2011年から日本でも始まったとされるクラウドファンディングですが、現在では企業などの法人でも使うことができる資金調達方法の一つとして一般的に認知されてきています。
そんなクラウドファンディングとブロックチェーンの技術を組み合わせたサービスがFiNANCiE(フィナンシェ)であり、新世代の「クラウドファンディング2.0」とも呼ばれています。
この記事では、FiNANCiEとはどういったプロジェクトなのか?といった概要・特徴や、サービスの仕組みをわかりやすく解説していきます。
また、FiNANCiEの始め方・使い方についてもご紹介していくので、興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
この記事の構成
FiNANCiE(フィナンシェ)とは?4つの特徴や仕組みをわかりやすくご紹介
まずは、FiNANCiEの以下の4つの特徴・仕組みをご紹介していきます。
- ブロックチェーンを活用した次世代のクラウドファンディングサービス
- 購入したトークンはブロックチェーンで確認でき、ユーザー間での売買も可能
- 通常のクラウドファンディングよりも継続的な関係性を築くことができる
- Coincheck(コインチェック)にてフィナンシェトークンのIEOを予定
それぞれ詳しく確認していきましょう。
ブロックチェーンを活用した新世代のクラウドファンディングサービス
FiNANCiEは、2019年4月に設立された、ブロックチェーンのテクノロジーを活用したクラウドファンディングサービスです。
創設者は株式会社gumiの創業者として有名な國光宏尚氏となっており、新世代のサービスを意味する「クラウドファンディング2.0」とも呼ばれています。
サービスの内容としては、オーナーと呼ばれるクリエイターや団体が独自のトークン(Fungible TokenもしくはNon-Fungible Token)を発行し、そのクリエイターや団体を応援したいサポーターはトークンを購入することで資金調達に貢献できます。
つまり、オーナーとサポーターを繋ぎ、トークンを通した応援・支援ができるプラットフォームだと理解すればよいでしょう。
購入したトークンはブロックチェーンで確認でき、ユーザー間での売買も可能
FiNANCiEは、ブロックチェーンを活用したクラウドファンディングサービスであるため、購入したトークンはいつでもブロックチェーン上で確認することができます。
また、FiNANCiEで発行されたトークンは、ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)やNFTと同様にユーザー間で売買できる点も、従来のクラウドファンディングと大きく異なるポイントと言えるでしょう。
もちろん、トークンの価格は市場の需給によって変動するため、初期フェーズに支援を行ったサポーターほどトークン価格の値上がりの恩恵を受けられる可能性があります。
トークンの売買は、FiNANCiEポイントという独自のポイントによって行われているため、サービスを利用する前に購入しておく必要があります。
通常のクラウドファンディングよりも継続的な関係性を築くことができる
FiNANCiEの特徴として、通常のクラウドファンディングよりもお互いに継続的な関係性を築くことができるという特徴があります。
従来のクラウドファンディングは、あくまで寄付された金額に応じた返礼品がもらえるという単発的なものですが、FiNANCiEではトークンを保有し続ける限り、お互いに継続的な繋がりを持つことが可能です。
実際、トークン保有者は限定イベントの参加券やグッズをはじめとした特典を受け取ることができるため、長期的にトークンを保有するメリットがあると言えるでしょう。
また、FiNANCiEにはオーナーのプロジェクトを活性化させるファンコミュニティの存在もあるため、従来のクラウドファンディングよりもオーナーとサポーターの距離が非常に近いと言えます。
Coincheck(コインチェック)にてフィナンシェトークンのIEOを予定
そんなFiNANCiEですが、大手の国内取引所として有名なCoincheck(コインチェック)にてフィナンシェトークンのIEOを計画しています。
フィナンシェトークンは、FiNANCiEのガバナンストークンとなっており、保有者には運営への参加権利だけでなく、プラットフォーム上で利用できる何かしらのインセンティブが付与される予定です。
前回Coincheckで行われたパレットトークン(PLT)のIEOが大成功を収めたため、フィナンシェトークンに関しても大きな期待が集まっていると言えるでしょう。
もともと2022年の夏にIEOを行う予定でしたが延期しているため、今後の続報に注目しておく必要があります。
FiNANCiE(フィナンシェ)でトークンを発行しているオーナーを紹介
ここでは、FiNANCiEのプラットフォームでトークンを発行しているオーナーをいくつかご紹介していきます。
どういったプロジェクト・団体がFiNANCiEで資金調達しているのか知りたい方は、詳しくチェックしていきましょう。
琉球アスティーダ
琉球アスティーダは、沖縄に本拠地を置く卓球のプロスポーツチームとして知られています。
FiNANCiEでは、琉球アスティーダトークンというクラブトークンを発行しており、過去には独自のイベントである「アスティーダフェスティバル」開催のための資金調達などを行ってきました。
当初はトークン1枚あたりの販売価格は4円でしたが、2022年11月18日現在では約27円で売買されているなど、約7倍もの値上がりを記録しています。
しかし、2021年12月時点では1枚あたり50円を超える価格で取引されていたため、通常の暗号資産と同様に購入するタイミングによっては、大きな含み損を抱えてしまう可能性があることは把握しておきましょう。
アビスパ福岡
アビスパ福岡は、日本サッカーリーグJ1に所属する、福岡県福岡市を拠点としたプロサッカーチームです。
2021年8月からFiNANCiEでクラブトークンを発行しており、過去にはワンデーマッチの名称をトークンホルダーの投票で決定する「サポーターとつくるワンデーマッチ」を開催しました。
