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暗号資産なしでNFTが買える!?OpenSeaでNFTがクレカ購入できるサービス「Pie(パイ)」について解説

解説系記事

暗号資産(仮想通貨)に馴染みがない方にとって、NFTは購入するだけでも一苦労なのではないでしょうか。

時代が進むにつれてNFTはより身近なものになっていくことが予想される一方で、今はまだ一部のテクノロジー好きな人たちしか触ることができないものかもしれません。

ところが、そうした状況に風穴を開ける画期的なサービスが誕生しました。

「Pie(パイ)」というサービスは暗号資産を必要とせず、クレジットカードでNFTが購入できるサービスです。

この記事では、Pieの概要、Pieで購入できるNFT、どのような人にオススメできるサービスなのか等について解説します。

クレカでNFTが購入できるサービス「Pie」

引用元:Pie

Pieは暗号資産を用いることなく、クレジットカードでNFTを購入できるサービスです。

正確には「NFTの購入を代行してくれるサービス」であると言えます。

ユーザーの代わりにNFTの買付けを行う対価として、ユーザーはクレジットカードでNFT自体の購入価格に加え手数料を上乗せして支払うことになります。

現在、Pieを介してNFTの購入ができるのは世界最大規模のNFTマーケットプレイス「OpenSea」のみです。

OpenSeaには数多くのNFTコレクションが出品されていますが、人気のNFTの多くがPieでの購入に対応しています。

中には、NFTコレクションのリリース翌日にはすでにPieで購入可能になっているものもあり、スピード感のある対応をしていることが伺えます。

Pieを運営しているのは日本企業の株式会社XYZです。

基本的に日本人向けのサービスとして運営しているため、サイト内の説明も日本語で表記されており、非常に使いやすくなっています。

Pieは誰のためのサービスなのか

Pieは暗号資産を用いることなくNFTが購入できる代わりに、購入を代行してもらう手数料を上乗せした金額を支払う必要があります。

その他にも、そもそもクレジットカード払いであることなどを加味すると、通常のNFT購入価格よりも5%〜15%程度多い金額を支払わなければなりません。

つまり、暗号資産の取り扱いに慣れている人であれば、普通にOpenSeaでNFTを購入した方が安くすみます。

あえて上乗せ分の手数料を支払ってまでPieを利用する必要はないということです。

では、Pieはどのような層を利用者として想定しているのでしょうか。

想定される利用者層として「暗号資産を取り扱うための基本的なスキルを持ち合わせていない人」が考えられます。

スキルと言うと難しく聞こえますが、具体的には以下のような要素を指します。

  • 暗号資産などのデジタル資産を扱える金融の知識がない
  • パソコンやスマホの操作が苦手
  • 簡単な英語でさえも読むことが苦手

NFT購入に必要な暗号資産も、NFTそれ自体も、非常に価格変動が激しい特性があります。

株式や債券といった従来から存在する金融商品の売買に馴染みがない人や、そのような古典的な投資商品の売買経験はあってもデジタル資産には縁がなかったという人には、暗号資産の取り扱いそのものが高いハードルとなる可能性があります。

また、暗号資産やNFTの売買は基本的に対人で対応を受けられるサービスはなく、自分自身でパソコンやスマホを操作して取引をすることになります。

これらのデバイスの扱いに不慣れな人は、暗号資産を購入するだけでも相当なストレスを感じる場合もあるでしょう。

さらに、英語力も必要になってきます。

中学レベルの英語が怪しいという方は、暗号資産やNFTを1人で売買するのは厳しい可能性があります。

OpenSeaや、MetaMask(メタマスク)などの暗号資産ウォレットを利用していると、少なからずどこかの場面で英語を読む必要に迫られるためです。

これらの条件に該当している人にとっては、現時点で暗号資産やNFTの取り扱い自体がかなり高いハードルになってしまっていることは事実。

こうした人は費用を多く支払ってでも、Pieのようなサービスを利用する価値があるでしょう。

Pieで購入できるNFTコレクションについて

引用元:Pie

Pieでは、OpenSeaで人気のNFTコレクションが購入できます。

しかし、購入できる作品の価格上限が50万円までと決まっているため、BAYCやCryptoPunksのような超高額の作品は購入できません。

また、価格が50万円未満の間はPieの購入ページに掲載されているNFTも、価格が上がって50万円を超えてしまうと掲載がなくなり、購入できなくなることもあるようです。

そもそもPieで取り扱われているNFTは、OpenSea公認のブルーバッジがついているもの、あるいはブルーバッジがなくとも日本人に比較的人気が高そうなものの一部に限られており、全てのNFTが購入できるわけではありません。

そこでここでは、現在Pieで取り扱いがあるNFTコレクションの顔ぶれから推測できる「Pieが取り扱うNFTコレクションの特徴」について考えてみます。

取引が盛んであればフリーMintの作品でも取り扱う

引用元:Pie

上記の画像は、現在Pieで取り扱いがある「Talisman Paper of Yama」と呼ばれるNFTです。

通称「ヤーマの形代(かたしろ)」と呼ばれるNFTで、日本を代表するNFTコレクション「CryptoNinja Partners(CNP)」の新キャラ追加イベントに用いられるNFTです。

この「ヤーマの形代」自体は、一定の条件を満たしたCNPホルダーにフリーMintの権利が与えられたものとなっており、そもそもCNP運営サイドも「ヤーマの形代」に二次流通市場で高額な価格がつくことは想定していませんでした。

