NFTアートに興味はあるけれど、購入してもどうやって楽しむかが分からないという方は多いのではないでしょうか。この記事では、そのような方向けにNFTアートの活用例・楽しみ方を具体例を挙げながら紹介します。NFTに興味がある方や、NFTアートを買ったまま放置しているという方のために、大きく4つの使い道を提案します。
この記事の構成
そもそもNFTアートって?
NFTアートとは、NFTの技術を用いて発行されたデジタルアート作品のことです。
NFTとは「偽造できない・代替不可能なデジタルデータ」のことです。
ブロックチェーンの技術で一つひとつのデータにシリアル番号をつけることで、データに唯一無二性を持たせることができます。
これまでのデジタルデータは簡単に複製や偽造をすることができ、一つのデータに資産価値を持たせることは困難でした。
しかし一つのブロックに記録されたデータを複数のサーバーで分散管理する技術であるブロックチェーンの技術が登場し、改ざん・複製が不可能なデジタルデータを作れるようになりました。そうして生まれたのがNFTという概念です。
NFTとして発行されたデジタルデータはブロックチェーン上で保管されるため、コピーや改ざんができません。そのデジタルデータがコピーされたものではない「本物」であるということが誰も目にも明らかなため、そのデータに価値が生まれます。
このようにブロックチェーンの技術によって、物理的な絵画や彫刻などのアート作品のように、デジタルデータにも資産価値を付与できるようになったという点が、NFTの画期的な点です。
現在NFTアートと呼ばれるものは、国内外のNFTマーケットプレイスで売買され、日々その市場は拡大しています。代表的な海外のマーケットプレイスは、OpenSea、Foundation、Rarible、国内ではAdam byGMO、LINE NFT、HEXAなどがあります。
利用するマーケットプレイスにもよりますが、仮想通貨取引所の口座やウォレットを準備すれば、基本的には誰でもNFTを売買することができます。現在のNFTアートの世界には、著名なアーティストが続々参入しているほか、企業単位でのコレクション運営、個人レベルでのアート販売など、多岐にわたるムーブメントが存在します。
NFTの認知率と保有率
NFTは主にアートの分野で盛り上がりを見せており、数々の高額取引が頻繁にニュースになっていますが、実際のところNFTを認知している人、また保有している人はどれくらいなのでしょうか。
モバイル専門のマーケティング機関として運営し、国内最大規模の調査を実施しているMMD研究所が2022年8月16日に発表したアンケートによると、スマートフォン、タブレット、PCいずれかを所有する15歳~69歳の男女6,763人のうち、NFTの認知率は30.8%、現在保有率は3.2%とのことでした。そのうち最も保有率が高いのは男性20代で9.0%という結果でした。
また、NFTを認知してはいるが保有経験のない1,671人のうち、NFT保有への興味について「興味がある」が6.9%、「やや興味がある」が23.8%だったため、NFT保有に少しでも興味がある割合は合算すると30.7%とのこと。
このアンケート結果から、NFTを知っていて興味があっても、購入するまでには至っていない人が多いということが分かります。
その理由としては、購入するためのハードルが高いということも挙げられるでしょうが、購入後どのように活用したら分からないという人も多いのではないでしょうか。次の章では、NFTアートの使い道・楽しみ方を大きく4つに分けて紹介していきます。
NFTアートの楽しみ方
アイコン・アバターとして
一つ目はSNSのアイコンやメタバースのアバターとして楽しむ方法です。
現在のNFTアートはpfp(Profile Picture)と呼ばれる、SNSのプロフィールに表示されるアイコンに適したアートワークが主流になっています。ツイッターやインスタグラムなどで小さく表示される、丸いアイコンで目立つようなNFTアートが人気です。その多くは人や動物を模したキャラクターです。
例えば高額取引で話題となっているCryptoPunksやBored Ape Yacht Club(BAYC)などは、その代表例と言っていいでしょう。
ドット絵であるCryptoPunksは人型のキャラクターで、発行された1万体は顔の向きや位置は同じですが、全てが異なる見た目をしています。シンプルですがアイコンに設定すると一目でCryptoPunksだと分かります。
またBAYCもCryptoPunksと同じく、高額取引と著名人による購入で話題となったNFTアートです。猿のキャラクターで、それぞれの表情や身につけているアイテム、背景色が異なっており、全てが1点もののNFTとして発行されました。こちらもTwitterのアイコンとして設定すると映えるデザインになっています。
