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【実用化】NFT×アニメのコラボ!日本国内のアニメとNFTがコラボした事例を紹介

解説系記事

日本のアニメ産業は2020年には約2.4兆円市場にまで成長しました。

2005年に記録した約1.3兆円という市場規模から1.9倍もの成長となっていますが、その伸び率は日本国内よりも海外での成長が圧倒的に大きくなっていて、2020年時点では日本国内(1兆1,897億円)よりも海外での市場規模(1兆2,394億円)が上回るほどです。

そんな成長産業である日本アニメと結びつき、現在注目を集めているのが新技術であるNFT。アニメグッズとNFTとのコラボ販売だけでなく、NFTはアニメ制作とも関連して新たな動きを見せています。

今回は、日本国内だけでなく海外での成長著しいアニメ産業とNFTのコラボ例、さらにこれからの可能性について見ていきましょう。

NFTってそもそもどういうモノ?

アニメとNFTのコラボ例をご紹介する前に、まずNFTとはどういう技術なのか、どのような可能性があるかについて簡単にご説明します。

NFTとは「非代替性トークン」のことであり、「non-fungible token」を縮めた略称。イラストや音楽・動画など多くのデジタルデータに活用できる新技術であり、デジタルデータの唯一性や所有権を証明できる画期的な仕組みです。

実在する1点ものの絵画や彫刻といった芸術作品のように、デジタルアートにも「世界で1つ(または複数)しかない」というシリアルナンバーのようなモノを刻印できるシステムであり、それまでは難しかった「オリジナルデータに希少価値を持たせる」ことが可能となっています。

これらNFTアイテムをNFTマーケットプレイスにて取引することでファンアイテムとして保有することも、売却して利益にすることも相場次第では可能。そのため、様々な可能性を秘めた新たな市場として注目を集めています。

拡大するNFT関連コンテンツ

NFTはデジタルアートに付与されるケースが多い次世代技術であり、インターネットを通じてアクセスできるNFTマーケットプレイスなどでNFTアートと言う形で頻繁に取引されています。

作品によって値段はピンキリですが、2021年にはデジタルアーティスト・Beeple(ビープル)の作品が大手オークションハウス・クリスティーズで取引され、最終的には約75億円というNFTアート市場最高額で落札され大きな話題となりました。

他にも、メタバースやNFTゲームで着用できるNFTスニーカーや、NFTが付与されたトレーディングカードなど関連コンテンツは拡大中です。

2022年には、イタリアの高級自動車メーカー・アルファロメオがNFTによるデジタル証明書が搭載された新型SUVの販売を発表済み。これは車の所有権をデジタルデータで証明したり、歴代所有者の履歴を記録したりと、利用者の安心感を高める新たなシステムとして注目されています。

NFTの市場規模と将来性

技術としては2010年代から存在していましたが、2020年から現在にかけて飛躍的に注目されるようになったNFT。

その市場規模は年々拡大傾向にあり、2021年のNFT市場は113億2,000万ドル(約1兆5,636億円)に達しました。さらに、2022から2030年にかけて年平均33.7%で成長すると予測され、2030年には2,319億8,000万ドル(約32兆387億円)にまで到達すると予測されています。

これには、COVID 19の世界的流行に端を発した従来の芸術市場の変化、芸術的な価値観の変化も関係していると言われ、アート鑑賞のオンライン化やデジタルマーケットプレイスの発展・拡大も含めて、まだまだ成長の余地がある分野となっています。

NFTとアニメのコラボ

それでは、具体的にアニメとNFTがコラボした事例にはどのようなものがあるでしょうか?

ここからは、NFTと絡んだアニメ作品や、アニメ制作スタジオについて見ていきます。

ルパン三世(LUPIN THE ⅢRD)

漫画家モンキー・パンチさんが手掛ける漫画「ルパン三世」に登場する主人公・ルパンらが若かった頃を描いたアニメ「LUPIN THE ⅢRD」と、クリエイティブスタジオ・1BLOCKがコラボレーションしました。

国内外で注目される1BLOCKのNFTプロジェクト・MetaSamurai(メタサムライ)と、バーチャルスニーカーNFT・AIR SMOKE ZEROでそれぞれ商品展開しています。

