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暗号資産とは?いまさら聞けない暗号資産の基礎知識・歴史・活用事例

ハウツー系記事 解説系記事

「暗号資産ってどんなお金?」「怪しいイメージがあるけど実際は?」

こういった疑問にお答えする記事です。基礎知識から歴史、活用事例までまとめて解説します。

テレビCMやYouTube広告などでも、暗号資産(仮想通貨)が扱われることが多くなりましたよね。

これから暗号資産を買う、もしくは買いはじめた方は、基礎知識を学んでおきましょう。

ニュースやSNSの話題に振り回されず、安心して楽しめるようになりますよ。

前置きはこの辺にして、さっそく解説していきます。

※仮想通貨は2019年の法改正により「暗号資産」へ呼称が変更されました。記事内の「暗号資産」は、「仮想通貨」と同義です。

暗号資産とは?

暗号資産は、ブロックチェーン技術をベースとした「金銭的な側面」と「技術的な側面」を持つデジタル通貨です。

金銭的な側面については、日本銀行の回答が分かりやすいかと思います。

(1)不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドル等)と相互に交換できる
(2)電子的に記録され、移転できる
(3)法定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカード等)ではない
引用:公表資料・広報活動(日本銀行)より

上記をさらに噛み砕くと、以下のように解釈できます。

(1)法定通貨と交換(購入や売却)できて、支払いなどにも使える。
(2)デジタルデータとして記録・管理され、オンライン上で送金できる。
(3)法定通貨、決済用カード、電子マネー、ポイントなどとは違うもの。

つまり「デジタルの通貨であり、オンライン上で利用できて、今までになかった存在のもの」ということです。

暗号資産の代表格「ビットコイン」に関しては、上記の理解でも十分です。しかし、今では技術的側面の異なるさまざまな暗号資産が存在します。

たとえば「中央組織を必要としない金融サービスを提供するもの」や「国際送金での時間を大幅に短くするもの」などです。

具体例については記事内で紹介しますので、ひとまず「金銭的な側面」と「技術的な側面」があることを覚えておきましょう。

暗号資産が誕生した背景

世界初の暗号資産は、2009年にビットコインが発行されたことで誕生しました。

ちなみにビットコインは、特定の組織が発行しているものではありません。ビットコインを支える技術であるブロックチェーンには、マイニングという「取引の承認作業」があります。このマイニングを終えた人に、報酬としてビットコインが自動発行されます。

ビットコイン開発のきっかけは、2008年にサトシ・ナカモト名義で、ビットコインの「ホワイトペーパー(草案書)」がインターネット上に公開されたことです。

ホワイトペーパーには、ビットコインの仕組みやコンセプトが書かれています。その内容に興味を持った人や共感した人が、オープンソースで開発を進め、2009年の発行に至りました。オープンソースとは、誰でも利用・閲覧が可能なプログラムコードのことです。

この時の開発者コミュニティは、今でもビットコインの管理・運営の中心になっており、誰でも参加できます。

サトシ・ナカモトは身元不明の人物で、「日本人なのか」「個人かグループか」「そもそも日本と関係あるのか」、真相は明らかになっていません。(2022年4月時点)

誕生の背景として有力な説

ビットコインが考案された背景として有力なのが、「国や企業といった組織、既得権益へのアンチテーゼ」という説です。

2008年といえば、世界規模での不況につながった「リーマンショック」が起きた年でもあります。各国の政府および中央銀行が、あらゆる金融緩和策や金融機関への救済措置を行ったことで、政府や金融機関への信用が揺らぎました。

そんな中、中央組織を必要としないブロックチェーンを基盤とした、ビットコインが誕生したのです。

さらにビットコインのジェネシスブロック(最初の取引履歴のようなもの)には、このようなコメントが残されています。

“The Times 03/Jan/2009 Chancellor on brink of second bailout for banks”
(The Times 2009年1月3日 大臣、銀行に対する2度目の救済措置の瀬戸際に立たされる)

