NFTアートはデジタルアートですので、絵画や彫刻作品などのような「所有している実感」を持ちにくいというデメリットがあります。逆に考えると、デジタルだからこそ自分なりに楽しみ方を見つけることができるとも言えるでしょう。
OpenSeaなどで購入したNFT作品は、単に「所有している」「持っている」だけでない楽しみ方があります。最も想定しやすい方法は「SNSのアイコンにする」というものですが、それ以外にも多くの楽しみ方があります。
NFTアートはデジタル作品だからこそ自由度が高く、やり方次第ではオリジナリティの高い方法で展示やディスプレイをすることが可能です。
この記事では、NFTアートならではの用途や楽しみ方を紹介します。
この記事の構成
オーソドックスなディスプレイ方法
NFTアートといったら真っ先にイメージされるのが「PFP」でしょう。プロファイル画像として使用できるように設計されたNFTコレクションのタイプです。
引用元:Adam by GMO
SNSのアイコンに設定する
最も一般的で有効な活用方法が「Twitterのアイコンにする」という方法です。
購入したNFTを画像ファイルにコピペしてTwitterの「プロフィール」から「プロフィールの編集」で選択すれば設定完了です。
引用元:Twitter
アメリカでは「Twitter Blue」という有料サービスがあり、加入者がNFTをアイコン設定すると「アイコンが六角形」になります。
有料サービスですしアメリカのTwitterにログインして設定する必要があるので手間も時間も費用もかかります。いずれ日本でも導入されると推測されていますが、今のところ普通に「アイコン変更」でNFTアートを利用するのが一般的な使い方でしょう。
プロフィール画像のNFT認証機能が日本のTwitterで実装されたら「NFTホルダー」と「単に画像をダウンロードしただけの人」の区別ができるようになります。「NFTファン」をアピールする手段として有効です。
アップルウォッチの壁紙にする
アップルウォッチを使っている人には、壁紙にNFTを利用するのもオススメです。
お気に入りのNFTをアップルウォッチの背景画像にしておくと、ホーム画面を開くたびに好きなNFTが目に入るようになり、楽しくなってテンションも上がります。スマートフォンの画面として利用することも可能です。
スマートフォンやアップルウォッチの背景画像に子供やパートナー、ペットの画像にしている人はたくさんいますが、それと同じようにNFTも使うことができ、NFT好きをアピールできます。
NFTには「動画」もありますが、これもアップルウォッチの壁紙に設定できます。
引用元:Twitter
NFTギャラリーで展示する
NFTを購入したら「誰かに見せびらかしたくなる」というのは自然な感情でしょう。どのようなものであれ「アイテム」を手に入れたら同じ趣味の人に見てもらいたい気持ちになるものです。
NFTはPFPであっても「ひとつの美術作品」であることには変わりません。美術品なので展示することが可能です。デジタルアートなので、持ち運びする必要がありませんし、傷つけられたりする危険もありません。
ここではデジタルアートとしてのNFTを展示できるギャラリーと、その使い方について解説します。
NFTギャラリーとは
仮想空間にNFTを飾ることのできるギャラリーのことを「NFTギャラリー」と呼んでいます。代表的なものが「OnCyber」で、スペースを借りてNFTを展示することが可能です。
引用元:OnCyber
コレクターは、購入したりギブアウェイでもらったりしたNFTを飾ることができますし、クリエイターは自分が作ったNFTを飾って作品紹介や展示会の開催ができます。
クリエイター同士でグループになってテーマや開催期間などを決めて、リアルのギャラリーと同じように展示会をして作品を見てもらう機会を得ることも可能です。
引用元:Twitter
アーティストを支援するweb3プロジェクト「UnchainedNinja.eth」は宣伝を兼ねてOnCyberで展示会を開催しています。
コレクターの中にも、自分でギャラリーを持って所有作品の展示をして楽しんでいる人は多くいます。
引用元:Twitter
ギャラリーの設定方法
OnCyberにギャラリーを設定するには以下のような手順で行います。
- OnCyberにアクセス
- ウォレットと接続
- ギャラリーを選択し設定を行う
- 作品を展示する
OnCyberにアクセスするには、Googleで検索するよりもTwitterでOnCyberの公式Twitterを表示させてリンクからアクセスすることをおすすめします。というのも、NFT関連には詐欺サイトも多くあるからです。Twitterの公式サイトを確認して、そこに貼られたリンクをクリックしましょう。
引用元:Twitter
公式サイトを開いたら、「CONNECT WALLET」をクリックしてウォレットと接続しましょう。
引用元:OnCyber
ウォレットに接続すると「Choose a base」というページが開きます。そこで自分が使う展示場を選択します。「無料版」と「有料版」がありますが、最初は無料で充分でしょう。
引用元:OnCyber
展示場は4つありますが、Twitterでは「White Cube」を選択している人が多い傾向があります。
展示場を選択したら、「コレクションのタイトル」や「バナーイメージ写真」「簡単な作品紹介」などの設定をします。展示者のプロフィールも設定できます。
設定が終わったら「Add asset」をクリックしてウォレットから展示したい作品を選択しましょう。
ギャラリーの活用方法
OnCyber上に購入したNFTを展示することで、自分だけの「メタバース美術館」を作ることができます。特定のコレクションの作品を展示することで統一感のあるギャラリーを作ることも可能です。
逆に、あえて作風の違う作品をオリジナルな基準で選択して展示することで、来場者に新しいNFTの楽しみ方を提案することもできます。
引用元:Twitter
クリエイターなら、自分の作品を多くの人に知ってもらうことにも利用できます。OnCyberでは作品の詳細を見ることも販売ページに移動することもできます。ギャラリーに展示した作品を訪問者が気に入ったら購入してくれるかもしれません。
