冠婚葬祭で使用するお手紙などを、NFTデジタルギフトとして配布するサービスが登場しました。
従来のデジタルギフトとの違いや、実際に使用された実例を紹介しながらその特徴を解説していきます。
尚、文中ではNFTの要素が含まれない従来のデジタルギフトは「デジタルギフト」、NFTが追加されたものを「NFTデジタルギフト」と表記していきます。
この記事の構成
NFTデジタルギフトとは
デジタルギフトはそもそも紙のギフトから進化したものですが、そこからさらに進化し、NFT技術を使用したNFTデジタルギフトが登場しました。
まずはNFTデジタルギフトを発行した運営会社の概要と、デジタルギフトの特徴を紹介します。
運営会社である「株式会社デジタルプラス」の紹介
NFTデジタルギフトを開発したのは、株式会社デジタルプラスと、グループ会社である株式会社デジタルフィンテックです。
2005年にポイント交換サービスを行う企業としてスタートし、そのノウハウを生かし2022年4月にデジタルギフトに特化した会社として再スタートするべく、社名を現社名である「株式会社デジタルプラス」に変更しました。
デジタルギフトの概要
株式会社デジタルプラス社が行うデジタルギフト事業は、サブスクリプション型のデジタルギフトサービスのことで、従来、紙で発行していたギフト券をデジタル化し、送付や受け取りを簡単に行うことができる、企業を対象にしたサービスです。
その利用範囲は広範囲にわたっており、以下のような例があります。
- キャンペーンのプレゼント
- アンケート回答の謝礼
- 資料請求や見積の謝礼
- イベント参加者への景品
- 社内イベントのインセンティブ
などです。
交換ラインナップも豊富でPayPayやAmazonギフト券などの他、国内暗号資産取引所のギフト券も揃っています。
(引用元:https://digital-gift.jp/)
デジタルギフトのメリット
デジタルギフトのメリットを、贈る側と受け取る側についてそれぞれ紹介します。
贈る側
- 最短3日で利用可能
購入申請後、最短3日でギフトを発行できるので、企業などが急なキャンペーンなどで使用したい場合などで対応できる - コストがかからない
発行手数料は業界で最も安い5%で、ギフトの発行は購入者にURLを送るだけなので発送費用や印刷費などのコストが不要 - 豊富なラインナップからギフトを選択
ギフトの設定は管理画面で豊富なラインナップから選定し、金額や期間を設定するだけで完了 - 画面のデザインをカスタマイズできる
受け取る側が閲覧する画面に、社名のロゴを挿入したり、オリジナルのデザインを設定するなど自由にカスタマイズが可能 - 在庫管理のリスク軽減
必要な時に必要な数だけ購入できるので、過剰在庫のリスクを軽減でき在庫管理の必要もなくなる
受け取る側
- 受け取るギフトを選択できる
自分の好みに合わせたギフトを自由に選択できる - アプリのダウンロードや会員登録などが不要
Webサイトで購入した際、送られてきたURLを開くだけで完結できるので、専用アプリのダウンロードや会員登録などが不要
Web3事業の取り組み
デジタル事業では欠かせない、デジタルウォレットに特化した会社として株式会社デジタルフィンテックをグループ会社として発足させ、コロナ禍における投げ銭メディアなど、新しい金融事業に対応した事業の展開もスタートさせました。
デジタルフィンテック社では、Amazonや楽天、LINEなどの異なる様々なポイントを独自ポイントである「R」ポイントに交換でき、更に交換したRポイントは現金や電子マネー、ギフト券などと交換を可能にするサービスを展開しています。
今回のNFTデジタルギフトは、デジタルギフト券事業に強みを持つデジタルプラス社とデジタルフィンテック社、2社の協力により誕生したサービスです。
「NFTデジタルギフト」の提供開始
2022年8月22日、株式会社デジタルプラスは、「デジタルギフト」のサービスに新しい国内ギフト市場のフェーズとして、NFTを活用した「NFTデジタルギフト」の取り組みを開始したことを発表しました。
NFTデジタルギフトのメリット
デジタルプラス社では、従来のデジタルギフトにNFTの要素を追加することにより以下のメリットが生じると述べています。
- アーティスト等とコラボレーションしたデジタルコンテンツを提供することによりコレクションとしての価値が高まる