スペシャルマッチを記念して作られるTシャツのデザインもサポーターの投票によって決定されるなど、アビスパ福岡ファンの方には嬉しい特典を提供し続けています。
また、トークンホルダーのみが参加できる限定イベントも不定期で開催されていますが、参加人数に限りがあるケースがほとんどであるため、参加できない可能性があることはデメリットかもしれません。
國光DAO
國光DAOは、FiNANCiEの創業者である國光宏尚氏が創設したDAO(自律分散型組織)です。
「Web3.0やメタバースの領域で活躍できるユニコーンを増やすこと」を目的としており、DAOに参加しているメンバー間で知識やノウハウを共有し、Win-Winになれる関係性を構築しています。
初期フェーズは國光宏尚氏が中心となって活動していくとのことですが、最終的にはビットコインやイーサリアムのように、完全に分散化されたコミュニティになることを目指しています。
しかし、現状では分散化された組織ではなく、中央集権性が強いコミュニティであることは把握しておきましょう。
KAMITSUBAKI DAO
KAMITSUBAKI DAOは、KAMITSUBAKI STUDIOというYouTube発のインディーズレーベルが設立した自律分散型組織です。
独自の架空都市である「神椿市」をメタバース上で構築することを目的としており、その資金調達としてFiNANCiEにて独自トークンを発行しました。
DAOへの参加者は「神椿市」の住民権を得ることができ、初期サポーター募集では約1億3,500万円もの資金調達に成功しています。
ただし、トークンを発行してからまだ間もないプロジェクトであるため、プロジェクトの先行きによってはトークン価格の変動をはじめとした様々なデメリットがあると考えられます。
畑人3.0(ハルサーサンテンゼロ)
畑人3.0(ハルサーサンテンゼロ)は、沖縄県名護市を拠点とした、農業と流通の仕組み作りを行う地域密着型のプロジェクトです。
FiNANCiEのトークンを通じた、持続可能な地方農業生産者のコミュニティを模索しており、これまでにない新しい農業の仕組み作りに取り組んでいます。
また、将来的にはコミュニティ内で農作物の需給を賄うなど、DAO的な組織を目指していることも特徴と言えるでしょう。
他にはない面白いプロジェクトではありますが、トークン保有者とともにコミュニティの価値を高めていくことを目指しているため、単純な投資目的でのトークン保有はおすすめできません。
FiNANCiE(フィナンシェ)の始め方・使い方をわかりやすく解説
記事の最後に、FiNANCiEの始め方や使い方をわかりやすくご紹介していきます。
アプリのスクリーンショットとあわせて解説していくので、使い方を把握しておきたい方はぜひ確認してみてください。
スマートフォンにFiNANCiEのアプリをダウンロードする
FiNANCiEを利用するためにも、まずは自分のスマートフォンにアプリをダウンロードしていきます。
FiNANCiEのアプリは、iPhone・Androidの両方に対応しているので、スマホの機種にあわせてインストールしていきましょう。
ニックネームを入力してアカウントを作成する
アプリにダウンロードができたら、次にアカウントを作成していきます。
サイトで使うニックネームを入力したら、「ゲスト登録してはじめる」をタップしてください。
もし、メールアドレスやTwitterアカウントと連携して利用したい方は、「メールまたはSNSを連携済みの方はこちら」をタップし、該当のアカウントでログインしていきましょう。
クレジットカードなどでFiNANCiEポイントを購入する
無事にアカウントを作成できたら、トークンを取引するために必要なFiNANCiEポイントを購入していきます。
まずは、画面右下にある「アカウント」のアイコンをタップしてください。
アカウントの画面に移動したら、「FiNANCiEポイント / 売上金」を選択します。
次に、「ポイント購入」をタップしてください。
FiNANCiEポイントは「クレジットカード」「コンビニ払い」「銀行振込」の3つの方法で購入できるので、利用したい決済方法を選択しましょう。
購入するFiNANCiEポイントの金額を選択したら「手続きを続ける」をタップし、購入手続きを完了させてください。
なお、ポイント購入時には手数料が発生するので、その点はあらかじめ把握しておきましょう。
FiNANCiEポイントでコミュニティのトークンを購入する
FiNANCiEポイントの準備ができたら、最後にコミュニティのトークンを購入していきます。
なお、トークンを発行しているオーナーは、画面下部にある「検索」からキーワード検索を行うことができます。
また、キーワード検索以外にも「注目」「おすすめ」「カテゴリ」のタブを切り替え、応援したいオーナーを探すことも可能です。
自分が応援したいオーナーが決まったら、最後にトークンを購入していきましょう。
オーナーの個別ページに移動したら、画面上部にあるタブを「マーケット」に切り替えて「購入」ボタンから手続きを進めていきます。
トークンの購入が完了したら、コミュニティ内で投票を行ったり、オーナーへメッセージを送ることが可能になります。
以上で、FiNANCiEの始め方・使い方の手順は完了です。
FiNANCiE(フィナンシェ)の概要・特徴や仕組みまとめ
今回は、ブロックチェーンを活用したクラウドファンディング2.0と呼ばれる、FiNANCiE(フィナンシェ)の特徴や仕組みなどを解説してきました。
FiNANCiEは、従来のクラウドファンディングと比較すると様々な違いがあり、オーナーとサポーターが継続的な関係性を築けるという特徴があります。
今後、数ある国内取引所の中でも人気が高いCoincheck(コインチェック)にてIEOを予定しており、大きな注目を集める可能性も考えられるでしょう。
少しでもサービス内容に興味がある方は、ぜひこの機会にFiNANCiEの公式サイトを詳しく確認してみてはいかがでしょうか?