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【メタバースに注力】Facebook→Metaに社名変更して半年経過…Meta社って今何をしているの?

告知・ニュース系 解説系記事

2021年10月28日、米国の大手テック企業GAFAの一つであるFacebookは、社名を「Meta(メタ)」に変更することを発表しました。MetaはFacebookやInstagramのサービスを継続しながら、メタバース事業をメインとしていくことを明らかにしています。

社名変更時に話題となったMetaですが、現在は開発を進めている最中にあり、あまり表立った発表は行われていません。話題になることが大幅に減り、すでに社名変更したことを忘れている方もいるのではないでしょうか。

今回の記事では、社名変更から半年以上が経過した今、Metaがどんな取り組みをしているかをまとめました。

昨今メタバース事業に参入する企業は増えましたが、Metaはそうした企業よりも何歩も先行した取り組みを行っています。Metaによって実現する未来を想像しながらお読みいただけると幸いです。

そもそもMetaとは

Metaの今を見ていく前に、まずは過去の経緯をおさらいしておきましょう。

Metaの前身となるFacebookは、2004年2月に誕生しました。当時ハーバード大学の学生であったマーク・ザッカーバーグが、優秀な学生同士をつなぐネットワークとして作ったのがきっかけです。はじめは招待制であり、自分もそこに入りたいという思いを持つ人たちの間で関心を集め普及。その後は学生の枠を超え、今やFacebookは世界で29億人以上に利用されるSNSにまで成長しました。

その後は、InstagramやWechatなどのアプリも大きな成功をおさめ、今は全世界に向けてさまざまなサービスを展開しています。

Facebookは利益率が非常に高いことでも知られています。2021年10月〜12月は売上高336億7,100万ドル(4兆5,500億円)に対して、利益が102億8,500万ドル(1兆3,900億円)を記録しました。この額は四半期の数字であることには驚きです。

売上の30%を超える額が利益であり、米国を代表する企業としてGAFAに名を連ねています。

Metaはなぜ社名を変えメタバース事業に切り替えたのか

社名の変更理由について、マーク・ザッカーバーグは「Facebookはアプリの一つの名称にしか過ぎず、Facebook社が提供するさまざまなサービスやアプリ、将来の事業を表すにはふさわしくない」と述べました。

Metaの正式名称を見てみると「Meta Platforms, Inc.」とあり「Platforms」という名前が入っています。プラットフォーム企業として、Facebookだけではなく他にもさまざまなサービスを展開していることを表現したかったのだと考えられます。

Facebook社は社名変更前から、メタバース事業への投資をする動きが見られました。2014年には、まだ開発者向けのプロトタイプをリリースするだけであったVR(Vertual Reality)企業「Oculus VR」を買収し、同社のVRゴーグル「Meta Quest2(旧Oculus Quest2)」は市場シェア40%を獲得しています。

昨今は若者のFacebook離れが進んでおり、特に15歳〜24歳のアクティブユーザーの割合は年々下降中です。同社が提供するInstagramのユーザー数は伸びているものの、看板であるFacebookは苦境を迎えています。

Facebook社は「”Facebook” のイメージを刷新し、まだ未開の分野であるメタバースを開拓するという目的で、社名変更とメタバース事業への本格的な投資を始めた」と考えられます。

参考:https://gendai.ismedia.jp/articles/-/90134?page=2
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_617b4973e4b065735746d349#:~:text=%E6%94%B9%E5%90%8D%E3%81%AE%E7%90%86%E7%94%B1%E3%81%AF%E3%80%81SNS,%E3%81%AF%E3%81%B5%E3%81%95%E3%82%8F%E3%81%97%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%8B%E3%82%89%E3%80%82
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01953/022300011/
https://webtan.impress.co.jp/n/2018/10/29/30848

Metaの動き

ここからは、Metaに社名変更した後の動きを紹介していきます。

世界最速級のAIスパコンを開発

https://japan.zdnet.com/article/35182542/

Metaは、世界最速の計算能力を誇るスーパーコンピューター(以後スパコン)「AI Research SuperCluster(RSC)」の開発を進めています。スパコンとは膨大なデータを超高速で計算できる大型コンピュータのことです。

ニュース時点ではNVIDIA製のGPUを6000個以上搭載し、世界第5位のスパコン「Perlmutter」に匹敵する性能を持っていました。2022年中にはGPUを2.5倍以上に増やし、さらに投資を強化するようです。

Metaが思い描く高クオリティなメタバースを実現するためには膨大な計算が必要になるとのことですが、その頭脳となるスパコンへの投資は豊富な開発資金を持つMetaだけができる業といえます。

