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Azukiが発表した「Physical Backed Token(PBT)」について解説

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2022年10月17日、NFTプロジェクトである「Azuki」が、フィジカルとデジタルを紐づけるトークン規格「Physical Backed Toke(PBT)のリリースを発表しました。

PBTの仕組みや今後のユースケースなどについて解説していきます。

Physical Backed Tokenについて

世界的人気NFTプロジェクトである「Azuki」の発行元であるChiru Labsは、2022年10月17日に「Physical Backed Token(以下PBTと表記)のリリースを決定し、翌日の10月18日にプロジェクトである「Azuki」がTwitter上で発表しました。

(引用元:https://twitter.com/AzukiOfficial/status/1582057921516474368?s=20&t=isbLUxbQ-651wJvskAm9eQ

PBTはフィジカル(実物)のアイテムにデジタルトークンを紐付け、ブロックチェーン上に記録させる技術で、フィジカルアイテムの所有者情報をデジタル上に保存することができます。

なお、PBTはEIP(イーサリアム改善提案)の申請に提出済みで、承認されると正式なトークン規格になります。

PBTの仕組みは、フィジカルアイテムにBean Chipと呼ばれるNFCタグのようなものを取り付けて、それをスマートフォンでスキャンするとPBTが発行され、所有者のウォレットに転送されます。

これにより、フィジカルアイテムの所有者は自らのウォレットに関連付けることができ、検証可能なアイテムとして認証できるようになります。

「Bean Chip」と「Scan to OWN」

先述したBean Chipは、「Blockchain Enabled Authenication Network Chip」の略で、既にファッションとブロックチェーンデータを紐づける技術の実績をもつKong社により開発されました。

(引用元:https://twitter.com/AzukiOfficial/status/1582057942945128462?s=20&t=isbLUxbQ-651wJvskAm9eQ

Bean Chipは下記の図のように、非対称であるキーのペア(公開鍵と秘密鍵のペア)で自己生成する暗号化チップです。

(引用元:https://www.azuki.com/updates/pbt

先述したように、PBTはこのBean Chipをスキャンすることにより所有者情報をデジタルに反映させます。

このことを「Scan to Own(スキャン トゥ オウン」と呼び、フィジカルアイテムが別の所有者に移転した場合、新たな所有者がBean Chipをスキャンすることより、デジタル上の所有者情報も転送され、ブロックチェーン上に保存されます。

最初のリリースは「黄金のスケートボード」

PBTを組み込んだフィジカルアイテムの最初のリリースは「Proof of Skate:Golden Skateboard」と題されたアイテムで、2022年10月21日〜22日にかけてオークションが開催されました。

(引用元:https://twitter.com/AzukiOfficial/status/1582125517582766080?s=20&t=L7DRaI8yqpGgcj-z2JrtGg

この作品は24Kゴールドでメッキされた黄金のスケートボードで、それぞれに異なるエンブレムが刻まれている世界で一つのアイテムです。

なお、このスケートボードは2022年10月19日〜23日の期間、香港の展示会で実物の展示も行われました。

(引用元:https://www.azuki.com/updates/proof-of-skate

オークションによるアイテムを取得した上位8名は下記の通り公式ページ内で発表されており、最高値は309ETHでの落札です。

落札者は実物コレクションを取得でき、さらにデジタル上で所有者情報を紐づけて、いつでもその証明をすることができます。

(引用元:https://www.azuki.com/proof-of-skate

コレクターページ機能

PBTの発表と同じタイミングで、Azukiの公式ページ内でコレクターページという、コレクターの行動によってバッジを付与する取り組みが始まりました。

(引用元:https://twitter.com/AzukiOfficial/status/1580961778871463936?s=20&t=DhSwsMxkDAzdds3LjMQBgw

付与されるバッジは下記の通りです。

(引用元:https://www.azuki.com/c/0x54BE3a794282C030b15E43aE2bB182E14c409C5e

プロフィール画像にAzukiを設定したりイベントへの参加の他、レアな特性を持つNFTを所有するなど、ホルダーが行動した実績により付与されます。

(引用元:https://twitter.com/DropMiin/status/1582196477128232960?s=20&t=dPfZZiqsuErnWka116FlYw

バッジを獲得するために、レアアイテムを取得をしようと一次知的に取引が活発になるほど盛り上がりを見せました。

黄金のスケートボードの落札者は、コレクターページ内での画像もが下記のようにスケートボードを持った画像に変更されるようです。

(引用元:https://www.azuki.com/updates/proof-of-skate

メリットとユースケース

最後にAzukiの公式ページに掲載されているPBTのメリットとユースケースについてまとめてみました。

  • フィジカルアイテムを非中央集権的に、しかもトラストレスで認証可能にすることができる
  • 特別なデバイスを必要とせず、スマートフォンのみでフィジカルなアイテムをデジタル認証させることができる
  • 商品の所有者情報を過去にさかのぼって追跡可能になり、アイテムの開発側が設計開発などへ活用することが可能になる
  • デジタルと現実の両方の世界でコレクションの構築が実現する
  • オープンソースなので誰でもPBTのプログラムを使用して開発することができる

まとめ

既に保有しているNFTに基づいてフィジカルアイテムがもらえるなどの取組は行われており、また、フィジカルアイテムとデジタルを紐づけた製品も数多く存在しています。

しかし今回発表されたPBTのように、スマートフォンのスキャニングだけで分散的に、しかもトラストレスにブロックチェーンに刻まれる技術は今までにない技術です。

EIPの承認がされるとより多くの場面で活用され、より身近に体験できる機会が増えることが期待されます。

Yukimasa

Yukimasa

ブロックチェーン歴6年のライター。ブロックチェーンは必ず新しい時代を築き上げると確信し、その一躍を担うべく本格的に執筆活動中。とどまる事なく進化し続けるNFTやCryptoに関わる情報を初心者にもわかりやすく、そして的確に伝えていく。
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