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Telegram Ad Platformとは?TONで広告収益の50%を分配

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2024年3月、TelegramでTONを用いた収益化プログラム「Telegram Ad Platform」がスタートしました。広告主は気になるチャンネルで予算に応じたテキスト広告を配信できます。また、広告料金の50%がチャンネルユーザーに分配されるということも注目すべきポイントです。

本記事ではTelegram Ad PlatformやTONの概要、TONの始め方を分かりやすく解説します。

Telegram

名称 Telegram(テレグラム)
サービス メッセージ、ファイル送信
サービス開始年 2013年
開発/運営 Telegram Messenger LLP
公式サイト https://telegram.org/

Telegramは2013年にロシアで開発された無料のメッセンジャーアプリです。セキュリティには定評があり、エンドツーエンド通信は暗号化され、送信メッセージも自動で消去されます。チャットだけではなく、ファイル共有やボット構築機能なども利用が可能です。

Telegram AdとTelegram Ad Platform

Telegram Ad自体は2021年に発表された広告サービスで、2022年に試験運用が行われています。内容としては、広告主がフォロワー1,000人以上のチャンネルで広告投稿権を購入するといったものでした。

しかし、実際に広告を導入したユーザーからは「広告がチャンネルの趣旨と合っていない」「同じ広告が何度も表示される」など批判的な反応が多くありました。そして、計画は停滞します。

このようなフィードバックを反映させて、2024年3月にTelegramの新広告機能「Telegram Ad Platform」をローンチさせます。Telegram Ad Platformを用いることで、広告主はターゲティングの精度と広告管理を最適化させることができるようになりました。そして、Telegram Ad Platformの収益化システムを支えるのが「The Open Network」です。

TON(The Open Network)とは?

チェーン名 Telegram Open Network → The Open Network
シンボル TON(トン)
コンセンサスアルゴリズム PoS※1
開始年 2018年
開発/運営 Telegram → TON財団
公式サイト https://ton.org/

TON(The Open Network)は、Telegramが開発したブロックチェーンです。Solidity言語をサポートし、Ethereumのスマートコントラクトとの互換性もあります。PoSによる高いスケーラビリティと高速トランザクションも主要な特徴です。Telegram Ad Platformの基盤となり、広告料の支払いなどで利用されます。

※1 PoS(Proof of Stake)はトークンの保有量に基づいた、取引検証とブロック生成プロセスです。

関連記事:「NFTは自作可能?スマートコントラクトの作成からミントまでを解説」

Telegram Ad Platformの始め方

広告主側とユーザー側がTelegram Ad Platformを始めるプロセスを解説します。Telegramのアカウントを保有していない方は、事前に準備しておきましょう。携帯の電話番号があればすぐに作成できます。

広告を出すプロセス

  1. ログイン
  2. 広告の作成
  3. 広告料の決定
  4. ターゲティングパラメーターの設定

1.ログイン

TelegramアカウントでTelegram Ad Platformにログインします。こちらのページから「Log in to Start Advertizing」をクリックしてください。

「Personal Account」もしくは「Organization」から広告を運用するアカウントを選択します。個人であればPersonal Account、企業であればOrganizationを選択しましょう。

2.広告の作成

「Create a new ad」をクリックして、広告の作成を開始します。テンプレートから作成していきます。タイトル、テキスト、URLなどを入力してください。テキストボリュームは最大160文字(英数字)です。

1点注意点があります。広告中のURLリンクは、Telegram上のチャンネルまたはボットにリンクする必要があります。外部サイトへのリンクは許可されていません。

3.広告料の決定

広告のCPM(Cost-Per-Mille)※2を設定します。最低CPMは0.1トンコインです。スポンサーメッセージはこの金額に達するまで表示され続けます。後からCPMを増額させることも可能です。

※2 CPMは広告が1,000回表示されるごとに発生する料金です。

4.ターゲティングパラメーターの設定

どのチャンネルに広告を出すかを決定します。ビジネスに最適なチャンネルのURLを入力してください。ターゲティングパラメーターは後から変更ができません。

広告料を受け取るプロセス

フォロワー数1,000人以上のユーザーであれば、自身のチャンネルに広告が掲載される可能性があります。設定されたCPMの50%がチャンネルオーナーにTONで還元されます。