これは新聞のタイムズ誌に掲載された、見出しの一文です。救済措置に追われる政府を皮肉ったコメントともとれます。

もちろんサトシ・ナカモトは「アンチテーゼだ」という発言はしていませんが、上記の材料から見ても、あながち間違いではないのかもしれませんね。

暗号資産年表

暗号資産界隈で起きたイベントを、時系列でまとめました。

2008年
9月:リーマンショック発生
10月:サトシ・ナカモト登場

2009年
1月:ビットコイン誕生、送金に成功。

2010年
5月:ピザ2枚と1万BTCの交換が成立。
初めてビットコインで商取引が成立した5月22日は「ビットコイン・ピザ・デー」と呼ばれている。

2011年
4月:タイムズ誌でビットコインの特集が組まれる
6月:ビットコイン価格急騰(1BTC=31ドル)
6月:大手取引所Mt.GOX社でハッキング事件

2012年
8月:コインチェック創業
11月:1回目の半減期(50BTC→25BTC)
半減期とは、1回のマイニング報酬でもらえる数量が半分になるタイミングのこと。

2013年

11月:ヴィタリック・ブテリン氏によって「イーサリアム」のホワイトペーパーが公開される。

2014年

1月:bitFlyer創業
2月:Mt.GOX社破綻

2015年

8月:Mt.GOX社CEO逮捕
5月:ニューヨーク州で「ビットライセンス」施行。
10月:欧州でビットコインを課税対象外とする見解が発表。

2016年

5月:「仮想通貨」を定義した改正資金決済法が成立。
7月:2回目の半減期(25BTC→12.5BTC)
10月:GMOコイン創業

2017年

4月:改正資金決済法の施行開始
5月:1BTC=2000ドル突破
11月:1BTC=1万ドル突破
2017年はバブル相場で「仮想通貨元年」ともいわれる。

2018年

1月:Facebookが仮想通貨の広告掲載を禁止
1月:コインチェックでXEM(ネム)の流出事件が発生
3月:Googleが仮想通貨の広告掲載を禁止
3月:Twitterが仮想通貨の広告掲載を禁止
前年のバブルから一変して、規制や事件があったことで価格も下落。「仮想通貨の冬」と呼ばれる1年。

2019年

1月:ビットコイン誕生から10周年
3月:資金決済法の改正で「仮想通貨」→「暗号資産」に呼称が変更
6月:1BTC=1万ドル再突破
11月:中国政府が暗号資産取引への取り締まりを強化

2020年

3月:コロナショック
5月:3回目の半減期(12.5BTC→6.25BTC)
8月:マイクロストラテジー社が米国の上場企業として初のビットコイン購入
12月:1BTC=2万ドル突破

2021年

2月:米テスラ社がビットコインを購入。決済可能と発表。
5月:米テスラ社がビットコイン決済の中止を発表。
6月:中米エルサルバドルが法定通貨にビットコインを採用。
9月:国内でのNFTブームが加熱し始める。
11月:1BTC=7万ドル突破

暗号資産が価値を持つ理由

暗号資産が価値を持つ理由を、3つに分けて解説します。

  • 物品と交換できたから
  • 技術に期待されているから
  • 今までになかった存在だから

物品と交換できたから

ビットコインは2009年に発行されて以降、しばらくは開発者やマニアックな人たちが、保有したり交換したりするだけでした。まだ価値のないビットコイン同士の取引です。

2010年に開発者の1人がピザ屋で2枚のピザを購入し、開発者仲間に届けた際、1万BTCと交換する出来事がありました。ここで初めて、ビットコインに価値が生まれたのです。

物品と交換されたことで価値が生まれ、多くの人が興味を持ち始めたきっかけでもあります。

技術に期待されているから

暗号資産の多くは、ブロックチェーン技術をベースに作られています。ブロックチェーンとは「取引履歴をブロックに詰めて、暗号でつなげたものを、ユーザーみんなで共有して改ざんされにくくした技術」です。