ところが、蓋を開けてみれば「ヤーマの形代」には約0.1〜0.13ETHの価格がつき、1日の取引件数が二桁にのぼることも珍しくありませんでした。

しかもこのNFTは、新キャラ追加のイベント後はバーン(焼却)される仕組みになっているため、永続的に存在するNFTではありません。

そのようなNFTを取り扱っていることから、Pieの「フリーMintのNFTであっても、市場で価値が認められたNFTであれば取り扱う」というスタンスが見て取れます。

人気のNFTはすぐに取り扱いを開始する

引用元:Pie

Pieに見られるもう1つの特徴は「人気のNFTはリリース後、すぐに取り扱いを開始する」ことです。

上記の画像は2022年10月30日にリリースされた日本発のNFTコレクション「Aopanda Party」です。

そしてこのAopanda Party、なんとリリース翌日の10月31日にはすでにPieで購入可能な状態になりました。

このことから、人気のNFTはすぐにでも取り扱いを開始する傾向にあることが想像できます。

もしくは、コレクションリリース前のマーケティングの様子などから、リリース前の時点ですでにPieでの取り扱いの有無を決定している可能性さえあります。

PieでNFTを購入する方法

PieでNFTを購入する手順はとても簡単です。

メールアドレスと暗号資産のウォレットアドレスがあれば購入することができます。

具体的な操作方法を見ていきましょう。

まずは、Pieのトップページに表示されているNFTコレクションの中から、購入したいNFTを選びます。

ここではAopanda Partyを選んでみましょう。

購入するNFTの「もっと見る」をクリックします。

すると、Aopanda PartyのNFTで現在購入できるものが表示されます。

自分が購入したい作品をクリックします。

いずれかのNFTを選択すると、以下の画面が表示されます。

表示される金額は手数料も含めた合計額ですが、この価格自体は常に変動しています。

購入が確定するまで金額が定まらない点には注意してください。

画面を下にスクロールし、表示される「購入手続きへ」をクリックします。

「購入手続きへ」をクリックすると、以下の画面が表示されます。

上記の画面で「送り先のウォレットアドレス」及び「メールアドレス」を入力します。

その後は、クレジットカードの情報を入力して購入確定のボタンを押すだけで、NFTの購入が完了します。

Pieを利用するメリット・デメリット

手軽にNFTを購入できるPieですが、利用にあたってメリットとデメリットは理解しておく必要があります。

Pieのメリット

Pieには以下の4つのメリットがあります。

  • 購入に暗号資産が不要
  • 自身でのOpenSeaの操作が不要
  • 購入費用の総額の把握が容易
  • (カードの設定次第で)分割払いでの購入が可能

暗号資産、及びOpenSeaでの操作が不要である点はこれまでに述べた通りです。

また、購入手順の解説でも触れましたが、Pieの画面に表示される金額は「すべての手数料を含めた金額」になっています。

そもそも手数料が上乗せされているため割高に見えますが、最終的にかかる費用の総額が簡単に把握できるのは大きなメリットです。

意外なメリットとしては、「NFT購入費用の分割払い」ができるというものがあります。

これはPie自体に付随するサービスではなく、クレジットカードの分割払い機能を利用できることが要因です。

Pieで購入する時点では一括払いとして処理されますが、購入者側でクレジットカードの設定を変更すれば、事実上の「NFTの分割払い購入」が可能になります。

Pieのデメリット

一方、デメリットにも気をつけなければいけません。

Pieのデメリットには以下の3つがあると考えられます。

  • 手数料が上乗せされる(5〜15%割高)
  • 暗号資産ウォレットの用意は必要
  • NFTの売却は不可能

手数料についてはすでに述べたとおりです。

状況によって手数料率は変動すると公式サイトでも述べられていますが、概ね5〜15%程度は購入費用が割高になります。

そして、残りの2点が要注意のデメリットになります。

1つめは、暗号資産ウォレットの用意自体が必要である点。

Pieをオススメできるユーザーとして「パソコンやスマホの操作が苦手な人」を挙げましたが、残念ながらMetaMaskなどの暗号資産ウォレットだけは自力で用意する必要があります。

これは、PieがOpenSeaで自身の代わりに購入したNFTの保管場所として必要になるからです。

無視できないメリットの2つめは、「PieはNFTの売却までは代行してくれない」ということです。

NFTを純粋にデジタルアートと捉えて売却する予定がない方や、とりあえず購入だけしておいて、暗号資産やNFTを扱うリテラシーはあとから身につけるつもりの方は問題ありません。

しかし、NFT売却のために必要なスキルを身につけるつもりがない方は、Pieで購入したNFTが結局売れずじまいということになりかねませんので、その点は注意してください。

Pieの今後の展望まとめ

Pieは暗号資産を用いることなく、OpenSeaで人気のNFTコレクションを購入できるサービスです。

メールアドレスとウォレットアドレスさえ用意すれば、簡単にNFTを購入することができます。

メリットとデメリットの双方を理解した上で、ご自身にとって利用する価値があると感じられた方は、ぜひ利用してみてください。

Sparrow

Sparrow

フリーランスのWebライター。ブロックチェーンの非中央集権的な世界観に惚れ込み、暗号資産・NFT・メタバースなどのWeb3領域に絞って記事を執筆。自らの暗号資産投資やNFT売買の経験をもとに、難しいと思われがちなブロックチェーンについて、初心者にもわかりやすい記事を書くことを心がけています。好きなNFTクリエイターは「おにぎりまん」氏。
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