日本の伝承である「鬼」や「天狗」、「キツネ」などが登場するNFTプロジェクト「ON1 Force」。
インパクトのある横顔のデザインはリリース当初より人気が衰えることはありません。
今回は「ON1 Force」の背景となっているストーリーから、コミュニティで作り上げて進化し続ける魅力を解説していきます。
この記事の構成
ON1 FORCEの歴史
ON1(Oh-knee:オーニーと発音)Forceは、2021年8月19日にリリースしたプロジェクトで、販売開始わずか5分で売り切れました。
7,777体のNFTが用意され、それぞれの価格は0.07777ETH(当時の価格で約247ドル:日本円で約26,900円)で販売されました。
ON1 ForceのNFTは横顔のPFP(Picture For Profile:プロフィール画像)を採用した最初のプロジェクトで、後の横顔PFPに影響を与えたと言われています。
売り切れ直後の2021年8月25日には二次販売で7,950ETHの取引が発生するなど、OpeanSeaで大きなインパクトを与えました。
(引用元:https://opensea.io/collection/0n1-force/activity)
ON1 FORCE誕生からリリースまで
リリース後の2021年9月4日に、Mediumにてロードマップの発表を行い、その中でON1 Forceのチーム誕生の様子などが書かれてあるので紹介します。
ON1 ForceチームはSNSのClubhouseで出会った全く面識のないメンバーでスタートし、最初に7,777のジェネレーティブなプロフィール写真プロジェクトを作成しました。
その後1ヶ月以内に、NFT作品として今までにないようなアート作品をいくつか作成し、その中から現在チームで活躍しているアーティストであるIMCMPLXが作成した作品がON1 Forceとなりました。
ON1 Forceのチームを支えるアーティストはIMCMPLXとCromagnusの二人で、特にIMCMPLXが作り出す「God」の世界観がON1 Forceのキャラクターを表現しています。
また、ON1 Forceの最大の特徴は「コミュニティ」にあり、このMediumの記事執筆時点で既に世界中で2万人近くまで増えていると報告しています。
アーティストの紹介
ON1 Forceを支える2名のアーティストを紹介します。
「IMCMPLX(@trueIMCMPLX)」
IMCMPLXは先述したように、インパクトのあるON1 Forceのキャラクターを作り上げたアーティストです。
IMCMPLXは2011年より「GOD COMPLEX」というプロジェクトを立ち上げており、そのコンセプトは文字通り「神」で、ストーリー性のある4種の神を展開しています。
- Hellenic Gods
(引用元:https://www.godcomplex.info/hellenic-gods)
- Yamato Gods
(引用元:https://www.godcomplex.info/yamato-gods)
- Misr Gods(作品は下記1点のみ)
引用元:https://www.godcomplex.info/
- Vodun GOds
(引用元:https://www.godcomplex.info/vodun-gods)
これらの作品を見ると、IMCMPLXが2011から作成してきた自らのコンセプトがON1 Forceに注がれているのがわかると思います。
IMCMPLXはON1 Forceの他にも「Moon Protocol NFT」と「CMPLX Bored Apes」のプロジェクトも手掛けています。
また、IMCMPLX Storeを開設しており、リアルのフィギュアやマスクなども販売していますので、その一部を紹介します。
(引用元:https://imcmplx.bigcartel.com/products)
「Cromagnus(@cromagnus)」
ON1 Forceではコミックの制作を進めており、それを担当しているのがCromagnusです。
CromagnusPunks Comicsなどを手掛けているJosh Blailockと協力してコミック制作の作業を進めています。
コミックについては現在、表紙などの一部に限って公開されています。
(引用元:https://cromagnus.com/work/0n1-force-comic)
Cromagnusの公式サイトにはON1コミックの一部が表示されている他、「Azuki×ON1 Force」のGiveawayの作品も手掛けている画像も公開されています。