この技術が、今までのインターネットサービスや金融サービスを変えるかもしれないと注目されています。

また、世の中にブロックチェーンをベースにしたサービスが普及すれば、「サービス上で使える暗号資産の価値も上がるだろう」という期待もあります。

こういった技術への期待、技術革新への投資といった面もあるのが暗号資産です。

今までになかった存在だから

暗号資産は今までの「お金」や「決済手段」にはない機能があるのも特徴です。ビットコインでいえば、それ自体が通貨として機能するだけでなく、送金機能も兼ね備えています。

またイーサリアムは、アプリケーションを開発するプラットフォームでもあります。送金手段やプラットフォームでありながら、価格が変動するため、投資商品でもあるという特殊な存在です。

詳しくは「暗号資産が今までのものと違うところ」にて解説します。

今までにない存在の暗号資産は、人々の注目と期待によって価値が生まれているともいえるでしょう。

ビットコインとアルトコイン

ビットコイン以外の暗号資産は「アルトコイン」と呼ばれています。Alternative Coin(オルタナティブ・コイン)の略で、代替コインという意味です。

2013年には60種類程度だったアルトコインですが、現在は1万種類以上が存在しています。参照:Number of cryptocurrencies worldwide from 2013 to February 2022

アルトコインの多くは、ビットコインの仕組みをベースに考案・開発されています。

ビットコインはオープンソースで開発されているため、プログラムコードのコピーも許可なく可能です。そのためビットコインの欠点を改善したり、新機能を実装したりしたものが、新しい暗号資産として発行されます。

暗号資産の種類と特徴

3つの暗号資産について解説していきます。

  1. ビットコイン
  2. イーサリアム
  3. リップル

「世の中を変えるテクノロジー」だと注目されている仕組みを見ていきましょう。

ビットコインの特徴

ティッカー/シンボル BTC、XBT
発行開始 2009年1月3日
発行主体 プログラムによる自動発行
発行上限数 20,999,999.9769BTC(約2,100万BTC)
発行方法 分散型の価値保有・価値移転の台帳データ維持のための、暗号計算および価値記録を行う記録者への対価・代償として発行される暗号資産

ビットコインは2009年に誕生した、世界初の暗号資産です。すでに解説した「マイニング報酬」という形で、自動発行されます。

ブロックチェーン技術を活用した改ざんされにくい仕組みと、承認作業と自動発行を掛け合わせることで、自律的に運用される仕組みに注目が集まりました。

また発行上限が約2,100万枚と決まっており、希少性があることから投資対象としても人気です。ちなみに最終的な発行完了は、西暦2140年ごろと予想されています。

ブロックチェーン技術が、注目を集めるきっかけになったのがビットコインです。

もっと知りたい方は「ブロックチェーンを理解するための完全ガイド!仕組みや注目される理由を徹底解説」をご活用ください。

イーサリアムの特徴

ティッカー/シンボル ETH
発行開始 2015年7月30日
発行主体 Ethereum Foundation(イーサリアム財団)
発行上限数 未定
発行方法 初期発行分、分散型の価値保有・価値移転の台帳データ維持のための、暗号計算および価値記録を行う記録者への対価・代償としてプログラムにより自動発行

イーサリアムはブロックチェーン上で、アプリケーションを構築できるプラットフォームです。そのアプリケーションで使える暗号資産をイーサ(ETH)と呼びます。

日本ではプラットフォームと暗号資産、どちらもイーサリアムと呼ばれることが多いです。

イーサリアムの特徴は、スマートコントラクトという「自動で実行されるプログラム」をブロックチェーン上で構築できることです。

ビットコインは送金・受け取りがメインの機能で、ブロックチェーン上に複雑なシステムは構築できません。

プラットフォームとして開発されたイーサリアムは、「条件を満たしたら契約成立」といったプログラムを構築できます。

イーサリアムを活用したアプリケーションやサービスが開発され、それらの利用で使われるイーサ(ETH)の需要も高まっています。

リップルの特徴

ティッカー/シンボル XRP
発行開始 2012年9月
発行主体 Ripple Labs Inc.(Ripple社)
発行上限数 100,000,000,000 XRP(1,000億XRP)
発行方法 2012年のネットワーク発足時に全て発行済み

