NFTアートに興味を持っている人の中には、「ドット絵のNFTアートを作ってみたいんだけど、どうやって作ればいいんだろう」「有名なアーティストにはどんな人がいるのかな」と思っている人も多いのではないでしょうか。
NFTは2021年頃から、大ブームを巻き起こしており、インターネット以来の革命と言われているので、今後も市場が伸びていくことが期待されます。
そこで本記事では、ドット絵のNFTアートの作り方に加えて、なぜドット絵のNFTアートが盛り上がっているのか、そして有名なドット絵アーティストの方も3人ほど紹介します。
記事の後半では、作ったNFTアートを販売する方法を解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の構成
NFTアートにドット絵が多いのは「CryptoPunks」の影響
OpenSeaなどのNFTマーケットプレイスを見てみると、ドット絵のNFTアートが多くあります。
なぜこれほどまでに、NFTアートにドット絵が多いのかというと「CryptoPunks」の影響を強く受けているからです。
CryptoPunksについての概要は、以下の表のとおりです。
プロジェクト名 | CryptoPunks |
運営元 | Larva Labs |
ブロックチェーン | イーサリアム |
平均価格 | 約2,500万円 |
最高額 | 27億円 |
公式サイト | CryptoPunks |
CryptoPunksは24px×24pxのドット絵で作られた、10,000体限定のNFTアートです。
それぞれ男性や女性、猿、ゾンビ、宇宙人をモチーフに描かれています。なかでも宇宙人やゾンビ、猿の作品は数が少ないため、特に高値で取引されています。
ただのドット絵に過ぎないCryptoPunksが、1,000万円を超える高値で取引されている理由は、「フルオンチェーンNFT」と呼ばれる希少なNFTだからです。
フルオンチェーンNFTとは?
フルオンチェーンNFTとは、アートを形作るプログラム自体が、ブロックチェーン上に直接書き込まれているNFTのことです。
実は、世の中に出回っているNFTの多くは、画像・動画・テキストの保存先をブロックチェーンに書き込んでいるだけで、作品のデータ自体はブロックチェーン上にはありません。
なぜなら、一度にブロックチェーンに記録できるデータ容量に上限があるからです。そのため、作品を直接ブロックチェーン上に書き込むのではなく、作品の保存先をブロックチェーンに書き込む形式を採用しています。
一方で、フルオンチェーンNFTのひとつであるCryptoPunksは、プログラムで画像が作られており、そのプログラムコードをブロックチェーン上に記録しています。ドット絵ならデータの容量が少ないため、フルオンチェーンNFTを実現できるということです。
CryptoPunksはフルオンチェーンNFTであることに加え、NFTが登場した初期の頃の作品ということや、世界で10,000体のみといった限定性などもあり高値で取引されています。
そういったCryptoPunksの影響を受け、後述するように誰でも手軽に作れるため、ドット絵のNFT作品が多いというわけです。
【NFT】ドット絵アーティスト3名を紹介
CryptoPunksの人気が高まったことで、ドット絵のNFTも増えてきました。
ここでは、有名な日本人ドット絵アーティストの3人をそれぞれ紹介します。
- ZombieZooKeeper氏
- KawaiiSKULL氏
- 村上隆氏
CryptoPunksのようにフルオンチェーンNFTの作品ではありませんが、人気のあるドット絵NFTを生み出したアーティストたちです。
1:ZombieZooKeeper氏
画像:OpenSea(ZombieZooKeeper氏の販売ページより)
ZombieZooKeeper氏の作品は「ゾンビの動物園」がモチーフとなっており、取引総額は4,000万円を越えています。
参照:小学生NFTアーティストZombie Zoo Keeper 2600万円で売りに出されてるって本当? 当事者の母親による、NFTの投機熱、これからの話。
作者のZombieZooKeeper氏は、なんとわずか8歳(当時)で、夏休みの自由研究として制作したそうです。
出品当初はなかなか売れなかったようですが、世界的に有名なDJ「スティーブ・アオキ氏」に買われるなどして一気に話題となりました。
ZombieZooKeeper氏は、作品がアニメ化されたり、ピコ太郎とコラボしてNFTを出したり、幅広い方面で活躍されています。
NFTネイティブ世代として、これからの活躍が楽しみなアーティストです。
2:KawaiiSKULL氏
画像:OpenSea(KawaiiSKULL氏の販売ページより)
KawaiiSKULL氏の作品は「かわいいガイコツ」をテーマに作られています。
注目すべきは、10,000体ものガイコツのドット絵を、4ヶ月間かけて手作業で作成した点です。
前述のCryptoPunksは、同じ10,000体のドット絵NFTですが、AIが自動で作品を作っています。それを手作業で作るとなると、ものすごい作業量が必要だったはずです。
KawaiiSKULL氏は「10,000体のスカルを制作する」と宣言し、実際に達成しているので、今後の発言にも注目が集まっているアーティストです。
