ソラナエコシステムとは、ソラナの高速で大量の取引を処理できるテクノロジーと、ブロックチェーン上に構築されたdApp(分散型アプリケーション)のことです。ソラナはオープンソースのブロックチェーンであり、NFTやDeFiをテーマとした数多くのプロジェクトの開発が行われています。
本記事では、ソラナエコシステムの特徴や、構築された主要なプロジェクト、暗号資産ソラナ(SOL)に関する情報をまとめました。ぜひ、記事を通して理解を深めていきましょう。
この記事の構成
ソラナエコシステムの特徴
ここでは、ソラナエコシステムの主な特徴を解説していきます。
さまざまなdAppの開発が行われている
現在ソラナでは、789のアプリケーションの開発が進んでいます。その中には「Move to Earn」で話題となったSTEPNや、NFTプラットフォームのSolanart、ソラナブロックチェーン上のトークンを保存、入出金ができるPhantomなどがあります。
DeFiやNFTなど、今の暗号資産(仮想通貨)業界でトレンドのアプリケーションの開発が行われており、将来性も期待できることでしょう。
高いスペックを持ち、イーサリアムキラーの筆頭
ソラナではイーサリアムと同様に、ネットワーク上でアプリケーションの開発を行うことができます。
イーサリアムは処理能力が需要に追いついていないことから、ガス代の高騰や取引処理の遅延などによるスケーラビリティ問題が慢性的に発生しています。最近では、利便性を懸念してイーサリアムを避けるプロジェクトも多いです。
そうした中で、高いスペックを持ったソラナがイーサリアムに対抗する「イーサリアムキラー」として、勢力を伸ばしています。
ソラナの具体的なスペックは以下の通りです。
ソラナ | イーサリアム | |
名称 | SOL | ETH |
時価総額 | ¥1,692,123,135,847 | ¥23,479,190,195,133 |
時価総額ランキング | 9位 | 2位 |
処理能力 | 65,000取引/秒 | 15取引/秒 |
価格 | 4,766円 | 191,012円 |
ソラナはイーサリアムの4,000倍以上の取引処理能力を誇ります。今はまだ時価総額に大きな違いがありますが、今後その差は埋まってくるかもしれません。
ステーキングができる
保有しているソラナ(SOL)をステーキングして、配当をもらうことができます。ステーキングができる取引所と詳細は以下の通りです。
※2022年10月5日現在
取引所名 | ステーキング方法 | 利率 |
バイナンス | 30日定期ステーキング | 5.86%(APR) |
60日定期ステーキング | 7.50%(APR) | |
90日定期ステーキング | 9.9%(APR) | |
120日定期ステーキング | 16.90%(APR) | |
バイビット | 30日定期ステーキング | 6.50%(APY) |
ステーキングは比較的低いリスクで、高い配当を獲得できる運用方法です。バイナンスやバイビットに口座をお持ちの方は、ぜひステーキングを検討してみてください。
ソラナをベースにしたプロジェクトも多くの出資を受けている
イーサリアムキラーとして期待されるソラナでは、多くの有望なプロジェクトが立ち上がっています。その期待感の大きさから、数億円以上の出資を行っている企業も少なくありません。
以下は出資の一例です。
プロジェクト名 | 概要 | 出資金額 |
MonkeyLeague | さまざまなeスポーツをプレイできるメタバース | 33億円 |
Cashmare | 企業向け暗号資産ウォレット | 4.4億円 |
Solana FM | ブロックチェーン上に記録された検索エンジンの情報を提供するサービス | 6.5億円 |
Project Serum | 分散型取引所のインフラ | 120億円 |
これらの出資は、暗号資産市場が冷え込んでいる2022年に行われたものです。相場状況が悪いにも関わらず、各プロジェクトで多くの資金を集めています。
ソラナエコシステム上の主なプロジェクト
続いて、ソラナエコシステムで開発が行われているプロジェクトを紹介していきます。
ここでは以下4つの分野に分けました。
- NFT
