Menu

NFTの取引額TOP10!過去に流行したNFT作品のトレンドを理解しよう!

比較系記事

NFTはデジタルデータに資産価値を持たせる技術として、革新を巻き起こしています。

これまでのデジタルデータは、作成するのは簡単ですが、偽造・複製・改ざんが容易で、どれが本物のデータであるかを証明することはむずかしいという側面がありました。

しかし、NFT技術の登場により、デジタルデータの証明書を発行できるようになりました。特に、デジタルアートの領域での活用が盛んです。

そこで本記事では、急速に盛り上がりを見せているNFT市場において、もっとも高値で取引された作品TOP10について、解説します。

記事後半では、過去に流行したNFT作品のトレンドについても考察しているので、ぜひ最後までご覧ください。

2021年のNFT取引量は130億ドル超

アメリカの暗号資産メディアThe Blockによると、2021年のNFT取引量は130億ドル以上です。これは、2020年の3,300万ドルと比べて、前年比42,988%と大幅に増加しています。

その大半は、世界最大級のNFTマーケットプレイス「OpenSea」での取引です。

NFT市場は急激に形成されており、今後は以下のような領域での活用が期待されています。

  • 金融
  • 不動産
  • スポーツ
  • チケット販売
  • ゲーム
  • デジタルファッション

現在は、アートを中心に盛り上がっていますが、さまざまな分野で活用されると、今以上にNFT市場は大きくなるでしょう。

【2021年】NFTアート作品金額ランキングTOP10

2021年のNFTアート作品金額ランキングTOP10について、カウントアップ形式でそれぞれ解説します。

ランキングは、以下のようになっています。

  • 10位:XCOPY「Some Asshole」
  • 9位:Mad Dog Jones「Replicator」
  • 8位:Edward Snowden「Stay Free (Edward Snowden)」
  • 7位:freeross「Ross Ulbricht Genesis Collection」
  • 6位:XCOPY「A Coin for the Ferryman」
  • 5位:Beeple「Ocean Front」
  • 4位:XCOPY「Right-click and Save As guy」
  • 3位:Beeple「Crossroads」
  • 2位:Beeple「HUMAN ONE」
  • 1位:Beeple「Everydays-The First 5000 Days」

10位:XCOPY「Some Asshole」

XCOPY(エックスコピー)は、ロンドンを拠点に活動しているデジタルアーティストです。NFTアート界で有名なアーティストの一人で、TOP10に3つの作品がランクインしています。

XCOPYは、これまでに9,000点以上のNFTアートを制作しており、累計販売額は約90億円です。

「Some Asshole」という作品は、XCOPYが初めてリリースしたNFTで、Snoop Doggによって1,300ETH(約380万ドル)で落札されました。ぼやけた顔のキャラクターと、黒と赤が入り交じった背景が描かれています。

2018年に「SuperRare」というNFTマーケットプレイスでリリースされました。リリース当初は25ETHでしたが、1年後には1,300ETHもの価格が付いています。

9位:Mad Dog Jones「Replicator」

Mad Dog Jonesは、カナダを拠点に活動するビジュアルアーティストです。日本のアニメやSF映画、サイバーパンクからインスピレーションを受けた独自の世界観が特徴で、彼の作品はインスタグラムで非常に人気があります。

彼のリリースしたNFT「Replicator」は、イーサリアムのERC-721標準規格が採用されています。

「Replicator」最大の特徴は、NFTが自己複製するという点です。NFTが自己複製されるようにプログラミングされており、複製のタイミングや所有権のルール、複製回数の限度などが明確に決められています。

28日ごとに、新たなNFTが生成される仕様です。

イギリスの老舗アート専門オークションハウス「フィリップス」にて、約414万ドル(約4.5億円)で落札されました。

8位:Edward Snowden「Stay Free (Edward Snowden)」

Edward Snowdenは、アメリカ中央情報局(CIA)元職員およびアメリカ国家安全保障局(NSA)元職員です。TOP10にランクインするNFTアートの作者は、有名アーティストばかりなので、一風変わった経歴を持つ人物です。

彼は2013年6月、アメリカ政府が国民を監視し、個人情報を集めていると内部告発しているという機密文書を公表しました。

「Stay Free (Edward Snowden)」は、NSAの大規模な国民の監視は違法であるとする裁判の判決と、プラトンの撮影したEdward Snowden肖像画を組み合わせたNFTです。

このNFTは、招待制のNFTマーケットプレイス「Foundation.app」にてオークションにかけられると、24時間後に約500万ドルで落札されました。

7位:freeross「Ross Ulbricht Genesis Collection」

Ross Ulbrichtは、ダークウェブマーケットプレイス「Silk Road」の設立・運営に携わっていた人物です。麻薬密売やコンピューターハッキング、身分偽装などの罪で終身刑の判決を受けていました。

freeross「Ross Ulbricht Genesis Collection」には、刑務所内で黒鉛筆を使って描いた作品や幼少期の頃からの作品が含まれています。

作品のオークションはNFTマーケットプレイス「SuperRare」にて1ドルで始まりましたが、最終的には620万ドルで落札されています。

落札したのは、Ross Ulbrichtの釈放を求める自律分散型組織(DAO)「FreeRossDAO」です。

6位:XCOPY「A Coin for the Ferryman」

XCOPY「A Coin for the Ferryman」は、XCOPYが2018年に作成したNFTです。

NFTマーケットプレイス「SuperRare」にて、XCOPY本人が0.5ETHで販売して以来、転売などはされず購入者が所有したままでした。

しかしXCOPYの認知度が高まるにつれて、A Coin for the Ferrymanの価格も上昇し、最終的には、600万ドルで落札されています。

5位:Beeple「Ocean Front」

Beepleとは、アメリカを拠点に活動するイギリス人クリエイター「Mike Winkelmann(マイク・ヴィンケルマン)」のアーティストネームです。

「Ocean Front」は、気候変動の問題を訴える目的で作成されたNFTアートで、海の上に積まれたトレーラーやその上にある木が特徴的な作品です。

NFTコレクター「Justin Sun(ジャスティン・サン)」が約600万ドルで落札し、その収益は環境問題の改善に取り組む「Open Earth Foundation(オープンアース財団)」に寄付されました。

