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日本初のエンタメDAOプロジェクト「SUPER SAPIENSS」とは?

ハウツー系記事 解説系記事

堤幸彦氏や佐藤祐市氏、本広克行氏などの日本を代表する映画監督たちとプロデューサーなどが株式会社フィナンシェと共同して「SUPER SAPIENSS」というプロジェクトを発足させました。

引用元:SUPER SAPIENSS

プロジェクトでは、フィナンシェの「トークン発行」とトークンを基盤としたコミュニティを活用した「エンタメDAO」にチャレンジします。トークンを保有する「サポーター」たちは、単に資金を提供するという立場ではなく、密な関わりを持って作品作りに取り組みます。

これまでにない新しい形のプロジェクト「SUPER SAPIENSS」について詳しく紹介し、将来性について解説します。

「SUPER SAPIENSS」とは?

「SUPER SAPIENSS」は、堤幸彦氏など実績のあるクリエイターが集結して新しい形の映画制作を目指すプロジェクトです。

今までの映画制作におけるお金の流れをweb3を通じてまったく新しいものにして、さらに映画を作るという仕事そのものを変えていこうという意欲的な試みです。

まずは創設メンバーの紹介と、SUPER SAPIENSSが目指している「エンタメDAO」について解説します。

創設メンバー8人の紹介

SUPER SAPIENSSは、新しい映像制作を目指す4名が発起人となっています。

・堤幸彦監督:テレビドラマ『金田一少年の事件簿』『ケイゾク』『池袋ウエストゲートパーク』『TRICK』などを手掛ける。2015年、『天空の蜂』『イニシエーション・ラブ』で報知映画賞監督賞を受賞

・佐藤祐市監督:映画『キサラギ』でブルーリボン賞作品賞、日本アカデミー賞優秀作品賞など多数の賞を獲得。その後、『ストロベリーナイト』『名も無き世界のエンドロール』などを手掛ける

・本広克行監督:1990年代に大ヒットした『踊る大捜査線』のチーフ演出および劇場版の監督。アニメ作品『PSYCHO-PASS』の監督としても知られる

・森谷雄プロデューサー:フジテレビなどで『深夜食堂』『コドモ警察』など数多くのテレビドラマを手掛ける。映画プロデューサーとしても『最初の晩餐』『ミッドナイトスワン』など豊富な実績を持つ

この4人は業界内でも意見やモチベーションが合うとして話をする機会も多いとのことで、「なにか面白くて新しいことをやりたい」「今まで自分たちがやりたくてもやれなかったことを」という話となって生まれたのがSUPER SAPIENSSプロジェクトです。

ここに、フィナンシェ代表の國光宏尚氏、堤監督の会社『オフィスクレッシェンド』の取締役の松本淳一氏、映画宣伝のプロフェッショナル渡辺尊俊氏が加わり、そこに起業家・投資家・マーケッターなど幅広い活動をしている成瀬拓也氏が加わって発足しました。

映像業界への危機感が発端

日本のエンタメ業界では、アニメ制作や映像制作に対して「危機感」を持っている人が多くいます。危機感を生む大きな要因のひとつと言われているのが「製作委員会方式」です。

製作委員会方式というのは、スポンサーとなるいくつかの企業がお金を出し合って1つの映画やアニメを作るという資金調達の方法です。単独でなく複数の企業に出資してもらうので「製作委員会」と呼んでいます。

出資スポンサーになるのは放送局・映画会社・制作プロダクション・広告代理店・商社・出版社など多岐にわたります。

製作委員会方式は参加した各社が出資しあうのでリスクヘッジにもなりますが、逆に制作側にとっては足かせになることもあります。出資会社にとって都合が悪い内容は制作できませんし、各社の思惑が絡むことが多いと指摘されています。

また、もしヒットしても、製作委員会方式では出資した会社に利益がもたらされるだけで、クリエイターに還元されにくいという大きなデメリットがあります。

また、製作委員会方式には以下のようなデメリットがあることが指摘されています。

  • 作品の権利がクリエイター側にないことがある
  • 「良い作品」よりも「ハズれない作品」を作るようになってしまう
  • クリエイターが「本当に面白いもの」を作ろうとしてもチャレンジしにくい
  • 日本の国内市場ばかり見ているので世界的なヒットが生まれにくい