商品はNFTマーケットプレイス・OpenSeaにて取引され、ルパン三世らのキャラクターをモチーフにした3Dアバターや、「LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標」など3作品をイメージしたバーチャルスニーカーが販売済みです。

数量限定という希少性、おしゃれなデザインもあってコレクターズアイテムとしても注目されました。

範馬刃牙

漫画家・板垣恵介さんが手掛ける同名漫画を原作としたアニメ「範馬刃牙」と、先程ご紹介したクリエイティブスタジオ・1BLOCKがコラボレーションしました。

こちらもNFTバーチャルスニーカー「範馬刃牙×AIR SMOKE ZERO」として販売が予定され、発行数は25点と希少価値は高め。いずれもキャラクターや作中の名場面をイメージした1点もののデザインとなっていて、作品ファン注目のアイテムとなっています。

世界で1つしかない激レアアイテムをコレクションするチャンスです。

ONE PIECE

漫画家・尾田栄一郎さんが手掛ける漫画「ONE PIECE」の活版印刷作品やカラープリント作品を販売するプロジェクトが、集英社の運営する集英社マンガアートヘリテージです。

尾田栄一郎さんの「ONE PIECE」だけでなく、集英社が出版した様々な作品を取り扱うプロジェクトであり、漫画家・池田理代子さんが描く「ベルサイユのばら」、漫画家・久保帯人さんが描く「BLEACH」などの貴重な品々が販売されています。

こちらで販売される商品は他でご紹介するNFT作品とは異なって実物が存在するものであり、特殊な用紙に印刷された漫画の1ページやカラー原稿がメイン。各商品は発行部数が少ない超レアアイテムであり、それらの唯一性を担保するために、NFT技術を利用したブロックチェーン連携販売証明書が同梱されています。

その人気は凄まじく、抽選販売の予約で全ての販売枠が埋まってしまうため購入は非常に困難。まさにファン垂涎のコレクターズアイテムと言えるでしょう。

雨を告げる漂流団地

「ペンギン・ハイウェイ」などで知られるスタジオコロリドが制作した長編アニメーション映画「雨を告げる漂流団地」と、株式会社A3がコラボレーションしたプロジェクトが「OTAKU CULTURE STUDIO」です。

既存のアニメや漫画、ゲームをWeb3.0化して、クリエイターとファンがともに作品を活性化させるプロジェクトであり、その一環としてNFTアイテム「NFT OCS Collection #1『雨を告げる漂流団地』」が販売されました。

「OTAKU CULTURE STUDIO」のNFTを保有することで、オリジナルのARフィギュアが入手できる特典や、推しのグッズ制作への参加が予定されるなどファンとして更に作品にアツくなれる要素であふれています。

2022年9月に販売開始となった「NFT OCS Collection #1『雨を告げる漂流団地』」は、発行数1,111個がわずか1時間で完売。

今後のコラボ展開も含めて、「OTAKU CULTURE STUDIO」はさらにコンテンツとしての広がりが期待できそうです。

機動警察パトレイバー

近未来の警察を舞台にした人気漫画・アニメ「機動警察パトレイバー」と、DEAが運営するNFTカードゲーム「JobTribes」がコラボレーションしました。

「JobTribes」は仕事(ジョブ)を擬人化したキャラクターでデッキを構築・勝負するブロックチェーンカードゲームであり、ゲームをプレイしてトークンや特別なNFTアイテムを入手できるplay to earn系ゲームとして人気となっています。

そんな「JobTribes」と「機動警察パトレイバー」がコラボして、期間限定クエストとして登場。クエストに挑戦することで、有名アートディレクター・田島照久さん、グラフィックデザイナー・高田明美さん描き下ろしのコラボNFT・アミュレットがランダムドロップします。

人気の98式AV イングラム1号機や、主人公・泉野明のコラボNFTと言った注目度の高いレアアイテムはファン必見です。

さらに、同コラボレーションの一環で、「機動警察パトレイバー」の描き下ろしイラストが車窓に投影されたコラボタクシーも東京23区と都内一部区間を2週間限定で走行。

コラボ車両に乗車した「JobTribes」プレイヤーは、ゲーム内で使用できるNFT(4種類からランダム)が配布されるという変わった趣向で注目されました。

オッドタクシー

2021年に地上波アニメとして放送され、独特のシナリオで話題となったアニメ「オッドタクシー」が、NFTデジタルトレーディングカード「オッドタクシー イン・ザ・カード」として販売されました。