メタバース「Horizon Worlds」の非VR版を開発中

https://www.moguravr.com/horizon-worlds-7/

Metaは、すでにアメリカやカナダでリリース済みのメタバース「Horizon Worlds」のWeb版(非VR版)を開発していることを発表しました。

Horizo​​n Worldsでは、VRゴーグルMeta Quest 2を利用し、他のユーザーとコミュニケーションを取ったり、ゲームで遊ぶことができます。今後はWeb版がオープンし、全世界の人々がプレイできるようになることでしょう。

Horizo​​n Worldsは、メタバース販売プラットフォームである「Meta Quest」で、概要を確認することができます。Meta Questでは時代の最先端をいくメタバースが売られているので、ぜひ一度確認してみてください。

独自のVR・AR専用のOSプロジェクトを中止か

https://coinpost.jp/?p=307193

Metaの投資は、どれもが順調に進んでいるわけではありません。2021年1月には、独自開発を進めていたVR・AR専用のOS「XROS」プロジェクトを中止したことを発表しています。

このプロジェクトは、2017年から約300名ほどで開発が進められていました。中止の理由は明らかにされていませんが、チーム責任者であるMark Lucovsky氏が辞任したことが中心にあるとされています。

Meta側はOS開発を完全に諦めたわけではないものの、大幅なリソースを割いてきたXROSのプロジェクトは中止する意向を示しています。

大企業であっても数年間300名体制で進めていたプロジェクトが中止になった場合は、再起不能なレベルでの損失を出すことになるでしょう。こうした思い切った開発ができるのも、安定した基盤と潤沢な資金をもつMetaだけができることと考えられます。

Metaがクラウドゲーミングサービスを開発中か

https://www.moguravr.com/meta-quest-2-cloud-gaming/

VRゴーグルMeta Quest 2から、PC用のゲームを遊べるクラウドゲーミングのサービスを開発しているという噂が、米国発のSNS「Reddit」から浮上しています。Meta Questからクラウドゲーミングに接続することができれば、端末のスペックに関係なく高品質なゲームを遊べるようになります。

すでにテストプレイができた人もいるようですが、まだクオリティは高くなかったようです。今後、クラウドゲーミングサービスが普及すれば、高価格のゲーミングPCを用意することなくても、気軽にプレイできるようになることでしょう。

また、メタバースには「端末のスペックがゲーム内の動作を左右する」という問題がありますが、クラウドゲーミングサービスが普及することで解決すると考えられます。

MetaがMRで遊ぶゲームデモを公開

https://www.excite.co.jp/news/article/MoguraVR_project-cambria-mr-game-demo/

Metaは、現実世界とバーチャル世界を融合させた空間であるMR(Mixed Reality,複合現実)の開発も進めています。MetaはMeta Quest2を用いたMRコンテンツ3作品を動画で公開しました。

動画内ではハンドトラッキングを用いてハンマーで穴を開ける、チェスをプレイできるなど、バーチャル空間でさまざまなアクションができることが伝えられています。

まだ動作の重さやグラフィックの甘さはありますが、今後は改善していくことでしょう。

2022年内にも「The World Beyond」「App Lab」「I Expect You To Die: Home Sweet Home」など、多くのMRプロジェクトのリリースが予定されています。

Metaの今後

紹介してきたように、Metaは時代の最先端の取り組みを行なっています。

他社プロジェクトがWeb版のメタバースのみを苦労して開発している中で、Metaは潤沢な資金と高い開発能力を武器に、スパコン、VRゴーグルMeta Quest 2、プラットフォームなど、スケールの大きな分野への投資と開発を進めています。

今はまだアンテナの高い一部の人が関心を持つメタバースですが、いずれは多くの人に触れられるときが来ることでしょう。その時はMetaが中心的な存在になっているのではないでしょうか。

Meta社 まとめ

社名変更後大きなニュースがなかったMetaですが、調べてみるとメタバースに関するさまざまな動きがあることがわかります。今後、FacebookやInstagramの収益を基盤として、今まで見たことがないような新たな発表が行われていくことでしょう。

Metaの動きはFacebookTwitterなどのSNS、メタバースのリリースはMeta Questで発信されていきます。今後もぜひ注目していきましょう!

S.G

SG

月間100万PV超えの投資情報サイトや、ニュースサイトなど、暗号資産に関する記事を数多く執筆するフリーランスのライター。自身も2016年から暗号資産投資を行なっており、日進月歩の進化を遂げる暗号資産業界を常に追ってきた。ライター歴は3年で「文章で読者をワクワクさせ、行動に移させる」をモットーに執筆を行う。東南アジア在住、海外留学の経験があり、英語の翻訳記事も得意にしている。
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