SUPER SAPIENSSは「このままでは日本の映画業界はどんどんダメになっていく」という危機感から発足しました。監督たちには「監督人生のなかで代表作と言える作品を作りたい」という思いがあります。

活動の方針とは

引用元:SUPER SAPIENSS

SUPER SAPIENSSは「クリエイター主導の制作」を活動の方針としています。今までの委員会方式ではなく、ものづくりをする本人たちが主体となって制作し、原作から配信・配給まで一貫してたずさわって責任を持てる体制を作りたいという思いで活動しています。

SUPER SAPIENSSの「広報」的な立場にある成瀬氏はブログで以下の4点を特徴として挙げています。

  • クリエイターエコノミーのファイナンス:今までのような製作委員会方式では、「出資する側」が権利も全部持っていきます。クリエイターにも還元できる仕組みを創出することを目指します。
  • IPマネジメント:従来の方式では、原作を含む知的財産はクリエイター側にはありませんでした。SUPER SAPIENSSでは原作から手掛けて、権利も所有することで、配給・配信による収入だけでなく発展的な展開においても自由な裁量権を持てます。
  • クリエイターユニバース:映画やアニメは「1作品ごとのチーム」で動きます。制作が終わればチームは解散して、その後は「かつての仕事仲間」という関係です。クリエイターユニバースでは、同じ世界の中に様々なクリエイターがいて、互いにつながりや関与を持ちながら活動します。作品は違ってもつながりを保つという関係作りを目指します。
  • プロセスエコノミー:「NFTを活用した新しい活動形態」において、プロセスエコノミーは重視される部分です。従来は観客・ファンが「見ることができる」のは作品のみでした。プロセスエコノミーでは、作品の企画や制作段階からファンが関わって、より強い思いで作品を応援する体制を作ります。

トークン発行型ファンディングを実施

「SUPER SAPIENSS」が今までの制作集団や製作委員会方式と最も違っている点は、「エンタメを作るためのDAO」を結成するというところです。

DAOは「自律分散型組織」と呼ばれる組織形態で、株式会社でも出資スポンサーでもありません。組織の構成員をつなぐのは「ブロックチェーン」です。

ここからは、SUPER SAPIENSSが目指している「トークン発行型ファンディング」の姿を紹介します。

エンタメDAOを目指している

SUPER SAPIENSSが目指しているのは日本初の「エンタメDAO」です。

そのためにトークンを発行し、購入したサポーターが単にエンタメを楽しむだけでなく、制作過程を見守るとともにコミュニティで実施される企画を通してプロジェクトと密接に関わって「クリエイターたちと同じ興奮と喜びを味わう」ことになります。

DAOはweb3では頻出する言葉ですが、「同じ目的と想いを持った仲間が集まる」「仲間が協力して自律的に運営される組織」を指します。誰かがリーダーや管理者なのではなく、意思決定はメンバーの合意によって行われるものです。組織=コミュニティの運営のためにトークンを発行します。トークンを保有している人たちで話し合って合意を形成して前進します。

SUPER SAPIENSSでは、メンバーは「ウェブトゥーン」という電子コミックを使って、映像制作の現場が活用する「絵コンテ」を読むことができます。

トークン発行で資金調達するので、従来の製作委員会方式とはまったく違います。クリエイターはDAOのなかで過程を公開しながら制作し、メンバーは制作現場にいないと分からない情報を得ることができます。

DAOにはスポンサーや出資会社はいません。そのため、クリエイター自身が権利を持ち、金銭的なリターンを得ることができます。

トークン発行型ファンディングとは

引用元:SUPER SAPIENSS

SUPER SAPIENSSが採用している「トークン発行型ファンディング」とは、トークンを発行して支援を募る方式です。クラウドファンディングに似ていますが、大きな違いがあります。

トークンはクリエイターとサポーターをつなぐ「デジタル上の会員証」です。トークンは「ポイントプログラム」のような数量を持ち、また、需要に応じて価格が変動します。マーケットプレイスで自由に追加購入できますし、売却も可能です。コミュニティ内で仲間同士でトークンをプレゼントすることもできます。

