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【NFTで地方創生!】各自治体の取り組みと将来性を解説

解説系記事

「NFTで地方創生の動きがあるけどどのようなものなの?」
「NFTを使用して、地方を活性化させる方法があるの?」
「自分の自治体にもNFTを取り入れてみたいけど、参考事例を教えて」

このような疑問を持っている人に向けての記事です。

地方創生とは、地方を活性化することで、人口の東京一極集中を是正し、地方の人口減少に歯止めをかけ、将来にわたって活力ある日本社会を維持しようとすることです。簡単に説明すると、「町おこし」を各地で大規模に実施するイメージでしょうか。

本記事では、今流行りつつあるNFTを使用した地方創生について、具体事例を豊富に説明します。 その中で、NFTを活用した地方創生のジャンル、自治体がNFTを活用するメリット・デメリットも併せて解説しますので、NFTを活用した地方創生に関して包括的に理解が深まります。自治体の人にとっては、今後の取り組みの参考にもなるでしょう。

最後にNFTによる地方創生の未来を、現状のウクライナ戦争の事例も交え解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

NFTを活用した地方創生の概要・ジャンル

NFTを活用した地方創生活動のジャンルは大きく分けて下記の3つになります。

  • 地域の特色をテーマとしたNFT
  • ふるさと納税の返礼品としてのNFT
  • メタバース空間で利用できるNFT

順番に解説します。

地域の特色をテーマとしたNFT

1つ目は、各自治体の名産品や観光地、オリジナルキャラクター(ゆるキャラ)などのアート作品や写真をNFTにして販売する方法です。このようなNFT作品はその地域の特徴を直接アピールすることができ、購入者にNFTを通じてその地域に興味を持ってもらうことができます。また、NFT化できる特産物やキャラクターさえいれば、比較的安価でNFTとして導入することができるので、参入障壁が低いという利点があります。

ふるさと納税の返礼品としてのNFT

2022月4月、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」から、日本初の試みとしてNFTのお礼の品が登場しました。それ以降、地方自治体が地方創生活動の一環として、その地域の出身者やその地域に興味がある人から寄付金を募る「ふるさと納税」の返礼品として、自治体がNFTを導入する事例が増えてきています。
例えば、NFTゲーム内のアイテムや、その地域の限定品のNFTアート作品を、ふるさと納税の返礼品としてゲットできたりします。ゲーム好きの人やその地域に愛着を持っている人は、積極的に活用してみましょう。
(参考)ふるさとチョイス公式「日本初!ふるさとチョイス限定でNFTがお礼の品で登場」

メタバース空間で利用できるNFT

NFTは仮想空間であるメタバース上でも利用できます。メタ―バス上でのゲームのアイテムや、アバターに着せることができるファッションアイテムとしてNFTを利用することで、唯一無二の希少価値を生み出すことができます。その他にも、実際にメタバース上の多くのものがNFT化されており、アーティストのグラフィックアート、不動産企業によるバーチャルな土地や建物などが取引されています。

そんなメタバースに参入し、独自のNFTを作成し地方創生を目指す自治体や企業も現われきました。今後、メタバースの導入が進み世の中に浸透していく中で、メタバース上で実施できることが次々と増えていくと推察されます。メタバースとNFTと地方創生の関連性に関しては、今後も要注目です。

自治体がNFTを活用するメリット【デメリットはある?】

自治体がNFTを活用するメリットは、何と言っても、「その地域に興味を持つ人を増やせること」「町おこしになること」です。現在の日本の地方都市の深刻な課題は、少子高齢化と人口流出です。これらの課題解決の糸口の一つとして、地域に関わってくれる人口=関係人口を増やす取り組みが全国的に増加しています。

そのような関係人口を増やすための施策として着目されているのがNFT。NFTはブロックチェーン上で電子データとして扱うという特性上、居住地を問わず、国内/海外の多くの人々に向けて、地域にまつわるデジタルアートやデジタル証明書を提供することができます。

「地元に今すぐUターンはできないけど、何かしらの形で地元に貢献したい」、「取り組みに共感できる地域や自治体を支援したい」という要望に対して、NFTという形で取り組むことで、関係人口の増加を図れることは大きなメリットといえるでしょう。

一方で現状のデメリットとしては、NFTの認知度がまだまだ低く発展途上であることが挙げられます。せっかく自治体オリジナルのNFTを作っても、そもそも興味を持ってくれる人が少なく、費用対効果に見合わないのではないか?という意見もあります。

ですが、今後Web3.0やメタバース、そしてNFTがますます一般的となり認知度も上がってくることは間違いないと言われています。これからの時代の先駆者として、他の企業と協同でNFTを開発するなど、NFTに積極的に向き合って地方創生に取り組んでいくことが推奨されます。