4位:XCOPY「Right-click and Save As guy」

「Right-click and Save As guy」は、2018年にXCOPYが、NFTアートを皮肉って作成した作品で、700万ドル以上の価格がついています。

作品の説明欄には「Why would I buy it when I can right click and save as? (右クリックで名前をつけて保存できるのに、なぜ購入するのだろうか?)」とあり、無料で保存できることや、本当に価値のあるものなのかどうかという疑問を示唆しています。

3位:Beeple「Crossroads」

Beepleの「Crossroads」は「Nifty Gateway」にて660万ドルで販売されたNFTアートです。

アメリカ大統領選挙でバイデン氏が勝利宣言を行い、道路脇の野原で立ち直れなくなったトランプ氏が落書きされ、あざ笑われる様子が描かれています。

もともとは66,666.66ドルで落札されたNFTですが、その後660万ドルで転売されています。

2位:Beeple「HUMAN ONE」

「HUMAN ONE」は、Chriisties(クリスティーズ)にてオークションにかけられ、2,900万ドルで落札されました。

「HUMAN ONE」は、立体スクリーンに投影された映像作品型のNFTです。宇宙服を着た人物が様々な場所を歩く様子が映し出されています。

実はこの作品は、まだ未完成です。というのも、作品のアーティストがサインをした段階で、作品が完成するという認識があるからです。

作品に携わったチームの全員がサインしている訳ではなく、Beepleは生涯を通して作品をアップデートし続けることを暗示しています。

1位:Beeple「Everydays-The First 5000 Days」

NFT作品史上、もっとも高額なのはBeppleの「Everydays-The First 5000 Days」です。

彼は2007年から、一日も休まずにデジタルアートを書き続け、5,000日かけてこの作品を完成させました。

一つ一つの作品には、社会への風刺や時事問題、人間の欲望などが描かれています。

Chriisties(クリスティーズ)にてオークションにかけられ、オークション当初の価格は100ドル程度でしたが、最終的には6,900万ドルで落札されています。

2021年の人気NFTアートの傾向

2021年の人気NFTアートには、以下のような傾向があります。

  • アートでメッセージを伝えている
  • アート以外の領域でも活躍しているアーティストが多い
  • 過去に生み出した作品が高値になっている

アートでメッセージを伝えている
NFTアートを通して、メッセージを届けたり、社会への風刺をテーマにした作品が多いです。

ただの絵ではなく、何かを訴えかけるようなメッセージを感じ取ることが可能です。

実際、アメリカ大統領選挙の様子や環境問題、NFTアートの価値などに目を向けた作品がTOP10にランクインしています。

アート以外の領域でも有名な人が多い
TOP10にランクインしているNFTアートの作者の中には、アート以外の領域でも有名な人が多いという印象を受けます。

たとえば、デジタルアーティストのMad Dog Jones氏やアメリカ史上最大の内部告発を行ったEdward Snowden氏、ダークウェブの創設者Ross Ulbricht氏などです。

もともと認知のある領域と組み合わせたNFT作品が、特徴的です。

過去に生み出した作品が高値になっている
XCOPYやBeepleの作品など、2021年よりも前に活動している中で生み出した作品がTOP10にランクインしています。

Beepleは10年以上かけて制作した作品が高値で取引されており、XCOPYもNFTの技術が出始めた頃から活動を続けています。

まとめ:NFTの取引額TOP10!過去に流行したNFT作品のトレンドを理解しよう!

本記事では、NFTの取引額TOP10の作品について解説しました。TOP10には、以下の作品がランクインしています。

  • 1位:Beeple「Everydays-The First 5000 Days」
  • 2位:Beeple「HUMAN ONE」
  • 3位:Beeple「Crossroads」
  • 4位:XCOPY「Right-click and Save As guy」
  • 5位:Beeple「Ocean Front」
  • 6位:XCOPY「A Coin for the Ferryman」
  • 7位:freeross「Ross Ulbricht Genesis Collection」
  • 8位:Edward Snowden「Stay Free (Edward Snowden)」
  • 9位:Mad Dog Jones「Replicator」
  • 10位:XCOPY「Some Asshole」

いずれの作品も数億〜数十億円で取引されており、NFT市場の大きさを象徴するものです。

人気のNFTアート作品には、何かを訴えかけるメッセージ性があり、アート以外の領域と組み合わせた作品もいくつかランクインしています。

また、XCOPYやBeepleの作品のように、過去に生み出した作品が徐々に評価され、高値で取引されることもあります。

NFT市場は、まだまだ形成途中です。この記事を機に、NFTアートの魅力を堪能してみてはいかがでしょうか。

kid

kid

Web3.0ジャンル専門のフリーランスWebライターとして活動中。ビットコインをはじめとする暗号資産、および国内・国外のさまざまなNFTを保有。暗号資産やブロックチェーン、NFTなどを「とことん分かりやすく」解説するのがモットー。多くの人がWeb3.0に興味を持つきっかけとなるような記事を書いている。
Author