- NFTマーケットプレイス
- DeFi
- その他
それぞれ詳しく見ていきましょう。
NFT
STEPN
引用:STEPN公式
STEPNは、走ったり歩くことで暗号資産を稼げる「Move-to -Earn」、またソラナエコシステムの代表的なプロジェクトです。2022年2月頃より話題となり、健康と稼ぐを両立できるとして、今もなお世界中の多くのユーザーに利用されています。
一時はSTEPNでNFTスニーカーを購入するのに10万円以上必要でしたが、暗号資産ソラナ(SOL)の値下がりもあり現在は6万円ほどとなっているようです。初期費用が大幅に下がった今、ぜひSTEPNを始めてみてはいかがでしょうか。
Degenerate Ape Academy
Degenerate Ape Academyとは、猿やたぬき、動物化した卵をモチーフとした合計10,000種類のNFTコレクションです。作品には「Common」「Uncommon」「Rare」「Super Rare」「Mythical」5つのランクがつけられており、「頭」「顔」「胴体」など合計137の特徴があります。
作品はDegenerate Ape Academyの公式サイトやOpenSeaで購入が可能です。人気の猿は「100SOL = 50万円」以上の価格がつけられており、多くが売り切れ状態になっています。
BR1 Metaverse
BR1 Metaverseは銃を用いてプレイヤー同士で戦うシューティングゲームのメタバースです。他のプレイヤーを倒すと報酬となる「USDC」を稼ぐことができる「Kill-to-Earn」を採用しています。
YoutubeやTwitter、instagramでは、リアルで臨場感溢れる映像を確認することができます。多くの企業から出資を受けているプロジェクトですが、各SNSのフォロワー数を見る限りはファン獲得にやや苦戦しているように見えます。
NFTマーケットプレイス
Magic Eden
引用:Magic Eden公式
Magic Edenは、NFTの売買ができるプラットフォームです。OpenSeaなどの大型プラットフォームよりはマイナーな作品が多いですが、将来性が期待できそうなものもラインナップされています。知名度は高くないですが、取引量を見る限り毎日数億円の売買が行われているようです。
暗号資産は「ソラナ(SOL)」と「イーサリアム(ETH)」に対応しています。「Bored Ape Yacht Club」や「CryptoPunks」「Moonbirds」などの有名作品もMagic Edenを通じて購入することができます。
Solanart
引用:Solanart公式
Solanartは、ソラナエコシステムで最初に生まれたNFTマーケットプレイスです。暗号資産ウォレットの「Phantom」を通じて取引することができ、売買に手数料はかかりません。
ラインナップは本記事でも紹介した「Degenerate Ape Academy」や、「CryptoPunks 」をオマージュした作品である「SolPunks」などユニークなものが多くあります。これからNFT作品を世に出していきたいという方は、手数料が無料のSolanartでの出品を検討してみてはいかがでしょうか。
DeFi
Serum
引用:Serum公式
SerumはDeFi(分散型取引所)の一つで、安価で高速な暗号資産取引を行うことが可能です。1取引あたりの手数料は「0.00001ドル(約0.0145円)」、1秒以内で決済完了するなど、ソラナエコシステムのスペックを大いに活かしています。
取り扱う暗号資産を見ると「Raydium」「Mango Markets」「Vybe DEX」など、聞きなれないものがほとんどです。Serumは10億人のユーザーの獲得と10兆円の価値を持つことを目標としていますが、実現にはまだ多くの時間がかかりそうです。
Alf Protocol
Alf Protocolは、2021年12月15日に発足した比較的新しいDeFiのプロジェクトです。まだプロジェクトのすべてが公開されておらず、現在はガバナンストークンである「ALF」のセールが行われています。