NFTで地域活性化!【各自治体の事例8選】

ここからは実際にNFTを利用した各自治体の取り組み事例を紹介します。具体的には下記の8つです。

  1. 新潟県山古志【NishikigoiNFT】【村のシンボルをNFTにしてデジタル住民票に!】
  2. 【ちっちゃいおっさん?】兵庫県尼崎市の非公認ゆるキャラのNFT
  3. 【大好評!】全国のゆるキャラがNFTトレーディングカードに
  4. 【NFTメタバースゲーム】鉄腕アトムが日本各地とコラボしてメタバース「XANA」に登場!
  5. 北海道夕張市【NFTの「デジタル会員証」入手で、デジタルアンバサダーになれる!】
  6. 沖縄のNFTギャラリーと伝統工芸のNFTを紹介
  7. 愛知県 岩倉市【風景写真NFTアート・プロジェクト】
  8. 埼玉県秩父郡横瀬町【NFTアートの売上収益で町おこし】

まずはザックリと各自治体の取り組みを確認し、自身の自治体でも取り組むことはできないか、また自治体と一緒にNFTを用いて地域活性化やビジネスの拡大にチャレンジできないか、検討してみてはいかがでしょうか。順番に徹底解説します。

新潟県山古志【NishikigoiNFT】【村のシンボルをNFTにしてデジタル住民票に!】

現在、日本の各自治体・地域が人口減に頭を悩ませています。そんな中、世界から注目されているプロジェクトが、錦鯉発祥の地として名高い新潟県長岡市、旧・山古志村のNishikigoiNFTです。
旧・山古志村は、新潟県の中央に位置する中山間地で、2004年の中越地震では甚大な被害を被りました。その影響もあり2005年には長岡市に組み込まれました。従来からの若者の地元離れに加え、地震の影響もあり人口流出が止まらず、2021年には約800人にまで人口が減少しました。

そんな人口800人の限界集落である旧・山古志村が始めたのが、地元の名産である錦鯉をシンボルとしたNFT作品の制作です。

2021年12月から販売されている1,500点にもなるNFTの保有者は約1,000人。旧・山古志村の人口の800人を超えています。

旧・山古志村がNFTを発行した理由は、人口減少と高齢化の課題を解決するために「関係人口」を増加させるためです。関係人口とは、「観光だけでなく、その地域と持続的な関係をもった人口」という意味です。参考ですが、人口は大きく下記の3つに定義されます。

  • 定住人口・・その地域に住んでいる人々。居住人口と呼ばれることもあるほか、その地域に住んでいるため住民票を移して当該地域に居住していることが一般的。
  • 交流人口・・当該地域を訪れた人々。訪れる目的としては観光に関わらず、通勤者やレジャー、ショッピングなど様々なものが挙げられる。
  • 関係人口・・移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉。地域によっては、若者を中心に、変化を生み出す人材が地域に入り始めており、地域づくりの担い手となることが期待されている。

そのような関係人口を増加させるための手段として、旧・山古志村のシンボルであるNishikigoiNFTを発行し、NFTをデジタル住民票として活用する取り組みが開始されました。電子住民票とは、リアルな居住者(定住人口)でなくとも、関係人口としてオンライン上で地域の公共サービスの利用や、地方創生のプロジェクトに遠隔で参画できる権利です。実際にDiscord上ではオンラインコミュニティも運営されており、NFT所有者は「電子住民票をもったデジタル村民(関係人口)」と定義されています。

そんなNFTを活用した新しい取り組みに対して、「第2の故郷にしたい」「地方創生の取り組みに関わりたい」と賛同した人々が、NFT(電子住民票)を取得し、デジタル村民になりました。2022年5月の直売所まつりでは、多数のデジタル村民が実際に村に訪れて地元住民との交流を深めました。

【ちっちゃいおっさん?】兵庫県尼崎市の非公認ゆるキャラのNFT

兵庫県尼崎市には、非公認のご当地キャラクター「ちっちゃいおっさん」が存在します。尼崎市公認ではなく非公式ではありますが、この「ちっちゃいおっさん」がNFT化され、販売されていることが話題となっています。「ちっちゃいおっさん」は尼崎市の商店街で活躍しているキャラクターで、地元住民や観光客に親しまれています。

NFTのデザインは名前の通りちっちゃいおっさんのイラストで、背景には尼崎市の風景が描かれています。NFTを購入した人には、ちっちゃいおっさんが描かれたオリジナルグッズがプレゼントされているとのこと。

元々、このちっちゃいおっさんは、尼崎だけでなく、さまざまな地域の企業とコラボレーションをしていて高い知名度があり、LINEスタンプも非常に人気がありました。NFT販売も全3回行いましたが、3回とも数分で即完売しました。このことから、地方創生を目的としたNFT制作においては、ゼロから作り上げるのではなく、既存の知名度が高いもの、地方の特色を活かすアイテムを利用することが費用対効果の面からも良いのではと推測されます。そういった観点から、これからNFTを活用したい自治体の人々にとって、尼崎のちっちゃいおっさんは参考にすべき好例といえるのではないでしょうか。