- 唯一無二のノベルティにより高い付加価値がつき、コレクターへの売買などで優位性をもつことができる
- ブロックチェーン上でコレクションとして管理ができ、保管の手間が削減できるだけでなく、半永久的に資産として保有することが可能になる
- ノベルティの配送、在庫管理、処分などの経費を削減できる
- 廃棄されることの多いノベルティをデータ化することにより、SDGsの取り組みにもつながり企業のブランディング向上にもつながる
対応マーケットプレイス
2023年1月時点で、OpenSeaのみでの対応となっており、独自コントラクト(OpenSeaによる発行ではなく発行者自身にて発行する方法)NFTの発行も可能となっています。
NFTを活用したサービス展開について
デジタルプラス社が展開しているNFTを活用したサービスについて紹介します。
NFT発行代行事業
デジタルコンテンツからNFTを発行する際、暗号資産の取扱いとウォレットの準備などが必要となり、不慣れなユーザーには困難が生じます。
そこで、それらの複雑な発行業務や取引にいたるまで、全ての作業をデジタルプラス社で代行し、導入企業の負担を軽減します。
NFTをギフト化
導入企業のデジタルギフトに、アーティストとコラボレーションしたオリジナルのデジタルコンテンツNFTを追加して、企業のオリジナルNFTギフトを作成します。
このことにより、受け取る顧客に対しより魅力あるサービスを提供することが可能になります。
また、商品を受け取る購入者を任意設定にしたり、キャンペーン機能を活用した抽選による提供など、様々な方法でオリジナルNFTギフトの展開ができます。
(引用元:https://digital-plus.co.jp/news/detail.html?post_id=20220822_001)
葬儀の場で初のNFTデジタルギフトが使用される
冠婚葬祭互助会大手企業である「アルファクラブ武蔵野株式会社」の前会長である神田成二氏の「お別れの会」にて、葬祭の場では初となるNFTデジタルギフトが使用されました。
NFTデジタルギフトの配布方法
今回贈られたNFTデジタルギフトは300人分が用意されました。
実際に使用されたものは以下のようなものです。
(引用元:https://digital-plus.co.jp/news/detail.html?post_id=20221207_001)
封筒に入った手紙として贈られ、参列者はギフトカードに記載されているQRコードにアクセスし、NFTウォレットアドレスを入力してNFTを受け取りました。
(引用元:https://digital-plus.co.jp/news/detail.html?post_id=20221207_001)
NFTデジタルギフト使用の背景と活用企業のコメント
今回NFTギフトを使用した背景をアルファクラブ武蔵野株式会社は下記のように述べています。
「感謝の気持ちがこもった、そして前会長の想いを参列された方々にお伝えするのにNFTデジタルギフトは最適だと思ったので、お別れ会のNFTデジタルギフトを初めて採用致しました。葬祭の儀式でNFTデジタルは前例がありませんでしたので、いち早くNFTデジタルギフトを活用することができたことを大変うれしく思います」
冠婚葬祭におけるNFTデジタルギフトの効用
冠婚葬祭や、社内外のゲストを迎えての行事においてNFTデジタルギフトの活用について、以下の3つの効果が見込まれます。
- NFTとデジタルギフトを掛けわせた存在感
NFTデジタルギフトは新規性や話題性にあふれた新世代の贈り物(ギフト)として、受け取ったユーザーの心に大きな印象として残る - ブランドイメージを後押しするコンテンツ力
オリジナルのデジタルコンテンツを使用することにより、企業のカルチャーやブランドイメージを印象深く伝えることができる - 価値の永続性と将来性
受け取ったNFTギフトは将来資産になる可能性もあり、長きにわたり価値を感じることができ、企業の長期的ファンマーケティングに役立つ
まとめ
NFTギフトの使用については徐々に事例が増えてきていますが、今回のような冠婚葬祭に使用するのは上にあげた特徴から見ても、とても相性が良いです。
今後も冠婚葬祭の場でNFTの活用が増えることが予想されますので要注目です。