「Decentraland(ディセントラランド)って聞いたことはあるけど詳しくは知らない」
という方々に向けてご紹介していきます。
Decentralandは、世界中の企業や投資家も出資をしているNFTゲームです。
この記事では、Decentralandの特徴や遊び方、さらに現状や将来性まで徹底解説します。
将来的には身近なものになるともいわれている「NFTゲーム」や「メタバース」に触れてみたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の構成
Decentraland(ディセントラランド)とは?
Decentralandとは、ブロックチェーンを活用したメタバース空間で、ゲームやNFTの取引を楽しめるプロジェクトです。
ちなみに、ブロックチェーンとは取引履歴を保存するための技術で、履歴のデータをユーザー全員で共有・管理し、承認しあうため改ざんされにくいという特徴があります。メタバースはデジタルの仮想空間を意味し、NFTはデジタルデータの唯一性を証明する技術のことです。
ユーザーは、NFTで作られたLANDと呼ばれるDecentraland内の土地を購入したり、LAND上にオリジナルのコンテンツを作ったりして遊ぶことができます。
2015年に誕生したプロジェクトで比較的歴史が長く、世界中の投資家から出資を受け、企業との連携も進んでいるNFTゲームのひとつです。
この記事ではNFTゲームとして解説していきますが、ブロックチェーンゲームやメタバースゲームと呼ばれることもあります。また、ゲームはDecentraland内の1つの要素に過ぎず、音楽ライブやイベント会場としても使われています。
Decentraland(ディセントラランド)の特徴
Decentraland内ではLANDだけでなく、以下のようなものをNFTにして取引することもできます。
- アバター
- LAND上の建造物
- ウェアラブル(身につけるアイテム)
- Decentraland内での名前
NFT取引には、後述する「MANA(マナ)」という暗号資産(仮想通貨)を使うため、Decentralandでのクリエイティブ活動で収益を上げることも可能です。
もちろん、外部のNFTマーケットプレイスで販売すれば、イーサリアムでの売買もできます。
アイテムが他のNFTゲームと互換性がある
Decentraland内のアイテムは、他のNFTゲームと互換性があります。具体的には、AxieInfinityやEtheremonなどのNFTゲームと連携が可能です。
たとえば、LANDにEtheremon(イーサエモン)を組み込むと、Decentraland内でモンスターの収集やバトルをするゲームを作ることができます。ちなみに、EtheremonはポケモンのようなNFTゲームです。
NFTの互換性があるために、様々なゲームを楽しめるのが、Decentralandの大きな特徴のひとつです。
ゲーム内の通貨にMANAを採用している
Decentralandでは、MANAという暗号資産をゲーム内通貨として採用しています。
MANAは2017年のICO(資金調達)で、約2400万ドル(当時:約26億ドル)もの資金が、わずか35秒で集まったことでも話題になりました。
しかし国内外で注目を集めたMANAですが、国内の暗号資産取引所では取り扱っていないため、海外の取引所を開設する必要があります。
口座開設や利用方法は「【NFT関連銘柄が買える】海外取引所バイナンスの特徴や口座開設方法を画像つきで解説」をご覧ください。
クリエイター向けツールで作品を作れる
Decentralandでは、クリエイター向けの専用エディターを使って、オリジナル仕様のゲームなどを作成することができます。
LANDの所有者が自らゲームを作るだけでなく、クリエイターが作ったゲームをLAND上に設置して、そこから得た収益を分け合うことも可能です。
ちなみにゲームやアイテムなどの作品をDecentralandに公開するには、運営組織であるDAOに申請し、バグやウイルスなどがないかチェックを受ける必要があります。
DAO(自律分散型組織)で運営されている
DAOとは「Decentralized Autonomous Organization」の頭文字で、自律分散型組織という意味です。コンセプトや理念などについて参加ユーザーがアイデアを出したり活動したりすることを通じて、自律的な組織運営がなされています。
これと対比されるのが、経営者から従業員までのピラミッド式で運営されている「会社」です。
DAOには基本的に誰でも参加できますが、Decentralandの場合は「MANA(厳密にはwMANA)の保有者」もしくは「LAND(Estateを含む)の保有者」が対象です。
Decentralandのユーザー自身がDAOに参加できるため、ユーザーに不利な仕様変更や、特定ユーザーに利益が集中する施策が提案された場合に反対意見を出すことができます。
Decentraland(ディセントラランド)の現状
Decentralandの現状を知るために、3つのデータをご紹介します。
- Decentralandのユーザー数
- ゲーム内通貨MANAの価格動向
- ゲーム内の土地LANDの価格動向
Decentralandのユーザー数
CoinDeskによると1日の平均アクティブユーザー数は、前の月と比べて15%減っていると発表しています。(2022年4月6日時点)
参照:Decentraland, Axie Infinity and The Sandbox have larger valuations and fewer active users than non-blockchain games.