ちっちゃいおっさんのNFTは、NFTマーケット「HEXA(ヘキサ)」で販売されています。HEXAは日本円完結のNFTマーケットであり、暗号資産の会計・税務処理、暗号資産の用意やウォレットの準備など抜きにNFTを売買できます。そのため、暗号資産やNFTを保有したことがない方も簡単に購入できるので、NFT初心者の人にもおすすめです。値段も数千円のものからあるので、興味を持った人はぜひ確認してみてください。

【大好評!】全国のゆるキャラがNFTトレーディングカードに

地方創生のDX(デジタルトランスフォーメーション)を目標として、ゆるキャラ®グランプリ公式トレーディングカードのNFTが2022年1月23日に発行されました。「地方創生のデジタル化へのゆる〜い第一歩」プロジェクトの実証実験として、ゆるキャラ「しんじょう君」、「いまばりバリィさん」のNFTがプロトタイプとして作成されました。

ゆるキャラ®グランプリは、

  1. ゆるキャラで地域を元気に!
  2. ゆるキャラで会社を元気に!
  3. ゆるキャラで日本を元気に!

のテーマを掲げて実施されている、ゆるキャラたちの一年に一度のお祭りです。その中で、ゆるキャラ®グランプリ実行委員会が、全国のゆるキャラとコラボレーションした「ゆるキャラ®グランプリ公式トレーディングカード」を制作・発行しています。

将来的には、NFTやメタバース、ブロックチェーン技術を活かした広報活動や地方向けトークン開発を通じて、全国のゆるキャラをNFT化することで、地域のPRや活性化、地方創生に繋げることを狙っています。NFTの取引によって、ゆるキャラに対するファンのコミュニティーが広がることも期待されています。

【NFTメタバースゲーム】鉄腕アトムが日本各地とコラボしてメタバース「XANA」に登場!

2022年2月、漫画家・手塚治虫先生の作品の一つ「鉄腕アトム」のNFTメタバースゲームへの参戦が発表されました。NOBORDER.z FZE、株式会社手塚プロダクション、株式会社J&J事業創造の3社が共同開発。
第一弾として、日本一の星空継続観察都市である「鳥取県」とのプロジェクトが開始。鳥取県の市町の背景+鉄腕アトムのイラストで構成されており、トレーディングカードになっています。
2000枚を先行募集したところ、その10倍以上申し込みがあったとのこと。

その後、地方創生をテーマにアトムと日本の各地域がコラボレーションしたNFTトレーディングカードが販売されました。このトレーディングカードは、メタバース「XANA」と連携したNFTトレーディングカードゲーム「NFTDUEL」にて使用することができ、トレーディングカード同士を合成させたり、売買も可能です。ユーザーにとっては、日本各地の魅力が詰まったNFTを自分の資産として所持し、それを使って遊んだり、NFTマーケットの「XANALIA」などでカードを売買することによって収益化したりすることができるのが魅力。

一方で、本プロジェクトでは、NFT販売で獲得した収益の一部を、新型コロナウィルスの影響で甚大な打撃を受けた各地域のインバウンド産業の回復・発展のために使用する予定としています。インバウンドにおけるNFTの新たな活用法になるのではないかと注目を集めています。

さらにこのプロジェクトは国内だけに目を向けている訳ではありません。 鉄腕アトムは、海外では「アストロボーイ」という名称でアニメ放映されるなど、非常に人気の高いキャラクターです。アトムNFTの公式サイトを確認すると、英語表示にも対応しているなど海外からの需要も視野に入れた販売戦略と取っていることが窺われます。

海外のNFT市場は日本の比にならないほど大きく、急成長を遂げています。また、日本のアニメ文化はNFTやメタバースなどの世界観を作るにはとても相性がよいと言われています。海外展開を検討されている企業や自治体にとって、事例の1つとして参考になるのではないでしょうか。

北海道夕張市【NFTの「デジタル会員証」入手で、デジタルアンバサダーになれる!】

夕張メロン「デジタルアンバサダー」プログラムとは、夕張メロンの生産農家を支えるコミュニティを、日本だけでなく世界中に広げることを目的とし、JA夕張市とMeTown株式会社が共同で設立したプロジェクトです。

2022年12月1日より参加型予約購入プログラムの事前登録が開始された本プロジェクトは、全国のJAで初のNFT活用事例となっております。夕張メロンを受け取る権利を含むNFT(デジタル会員証)を購入することで、JA夕張市公認の夕張メロン「デジタルアンバサダー」になることができます。

