳しく解説していきます。

WETHとETHの違いもご紹介していくので、WETHについて詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてくださいね。

WETHとはETHの価格にペッグしている暗号資産

WETHの1つ目の特徴として挙げられるのが、ETHの価格と連動している暗号資産であるということです。

WETHとETHのチャートを見るとわかるように、ほぼ1WETH=1ETHにペッグしていることを確認することができます。

ETHの3ヶ月間のチャート

WETHの3ヶ月間のチャート

下記でも詳しく解説していますが、あくまでWETHはETHが対応していない「ERC-20」というトークン規格に対応するためだけに発行されている暗号資産なので、通常のETHと価格が連動しているというわけですね。

WETHはERC-20の標準規格に対応している

WETHの最も大きな特徴としては、イーサリアムブロックチェーン上で発行される暗号資産の標準規格である「ERC-20」に対応していることです。

この「ERC-20」とは、イーサリアム上で発行されているほぼ全てのトークンが持っている標準規格となっており、ERC-20で作られた暗号資産は同じ基礎・土台で作られていると言うことができるでしょう。

よってERC-20の規格を持つトークン同士であれば互換性があるため、Uniswapをはじめとした分散型取引所でもスマートコントラクトによるユーザー同士の通貨交換を容易にしているというわけですね。

しかし、このERC-20はイーサリアムブロックチェーンのネイティブトークンである「ETH」が作られた後にできた規格であるため、大元となるETHがERC-20に対応していないという問題が発生しています。

そのため、ERC-20に対応したWETHが発行され、様々な分散型取引所などで使用されているという状況になっています。

しかし、現在ETH自体がERC-20に準拠する動きが取られており、WETH公式サイトでもその点について言及されています。

【原文】

HOPEFULLY, THERE’S NO FUTURE FOR WETH.

Steps are being taken to update the ETH codebase to make it compliant with its own ERC-20 standards. Weird, we know. Additionally, ERC-20 may be replaced by other standards as problems and solutions arise. There’s already a ERC223 in the works.

【日本語訳】

うまくいけば、wETH に未来はありません

ETH がそれ自身の標準である、ERC-20 に準拠するようにコードを更新する作業が実行されています。妙なことだというのは私たちもわかっています。 さらに、ERC-20は発生した問題点の解決のため、他の標準で置き換えられるかもしれません。これはERC223として進められています。

引用元:wETH | ERC20 tradable version of ETH

もし、ETHがERC-20に対応することになれば、WETHを使用する場面はなくなるため、近い将来WETHはその役目が終了する可能性も考えられるでしょう。

WETHがラッピング(発行)される仕組み

WETHは、通常のETHをスマートコントラクトに通すことで、同じ量のWETHがラッピングされるという仕組みで発行されています。

簡単に説明すると、スマートコントラクトを利用してETHをWETHに交換(スワップ)していると言い換えることもできるでしょう。

もし、発行したWETHを通常のETHに戻したい場合は、再度スマートコントラクトにWETHを通すことでETHに交換することが可能です。

WETHはOpenSeaのオークション形式でも使用されている

ここまでご紹介してきたWETHですが、OpenSeaにてNFTをオークション形式で入札する際にも使用されています。

上記の画像のように、個別ページに赤色のETHのマークがあるNFTを購入する際は、WETHで入札を行う必要があります。

今後、OpenSeaにてNFTの購入を考えている方は、WETHを実際に使用する機会も十分に考えられるでしょう。

ちなみに、オークション形式での購入にてWETHを使用することで、後日入札者からの追加承認なしに取引を進められるというメリットもあるようですね。

WETHをはじめとしたラップドトークンの3つのメリット

次に、WETHをはじめとしたラップドトークンの3つのメリットをご紹介していきます。

ラップドトークンの具体的な利用方法や活用方法がイメージできない方は、ぜひ詳しく確認してみてください。

メリット①:ラッピングすることで別のブロックチェーンでも使用できる

暗号資産をラッピングすることで、ネイティブとは異なるブロックチェーンでも使用できる互換性を持たせることが可能です。

上記でもご紹介したように、WETHに関しては通常のETHが対応していない「ERC-20」という標準規格に準拠させることを目的として発行されています。

しかし、ラップドトークンは全く異なるブロックチェーンでの使用にも対応することができるので、現在多くのラッピングされた暗号資産が様々なチェーンを跨いで使用されています。