一方で、DappRadarのデータを見てみると、DecentralandのNFTを取引または保有しているユーザーは、前月比で17.5%増えています。
参照:DappRadar Decentraland
ここから分かることは、積極的に遊んでいる人は減っているが、DecentralandのNFTを保有している人は増えているということです。
TVゲームやPCゲームに比べて、NFTゲーム自体の認知が広まっていない現時点では、遊ぶことよりも投資目的でDecentralandに期待している人が多いのかもしれません。
ゲーム内通貨MANAの価格動向
2022年6月時点では、1MANAあたり140円前後で推移しています。
以下のグラフは、2021年6月から2022年5月末のデータを表したグラフです。
価格が大きく上昇しているのは、2021年10月28日にFacebook社が「Meta」への社名変更を発表した影響です。
以下のグラフは直近の全期間を表したもので、Facebook社名変更による過熱前の水準に戻ったともいえます。
メタバース関連銘柄にとって「Facebook社名変更」はあくまでイベントであり、今後の価格はDecentraland本来の価値によって推移していくでしょう。
ゲーム内の土地LANDの価格動向
以下のグラフは、Duneに掲載されている「Decentraland LAND」の1カ月あたりの販売額です。
画像:Dune
MANAと同じく、2021年11月に大きく上昇し、2022年1月には891万ドル以上の販売額になっています。
現在は、NFTマーケットプレイス「OpenSea」にて、約40万円から出品されています。(2022年6月1日時点)
Decentralandの(ディセントラランド)将来性・予想
Decentralandの将来性について、3つの観点から予想していきます。
- 出資企業の離脱が続くと運営が危うくなる
- メタバースやNFTの浸透でユーザーが増える
- ユーザー体験の向上次第では人気NFTゲームになる
出資企業の離脱が続くと運営が危うくなる可能性がある
Decentralandには世界中の大手企業が出資や提携を発表しています。
たとえば、コカ・コーラ社が自社のNFT購入者に、Decentralandで使えるアバターNFTを配布したり、アメリカ大手の投資銀行JPモルガンは、Decentraland内に公式の事務所を開設しています。
ほかにも、世界最大のオークション会社サザビーズが、Decentralandでのオークションを開催し話題となりました。
しかし、あくまでもユーザーが利用してこそのサービスであるため、一時的な盛り上がりだけでは運営も続きません。
前述したユーザー離れだけでなく、企業も離れていかないように運営できるかがDAOの課題ともいえます。
メタバースやNFTの浸透でユーザーが増える可能性がある
日本においては、メタバースやNFTの認知度が低いという現状があります。
それぞれの調査結果を公表しているメディアによると、メタバースを全く知らない人は56.6%、NFTという用語を聞いたことがない人は59%という結果です。
参照:MMD研究所、メタバースに認知度・利用に関する調査結果を発表 利用経験は5.1%、認知は43.4%
参照:NFTの認知度は40%以上!NFTの認知度、購入・販売経験についてインターネットを用いたアンケート調査を実施いたしました。
当然ながら、利用した人はさらに少なく、日頃から使っている人は少数です。
メタバースやNFTといったジャンル全体が、こういった現状から抜け出すと、Decentralandの注目度も上がってくるでしょう。
何がきっかけで盛り上がるかは予想が難しいので、海外情報を含めジャンル全体を見ていく必要があります。
ユーザー体験の向上次第では人気NFTゲームになる可能性がある
NFTゲームはさまざまな種類のものが登場していますが、ユーザー主導でゲームを作れるDecentralandは、人気NFTゲームになる可能性もあります。
また、いくつかの人気ゲームや注目イベントがDecentraland内でまとめて開催された場合に、他のプラットフォームへの移動が不要になるのは大きな強みです。
NFTゲームやNFTマーケットプレイス、各種イベントなどを1か所で楽しめる場所になれば、メタバースとしての地位も確立できるはずです。