公式サイトでも確認できるように、Alf Protocolでは年利(APR)20%を超える高い配当がもらえるステーキングサービスを提供しています。各SNSでも多くのフォロワーを獲得しており、今後に期待できるDeFiと言えるでしょう。
その他
Phantom
引用:Phantom公式
Phantomは、ソラナとイーサリアムの入出金、NFTの送受信などに対応した暗号資産ウォレットです。ソラナエコシステム上で開発が行われているプロジェクトでは、このPhantomだけが対応していることも少なくありません。
最近問題になっているスパムNFTをバーン(焼却)できる、スワップ機能実装、日本語情報も多く揃っているなど、NFT初心者でも扱いやすいのが特徴です。ソラナエコシステム上に構築されたアプリケーションを使う際は、必要不可欠なウォレットです。
Audius
引用:Audius公式
Audiusは、ブロックチェーン技術を用いた音楽配信プラットフォームです。Audiusは、アーティストに対して正しく利益が還元されることを目的に設立されました。すでに月間のアクティブユーザーは500万人を超えており、一定の知名度を獲得しています。
Audiusでは、ユーザー側は暗号資産「Audius(AUDIO)」の保有量によって機能が解除され、アーティストは楽曲をNFT化して販売できる仕組みになっています。
2021年8月にはTikTokとの提携を発表するなど、動画配信プラットフォームとの相性も良いです。今後さらなるサービス拡大が見込めるでしょう。
暗号資産ソラナ(SOL)が買える取引所
ソラナのブロックチェーン上では、ソラナ(SOL)が手数料の支払いやステーキングに用いられます。ソラナ(SOL)はCoinMarketCapの時価総額ランキングで9位にランクインしているように、多くの資金が集まっている有望な暗号資産です。
ここでは、ソラナ(SOL)を購入できる取引所を3つ紹介していきます。
FTX ジャパン(FTX JAPAN)
FTX Japanは、国内で唯一ソラナ(SOL)を購入できる取引所です。FTX Japanは金融庁の認可を受けた上で営業が行われており、海外取引所よりは安心して取引ができるでしょう。
取り扱い通貨は現在13種類。手数料はMakerで「0.02%」Takerで「0.07%」と比較的安く取引しやすいです。国内取引所でソラナ(SOL)を購入したい方はぜひFTX Japanを利用してみてください。
バイナンス(Binance)
バイナンスは、合計387種類(2022年10月13日現在)の暗号資産を取り扱っており、取引高が世界でもっとも多い海外取引所です。
豊富な種類のアルトコインを買えるだけでなく、高い配当を獲得できるステーキング、100倍以上のレバレッジをかけられるレバレッジ取引、上場前のトークンを購入できるローンチパッド、NFTマーケットプレイスなどさまざまなサービスを提供しています。
バイナンスでは、本記事でも紹介しているように、ソラナ(SOL)のステーキングを行うことが可能です。暗号資産市場の最先端を走っている取引所であり、日本人にも多く利用されています。暗号資産投資を行う方であれば、ぜひ口座を開設してみてください。
バイビット(bybit)
バイビットは、合計321種類(2022年10月13日現在)の暗号資産を取り扱う海外取引所です。バイナンスには劣るものの、ステーキングやレバレッジ取引、ローンチパッド、NFTなどのサービスは一通り取り扱っています。
バイビットは海外取引所でありながら日本語に対応しているので、海外取引所に慣れていない人にも使いやすいと言えます。バイナンス同様、国内取引所にはない銘柄やサービスを多く取り扱っている注目の取引所です。
ソラナエコシステム まとめ
ソラナエコシステムは、イーサリアムをはるかに凌ぐスペックを備えており、多くのプロジェクトの開発が進んでいます。これから暗号資産が普及していく中で、DeFi、NFT、ウォレットなどの需要が高まっていくことでしょう。今後も拡張していくと考えられます。
一方で、開発を行うプロジェクトが増えすぎたことや、悪意のあるサイバー攻撃によって、システムがダウンする事態も起こっています。今後は開発者やユーザーが安心して利用できる基盤を整えることが、ソラナエコシステムが普及する鍵になりそうです。