メリット②:イールドファーミングやレンディングなど投資の幅が広がる

ラップドトークンの2つ目のメリットとして、イールドファーミングやレンディングをはじめとした暗号資産の投資の幅が広がることも挙げることができるでしょう。

特にスマートコントラクトが実装されていないBTC(ビットコイン)のような暗号資産であっても、ETHのブロックチェーンに対応するWBTCにラッピングすることで、様々なDeFiプロトコルにアクセスすることが可能となります。

事実、UniswapやMakerDAO、CompoundといったDeFi人気の火付け役となったDapppsでもWBTCは多く使用されており、2022年5月現在の時価総額ランキングでもWBTCは16位に位置しているなど大きな需要があることがわかります。

このように暗号資産をラッピングし、投資や運用の選択肢を増やすことができる点はラップドトークンの大きなメリットと言えますね。

メリット③:トランザクションのガス代を削減することができる

ラップドトークンのメリットとして、トランザクションのガス代を節約できることが挙げられます。

中でも、ビットコインのような暗号資産の場合、取引の処理速度はそこまで速くなく、かつ取引手数料も安くないので、送金や交換を行うだけでもそれなりのガス代を支払う必要があります。

しかし、ビットコインをBNBチェーン上の​​BTCBにラッピングすることで、トランザクション処理速度の向上・ガス代の節約ができるなど、多くのメリットを得ることが可能です。

ETHをWETHに交換(ラッピング)する方法

最後に、ETHをWETHに交換(ラッピング)する方法をご紹介していきます。

OpenSeaとMetaMaskを利用してWETHに交換する手順をそれぞれ画像付きでわかりやすく解説していくので、気になる方は参考にしてみてくださいね。

OpenSeaでETHをWETHに交換する方法

まずは、OpenSeaにてETHをWETHへと交換する方法を解説していきます。

OpenSea公式サイトにアクセスしたら、MetaMaskを接続し、オファーを出したいNFTの個別ページに移動しましょう。

個別の詳細ページに移動できたら、赤枠で示している「Make Offer」をクリックしてください。

画面が切り替わったら、規約同意のチェックボックスにチェックを入れた上で「Convert ETH」をクリックします。

次に、ETHからWETHへと交換したい数量を入力しましょう。

交換するコインの数量を入力したら「Wrap ETH」をクリックします。

 

 

最後にMetaMaskが立ち上がるので、必要なガス代などを確認し、問題なければ「スワップ」をクリックしてください。

これで、OpenSeaにてWETHに交換する手順は完了です。

MetaMaskでETHをWETHに交換する方法

次に、MetaMaskのウォレット内でETHからWETHに交換する方法をご紹介していきます。

まずはMetaMaskのウォレットを起動し、ネットワークが「イーサリアムメインネット」になっていることを確認したら「スワップ」をクリックします。

画面が切り替わるので、スワップ先の通貨を「WETH」に選択してください。

次に、ETHからWETHに交換したい数量を入力し、「スワップの確認」を選択しましょう。

必要なガス代などを確認し、問題なければ「スワップ」をクリックしてください。

これでMetaMaskでのWETHの交換手順は完了となります。

WETHとETHの違いやERC-20の特徴まとめ

今回の記事では、ラップドトークンの1種類であるWETHの特徴やETHとの違いなどについてご紹介してきました。

WETHの大きな特徴としては、イーサリアムブロックチェーンのトークン規格である「ERC-20」に対応していることであり、かつ1WETH=1ETHにペッグしている点も挙げることができます。

また、WETHに限らずラップドトークンには様々なメリットがあるので、これから暗号資産やNFTを本格的に触れていく予定の方は予備知識として覚えておいて損はないでしょう。

今後WETHを利用する機会がある方は、記事の後半で解説したWETHの交換方法もぜひ参考にしてみてくださいね。

GM

gm

2017年から仮想通貨投資を開始し、2020年から本格的にweb3.0の世界に参入。現在はフリーランスとして暗号資産やブロックチェーン、NFT、DAOなどweb3.0に関する記事を執筆。NFT HACKでは「初心者にもわかりやすく」をモットーに、読者の方々に有益となる記事の作成を行なっている。
Author