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現実&ネットで楽しめる!NFTアートを展示するNFT美術館・NFTギャラリーとは?

解説系記事

インターネット世界を中心に、暗号資産(仮想通貨)と同様に広がりを見せる技術がNFT(Non Fungible Token)。様々なデジタルデータに、偽造のできない所有証明書を付与したコンテンツであり、1品、または少数生産されたデジタルデータに資産価値を持たせる注目の新技術です。

ネット上に存在し、NFT作品を取り扱うNFTマーケットプレイスを利用すれば、NFTの付与されたデジタルアートや動画、音楽など、各種NFTコンテンツの購入が可能であり、オリジナルデータを自分だけのものとして所有することも、売買することもできます。

今回は、そんなNFT作品の実物を鑑賞できるNFT美術館・NFTギャラリーといった現実に存在するスポットをご紹介。日本のNFT美術館・ギャラリーだけでなく、海外やオンラインのNFT美術館も併せて見ていきます。

NFT美術館・NFTギャラリーとは?

各地のNFT美術館・ギャラリーを見ていく前に、まずはNFT美術館がどのようなスポットなのかを簡単にご説明します。

NFT美術館ってどんなところ?

NFT美術館とは、その名の通りNFTアート、コンテンツを公開する場です。

美術館によっては、ただ作品を展示するだけでなく、NFTの発行や審査、販売までも手掛けるなど、まだ多くの人々には知られていないNFTそのものの理解・普及のために活動する面もあります。

通常の美術館に比べると、現実世界に存在するNFT美術館・ギャラリーはまだまだ数が少ないですが、通常の美術館でもNFTアートを取り扱うケースは増加中。今後、NFTを専門にした美術館はさらに拡大する可能性を秘めています。

NFTアート専門美術館・ギャラリーは世界各地に

2022年6月現在、NFTアートを専門に取り扱った美術館で有名なスポットとなっているのが日本のNFT鳴門美術館、アメリカ・シアトルのシアトルNFTミュージアム(SNFTM)

また、現在は建設中ですが、ニューヨークに世界最大規模となるNFT専門美術館が誕生予定と報じられています。NFTアートのイベントが開催されたり、NFTの自動販売機が設置されたりと、NFT関連事業が活発なニューヨークでの新たなNFT拠点となりそうです。

NFTギャラリーは世界各地に存在し、日本国内だけで言っても都内にいくつかのギャラリーが展開中。テーマに特化した作品が展示されているケースも多く、銀座や秋葉原など比較的アクセスしやすい場所にギャラリーがある、というのも訪れやすいポイントでしょう。

その他に、現地に行かずともオンラインやメタバースでNFTアートを鑑賞できる未来的なNFT美術館・ギャラリーも多数存在。世界に名の知れた大手美術館もNFTアートのオンライン展示に積極的な姿勢を見せるなど、このスタイルは今後の主流となりそうな予感もあり、注目されています。

NFT鳴門美術館

名称 NFT鳴門美術館
URL https://nftjp.org/
所在地 徳島県鳴門市撫養町林崎字北殿149番地
入館料 一般800円 学生500円 小学生300円
幼稚園児以下無料
開館時間 10時~17時
休館日 木曜日 年末年始

NFT鳴門美術館の特徴

日本の徳島県鳴門市に設立されたNFT特化型の美術館がNFT鳴門美術館。

元々は「ガラスの魔術師」と称されたエミール・ガレの作品を中心に展示する鳴門ガレの森美術館として設立されましたが、2021年8月に現在の姿に改修&リニューアルオープンしています。

ただNFT作品を展示するのみならず、デジタルアート作品に関するNFTの発行や審査、販売と流通も兼ね備えた日本で唯一のNFT専門美術館です。

NFTアートを購入する際は「どのNFTマーケットプレイスでどの作品を購入するか」という問題がつきもの。ですが、美術館という管理の行き届いた組織がNFTアートを扱う事で、より信頼できる環境で作品の売買が可能となる、というメリットを持ち合わせています。

NFT鳴門美術館の収蔵作品

NFT鳴門美術館の展示作品の1つが、「アンリアレイジ×竜とそばかすの姫」のNFT作品です。

「竜とそばかすの姫」と言えば、日本が誇るアニメ監督・細田守さんが手掛けたアニメ映画。そんな作品とファッションブランド・ANREALAGEがコラボした作品となり、プライベートセールではNFT作品が1,500万円で、デジタルルック10作品が3,500万円でNFT鳴門美術館に落札され話題となりました。

