2021年以降、NFTブームが日本でも巻き起こる中、多数のNFTコレクションとともにNFTマーケットプレイスにも様々なものが誕生しました。
その中でも最大の規模を誇るのはOpenSeaです。認知度や取引量、売買できるNFTの種類などあらゆる面で優れており、「最初のNFTを買うならOpenSeaで」という風潮さえあります。
しかし、魅力的なNFTマーケットプレイスは決してOpenSeaだけではありません。
この記事では日本発のNFTマーケットプレイス「tofuNFT」について、その魅力や使い方について解説します。tofuNFTは海外で実績を残した後に日本展開を始めた異色のNFTマーケットプレイスです。
tofuNFTに興味をお持ちの方は、ぜひ最後までお読みください。
この記事の構成
tofuNFTはどんなNFTマーケットプレイス?
引用元:tofuNFT
tofuNFTはマルチチェーン対応のNFTマーケットプレイスです。
tofuNFTの基本的な情報について、以下の4つのポイントに絞って解説します。
- 日本企業が運営するNFTマーケットプレイス
- プラットフォームの規模(OpenSeaとの比較)
- 28のブロックチェーンに対応している(2022年9月現在)
- ブロックチェーンゲームとコレクタブルNFTに特化
日本企業が運営するNFTマーケットプレイス
tofuNFTは暗号資産(仮想通貨)アプリ「コイン相場」で知られる株式会社COINJINJA(コインジンジャ)が運営するNFTマーケットプレイスです。
tofuNFTは日本展開を行う前に、すでに海外で実績を残しています。海外向けのみで運営していたtofuNFTの前身にあたる「SCV NFT Market」は、運営開始3ヶ月で月間取引ボリュームが10億円を超えました。
これにより、BSC(現BNBチェーン)で最高出来高のNFTマーケットプレイスになりました。
プラットフォームの規模(OpenSeaとの比較)
世界のdAppsを比較・分析できるサイト「DappRadar」にて、2022年9月時点で確認できるtofuNFTのアナリティクスは以下のようになっています。
引用元:DappRadar
全世界における直近30日間のユーザー数は32.59k(約3万2,000人)、取引ボリュームは$2.01M(約200万ドル)となっています。この数値を世界最大のNFTマーケットプレイスであるOpenSeaと比較してみましょう。
引用元:DappRadar
これによると、tofuNFTの月間ユーザーが約3万人であるのに対してOpenSeaは約26万人、取引ボリュームを比べるとtofuNFTが200万ドルに対しOpenSeaは2億3,000万ドルとなっています。
取引ボリュームだけを見ると、両者には100倍以上の差があるように見えます。これは、BAYC(Bored Ape Yacht Club)やCryptoPunksといった極めて高額なNFTの多くがOpenSeaで取引されているためです。
一方、ユーザー数を見てみるとtofuNFTの月間約3万人に対してOpenSeaは約26万人となっており、取引ボリュームほどの差は見られません。
むしろ、100倍以上の圧倒的な取引ボリュームを誇るOpenSeaに対して、tofuNFTもユーザー数ではかなり健闘していると言えます。
なお、取引ボリュームで見てもtofuNFTは世界ランキングで20〜30位程度には常につけています。
ブルーチップと呼ばれる海外の高額なNFTが必ずしも多く取引されているわけではありませんが、tofuNFTもNFTマーケットプレイスとして活発な取引が行われていることが見てとれます。
28のブロックチェーンに対応している(2022年9月現在)
tofuNFTは現在、以下の28のブロックチェーンに対応しています。
引用元:tofuNFT
BNBチェーンやEthereum、Avalancheなどの主要チェーンから、最近話題に取り上げられることが多い日本発のパブリックブロックチェーンであるAstar Networkまで、幅広く対応しています。
規模でtofuNFTを上回っているOpenSeaが対応しているチェーンの数は5つであるため、この点に置いてはtofuNFTの方が優れていると言えます。
ブロックチェーンゲームとコレクタブルNFTに特化
引用元:tofuNFT
tofuNFTで特に取り扱いが多いのはブロックチェーンゲームに用いられるNFT、そしてコレクタブルNFTと呼ばれるシリーズもののNFTです。
上記の画像にも見られるように、ブロックチェーンゲームに用いられるアバターやアイテムのNFTが各チェーンで売買されています。