自分で加工して楽しむ
NFTファンのなかには、購入したNFTをカスタマイズして楽しむ人もいます。
NFTのファンアートやコラボCG制作で有名な人に「さんじゅうろう」氏がいます。NFT作品を様々な形でカスタマイズして発表し、新しいNFTの楽しみ方を提案しています。
引用元:Twitter
NFT作品をエナジードリンクの缶のデザインにしてみるという楽しみ方です。
さんじゅうろう氏は、NFTをスケートボードにしてみるというカスタマイズも発表しています。
引用元:Twitter
ただし、NFTアートは購入したからといって「何にでも使って良い」わけではありません。著作権はあくまでアーティスト側にあり、商用利用は制限されています。NFT作品を制作したアーティスト本人やディスコードのコミュニティなどで提案してからカスタマイズしましょう。
NFTをディスプレイする
NFTアートを購入したとき、「これをインテリアとして楽しむことはできないだろうか」と考えたことはないでしょうか。
映画やアニメのポスター、有名な絵画のレプリカなどを部屋に飾ると、生活に潤いが与えられます。同じようにNFTアートをディスプレイすることで楽しめるはずですが、1枚ずつプリントするのも面倒ですしプリントアウトの質が悪いと満足感も下がります。
NFTアートを含む「デジタルアート」を画質を下げることなく、ディスプレイする「デジタル額縁」とも言うべき方法はいくつかあります。
ここからは、NFTアートを実際にインテリアとして部屋に飾る方法を紹介します。
Meural Canvas
デジタルキャンパスとして有名な製品に「Meural Canvas」があります。1996年に創設されたネットギア(Netgear)社が2020年に販売開始した電子キャンパスです。
サイズは27インチと21インチの2種類があります。
- 21インチ:高さ・61.7cm、幅41.4cm、奥行き3.5cm、重量7kg(価格7万円程度から)
- 27インチ:高さ・73.4cm、幅47.2cm、奥行き3.5cm、重量8.9kg(価格14万程度から)
引用元:NETGEAR
スマートフォンに専用のアプリをダウンロードして画像をアップロードする方式で、デジタルアートを画質そのままに表示できます。
手を左右にかざすだけで「前後のアートへの切り替え」ができたり、上下に動かすと「アートの情報の表示」ができるなど、スマートな機能が搭載されています。
ひとつのアートを表示させ続けることも可能ですし、いくつかの登録したアートをスライドショーとして流すこともできます。
DIGITAL ART CANVAS DAC
「Plazmonic」社が2020年に販売開始した「DIGITAL ART CANVAS DAC」(以下「DAC」)というデジタルアートキャンバスも使いやすい製品です。
基本的な機能や操作方法などは先程のMeuralと似ていますが、DACは「正方形のキャンバス」がある点が強みです。NFTアートは正方形の作品が多いため、キャンバスも正方形のほうが向いています。
引用元:Plazmonic
またモニターが薄く、重量も軽くできている点もメリットです。Meural Canvasの厚みは3.5cmですが、DACの厚みは「1.39cm」です。重量も3.2kgなので場所を問わず気軽に置けます。
- DAC SQUAERE:高さ・幅ともに495.35mm、奥行き13.9mm(価格12万6000円)
パネルには「IPSパネル」を採用しており、視野角が広く発色が良いという特徴があります。見る角度で明るさや色の変化が少ないので、リアルな絵画に近い質感が得られます。
CANVIA
CANVIART社がデジタルアート専用のキャンパスとして販売しているのが「CANVIA」という製品です。
部屋の照明を検知して画像を最適な明るさに調整する機能を搭載しています。絵画や写真などをリアルなディテールで表示し、本物のキャンバスに描かれているような色のイメージが現れます。
CANVIAのウェブサイトやモバイルアプリを使ってNFTアートを追加することができます。メモリが16GBもあり、かなり大量の画像をコンテンツとして保存できます。
引用元:CANVIA
- CANVIA:高さ68.58cm、幅45.72cm、奥行き3.81cm(価格12万4000円)
NFTアートを飾るだけでなく、ルーブル美術館やアムステルダム国立美術館の作品2500点を無料で利用することができます。
Tokenframe
Meural CanvasもCANVIAも、NFTアートというよりもデジタルアート全般のディスプレイを目的にした「デジタル額縁」でしたが、Tokenframeは名称通り、「NFTアートのディスプレイ」を目的にした製品です。
NFTアートを収納・展示するために作られたもので、鮮明な解像度で映し出します。メタマスクなどのウォレットにログインして自分のコレクションをアプリにリンクさせるだけでNFTアートを表示できます。
デジタル画像のサイズや、一度に表示される画像の量を変更でき、スライドショーを設定することも可能です。
ETHで支払えるところも、NFTアートのディスプレイらしいと言えるでしょう。PFP画像に多い正方形アート向けの正方形ディスプレイも用意されています。
- 22SQR Tokenframe:高さ・幅20.2cm、奥行き1.74cm(1.2138ETH)
引用元:Tokenframe
ホームページに日本語バージョンはなく、すべて英語で読んで注文する必要があります。支払いはETHのほかはUSドルまたはユーロで、日本円は使えないので注意しましょう。
まとめ
NFTアートをディスプレイする方法を紹介しました。
最後にこの記事をまとめます。
- NFTアートはSNSのアイコンやアップルウォッチの壁紙に設定できる
- OnCyberなどのNFTギャラリーで展示することができる
- Meural CanvasやCANVIA、Tokenframeなどのデジタルキャンバスでディスプレイできる
キャンバスに表示させることで、常に部屋で自分が所有しているNFTアートを楽しむことができます。NFTアートが浸透していけば、もっと安価で気軽に買えるものが登場する可能性もあります。期待して待ちましょう。