館内には「竜とそばかすの姫」のアート作品だけでなく同作の衣装も展示中。作品ファンなら一度は見ておきたいアイテムが並んでいます。

また、世界で人気を博す日本生まれの現代アーティストであるヒロ・ヤマガタの原画作品も多数展示。

こちらはNFTアートではありませんが、色彩豊かで鮮やかな作品の数々には、有名ブランドとのコラボ絵画も多く存在します。

その中には、鑑賞しているだけで楽しくなりそうなディズニー作品の絵画や、ゴルフ界の帝王ことジャック・ニクラスとのコラボアートなど、多くの展示物をNFT鳴門美術館で目にすることができます。

シアトルNFTミュージアム

名称 シアトルNFTミュージアム
URL https://www.seattlenftmuseum.com/
所在地 2125 1st AVE, Seattle, WA, USA
入館料 15ドル
開館時間 曜日により変動(金土日12時~18時30分)
休館日 火曜日

シアトルNFTミュージアムの特徴

アメリカのワシントン州、シアトルに設立されたのがNFTに特化したシアトルNFTミュージアム。2022年1月にオープンしたばかりの新設ミュージアムであり、スポーツやアート、コレクターズアイテムを中心に展示が行われています。

設立理由について「NFTアートに誰もが物理的に接しやすくするため」と共同創設者のピーター・ハミルトン氏は語り、NFTという概念の理解・共感を推し進めるスポットです。

館内にはは32インチ(約81cm)のディスプレイから、85インチ(約216cm)の大型ディスプレイが設置され、NFTアートを間近で体験することが可能。実物の存在しないデジタルデータを、物理的な絵画のように感じられるでしょう。

シアトルNFTミュージアム収蔵作品

展示期間を区切り、その時々で設定されるテーマに沿って様々な催しが行われているシアトルNFTミュージアム。

2022年4月から6月頭まで実施された「The Climate Conversation」では、写真家アンナ・マクノート(Anna McNaught)やデジタルアーティストとして知られるレフィーク・アナドール(Refik Anadol)の作品をリアルに楽しむことができます。

また、開館時に催された展示イベント「Inaugural Exhibition」では、NFT界で人気のクリプトパンク(CryptoPunks)や、勢いのある注目のデジタルアーティストのブレイク・キャスリン(Blake Kathryn)らの作品が展示。

シアトルNFTミュージアムでは、高額取引されるNFT作品の数々を大画面で楽しむ、という珍しい体験もできそうです。

楽座マーケットプレイス・ギャラリーラボTOKYO

名称 楽座マーケットプレイス・ギャラリーラボTOKYO
URL https://rakuza.io/gallerylabo/
所在地 東京都千代田区有楽町2-7-1 有楽町マルイ7F
入場料 無料
営業時間 11時~20時30分
休業日 休業日・営業時間は有楽町マルイに準じる

楽座マーケットプレイス・ギャラリーラボTOKYOの特徴

日本アニメのセル画や複製原画など、NFT化した各種アイテム取引に特化した日本産のNFTマーケットプレイスが「楽座」。そんな楽座で取り扱うNFT作品の、実物を確認できるスポットが楽座マーケットプレイス・ギャラリーラボTOKYOです。

人気アニメのNFT化した実物セルなどを鑑賞できるだけでなく、現地では限定NFT販売イベントや、各種NFTセミナーも実施するなどNFTビギナーにとっても嬉しいギャラリーとなっています。

楽座マーケットプレイス・ギャラリーラボTOKYOの展示作品

引用:楽座|RAKUZA NFT GALLERY LABO TOKYO

楽座マーケットプレイス・ギャラリーラボTOKYOでは、アニメで使用されたセル画や原画、手塚治虫さんのような有名漫画家のサイン色紙など超貴重なアイテムがずらりと並びます。

ドラゴンボールや美少女戦士セーラームーン、機動戦士ガンダムやスタジオジブリの作品など、日本を代表するアニメ作品の数々は日本国内外でも高評価されていますが、それらのアイテムを目の当たりにできる点はアニメファンにとって非常に嬉しいポイント。

リアルで現物を確認してデジタルで購入する、というスタイルが新しく、展示作品の全てはNFTマーケットプレイス「楽座」にて購入が可能です。

Cherie Gallery Ginza

名称 Cherie Gallery Ginza
URL https://www.cheriegallery.jp/
所在地 ​ 〒104-0061 東京都中央区銀座1丁目8−19キラリトギンザ3F
入場料 無料
営業時間 11時~20時

Cherie Gallery Ginzaの特徴

東京の銀座に設立されたのがCherie Gallery Ginza(シェリーギャラリーギンザ)。

「オンラインとオフラインを融合させたNFTギャラリー」というコンセプトでオープンし、専用モバイルアプリを使って作品を購入したり、トークンやクレジットカードでも作品購入が可能なギャラリーです。