リップルはRipple社が管理・運営している暗号資産です。ブロックチェーン技術を活用し、ユーザー同士をつなげることで、第三者の金融機関を経由しないネットワークを実現しています。

従来の銀行間や企業間の送金では、手数料が高く、送金に時間がかかることが課題でした。その課題をリップルで解決しようとする動きがあります。

たとえば日本円と米ドルで取引をしている企業が、ブリッジ通貨(架け橋)としてリップルを使うというケースです。暗号資産であれば、国際送金でも手数料を抑えて、24時間365日いつでも取引ができます。

こういった課題解決に向けて動いているRipple社には、すでに多くの企業が提携・出資を発表しています。

一方で、1つの企業が管理・運営しているため、ビットコインなどと違い「中央集権的である」といった声もあるようです。ただ、そもそもリップルは銀行間や企業間など、限定的なユースケースを想定しているため、参加組織が同意していれば問題ないともいえます。

送金ネットワークを変える暗号資産およびネットワークとして、世界的な企業も注目しているのがリップルです。

暗号資産が今までのものと違うところ

今までの通貨や投資商品、決済手段と暗号資産の違いを解説していきます。

  • 法定通貨
  • 株式
  • 電子マネー

法定通貨との違い

国や地域によって発行されるのが法定通貨です。法定通貨は発行主体(国や地域)の信用に基づき価値が決まります。

発行主体の経済状況が悪くなったり、政府の信頼が揺らいだりすると法定通貨の価値は下がります。また需要と供給の関係もあり、特定の通貨を多くの人が求めると、ほかの通貨に対して価値が上がるというものです。

一方で、ビットコインのような暗号資産は、発行主体がなくプログラムによって自動発行されます。

ブロックチェーンによって取引履歴が改ざんされにくい、不正な価格操作を受けない、運用の透明性が高いというのも特徴です。また、物品との交換や法定通貨との交換もできます。

発行主体の信用に関係なく、テクノロジーに対する信用で価値が生まれ、現実の物と交換できるのが暗号資産です。

株式との違い

株式は、企業の将来性や成長に対する投資商品です。企業の成長に期待が集まり、売却する人よりも購入する人が多ければ、株式の価格は上がります。

暗号資産の場合は、ビットコインのようにテクノロジーに期待が集まるものもあれば、リップルのように企業の成長に期待が集まるものもあります。さらに発行上限が決まっているものは、希少性という魅力があるのも特徴です。

投資という観点では、共通しているところも多いですが、株式には「誰かに送る」という機能はありません。

株式の場合は、譲渡というかたちで所定の手続きをする必要があります。一方で、暗号資産は、相手のウォレットアドレス(口座番号のようなもの)さえ分かれば送ることが可能です。

また、企業の資金調達として株式が発行されるように、暗号資産で資金調達を行う仕組みもあります。のちほど解説する「ICO・IEO」のことです。

電子マネーとの違い

電子マネーは決済手段であるため、それ自体が価値を持っているわけではありません。

あくまで、日本円の代わりとなる電子決済の手段です。国や地域が変われば、法定通貨も変わるため使用できなくなります。企業や自治体が発行する、各種ポイントも同じです。

Apple PayやQUICPayのように、海外で使える電子マネーもありますが、企業に依存している点は否めません。

暗号資産の場合は国境に関係なく使えますし、企業に依存せず自律的に運用されているものもあります。

受け取る側が、電子マネーに対応した端末を用意する必要もなく、提供事業者に手数料を払う必要もありません。

ただし2022年時点では、決済に使っている店舗が少ないため、電子マネーの利便性には劣ります。この先、暗号資産での事例が増えると、電子マネーより便利な存在になるかもしれません。