また、大規模な作品点数を揃えているコレクタブルNFTも充実しています。
たとえば、日本のトップNFTクリエイターとして知られる「おにぎりまん」氏は、2021年12月にtofuNFTで3,000点のNFTを発行しました。
この大規模コレクションのリリースまでにおにぎりまん氏が制作してきた1点物の作品はいずれもOpenSeaで出品され、日本円で10万円以上の価格がつく高額なNFTとして取引されていました。
一方、おにぎりまん氏がtofuNFTでリリースした3,000点の作品は、当時のレートで1万2,000円と比較的価格を抑えて販売され、約4時間で完売しています。
このように、個人・企業を問わず作品数の多いコレクタブルNFTを出品するプラットフォームとして、tofuNFTは選ばれやすいという特徴があります。
tofuNFTの使い方・NFT購入方法について
tofuNFTでNFTを購入する時は、各チェーンに対応した暗号資産を準備しなければなりません。
ここでは、
- 国内取引所で暗号資産を購入できるチェーンを利用する場合
- 国内取引所で暗号資産を購入できないチェーンを利用する場合
に分けて、NFT購入の方法について解説します。
なお、本記事をお読みいただいている方が利用している暗号資産取引所は各自異なるため、ここでは上記の「必要な暗号資産を国内取引所で購入できる場合とできない場合の手順の違い」に焦点を当てて解説します。
国内取引所で暗号資産を購入できるチェーンを利用する場合(例:イーサリアム)
NFT購入に必要な暗号資産で代表的なものはイーサリアム(ETH)です。
ETHはほとんどの国内取引所で取り扱いがあるため、tofuNFTでNFTを購入する際も特に問題なく用意できるはずです。
一方、Polygonチェーンで用いるMATICなどは、一部の国内取引所でしか購入できません。
もしご自身の利用している暗号資産取引所で必要な暗号資産を購入できない場合は、「国内取引所で暗号資産を購入できないチェーンを利用する場合」の解説をお読みください。
以下では、ETHを用いてNFTを購入する前提で解説します。
暗号資産取引所でイーサリアム(ETH)を購入
国内の暗号資産取引所でETHを購入します。
送金時やNFTの購入時にガス代がかかるため、NFTの購入費用よりも少し多めのETHを用意しましょう。
購入したイーサリアム(ETH)を暗号資産ウォレットに送金する
ETHなど国内取引所で直接購入できる暗号資産の場合、海外取引所などを経由せず、そのままご自身の暗号資産ウォレットに送金すれば問題ありません。
なお、現在tofuNFTでは以下の12種類のウォレットが接続可能になっています。
引用元:tofuNFT
あらかじめ、いずれかのウォレットを作成しておきましょう。
また、送金する前に必ずウォレット側で正しいブロックチェーンを選択しておきましょう。
tofuNFTにアクセスしてウォレットを接続する
ウォレットに暗号資産の用意ができたら、ウォレットをtofuNFTに接続します。
まずは、サイトのトップページ右上にある人型のアイコンをクリックします。
引用元:tofuNFT
次に、ウォレットを選択する画面が表示されるので、接続するウォレットを選びましょう。
ここではMetaMaskを選択し、以下のような画面が表示されました。ここからはご自身が利用しているウォレットの操作手順にしたがって接続をします。
接続が完了すると、人型のアイコンが表示されていた箇所にご自身のアイコンが表示されます。
これで、tofuNFTへのウォレットの接続が完了しました。
購入したいNFTを探して購入する
購入したいNFTを探す時は、以下の赤枠にキーワードを入力することで検索ができます。
引用元:tofuNFT
また、赤枠内の右端にブロックチェーンの選択をする箇所、及びサイト内の言語を設定する箇所があります。
チェーンは購入したいNFTが販売されているチェーンを、言語はご自身が使いやすいものを適宜選択してください。
購入したいNFTが見つかったらカーソルを合わせます。すると「購入」の文字が表示されるので、クリックします。
引用元:tofuNFT
NFTを選択すると拡大して表示され、画面の右側に「今すぐ購入」ボタンが表示されます。
ボタンを押してウォレットから支払いを済ませれば、NFTの購入は完了です。
引用元:tofuNFT
国内取引所で暗号資産を購入できないチェーンを利用する場合(例:BNBチェーン)
tofuNFTで利用できるブロックチェーンの中には、NFT購入に必要な暗号資産が国内の取引所で購入できない場合があります。