ニューヨークやロンドンでもギャラリーがオープンとなり、さらにドバイやシンガポール、ソウルなど海外でのさらなる展開も予定されています。

ただし、現在の銀座店舗は業務拡大のために2022年5月31日で一旦閉鎖。2022年秋に、キラリトギンザ2階イベントスペースにてリニューアルオープンが予定されています。

Cherie Gallery Ginzaの展示作品

Cherie Gallery Ginzaでは、一般の美術館で展示される刀や甲冑、屏風など現実に存在する純和風な作品をNFT化して展示・販売。

その他、著名なNFTアーティストや、䯨克也さんを始めとする有名ブランドデザイナー、書道家、女優の作品などが展示されていました。

様々なアーティストとの提携も告知されていましたが、ギャラリーのリニューアル後にはどんな作品が展示されるのか。2022年秋に期待しましょう。

DUB Gallery AKIHABARA

引用: DUB GALLERY AKIHABARA

名称 DUB Gallery Akihabara
URL https://www.dub-gallery.com/
所在地 東京都千代田区神田佐久間町1–14 第2東ビル2階 216号室
入場料 イベントごとに変動
営業時間 イベントごとに変動
休業日 日曜・祝日

DUB Gallery AKIHABARAの特徴

東京の秋葉原に設立されたのがDUB Gallery AKIHABARA。2022年5月に、秋葉原初のNFTギャラリーとして再オープンしたばかりであり、サブカルチャーの中心的スポットである秋葉原で注目を集めるギャラリーです。

時期によって変わる展示イベントにはアダルトチックな企画もあり、独自の価値観と創造力が魅力の現代アート的な作品を目にすることができます。

DUB Gallery AKIHABARAの展示作品

メイドカフェ文化をテーマに、同ギャラリー初のNFTイベントとなった「MOEVERSE-MAID ART EXHIBITION 2022-」では、アーティストが手掛けた各種NFTアートやメイド服を展示。メイドカフェ体験やメイドVTuber乙女もかも出演するなど、二次元と三次元が融合したイベントとなりました。

期間限定イベントなので、ギャラリーでの展示自体は終了しましたが、展示されたNFTアート作品はNFTマーケットプレイスOpenSeaにて販売中です。

NFT美術館・ギャラリーはオンラインにも進出

ここまでは、現実に存在するNFT美術館・ギャラリーをご紹介してきましたが、NFTアートはオンラインで楽しむのが主流のコンテンツです。

ここからは、世界中どこにいても気軽にNFTアートにアクセスできる、国内外のオンラインNFT美術館・ギャラリーを見ていきます。

OnCyber

NFT作品を飾ることのできるオンラインギャラリーがOnCyber(オンサイバー)。

誰でも簡単にオンラインギャラリーをオープンできる画期的なサービスであり、世界中の人々に作品の公開が可能です。

クリエイターは自らが制作したNFT作品を飾りショーケースのように展示できますが、個人が購入して所有するNFTアートを設置して自分だけのギャラリーを作る、という楽しみ方もできます。

Oncyberはウェブブラウザから簡単にアクセス可能であり、各展示スペースに入ると広がるのは美術館のような3D空間。

本サイトを閲覧するのに特別は機器は必要はありませんが、VR機器を使用したVRモードではより没入感が高まり、各種アートが身近に感じられます。

CryptoArtTown

株式会社グラコネが運営するNFT作品展示専用のメタバースギャラリーがCryptoArtTown。VRゴーグルなど特殊な機器は不要で、PCやスマホを通じて簡単にNFTアートの鑑賞ができます。

空間内の作品に近づけば作品の詳細データが表示され、OpenSeaなどのNFTマーケットプレイスにもジャンプが可能。

まだ展示作品数は多くはありませんが、これからの展開に期待のNFTギャラリーです。

オンラインNFTアート美術館「META HISTORY」

オンラインNFTアート美術館「META HISTORY」は、ウクライナ政府が開設したオンラインNFT美術館です。

2022年から始まったロシアによるウクライナ侵攻を記録し、それらの作品をNFT作品として販売するプロジェクトという、かなり変わったコンセプトで設立されたNFT美術館となっています。

これらの売上は全額がウクライナのデジタル変革省に送られ、ウクライナへの支援金になるとアナウンスされています。

侵攻の記録をアートと共に時系列順に追ったWARLINE、ウクライナのデジタルアーティストや、ゲームメーカーが制作したNFTアートの数々が展示されたAvatars for Ukraineの両方でNFT作品の購入が可能です。

バチカン美術館がオンラインNFTギャラリーを公開予定

引用: Sensorium

こちらはまだサービス開始とはなっていませんが、バチカン市国に存在する500年以上の歴史を持つバチカン美術館が収蔵作品をオンライン公開すると発表がありました。

ローマ教皇が関わる非営利団体Humanity 2.0と、メタバースを手掛けるSensorium社のコラボ企画であり、VRおよびNFTギャラリーを開設すると告知されています。