暗号資産を取引するために必要なもの

暗号資産を取引するために必要なものを3つ紹介します。

  • 暗号資産取引所の口座
  • 銀行口座
  • ウォレット

暗号資産取引所の口座

暗号資産の売買は、「暗号資産取引所」で行います。

口座開設に必要なものは、次の3つです。

  1. メールアドレス
  2. 電話番号
  3. 本人確認書類

暗号資産取引所では、運営会社がプール(貯蔵)した暗号資産を、ユーザーが買い付けることができます。またユーザー同士で売買できる「板取引」も利用可能です。

1円から購入できる取引所もあるので、購入したい方は暗号資産取引所を使いましょう。

開設方法や注意点は「日本国内の暗号資産取引所に口座を開設しよう!」にて解説しています。

銀行口座

国内の暗号資産取引所で購入する場合、日本円の入金が必要です。入金方法は、銀行振込やコンビニ入金などがあります。

クレジットカードは、国内の暗号資産取引所では使用できません。(2022年4月時点)
暗号資産の価格変動が激しく、投機目的での利用を防ぐために、2018年ごろからクレジットカード会社が利用を禁止したからです。

海外の取引所ではクレジットカード決済もできますが、金融庁は認めていないので注意が必要です。
参照:無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等について(金融庁)

暗号資産は値動きが激しいので、購入のタイミングを逃さないためにも、コンビニ入金ではなくネット銀行の口座を準備しておくのがおすすめです。

ウォレット

ウォレットは暗号資産を保管しておく、デジタル財布のようなものです。スマホやパソコンにインストールするタイプや、USBメモリのようなハードウェアタイプもあります。

ウォレットは取引で必須というわけではありません。暗号資産取引所に預けたままにしておくのが不安という方は、自前のウォレットに移すことを検討しましょう。

とはいえ、ウォレットにもさまざまな種類があります。メリット・デメリットが異なるので、暗号資産の保有額や利用シーンに合わせて選ぶのがおすすめです。

暗号資産を活用したサービスの事例4つ

暗号資産やブロックチェーンを活用した、4つのサービスを紹介していきます。

  • ICO・IEO
  • dApps
  • DeFi
  • NFT

ICO・IEO

ICO・IEOとは、暗号資産の発行による資金調達の方法です。

ICOは「Initial Coin Offering」の頭文字で、新規プロジェクトを立ち上げる際に、コイン(暗号資産)を発行して資金調達を行います。

プロジェクトの運営者は、SNSなどでICOのプロモーションを行い、投資してくれた人へ公開前のコインを提供します。プロジェクトが軌道に乗り、コインの需要が高まると先行者であった投資家に大きなリターンが生まれるという仕組みです。

2017年ごろのバブル期には、多くのICOが行われていました。
しかし、なかにはプロジェクトの計画だけで実体のないICOや、詐欺行為が横行した経緯もあり、今ではICOの数も減っています。ICOは手軽に資金調達ができる反面、プロジェクトの全容を把握できないのがデメリットです。

そこで暗号資産取引所が仲介する「IEO」が誕生しました。IEO(Initial Exchange Offering)の頭文字で、Exchangeとは取引所という意味です。

取引所が仲介するので、新規プロジェクトは審査にかけられます。詐欺まがいのプロジェクトを上場させると、取引所の信用を失うことにもつながるので、審査は厳しく行われます。とはいえ、株式上場に比べるとハードルは低いです。

プロジェクト運営者側も、取引所の既存ユーザー向けにIEOを発表するので、自分達で投資家を集める必要がないメリットがあります。

資金調達の新たな方法として、ICO・IEOはこれからの主流になるかもしれませんね。

DApps

DApps(ダップス)は「Decentralized Applications」の略称で、分散型アプリケーションを意味します。

分散型といわれる理由は、ブロックチェーン技術を活用しているからです。ブロックチェーンの特徴である、履歴をユーザー全員で共有することで分散化を可能にしています。

さらに、参加ユーザー同士をつなぐ「P2Pネットワーク」によって、システムダウンすることなく運営されるのもDAppsの特徴です。

また、自動で実行されるスマートコントラクトを使うことで、中央管理者を必要とせず、自律的に運営されます。

従来のスマホアプリやPCアプリと同じように、さまざまなサービスやゲームが開発されています。

たとえば、NFTゲームやGameFiと呼ばれるゲームのDAppsは、ゲーム内で稼げると注目されているジャンルです。ゲーム内のアイテムがNFTになっていたり、ゲーム内通貨(ポイントやコイン)が暗号資産になっていたりします。