これらのNFTコレクションはpfp向けのNFTの流行を作ったと言ってもいいでしょう。NFTの世界においてブランド化されているコレクションの作品をpfpに設定することで、ステータスの証明にもなります。このようにファッション的な目的でNFTアートを活用するのは一つの方法と言えます。
また、Twitterでは「Twitter Blue」というサブスクリプションに登録してTwitterとウォレットを接続すると、NFTを直接プロフィールのアイコンに設定できるようになります。アイコンをNFTにすると通常の丸いアイコンではなく六角形のアイコンに変化します。設定している画像が本物のNFTであることをTwitter上で証明することができ、他のNFTユーザーとの交流が生まれやすくなることもあるので、一部の熱心なコレクターが採用しています。
鑑賞・展示用として
二つ目は、鑑賞・展示用として楽しむ方法です。
NFTはデジタルデータとはいえ、クリエイターが丹精を込めてアート作品として制作しているものもたくさんあります。また、クリエイターの応援のためや、純粋に絵が好きだからという理由で購入する人も多いです。たくさんのNFTアートを見ていれば、純粋に好きだと思える作品に出会えるかもしれません。
そんなコレクター気質の方でも、ただ集めているだけではつまらないという人も多いと思います。そんな方にはメタバース空間で展示するという方法があります。
NFTアートを展示できる最もメジャーなメタバースとして「oncyber(オンサイバー)」というツールがあります。オンサイバーは無料でNFTアートを展示できるギャラリーを作れるツールとして人気を博しています。
所有するNFTが紐づけられているウォレットをオンサイバーに繋ぐだけで、メタバース空間のギャラリーに作品を展示することができます。無料のギャラリーでは7〜44点の作品を飾れる5つのスペースを選ぶことができます。有料のギャラリーではよりデザイン性の高い空間で多くの作品を展示できるため、さらに楽しみの幅が広がります。
コミュニティの参加権として
NFTはコミュニティの参加資格を証明するためにも使われています。特定のNFTを持っている人のみがコミュニティに参加できるという仕組みで運営しているコレクションはいくつも存在しています。
例えばBAYCを手に入れた人は、ホルダーだけが参加できるDiscordチャットのグループに入ることができます。BAYCのホルダー同士が交流できるこのクローズドなコミュニティでは、独自の情報交換がなされています。
また、アニメ風のクールなキャラクターが人気のコレクション「Azuki」も、ホルダー限定のコミュニティ「The Garden」を準備しています。メンバーになるとオリジナルグッズの入手やイベント参加など、さまざまな特典が得られると期待されています。
世界的な有名人と同じコミュニティに属したい人や、高度で密な情報交換がしたい人にとって、NFTのクローズドなコミュニティに参加できることは大きなメリットでしょう。NFTの世界に深く関わっていきたい人は、コミュニティ目的でNFTアートを購入してみるのも良いかもしれません。
投資として
NFTは暗号資産などと同じく、時間が経過するごとに価格が変動します。買った時の値段よりも高値で売ればその分だけ利益を得ることができます。将来的に人気が出そう・価値が上がりそうな作品をいち早く手に入れ、価格が上昇したタイミングで転売するという方法も、楽しみ方の一つと言えます。NFTは二次流通時にも、発行元のクリエイターにロイヤリティ収入が入るように設定することができるので、転売の繰り返しや価格の上昇は、クリエイターにとっても嬉しいことです。
しかし実際には、将来的に価格が上がるNFTアート作品を見極めるのは難しい上に、逆に損失を出すこともあり得ます。投資に回せる余剰資金があり、自己責任で楽しめる人におすすめです。
まとめ
NFTアートの楽しみ方を①アイコン・アバターとして②鑑賞・展示用として③コミュニティの参加権として④投資としての4つに分けてご紹介しました。物理的なアート作品の楽しみ方と重なるところもありますが、ブロックチェーンという日々進化する新しいテクノロジーの上に成り立つNFTは、大きな可能性を秘めています。今後さらにNFTが社会に浸透していくにつれて、活用の仕方も大きく広がってくると予想されます。特にNFTアートは、著名な作家やクリエイターの参入が増え、クオリティの高い作品も増えているため、特に盛り上がっているジャンルです。アートを購入するという感覚で、気軽にNFTアートに触れることで将来へ期待を膨らませてみてはいかがでしょうか。