(引用元:https://cromagnus.com/work/azuki-x-0n1-force)
ON1 FORCEのストーリー
ON1 ForceはEthereal Enclave(イスィリアル・エンクレーブ:以下エンクレーブと表記)という舞台を中心に繰り広げられていきます。
エンクレーブとは「ナノゾーン」と呼ばれる保護バリアが、病気や汚染だけでなく異国からの侵入者を防ぎエリアを厳重に守っている、高い技術が作り出した無限のメガシティです。
そしてON1 Forceはエンクレーブの戦士として登場します。
ON1 Forceは日本の文化を取り入れている部分が多いのですが、ストーリーも日本の神話に似ている部分があります。
ストーリーの全てを紹介すると長くなりますので抜粋しながら紹介していきます。
エンクレーブの繁栄も崩壊の危機に
エンクレーブでは誰もが平和で幸せな生活を送っていました。しかし、突然崩壊の危機に直面します。
その誕生から危機に直面するまでのストーリーを紹介します。
エンクレーブの誕生
エンクレーブは無限の可能性を秘めた「ひとつの源」から始まりました。
「ひとつの源」から皇帝が誕生し、7人のON1の最初の生命体である「YOKA-1」を生み出すと、ここからエンクレーブの歴史が開始され、やがて強力なON1が次々と誕生します。
ON1のキャラクター群
ストーリーの中でON1は以下の4種に分けられています。
- YOKA-1
- BAKEMO-NO
- ON1
- KAM-1
これらのキャラクターの詳細は後述します。
ナノゾーンに守られている平和な生活
エンクレーブが成長すると皇帝の開発したナノゾーン技術により、平和で争いのない時代が訪れます。
ナノゾーンはエンクレーブの住民の永遠の命を維持させる技術でもあることから、全ての人が死をも考えることなく生活することが日常になっていました。
7,777人の戦士であるON1Forceも、それぞれ音楽家や芸術家、詩人などとして生活し、戦いとは無縁の平和な日々を送っていました。
皇帝の死去
しかし、その平和な時が突然終わりを告げます。
永遠の命を与えられたはずの皇帝が、相続人も決めず突然亡くなってしまうのです。
するとナノゾーンが機能不全を起こしはじめ、永遠だったON1を始めとするエンクレーブの住民の命は、7,777時間に凝縮されてしまいます。
さらに、皇帝が崩御し中央集権も消滅すると人々は混乱し、争いが起きはじめ、平和な時代にも終焉の時が迫ってきました。
余命が1年未満になったON1は、団結して戦うか、それとも何もせずに死ぬか、どちらかの選択に迫られます。
そしてこの後のストーリーは、現実のNFTなどの販売を通してコミュニティで作られていきます。
ON1 Forceキャラクターの紹介
先述したようにエンクレーブでのON1は4種存在します。
プロジェクトでは、この4種のON1が7,777体のNFTとなり販売されました。
これから紹介するキャラクターの特徴や作品数なども記載しますので、エンクレーブでの活動状況などに思いをめぐらしてもらえると、よりON1の魅力を実感できると思います。
Y0K-A1
- タイプ:ゴーストスピリット。最も一般的なタイプ。
- 作品数:5278体
- 特徴:攻撃的なものは少なく、マスクやヘッドフォンの他、鼻に絆創膏が貼ってある作品が主。
(引用元:http://gallery.0n1force.com/)
B4K3M0-N0
- タイプ:モンスターフォーム。攻撃的なキャラクターでレアリティが高い作品。
- 作品数:2100体
- 特徴:鬼やカラス、天狗などのマスクが増え攻撃的な印象の作品が多い。
(引用元:http://gallery.0n1force.com/)
ON1
- タイプ:デーモン。悪魔のキャラクターでエンクレーブではリーダー的存在。
B4K3M0-N0よりレアリティが高い。 - 作品数:392体
- 特徴:悪魔にふさわしく、鬼やキツネの他、般若のマスクも増えるが、面白い作品としては髪型がオールバック(ON1ではポンパドールと表記)のものも出てきて希少性が高くなっている。
(引用元:http://gallery.0n1force.com/)
KAM-1
- タイプ:エンクレーブで皇帝直下に仕えるON1最高位のキャラクター。
- 作品数:7体
- 特徴:7体の作品はそれぞれが、「戦争」「太陽」「月」「誌と音楽」「愛」「エネルギー」「創造」の7つを支配していることから、エンクレーブの守護者とみなされている。