比較的歴史の長いDecentralandが、今後どのように進化していくか注目していきましょう。
Decentraland(ディセントラランド)の始め方
Decentralandの始め方を3ステップで解説します。
- ウォレットを準備する
- 公式サイトにアクセスする
- アカウントを作成する
ちなみに、Decentralandはアカウントを作成せずに、ゲストとして閲覧することも可能です。ただし、マーケットプレイスの利用やイベント参加ができないなど制限がかかります。
ウォレットを準備する
ウォレットとは、暗号資産を保管しておくデジタル財布のようなものです。
NFTゲームをはじめ、ブロックチェーン関連のサービスではウォレットを頻繁に使うので、まだ持っていない方は作成しておきましょう。
初めて作る方は、世界中で利用されている「MetaMask(メタマスク)」がおすすめです。
無料かつメールアドレスだけで作成できます。
くわしい作成方法は「ド素人でもわかるMetaMask(メタマスク)の使い方、登録・送金・方法【PC ・スマホ】」をご覧ください。
公式サイトにアクセスする
Decentralandの公式サイトにアクセスしましょう。
>> Decentraland公式サイト
アクセスする際は、かならずURL「https://decentraland.org/」を確認してください。SNSなどでは、詐欺サイトへ誘導するURLが出回っているケースもあります。
アカウントを作成する
公式サイトにアクセスしたら、ウォレットを接続しアカウントを作成していきます。
アカウント作成に必要なものは、ユーザーネームとメールアドレスのみです。
アカウントができたらDecentralandに入れるので、自由に走り回ってみましょう。
Decentraland(ディセントラランド)の遊び方・できること
Decentralandの遊び方を3つご紹介します。
- Decentraland内のカジノで遊ぶ
- ゲーム内NFTを売買して稼ぐ
- クリエイター向けツールで作品を作る
Decentraland内のカジノで遊ぶ
Decentralandには、オンラインで遊べるカジノが運営されています。もちろん、審査を通過しているので、違法ではありません。
カジノを利用するにはMANAが必要ですので、海外取引所でMANAを準備しておきましょう。
海外取引所の使い方は「【NFT関連銘柄が買える】海外取引所バイナンスの特徴や口座開設方法を画像つきで解説」をご覧ください。
注意点としては、カジノで利益が出た場合は課税対象となるので、金額によっては確定申告が必要です。
ゲーム内のNFTを売買して稼ぐ
Decentralandには、NFTマーケットプレイスが用意されています。MANAを使ってNFTを買うことができ、値上がり益を狙った稼ぎ方が可能です。
NFTは外部のマーケットプレイスに持ち出せるので、自分のコレクションに追加して楽しむこともできます。
前述のカジノと同様に、NFT取引も収益によって確定申告が必要です。NFTの税金については「【必見】NFT取引を始める上で知っておきたい税金事情」をご覧ください。
クリエイター向けツールで作品を作る
Decentralandには、クリエイター向けのツールが用意されています。
3Dモデルをドラッグ&ドロップで作成するツールや、作成したアイテムに動きをつけるためのツールなどがあります。
公式サイトによると、サードパーティー製の3Dエディタで作ったモデルも、Decentraland内にアップロードできるとのことです。
今後、メタバースが普及すると、必然的に3D編集ができるクリエイターの需要も高まります。興味がある方は、Decentralandでの作品作りを始めてみるのもよいでしょう。
Decentraland(ディセントラランド)の特徴や遊び方を徹底解説!:まとめ
Decentralandに関する内容を最後にもう一度おさらいします。
- DecentralandはメタバースやNFTゲームとして注目されている
- ゲーム内通貨にMANAという暗号資産を採用している
- LANDという仮想の土地をNFTとして保有できる
Decentralandは、ウォレットのMetaMaskも含め、メールアドレスがあれば参加できます。
まだまだ発展途上のメタバースを、今のうちに体験してみたい方は「始め方」の章を参考にトライしてみてください。