クリエイターは販売されたトークンから受け取る収益を支援金として受け取ります。トークンのホルダーは購入した金額に応じた数量のトークンを受け取ります。トークンを保有することで、コミュニティ経由で保有数に応じた投票権や抽選特典が受けられます。

従来のクラウドファンディングは「寄付に応じたリターンが得られる」もので、この点ではトークン発行型ファンディングと似ていますが、トークンは「価格が変動する」「売却もプレゼントもできる」「保有している数量に応じてコミュニティでの発言権が増加する」という違いがあります。

クリエイターからすると、トークンは資金調達に役立つだけでなく、コミュニティの継続的な支援によって「プロジェクトそのものの価値を高める」ことを可能にするものです。サポーターにとっては「プロジェクトを初期から応援する会員証」となって、熱量がトークンの価値を高めることにもなるため、支援を継続するモチベーションになります。

共創型コミュニティとは?

引用元:SUPER SAPIENSS

SUPER SAPIENSSでは、トークンを購入した人たちが結成するコミュニティを「共創型コミュニティ」と呼んでいます。

制作状況や進行状況、撮影現場の可視化などは映画やアニメ制作のクラウドファンディングでも実施されることがあります。共創型コミュニティでは、サポーターはより一層現場との関わりを持ちます。

撮影状況の報告といった「定期的な情報共有」だけでなく、作品の設定やシナリオ、プロモーション方法などもコミュニティで話し合って決めていきます。

クリエイターとサポーターが「共創」していくSUPER SAPIENSSでは、トークンのホルダーだけが参加できるコミュニティを「関係者用会議室」と位置づけています。トークンは会議室に入室するための「スタッフパス」の役割を果たします。

プロモーションの仕方やシナリオなどに関する「トークン投票」を実施してサポーターとともに意思決定をしながら制作していきます。

「この作品はどうなっていくのか」「どんな作品が生まれるのか」という重要な部分をサポーターも担うので、ディスカッションは有意義なものになることが期待されます。ポジティブな議論からクリエイターは重要な作品のヒントが得られるかもしれません。

サポーターとクリエイターが同じ方向を向いて作品を作っていく過程からは興奮も熱気も生まれる可能性があります。

参加の方法

SUPER SAPIENSSに関わるには「FiNANCiE」からコミュニティトークンを購入する必要があります。

引用元:FiNANCiE

FiNANCiEは「ブロックチェーンを活用して新しい時代のクラウドファンディングを作る」ことをミッションにしている会社です。今まで「いわきFC」や「ジャパンサイクルリーグ」など新興のスポーツチームのDAOトークンを発行してきた実績があります。

トークンはスマートフォンを使って簡単に購入できます。単なる資金提供・資金援助を超えた新しい応援スタイルを体験できます。

トークン購入の流れ

  • スマホにFiNANCiEアプリをダウンロード
  • SUPER SAPIENSSを検索
  • マーケットページで購入プランを選んで購入に進む
  • ポイントの購入・支払いを完了させる

非常に簡単な手続きです。トークン保有者は特典を得るだけでなく、購入額に応じた投票権も得られます。さらに、トークンは後で売却することも可能ですので、もしトークンが値上がりすれば売却益を得ることもできます。

トークン所有によるメリットとは

SUPER SAPIENSSのトークンを所有することによって、共創型コミュニティに入ることができ、コミュニティで公開されている限定情報を得ることができます。

さらに、創設メンバーの成瀬氏は以下のようなメリットを得られるとブログで語っています。

  • 一般公開される前の映像を先んじて見ることができる
  • 映画・映像作りの裏側を知ることができる
  • オーディション情報が入手できる
  • 制作スタッフの募集がある
  • ビジネスまわりの仕事の募集がある
  • 監督や出演俳優たちとつながれる機会がある

すでに、映像化される予定の原作をウェブトゥーンで読むことができるようになっています。

創設メンバー成瀬氏による「いくら買ってほしいか」について

成瀬氏のブログには、「いくら買ってほしいか」という具体的な金額も提示されています。

アニメや映画に関連したDAO組織は、すでにいくつか存在しており活発に活動しているところも少なくありません。ブログやTwitterで盛んに宣伝しているDAOもあります。

ところが、そういったDAOでも「いくら買えばいいのか」「このくらい購入してくれたら関わりがこのくらい深くなる」などと発信しているところは珍しく、参考になる数字です。