同美術館で展示されているミケランジェロやラファエロなど、名だたる名匠の貴重なアート作品がNFT化されてオンライン展示される可能性あり。広報担当は販売目的では使わない、とも宣言していて、作品展示がどのような形になるのか注目が集まっています。

世界に名だたる博物館所蔵の名画もNFT化されて販売

現代を生きるデジタルアーティスト達の作品が数多く存在するNFT界隈ですが、NFT化されて販売されるコンテンツには既存の芸術作品もあります。

それら芸術作品の中には、世界に名だたる名博物館・美術館が発行するNFT作品もあり、しかも歴史的な巨匠が手掛けた名画とあって注目度は高いです。

ここからは、世界的美術館が販売するNFT作品について見ていきます。

葛飾北斎(大英博物館)

イギリスが誇る大英博物館が、フランスのNFTマーケットプレイスLaCollection(ラ・コレクション)と提携して販売したのが葛飾北斎のNFT作品。

日本人には馴染みが深い江戸期の浮世絵師・葛飾北斎は海外人気も非常に高く、大英博物館はそんな葛飾北斎作品を多数収蔵する博物館です。

その中から、140点以上がNFT化して販売され、各作品につき2点のみ販売(1点は同博物館が保管)。最高レア度ULTRA RAREの作品として販売された「富嶽三十六景」の1図である「下目黒」は、現在1万ユーロ以上の値がついています。

J. M. W.ターナー(大英博物館)

先程の葛飾北斎と同じく、大英博物館がLaCollectionと提携して販売したのがイギリス人画家Joseph Mallord William TurnerのNFT作品。

風景画を得意とするロマン主義の巨匠ターナーの作品は計20点が販売され、画像のULTRA RARE作品「Lucerne by moonlight」は現在8482ユーロの値がついています。

レオナルド・ダ・ヴィンチ(エルミタージュ美術館)

世界三大美術館の1つであり、建物自体が世界遺産認定されているのがエルミタージュ美術館。

そんなエルミタージュ美術館が、大手暗号資産取引所Binance(バイナンス)と提携。5点の絵画をNFTアート化し、オークションを実施して大きな話題となりました。

ルネッサンス期を代表する大芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「The Madonna and Child(リッタの聖母)」は最大の目玉商品としてNFT化され、約1,650万円で落札されています。

フィンセント・ファン・ゴッホ(エルミタージュ美術館)

前記したダヴィンチと同じく、エルミタージュ美術館がNFT化したのがフィンセント・ファン・ゴッホの描いた「Lilac Bush(ライラックの木)」。

その他にクロード・モネやワシリー・カンディンスキーの絵画が出品され、最終的には5点総額で44万ドル(約4,800万円)の売上を記録しています。

カラヴァッジオ(ウフィツィ美術館)

イタリアのフィレンツェにあるウフィツィ美術館などが所蔵するアート作品をデジタル複製し、ロンドンのギャラリーUnit Londonにて販売した展覧会が「Eternalising Art History」。

カラヴァッジョの「Bowl of Fruit(果物籠)」をはじめ、ラファエロ、モディリアーニなどルネッサンス期に名を馳せた巨匠のデジタル絵画を現地で展示しただけでなく、NFTアートとしても販売されました。

エゴン・シーレ(レオポルド美術館)

最初にご紹介したLaCollectionと提携して、NFT作品を販売したのがオーストリアのウィーンにあるレオポルド美術館。

表現主義の画家として知られるエゴン・シーレの作品を世界一収蔵する有名美術館であり、エゴン・シーレの手掛けた絵画24点がNFTアートとなりました。

シーレの代表作である「Self-Portrait with Chinese Lantern Plant(自画像)」をはじめ、100年以上失われていたとされる幻の作品「Leopold Czihaczek at the Piano」もNFT化して販売されています。

まとめ:NFT化でアートがより身近な存在に

徐々にではありますが、国内外で数が増えているNFT美術館とNFTギャラリー。手軽にアクセスできるオンラインNFT美術館・ギャラリーも含めて、NFTアートが身近に感じられるこれらのスポットは今後さらに注目が高まっていきそうです。

また、世界の名画をNFT化して販売する美術館も増えつつあり、現物にはなかなか手が出せないような芸術家のNFT作品を購入してみるのもいいかもしれませんね。

zenzai

zenzai

エンターテイメント関連のWEBライティングを得意とし、SEOを重視したフリーライターとしてアニメや漫画、芸能系のサイトにて豊富なライティング実績あり。また、全くの初心者状態から2017年より仮想通貨の取引を開始し、現在まで各種仮想通貨やトークンについて勉強中。NFTならびにメタバースといった新技術についても強い関心があり、目新しさのある情報を中心に発信していく。
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