最大の特徴は他のON1が「左」向きなのに対し「右」を向いていることで、更なる特徴を持たせ希少性の高さを際立たせています。
(引用元:http://gallery.0n1force.com/)
ON1 FORCEの特徴とロードマップ
リリース直後にON1 Forceチームはストーリーを進めるためのロードマップを発表し、着々と進めています。
また、パートナーシップの提携やコラボレーションも増えてきているので、ロードマップの特徴とあわせて紹介していきます。
スティーブ・アオキとのパートナーシップ
リリース当初より有名なセレブリティや実業家などがプロジェクトに参加していますが、その中の一人がスティーブ・アオキです。
ON1 Forceチームはスティーブ・アオキを名誉ON1に指名し、彼をモチーフにした「ON1 KA1」という作品を描きおろしました。
ON1 KA1とは、ON1 Forceを世界に広めるため、相互パートナーシップとコラボレーションの機会を創出する目的で作られた作品で、スティーブ・アオキが最初の作品提供者となりました。
(引用元:https://twitter.com/steveaoki/status/1432522504837349376?s=20&t=vuYQ2bas2o8JuNSFH_xe3w)
コミュニティによるDiscordロールプレイングゲーム
ON1 ForceのDiscordでは「ON1エコシステム」を使用したRPG(ロールプレイングゲーム)を体験することができます。
RPGに参加するプレイヤーは、自らが保有するNFTをRPG内の主人公としてプレイをすることができます。
他のユーザーと会話しながら架空の世界での挑戦と成功のストーリーを描きながらゲームを進めることができる、他のNFTコミュニティにはないとてもユニークなシステムです。
また、ゲーム内ではオフチェーンで発行される「ON1」通貨を購入すると、バーで特別なドリンクを購入したり、管理者が運営するエリアでアイテムを購入することができます。
その他、ゲーム内にいる「賞金稼ぎ」に通貨を賭けて報酬を得ることもできます。
RPGではこれらの体験をしたユーザーに、NFTエアドロップを与える機会を設けており、ON1 Forceの単なるホルダーから、ゲームを通してストーリーに参加できる貴重な体験を与えています。
(引用元:https://medium.com/@0N1FORCE/the-0n1-roadmap-7f6623e09deb)
ON1コミック
先程、アーティストのCromagnusの章でも紹介しましたが、ON1 Forceではコミックの計画も進めています。
Discord内にはコミュニティメンバーが随時情報を受け取れるようにコミックについてのカテゴリチャンネルが作成されています。
このチャンネルの中で、ON1トークン保有者はアーティストであるCromagnus、IMCMPLXと、コミックを作成する段階で対話をすることができます。
そしてコミックの準備が完了するとトークン化されて、ON1 Force保有者に配布される予定になっています。
ON1VERSE
ON1VERSEは先述した物語の続きが展開されている場所で、エンクレーブが存在するStorytelling universe(物語の世界)で、皇帝が亡くなり終焉を迎えようとしているエンクレーブを元に戻すため、ON1達が活躍する場所です。
ON1NFTを所有するコミュニティで構築されており、ON1VERSE内で様々なアイテムなどが誕生し、物語が進化していきます。
ON1 Gear
ON1 Gearはコミュニティ主導で誕生した初のプロジェクトです。
皇帝の死後、様々な危険にさらされるエンクレーブ内で自らを防御するギアである、防具や武器がランダムに入っているバッグです。
こちらは2021年10月9日から4日間にわたり、ON1ホルダー向けに0.025ETHで最初のセールを行いました。
この収益の配分は50%がロードマップへの投資に使用され、20%はON1 Forceチームへ、残りの30%はON1 Gearの作成者に戻されます。
NANO SUITS発動
2022年1月14日に「NANO SUITS発動」と題して、NANO SUITSの制作に着手したとの発表があり、下記の画像が紹介されています。
(引用元:https://medium.com/@0N1FORCE/0n1-force-2022-nano-suits-activating-3107e903c3ae)
(引用元:https://medium.com/@0N1FORCE/0n1-force-2021-a-year-in-review-5de321bb47a6)