成瀬氏による購入額と関わりの深さ

  • 気になるなら:5,000円~1万円
  • 制作側に回って俳優やスタッフとして関わりたい:2万円以上
  • すぐに監督たちと関わりたい:10万円以上
  • 今すぐ存在感を出したい:100万円

成瀬氏は多くのプロジェクトに関わっている人なので、かなりリアルな数字です。「10万円以上出してくれる人は監督に直接話ができるかもしれない」というのは実に正直な数字と言っていいでしょう。

ただし、SUPER SAPIENSSは「エンタメDAO」であるため、ギャンブル的な投機目的で買うのは止めておきましょう。

とりあえず「1口買っておけば初期から応援しているサポーターだ」と胸を張って言えるという程度に考えておきましょう。手っ取り早く映像制作に関わりたいという人が「10万円出す」というのも面白い活用方法です。

2022年における「SUPER SAPIENSS」の活動実績

SUPER SAPIENSSは2022年1月19日にトークンを発行しており、監督や成瀬氏、またサポーターたちから続々と活動の報告が寄せられています。

マンガ制作もすでに始まっており、日本初のDAOによる映画制作に向けて精力的に動いています。

ここでは、2022年11月までに報告されたSUPER SAPIENSSの活動をまとめます。

引用元:SUPER SAPIENSS

プロジェクト発表会からTwitterスペース配信まで

引用元:Youtube

SUPER SAPIENSSのプロジェクト発表会は2022年1月19日に実施されました。そこでは、韓国発のアイドルグループや映画などを事例に挙げて「日本のエンタメは世界に通用するヒントを数多く発信してきたのに、今や海外のオリジナル作品として逆輸入されているという状況だ」と森谷雄プロデューサーからの発言がありました。

第一弾のプロジェクトとして「縦読みマンガウェブトゥーンの制作」「マンガ作品の映像化」が発表されています。

マンガ制作部門として「株式会社コルク」のCEO佐渡島庸平氏をメンバーとすることや、FiNANCiEのCEO國光宏尚氏がアドバイザーとして加わることも発表されています。

発表会の当日から初期のトークンが発行されました。以下のような結果を出しています。

総支援額:4,589万ポイント
サポーター数:1,071名

初期トークン単価は約23円でしたが、その後の二次流通で値上がりし、2022年6月1日には単価29.8円に達しています。

2022年2月1日にTwitterのスペース機能で「スパサピナイト」が配信されました。配信は毎週火曜日に継続されており、何も決まっていない状態から始まったプロジェクトはサポーターやクリエイターたちがアイデアを出し合って前進しています。

会合や交流会を盛んに行っている

SUPER SAPIENSSはサポーター参加型プロジェクトとして、会合や交流会を各地で盛んに行っています。

すでにSUPER SAPIENSSファンと言うべき人たちが育っており、それぞれが自分ができる形でのプロジェクト参加を果たしています。

Twitterスペースの配信で「ラジオのオープニングみたいなジングルがほしいね」という話が出たときには、サポーターがジングルを制作しています。各地の会合では地元のサポーターがスタッフとして参加しています。

引用元:Twitter

第一弾の映像作品

SUPER SAPIENSSは、映像作品第一弾『SUPER SAPIENSS THE BEGINNING』の完成披露イベントを2022年7月10日に開催しました。プロジェクト発表から約半年という短期間での完成で、web3プロジェクトとして順調であることがうかがえます。

引用元:SUPER SAPIENSS BIGINNING

監督は堤幸彦氏が担当し、脚本は『夜を越える旅』で「SKIPシティ国際映画祭」で作品賞・観客賞を受賞した萱野孝幸氏が手掛けました。

「人体消失」という不思議な事件を追うベテラン刑事と新人女性刑事のコンビが、数々の異常な出来事に巻き込まれていくというストーリーです。

SUPER SAPIENSSはこの作品を「100年続くプロジェクトのはじまりの始まり」と位置づけており、シリーズ化してコンテンツを継続する計画です。

サポーターには「第一稿の脚本が読める」という特典が提供されました。通常は世に出ることはないものであるため、サポーターも大いに盛り上がったとのことです。

映画は上映とトークを組み合わせたイベントを日本各地で行うツアーを計画しています。

「映画のweb3化」「DAOでアニメを作る」などを目的としたNFTやコミュニティは数多くスタートしていますが、実際に作品を世に送ったものはまだ少なく、公開の形はどうあれ作品を完成させたというのは大きな実績と言えます。

