Menu

Signalが採用したMobileCoinとは?匿名性の高いSNSでトークン決済

解説系記事

メッセージアプリ「Signal」は、送信内容が常に暗号化されることで強固なセキュリティを実現します。そのSignalが採用する決済手段は、同じくセキュリティで定評のあるブロックチェーン「MobileCoin」です。

本記事ではMobileCoinの概要、注目される背景、Signalでの決済方法を解説します。Signalユーザーの方は「SignalでのMobileCoin決済方法」を参照しながら、決済機能を試してみましょう。

MobileCoinとは?

項目 内容
シンボル MOB
使用チェーン MobileCoin
コンセンサスアルゴリズム MobileCoin Consensus Protocol (MCP)
エクスプローラー MobileCoin Block Explorer
運用開始年 2020年
開発運営 MobileCoin Inc./MobileCoin Foundation
関連サイト https://www.mobilecoin.com/

MobileCoin(MOB)は、2017年にMobileCoin Inc.によって設計された分散型決済プラットフォームです。Signalなどのメッセージアプリとの統合を進めており、MobileCoinを用いることで、ユーザーはSNS上で気軽に暗号資産送金をすることができます。送信システムではプライバシーが最優先され、取引の詳細は送受信者以外に知られることはありません。

Signalとは?

項目 内容
サービス名 Signal
主な機能 暗号化されたメッセージング

音声/ビデオ通話

ファイル共有

料金 無料
サービス開始年 2013年
開発運営 Signal Foundation
公式サイト https://www.signal.org/

Signalはプライバシーを最優先に掲げたメッセージアプリです。通信にはエンドツーエンドの暗号化プロトコルを採用することで、極めて高い秘匿性を実現させています。

開発運営は米国の非営利団体Signal Foundationによって進められており、営利企業や国※の資本参加はありません。さらに、広告やユーザー情報のビジネス利用なども制限されており、他のSNSとは一線を画すサービスを提供しています。

※ 設立当初は米国政府が出資している「Open Technology Fund」から資金提供

Signalが決済機能にMobileCoinを採用

2021年にSignalは決済機能にMobileCoinを実装する計画を発表し、2022年には実装を完了させました。格別プロモーションもなく、設定メニューに「決済機能」とだけ表示されるようになったことで、逆に「MobileCoin」への注目度は一気に高まりました。

なぜMobileCoin?

理由 期待される効果
1. プライバシー保護の強化 決済情報の匿名性強化
2. コンセンサスアルゴリズム 環境負荷を抑えた送受信システム
3. 低い送金手数料 ユーザーの経済的負担が軽減
4. グローバルな送金 国内外問わず、送金の利便性が向上
5. 暗号通貨の認知度向上 暗号資産の送金/決済ニーズに対応

SignalはMobileCoinのセキュリティとユーザビリティを高く評価しています。MobileCoinはユーザープライバシーを守り、決済情報の匿名性を保つことができます。

送金速度と、MCPを用いた低コストの送受信システムにも注目です。さらに、世界的に暗号資産決済の認知度が高まったということも、SignalがMobileCoinを実装する後押しとなりました。

MobileCoin Consensus Protocol (MCP)

MobileCoinでは、選任されたバリデーターがチーム(quorum)として集まって承認プロセスを進めます。MobileCoinのセキュリティはMCPへの信頼によって成り立っています。

また、誰でもバリデーターとして参加することはできません。主なバリデーター参加条件としては、インテルのSGX (Software Guard Extensions) 対応のハードウェアの使用、他のバリデーターノードからの信頼(quorum参加)、KYC/AML審査合格が挙げられます。

SignalでのMobileCoin決済方法

  1. Signalアプリインストール
  2. MobileCoin入金
  3. MobileCoin出金

MobileCoinは独自チェーンです。MobileCoinに対応したウォレットであれば、送受信が可能です。一方でメタマスクなどと異なり、ウォレットはメッセージアプリと統合されています。2024年4月時点で、MobileCoinに対応したアプリは、Signal、Sentz、Mixin Messengerです。