作中に登場する26名のキャラクターがデザインされた各種カードを、専用マーケットで購入可能です。中には動いて喋るレアなシークレットカードも用意されていて、ファンの収集欲を刺激します。

メタマスクなどのウォレットに接続すればクレジットカードでの購入が可能という、暗号資産(仮想通貨)を必要としない決済方法もNFT初心者向け。専用のNFTマーケットは全て日本語表示なので取引もわかりやすく、保有するトレーディングカードの出品・購入も簡単です。

「オッドタクシー」の世界観と魅力をより感じられるNFTカードと言えるでしょう。

邪神ちゃんドロップキック

2018年に地上波アニメとして放送された「邪神ちゃんドロップキック」は、バイオレンスな作風が持ち味の日常アニメ。そんな「邪神ちゃんドロップキック」のアニメ本編(第1話)のモザイクなし版を、NFTマーケットプレイス・OpenSeaにて販売するという異例のオークション販売が実施されました。

ブロックチェーンゲーム・NFTサービスの開発で知られるCryptoGames株式会社とのコラボで実現した企画であり、アニメ本編のNFT化は世界初の試み。

作中で描かれたモザイクの先がどうなっているのか、「邪神ちゃんドロップキック」のファンなら気になるところですが、そんな無修正版を視聴できるNFTとあってアニメファンの間で話題になりました。

アニメクリエイターを応援するプロジェクトとして推進された企画であり、今後このような形でNFT化するアニメも増えていくかもしれません!

リーマンズクラブ

バドミントンの実業団選手をテーマにしたオリジナルアニメ「リーマンズクラブ」は、作中のアニメ原画カットをデジタル画像化してNFTアイテムとして販売ました。

主人公・白鳥尊ら主要キャラクターたち、数々の名シーンをシリアルナンバー付きの高精細デジタルデータとして入手できるコラボレーションであり、NFTアイテムを取り扱う日本の販売サイト・FanTopにて販売されています。

データは各種50個限定、保有する原画はFanTopアプリ内で提供されるデジタルルームに飾ったり、ARで自分の部屋に飾るといった楽しみ方が可能です。

購入者限定でシークレットのNFT原画が1枚入手できる特典も用意されるなど、ファン必見のコラボとなっています。

EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション

人気ロボットアニメシリーズである「EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」の映画公開を記念して、博報堂DYミュージック&ピクチャーズとの連携で販売されたのが各種NFTアイテムです。

「エウレカセブン」シリーズ初のデジタルグッズ販売であり、特設サイトにて数量・期間限定で各種NFTデジタルカードが販売されました。

販売された商品にはTVアニメ「交響詩篇エウレカセブン」や、映画「交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい」などを含めて第4弾までが発売済み。各種アイテムは「エウレカセブン」にちなんで、オークション形式にて7,777 円・77,777 円から販売スタートするユニークなものとなりました。

手塚プロダクション

「漫画の神様」として知られる巨匠・手塚治虫さんが手掛けた数々の漫画作品を、デジタルアートNFTとして販売したのが手塚プロダクションです。

日本国内において漫画・アニメとNFTのコラボレーションをいち早く実現させたのが手塚プロダクションであり、「鉄腕アトム」や「ブラックジャック」といった名作漫画の原稿・イラストをモザイクアートとして再構成し、1枚の新たな作品として販売しています。

モザイクアートNFT、ジェネレーティブアートNFTの2形態で販売されましたが、圧巻は1点ものとして販売された「鉄腕アトム」のモザイクアートの最終的なお値段。

日本発のアートNFTにおいて、1点の価格としては過去最高額となる120ETH(イーサリアム)で落札され、これは当時のレートで日本円に換算すると約5,600万円という高値となりました。

2021年に実施された手塚プロダクションとNFTとのコラボが、日本のアニメ・漫画界に与えた影響は大きいと言われています。

タツノコプロ

株式会社博報堂DYミュージック&ピクチャーズが立ち上げたNFTマーケットプレイス・animapにおいて数量限定で販売されるのが、アニメ制作会社・タツノコプロが手掛けたアニメの各種NFTアイテムです。