俳優オーディション・マンガ制作

『SUPER SAPIENSS THE BIGINNIG』の制作に先立って、俳優オーディションがコミュニティで実施されました。

オーディションの応募条件は「トークンを860以上保有している人」で、この数量のトークンを持っている限り、将来にわたって何度でもオーディションに参加できるという設定です。

プロジェクトが発足してからプロデューサーのところに有名な俳優から「ぜひ参加したい」という話があったそうですが、どれほど有名だろうと例外なく「トークンを購入してください」と依頼したそうです。

映画制作をきっかけにSUPER SAPIENSSでは「俳優部・スピサピファーム」が立ち上がりました。今後の作品出演への期待を寄せられています。

引用元:SUPER SAPIENSS BIGINNING

映像制作に並行して、ウェブトゥーンマンガの制作も進んでいます。

SUPER SAPIENSSでのマンガ制作には有名編集者の佐渡島庸平氏が関わっており、佐渡島氏が設立した株式会社コルクに所属する「ちょび」氏がマンガを描くことになっています。

ちょび氏のYoutube動画では映画やウェブトゥーンについて多くの考察や実験が行われています。

引用元:Youtube

サポーター限定動画では映画の進捗情報がアップされ、作品作りの過程を共有することができます。

今後の予定

SUPER SAPIENSSは第一弾の映像作品をローンチしただけでなく、今後も様々なプランを持っています。「広報役」となっている成瀬市によると、以下のような展開が計画されています。

SUPER SAPIENSS今後の計画

  • ジェネラティブNFTの配布
  • アパレル販売
  • 第二弾の映像作品の制作

ジェネラティブNFTは2022年9月29日にサイトがオープンしています。

引用元:SUPER SAPIENSS NFT

NFTはSUPER SAPIENSSのウェブトゥーンを手掛ける「ちょび」氏が原画を描いています。

引用元:SUPER SAPIENSS NFT

販売されるNFTはウェブトゥーンや実写映画の作品内に登場します。ホルダーはキャラクターがSUPER SAPIENSSに登場するときのアイデアを出すことができ、良いものは実際に作品に反映されることになっています。

最初のNFTシリーズから「派生」するNFTコレクションを展開する予定になっており、ホルダーは優先的に購入できます。「柱となるコレクションがあり、そのホルダーは付随するコレクションを優先的に買える」というのは、多くのNFTコレクションで行われている手法で、ホルダー特典のひとつとして有効なやり方です。

この他、「プロジェクトに関連する情報や体験を優先的に得られる」「商用での利用を許可する」といった特典を準備しています。

まとめ

日本初のエンタメDAOプロジェクト「SUPER SAPIENSS」について解説しました。

最後に記事をまとめます。

  • SUPER SAPIENSSは堤幸彦監督や本広克行監督など実績のあるクリエイターが参加しているプロジェクトである
  • 従来の「製作委員会方式」に疑問と危機感を持っている
  • 「クリエイター主導の制作」を活動の方針にしている
  • トークンの購入によってプロジェクトに参加できる
  • トークン保有者には様々な特典が得られるだけでなく、作品の制作そのものに関わることができる
  • すでに第一弾の映像作品を制作しており、コミュニティも盛り上がっている
  • 今後はアパレルの販売やジェネラティブNFTの発行などが予定されている

「映像やアニメを作る」ことを目的にしたDAOは数多くありますが、実際に「結果が出ている」プロジェクトは多くありません。SUPER SAPIENSSはしっかりと結果を出しています。今後の活動に注目しましょう。

Spritz

Spritz

Web3領域を専門とするライター。DeFiやNFT分野への投資経験をもとに、クリプトに関する記事を発信しています。これまでに執筆した暗号資産に関する記事は70本以上。特に関心の強い分野は、セキュリティトークンです。ブロックチェーンによってもたらされる社会変革に焦点を当て、初心者にもわかりやすい記事を心がけています。
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