ここでは、Signalを使ったMobileCoin決済方法を解説します。

1.Signalアプリインストール

まずはSignalをインストールしましょう。iOS版Android版からダウンロードしてください。アプリは日本語に対応済みです。

次に、アカウント作成をします。携帯電話の番号があれば、誰でも簡単にアカウント作成が可能です。

2.MOB入金

まず、左上のユーザーアイコンをタップしてください。
次に、メニューから「決済機能」を選択します。決済機能をオンにすると、残高表示画面に切り替わります。
ここで「入金」をクリックし、入金用ウォレットアドレスを確認してください。

SignalへのMOB入金ができる取引所の詳細は「MobileCoinが購入できる取引所」で解説します。

3.MOB送金

送金プロセスは2つあります。Signalユーザーに送金するやり方と、外部の取引所へ送金するやり方です。

決済機能画面の「送金」をタップした際は、連絡先として登録しているユーザーにしか送金できません。取引所へ送金する場合は右上の「・・・」をタップし「取引所へ振替」をタップしてください。ここで取引所の入金用アドレスを入力します。

MOBの入手方法

プロセス ポイント
1.国内取引所アカウント開設 取引/送金手数料が重要
2.送金用銘柄購入 送金速度の速いXRP(リップル)がおすすめ
3.Gate.ioアカウント開設 公式ID(免許/パスポート)でKYC/本人確認
4.Gate.ioへ送金 送金アドレスを再確認
5.Gate.ioでUSDT購入、MOBとトレード XRPとMOBの直接トレードはできない

MOBは日本国内の取引所では購入できません。取引量の多いCEX(Centralized Exchange)はGate.io、CoinExです。

上記表は購入プロセスの一例です。日本円に戻す場合は、概ね逆方向のプロセスとなります。

参照:コインマーケットキャップ「MobileCoin」

MobileCoinの展望

MobileCoinの暗号技術とエコロジー重視のシステムは、他のブロックチェーンと比較する際に大きなアドバンテージとなります。また、SignalユーザーによるMOB決済/送金の利用拡大にも注目です。

MobileCoinを支えるセキュリティ技術

技術 期待される効果
MobileCoin Ledger
  • 高度な暗号技術(CryptoNoteやRingCT)
  • 送受信者、金額情報の秘匿性向上
MobileCoin Consensus Protocol (MCP)
  • 高速なコンセンサス形成
  • 環境負荷の低減
Secure Enclaves
  • インテルのSGX (Software Guard Extensions)を活用
  • リモート検証の信頼性向上
MobileCoin Fog
  • モバイル端末での使い勝手向上
  • 情報漏洩の防止

MobileCoinネットワークの最大の特徴は極めて強固なセキュリティシステムです。プライバシー保護への取り組みは、他のブロックチェーンとの差別化を図る上で大きな役割を果たします。ブロックチェーンセキュリティの代表的なソリューションとしてMobileCoinへの期待は高まります。

Signalのニーズで市場価格の維持向上

Signalのユーザー数は公式には公表されていませんが、Android版アプリのダウンロード数は1億回に達しています。多くのSignalユーザーがアプリの決済機能を利用することで、MOBへの需要は増えていきます。

Signalは非営利団体からの寄付金で開発/運営しているアプリです。そのため、大々的なプロモーションなどは行えないのかもしれません。しかし、Signal決済機能の利便性が話題となれば、MOBの認知度は一気に向上する可能性があります。

まとめ

MobileCoinはセキュリティに定評のあるブロックチェーンです。同じくSignalも高いセキュリティ技術を有するメッセージアプリです。MOBがSignalに統合されたことで、ユーザーはプライバシー保護を徹底した決済機能を利用できるようになりました。Signalの決済機能をアクティブにするだけで、誰でも簡単にMobileCoinは利用可能です。実際に試してみましょう。

以上、MobileCoinの概要、注目される背景、Signalでの決済方法を解説させていただきました。

暗号資産の保管、送金セキュリティに関するソリューションは「NFT HACK」にお任せください。ブロックチェーンの選定や導入まで、しっかりとサポートさせていただきます。ぜひ、お気軽にご相談ください。

AMEHARE

AMEHARE

ITの最新トレンドを発信しはじめて十余年。Web2から3の時代の変革もいち早く察知し、2012年ごろから仮想通貨に注目をし始める。次世代の文化やテクノロジーを情報を掴みつつ、NFT・メタバース・DAOなどの領域であらゆる情報を発信中。
Author