興味がある方は「NFTゲーム(GameFi)とは?稼ぐ方法やおすすめの人気ゲームまで徹底解説」もあわせてご覧ください。

次に解説する「DeFi」もDAppsのひとつです。

DeFi

DeFiは「Decentralized Finance」の略称で、分散型金融という意味です。ディファイやディーファイ、デファイと呼ばれています。

分散型金融とは、従来の金融サービスと違い、中央管理者がいない金融サービスのことです。

これまでは銀行や証券会社、保険会社などが金融サービスを提供していました。そこには多くの人手が必要なため、手数料が高くなったり時間がかかったりします。

DeFiでは、スマートコントラクトによって自動化され、ユーザー同士の承認によって自律的に運用されます。また取引履歴は、すべてブロックチェーン上に記録されるため、透明性や耐改ざん性が高いのも特徴です。

DeFiは、DEX(Decentralized Exchange)と呼ばれる分散型取引所に、ウォレットを接続するだけで誰でも利用できます。

DEXでは、暗号資産を預けることでトークンと呼ばれる暗号資産をもらえたり、レンディング(貸付)すると利息収入を得られたりします。

第三者の金融機関を通さないことで、手数料や時間といったコストを削減できると注目されている分野です。

NFT

NFTとは、Non-Fungible Token(ノンファンジブルトークン)の頭文字で、非代替性トークンと訳されます。非代替性は「唯一無二の、替えが効かない」、トークンは「印、象徴」という意味です。

NFTは、デジタルデータの唯一性を証明できる技術として、多くの場面で活用が期待されています。

今まではデジタルデータのコピーは簡単で、コピーされた場合に原本や所有権の証明が難しいという問題がありました。インターネット上に拡散されれば、唯一性を証明するのは非常に困難です。

NFTはデジタルデータに、シリアルナンバーのようなアドレスを付けることで、唯一性を付与します。与えられたアドレスはブロックチェーンに記録されるため、誰でも確認できて、改ざんされにくいのが特徴です。

デジタルであれば、さまざまなデータをNFT化することができます。

  • テキスト
  • イラスト
  • 画像
  • 動画
  • 音声

実生活でいうと、不動産登記簿や電子印鑑、各種証明書など、改ざんされたり紛失したりすると困るデータへの活用が期待されています。

NFTアートは、誰でも手にしやすいNFTのひとつです。暗号資産を入れたウォレットをNFTマーケットプレイスに接続するだけで、世界中から出品されているNFTを購入できます。

NFTアートを購入してみたい方は「解説記事」をご活用ください。

いまさら聞けない暗号資産の基礎知識:まとめ

暗号資産について、基礎知識や歴史、活用事例などを解説してきました。

最後にもう一度、内容を振り返りましょう。

  • 「金銭的な側面」と「技術的な側面」を持った新しいデジタル通貨である
  • 決済手段でもあり、送金手段でもあり、投資商品でもある
  • 暗号資産と、その技術を活用したサービスの事例が増えている
  • 暗号資産取引所の口座を開設すると、誰でも購入できる

現代の通貨制度は1930年代に始まり、電子マネーは1990年代に登場しました。2009年に誕生した暗号資産はこれらとは異なる新たな通貨として、さまざまな活用方法が編み出されるでしょう。

暗号資産に興味がわいた方は、ぜひ自分で保有することから始めてみてください。

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Web3.0ジャンル専門のフリーランスWebライターとして活動中。ビットコインをはじめとする暗号資産、および国内・国外のさまざまなNFTを保有。暗号資産やブロックチェーン、NFTなどを「とことん分かりやすく」解説するのがモットー。多くの人がWeb3.0に興味を持つきっかけとなるような記事を書いている。
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