タツノコプロが生み出したキャラクター集結のタツノコプロ60周年記念ビジュアルや、キャラクターデザイナー・吉田すずかが描き下ろした「マッハGoGoGo」ジオラマカードなどをNFTとして販売しています。

animapは日本のコンテンツのNFT事業進出を支援する目的で設立され、暗号資産Ethereum(イーサリアム)だけでなくクレジットカード決済にも対応(オークション形式でのNFT購入時はEthereumのみ)。

また、外部NFTマーケットプレイスであるOpenseaやRaribleとも連携し、ワールドワイドな売買が可能な注目のマーケットプレイスとなっています。

アニメ制作にも結びつくNFT

前項まではアニメとNFTのコラボ例を見てきましたが、NFTはグッズ販売だけでなくアニメ制作の現場とも関わりを強めつつあります。

ここでは、NFTアートから端を発した新世代のアニメプロジェクトや、NFTと制作現場の結びつきについてご紹介していきます。

日本発のNFTアートからアニメ化企画が進行中

世界に知られる日本発のNFTアート「Zombie Zoo(ゾンビ・ズー)」が、大手アニメ制作会社・東映アニメーションと提携してスタートしたのが「Zombie Zoo アニメ化プロジェクト」です。

9歳の日本人の少年・Zombie Zoo Keeper(ゾンビ・ズー・キーパー)が生み出したイラストからスタートしたNFT作品群をアニメ化するという画期的な試みとなっています。

既にPVも完成済みであり、CMソングやドラマ主題歌も担当する日本のロックバンド・FIVE NEW OLDが描き下ろしたテーマ曲「Nowhere」が話題に。

2022年5月に実施されたPV完成記念の合同イベントでは、メタバースプラットフォーム「cluster(クラスター)」にてVRで発表されるという面白い手法も評判となりました。

NFTホルダーと共同でアニメ制作するプロジェクトが始動

 

日本のアニメーション制作の労働環境を改善すべく、新たにスタートしたのがNFTホルダーとアニメーターが共にアニメを制作していくプロジェクト「ANIM」です。

Web3.0時代の新たなアニメスタジオを宣言する新プロジェクトであり、厳しい環境下におかれるアニメ制作従事者の待遇改善、利益面での還元を、NFTを用いて実行する新しいコンセプトのアニメスタジオを目指しています。

クリエイターを応援する支援者は「ANIM PEP」(NFTホルダー)となり、アニメーターはファンの声を元に作品を制作。PEP売り上げの一部やNFT化した原画コレクションの販売などで利益をクリエイターに還元していく方式が採られています。

またNFTホルダーには特典として、出来上がったアニメのエンドクレジットへの名前の記載、声優オーディションへの参加権、制作現場への参加・交流や、アニメの先行配信、版権の商用利用といった様々なメリットも予定。

現在、圧倒的に大多数を占める製作委員会方式のアニメ制作ではなく、全く新しい考え方でアニメ制作の現場を改善する「クリエイターにメリットの大きい新時代のアニメ制作スタイル」として、これからどのように広まりを見せていくのか、注目が集まっています。

まとめ:NFTの市場拡大と共にアニメとのコラボも進んでいく可能性アリ

年を追うごとに拡大するNFT市場ですが、その成長に伴ってアニメ関連事業とのコラボレーションも増加傾向にあります。

NFTアイテムの販売だけではなく、アニメ制作の現場とも連携してアニメ産業のビジネスモデルに変化を与えるなど、NFTはアニメの可能性を広げつつあります。。また、ご紹介したNFTアイテムは国内だけでなく海外需要も見込まれているので、アニメ産業全体はますますワールドワイドになっていくかもしれません。

今回ご紹介しただけでも、アニメ・漫画のメジャータイトルがずらりと並びましたが、今後さらにNFTとコラボしていく作品が増えるのか、注目していきたいですね!

zenzai

zenzai

エンターテイメント関連のWEBライティングを得意とし、SEOを重視したフリーライターとしてアニメや漫画、芸能系のサイトにて豊富なライティング実績あり。また、全くの初心者状態から2017年より仮想通貨の取引を開始し、現在まで各種仮想通貨やトークンについて勉強中。NFTならびにメタバースといった新技術についても強い関心があり、目新しさのある情報を中心に発信していく。
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