1.広告表示

1,000人以上のフォロワーを有するユーザーであれば、Telegram Ad PlatformからTONトークンで広告料を受け取ることができます。しかし、まずは広告主からチャンネルを選んでもらう必要があります。

2.TONの出金

FragmentというDEXを使用します※3。Telegram IDで接続してください。
なお、出金手数料は無料です。

また、TONチェーンもユーザーが利用できる状態にしておく必要があります。詳細は次項「TONの始め方」で解説します。

※3 2024年4月、もしくは5月中に出金が可能になる予定。

参照:Telegram「Telegram Ad Platform Explained

TONの始め方

ここではTONチェーンの始め方を解説します。TONの送金プロセスもしっかりと押さえておきましょう。

1.ウォレットの準備

ウォレットはFragmentというTelegramのDEXを利用する際に必要です。FragmentでTelegramのIDとTONウォレットを接続し、DeFi(Decentralized Finance)を行います。

TONに対応したウォレットには、Trust WalletやLedgerといったものもあります。任意ですが、特にTonkeeperがポピュラーウォレットとして推奨されています。

TON「TON対応ウォレット一覧リンク」

2.CEX(中央集権型取引所)アカウントの作成

TONを購入できる取引所は日本国内にはありません。海外取引所ですと、OKXやBybit、Gate.io、KuCoinでトレード可能です。パスポートや免許証などの公式IDがあれば、すぐにアカウントは作成できます。

国内取引所のアカウントも、日本円から暗号資産に変換する際に必要です。国内取引所のアカウントを保有していない方は、事前に作成しておきましょう。

参照:CoinMarketCap

3.TONの購入

 

TONを購入するプロセスとしては、国内取引所から海外取引所へ送金、その後に送金銘柄とUSDTをトレード、USDTとTONをトレードという形になります。

国内取引所はTONチェーンに対応していないので、直接TONウォレットに送金することはできません。

4.TONの送金/入金

CEXへの送金/入金時に選択する「チェーン」が「TON」であることを、しっかりと確認してください。上記図はBybitの出金フォーム例です。ウォレットアドレスには自身のホットウォレットアドレスを入力します。

5.TONをDAppsで使用

例えば、Fragmentではウォレット(Tonkeeperなど)のバーコード認証を用いたバインドを行います。スマホアプリとPC画面はすぐにリンクされ、DeFiが可能になります。

Telegram Ad Platformの注意点

  • 日本人にとって参入障壁が高い
  • 評価はこれから
  • 掲載広告の確認が大切

日本人にとって参入障壁が高い

TONが国内取引所でトレードできないこと、またTelegramやTON関連サイトが日本語表示に対応していないことは、日本人の参入障壁を高くしています。暗号資産を普段トレードしない方にとっても難しいところがあるのかもしれません。本記事の「TONの始め方」を参照しながら進めてみましょう。

評価はこれから

まだ始まったばかりのサービスとあって、コンバージョン測定やデータ解析など、どの程度の機能が実装されるのかは不確定です。Fragmentを用いたTON出金機能もアクティブでないことから、総合的な評価はまだこれからといったところになります。

掲載広告の確認が大切

ユーザーと広告主、双方にとって最適な広告が表示されることは重要です。ユーザーは自身のチャンネルに表示される広告を確認しましょう。広告主側も、指定したチャネルで不適切なコンテンツが配信されていないかを点検する必要があります。

まとめ

以上、Telegram Ad PlatformやTONの概要、TONの始め方を分かりやすく解説させていただきました。

TONはTelegramの広告サービスの基幹システムであり、低コストでスピーディなトランザクションを実現させます。広告料金もTONで支払われるということで、市場ニーズの高まりにも注目していきましょう。

AMEHARE

AMEHARE

ITの最新トレンドを発信しはじめて十余年。Web2から3の時代の変革もいち早く察知し、2012年ごろから仮想通貨に注目をし始める。次世代の文化やテクノロジーを情報を掴みつつ、NFT・メタバース・DAOなどの領域であらゆる情報を発信中。
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