参照:なぜKawaii SKULLを制作したの?(ご本人note)より
3:村上 隆氏
画像:OpenSea(Murakami.Flowersの販売ページより)
世界的に有名なアーティストの村上隆氏も、花をモチーフにしたドット絵「Murakami.Flowers」を作成しています。
2021年に作品を出した後、一旦取りやめていますが、2022年に体制を整えOpenSeaで出品が再開されました。
2022年6月現在、2.35ETH(日本円にして約34万円)から購入できます。
NFTのドット絵を作れるアプリ3選
NFTのドット絵が作れるアプリは、以下の3つです。
- pixelable
- 8bitpainter
- Dottable
それぞれの特徴を詳しく解説していきます。
1:pixelable
pixelableは、直感的にアプリを操作できるので、ストレスフリーでドット絵を作成できます。
キャンバスの大きさは、5px×5px〜256px×256pxまで自由に指定することが可能です。さらに、ペンツールや塗りつぶしツールなどの標準機能に加え、レイヤー編集、色の作成、ピンチインアウトなどの機能が揃っています。
特に注目すべき機能は、アニメーションGIFの書き出しができる点で、躍動感のある動くドット絵を作ることも可能です。
直感的に操作したり、動きのあるドット絵を作ったりしたい人におすすめのアプリです。
2:8bitpainter
8bitpainterは、機能がシンプルなので初心者でも簡単にドット絵が作れます。
キャンバスの大きさは、16px×16px〜256px×256pxの正方形で、必要最低限の機能は備わっています。
シンプルな操作性なので、これから初めてドット絵を作ってみるという方におすすめのアプリです。
3:Dottable
Dottableは、先ほど紹介したpixelableの姉妹アプリです。
5px×5px〜120px×120pxの正方形のキャンバスにドット絵を書いていきます。シンプルな機能に加えて、レイヤー編集や色の作成などがあります。
pixelableと同じく、アニメーションGIFの書き出しができるので、シンプルな機能でアニメーションのドット絵を作ってみたい方におすすめのアプリです。
ドット絵のNFTアートを販売する手順3ステップ
ドット絵のNFTアートを販売する具体的な手順は、以下の3ステップです。
- サイズを決めてアプリで絵を描く
- 画像ファイルをダウンロードする
- マーケットプレイスにて出品する
それぞれの手順について、詳しく解説します。
ステップ1:サイズを決めてアプリで絵を描く
先ほど紹介したアプリを選んだら、ドットのサイズを決めてアプリで絵を描いてみましょう。
ドットが小さいほど細かい表現ができますが、その分ドット数も増えるため複雑になります。
CryptoPunksを始め、多くのドット絵NFTアートのサイズは24px×24pxの正方形なので、初めての方や自信がない方は、24px×24pxのサイズで絵を描くのがおすすめです。
ステップ2:画像ファイルをダウンロードする
ドット絵が作れたら、画像ファイルをダウンロードしましょう。
NFTだからといって特別なファイル形式があるわけではないので、JPEGファイルでもPNGファイルでも問題ありません。
ちなみに、pixelable、8bitpainter、ドット絵エディターのいずれのアプリでも、PNGファイルで画像がダウンロードされます。
ただし、画像を保存する際の、書き出しサイズには気を付けましょう。
たとえば次の写真は、24px×24pxで保存した画像と、1,200px×1,200pxで保存した画像を比べたものです。
保存のサイズが小さすぎると、画像の容量は少なくなりますが、左の写真のようにぼやけてしまうので、1,000pxをめどに保存すると良いでしょう。
ステップ3:マーケットプレイスにて出品する
ステップ2まででドット絵を作り、画像を保存できたら、NFTマーケットプレイスで出品するだけです。
NFTマーケットプレイスでNFTを販売するための手順は、以下の5ステップで完了します。
おすすめのNFTマーケットプレイスは、ユーザー数や取引量の多いOpenSeaです。
- 暗号資産(仮想通貨)取引所の口座を開設する
- ウォレットを作成する
- 暗号資産を購入して、ウォレットと接続する
- OpenSeaのアカウントを作成する
- OpenSeaでNFTを出品する
NFTの出品方法について詳しく知りたい方は「ド素人でもわかるNFTアートの始め方・作り方【おすすめサイト紹介】」をご覧ください。
まとめ:NFTのドット絵は誰でも簡単に作れる!
本記事では、マーケットプレイスでもよく見かける「ドット絵のNFT」について、有名なアーティストや作り方、販売方法を解説しました。
ドット絵のNFTは、CryptoPunksの影響を受けていて、フルオンチェーンNFTではないものの、数多くのアーティストがドット絵のNFT作品を販売しています。
ドット絵は複雑な絵ではないので、今回紹介したアプリを使うと誰でも簡単に作ることができます。
NFTを深く理解するには、自ら積極的に情報を集めにいくことも大事ですが、それ以上に自分で買ってみる・作ってみる・売ってみるという経験が一番です。
本記事を参考に、ドット絵のNFTを作って、販売してみてはいかがでしょうか。