2022年第1四半期にリリース予定とのことですが、今のところまだ発表がないので詳細は不明ですが、新しいコレクションとして大変注目されています。
NANO SUITSはオリジナルのON1 Forceのマスク、ボディ、背景などに一致するよう設計されています。
オリジナルON1の特徴を最も引き継ぐのは「マスク」のようですが、公平さを保つため、ホルダーが保有しているON1NFTのマスクの有無やレアリティに関わらず、希少性が高いナノスーツが作成される可能性もあります。
ON1 FRAMES
2022年3月31日にON1 FRAMESのリリースについて発表がありました。
ON1 FRAMESはON1VERSEにおいてON1 Forceが次の進化に入ったことを意味しており、ここから更に進化が始まるとされています。
今までのオリジナルON1 NFTを拡張させるもので、下記の図のように進化させます。
(引用元:https://medium.com/@0N1FORCE/0n1-frames-release-info-7f9e65af7878)
(引用元:https://www.0n1force.com/)
ON1 FRAMESの特徴は、オリジナル(ホルダー保有)のON1NFTのトークンIDに紐づいているため、ホルダーが自らのNFTについてのみ請求できる仕組みになっていることです。
そのため、ON1 FRAMESを装着したON1 Forceを二次販売する際は、オリジナルのON1 Forceとセットで販売することになります。
フレームの数もオリジナルのON1と同じ7,777個あり、売り切れるまで請求することができます。
尚、FRAMESはガス代以外は無料で入手することが可能です。
そして2022年4月7日、OpeanSea上でON1 Forceに続く2番目のコレクション「ON1 FRAMES」として発売が開始されました。
(引用元:https://opensea.io/collection/0n1-frame)
Team NAGOMIとKANSAIMANとのコラボイベント
(引用元:https://nagomivision.com/)
2022年7月13日から開催された「CAF2022」のイベントにおいて「TEAM NAGOMI」と「KANSAIMAN」のコラボイベントを実施しました。
TEAM NAGOMIの15名がON1 Forceの作品を発表し、その作品について来場者による投票が行われました。
得票数の最も多かったアーティストの作品が、KANSAIMANのスカジャンのデザインに採用され、フィジカルの作品が製作されることが決定しています。
TEAM NAGOMIについて
TEAM NAGOMIとは元々ON1 Forceを日本で広めるために作られた「ON1 Force JAPAN」というイラストレーターのチームでしたが、後にON1チームより公式なチームと認定されたプロジェクトです。
公式チームに認定後は、TEAM NAGOMIのONI1品はSBINFT Marketにて出品中です。
(引用元:https://sbinft.market/partners/nagomi?type=3)
KANSAIMANについて
ファッションデザイナーである山本寛斎のスピリットを継承し、ヴァーチャルとフィジカルの双方からクリエイティブを発信するプロジェクトです。
(引用元:https://www.kansaiman.kansai-y.com/)
ON1 Force SHOP
フィジカルの製品として、ベースボールキャップやTシャツの他、スウェットなどのアパレル製品の発売も発表しています。
このコンセプトも、ON1がエンクレーブで生き残るために必要な要素としています。
当初2022年1月17日にオープン予定とのことでしたが、コロナの影響で遅れているようです。
(引用元:https://www.0n1force.com/merch)
さらに、コミュニティキュレーションも発表しています。ON1 Force関連製品を作成、販売するコミュニティを促進したいとしており、Discordに参加し共創することができます。
(引用元:https://www.0n1force.com/merch)
まとめ
ON1 Forceは単純に格好いいデザインだけでなく、進化を続けるストーリーとの組み合わせがとても興味深いプロジェクトです。
コミュニティも大きくなってきており、フィジカルのイベントの開催も増えていく他、様々なコラボレーションも期待され今後の展開もとても楽しみなプロジェクトです。