たとえば、BNBチェーンで用いられているBNBは国内取引所で扱っているところが2022年9月現在はありません。また、PolygonチェーンのMATICのように限られた国内取引所でしか購入できない銘柄もあります。
ここからは、国内取引所で直接購入できない暗号資産を用いてNFTを購入する方法について解説します。
暗号資産取引所でリップル(XRP)などを購入
まずは国内の暗号資産取引所でXRPを購入します。
XRPを選んでいる理由は、この後で海外の暗号資産取引所に一旦送金をする際、送金手数料を安く抑えられる可能性があるためです。
一般的にはXRPが送金手数料の安い銘柄として知られていますが、送金額や利用している暗号資産取引所によっては、ビットコイン(BTC)など他の銘柄の方が送金手数料を安く抑えられる場合もあります。
この点は、ご自身の状況にあわせて適切な銘柄を選んでください。
購入したリップル(XRP)などを海外の暗号資産取引所に送金する
購入したXRPを、まずは海外の暗号資産取引所に送金します。
海外の暗号資産取引所にはBinanceやBybitなどがあります。事前に口座開設を済ませておきましょう。
送金したリップル(XRP)などを必要な暗号資産(BNB)に交換する
送金が完了したら、XRPを必要な暗号資産と交換します。
海外の暗号資産取引所は日本の取引所よりも取り扱い銘柄が多く、だいたいの場合はご自身の必要な暗号資産と交換できます。
ただし、マイナーなブロックチェーンのNFTを購入する場合は、そのチェーンで必要な暗号資産を取り扱っている取引所に口座を開設しなければならないので、注意してください。
ここではBNBチェーンのNFTを購入することを想定して、BNBを用意します。
ご自身が利用している取引所の仕様に応じて、暗号資産の交換を完了させましょう。
この後の手順は、
- BNBを暗号資産ウォレットに送金する
- tofuNFTにアクセスしてウォレットを接続する
- 購入したいNFTを探して購入する
となり、ETHを用いてNFTを購入する場合と同様になります。「購入したイーサリアム(ETH)を暗号資産ウォレットに送金する」に戻ってお読みください。
tofuNFTを利用する前に知っておきたい注意点
多種多様なブロックチェーンに接続してNFTを購入できることが魅力のtofuNFTですが、それゆえに注意すべき点があります。
NFTの購入に必要な暗号資産がチェーンによって異なる
tofuNFTは28のブロックチェーンに接続しており、それぞれのチェーン上で出品されているNFTを購入することができます。
しかし、各ブロックチェーンで用いられる暗号資産は異なるため、自分が購入したいNFTが販売されているチェーンにあわせて暗号資産を用意する必要があります。
その分、手間が増えることは理解しておきましょう。
また、手間がかかること以上に注意しなければならないのが、誤ったチェーンを選択することによる送金ミス、及び資金の消失です。
暗号資産取引所やウォレットの間で送金を行う際、まず最初に「どのチェーンに資金を送るのか」を選ばないといけません。
たとえば、国内の暗号資産取引所からMetaMaskにETHを送る場合、MetaMask側のチェーンはイーサリアムを選択しておく必要があります。
この時に、イーサリアム以外のチェーンを選択した状態で送金を行った場合、基本的に資金は消失してしまい、取り戻すことができなくなってしまいます。
このあたりは完全に自己責任になるため、送金作業を行う時は入念にチェックをすることをオススメします。
ガス代の支払いに用いる暗号資産もチェーンによって異なる
NFTの購入資金に加えて、ガス代の支払いに用いる暗号資産もチェーンごとに異なります。
ウォレットには、ガス代の支払いを想定して常に少し多めの暗号資産を用意しておく必要があります。
このため、複数のチェーンを利用するほど、ガス代として余分に用意しておく金額が増えることになります。
NFTの出品時には手数料がかかる
tofuNFTでは、売買成立時にガス代以外の手数料が売り手側にのみかかります。
購入時はガス代のことだけを考慮しておけば問題ありませんが、NFTを売る際にはガス代以外の手数料が上乗せされる点に注意しましょう。
tofuNFTの今後の展望まとめ
tofuNFTは数多くのブロックチェーンに対応している点が魅力の国産NFTマーケットプレイスです。
利用するブロックチェーンによっては暗号資産の準備に手間がかかることもありますが、その分、多様なチェーンのNFTを購入できる機会に恵まれています。
興味が湧いた方はぜひtofuNFTのサイトをのぞいて、お気に入りのNFTを見つけてみてください。