「デジタルアンバサダー」になると、以下のコンテンツにアクセスできます

  • 夕張メロンを受け取る権利(引換券)
  • 限定オンラインコミュニティ
  • 地域産品の限定特典や体験型特典

生産者の高齢化などの課題から、夕張メロンは現在生産量が減少傾向にあります。しかし、そんな時だからこそデジタルの力で魅力発信の輪を広げ、地域創生に繋げていこうというプロジェクトです。今後予定している取り組みとして、インターネット上のデジタル収穫祭などを通して海外からも「デジタルアンバサダー」を募り、関係人口の増加を目指すと発表されています。

南国・沖縄【NFTギャラリーと伝統工芸のNFTを紹介!】

日本の最南端、沖縄のNFTを用いた活性化の取り組みを2つ紹介します。
1つ目は、沖縄県北谷町のNFTギャラリー。2022年8月に沖縄初のリアルNFTギャラリー「GALLERY HENZA」がオープンしました。沖縄を中心としたNFTクリエイターやアーティストの作品が展示販売されている一方で、NFTマーケットプレイス「OpenSea」にも出店されており、オンラインとオフラインの両軸で公開されています。

GALLERY HENZAのコンセプトは「NFTギャラリーを通した沖縄と世界を繋ぐWeb3.0コミュニティの創造」。沖縄のクリエイターやアーティストのNFT作品がネットを通じて全国・海外へと発信されています。また、沖縄にリアルなギャラリーを設立したことで、島民のNFTへの関心・理解や、誘客効果が期待できます。

2つ目は、沖縄県那覇市の伝統工芸のNFT。琉球びんがたNFTプロジェクトは、沖縄の伝統工芸として有名な「琉球びんがた」の型紙・本染めのデジタルデータをNFT化したプロジェクトです。このプロジェクトの特徴は、びんがたのデザインを利用した二次創作を推進している点です。NFTの保有者もそうでない人も、誰もが自由にびんがたのデザインを使って新しいものを制作可能、つまりは商用利用OKのフリー素材にしている点が特徴です。そうすることで結果として、びんがた市場の拡大に繋げていくという戦略になっています。実際にtwitterで #琉球びんがた と検索すると二次創作としてイラストに活用されている例などが確認できるでしょう。

愛知県 岩倉市【風景写真NFTアート・プロジェクト】

愛知県岩倉市において、同市の風景写真をNFT化したものを販売し、売り上げを同市に寄付することで地方創生を図る取り組みが2022年2月28日より実施されました。NFTが販売されているマーケットプレイスはOpenSeaで、通貨はイーサリアムが使われます。このプロジェクトでは、岩倉市内の風景写真を撮影したフォトグラファーが、その写真をNFTとして販売します。

このプロジェクトの目的は、岩倉市内の美しい自然や風景をNFTアートとして世界に発信することで、岩倉市の魅力をより多くの人に知ってもらい、地域活性化につなげることです。また、岩倉市内のフォトグラファーたちが新たなビジネスチャンスを見出し、地域の文化振興につながることも期待されています。

このように、NFTを活用したアート・プロジェクトは、地域の美しい風景や文化を新しい形で発信することができ、地域活性化につながる取り組みとして注目されています。

埼玉県秩父郡横瀬町【NFTアートの売上収益で町おこし】

埼玉県秩父郡横瀬町は、NFTアートの売上収益で町おこしを進める「Open Townプロジェクト」に参加。「Open Town Yokoze(オープンタウン・ヨコゼ)」では、横瀬町出身のイラストレーター・若林夏さんの手で作成されたイラスト「Yokoze Color Pass NFT」など、横瀬町の特徴を活かしたNFTアートをオンラインで全世界に向けて販売しています。横瀬町の住民や自治体の関連組織が、自らの手で世界中から資金と応援者を集め、町が抱える課題の解決に向けた施策の実行を担えるような、自律型な町づくりを目指しています。

横瀬町は豊かな自然と歴史的な文化遺産を持ち観光地としても親しまれている一方で、消滅可能性都市の一つでもあります。町の未来を変えていく取り組みとして、世界に視野を広げて発信することで、観光客の誘致にも取り組んでいます。また、今後のNFTアートの売上収益を活用した町おこしの施策として、「Web3寺子屋(仮称)」の設立を予定しており、横瀬町に居住している学生や、すべてのNFT保有者を対象に、Web3に関して包括的な知識を学べる場を提供していく予定です。​​

まとめ【NFTによる地方創生の未来/ウクライナへの支援も可能?】

本記事では、NFTを用いた自治体の地方創生の取り組みに関して解説しました。NFTが普及した背景には誰でも制作・発表ができるという点が挙げられます。過去には小学生が夏休みの自由研究でNFTイラストを出品し、日本円にして約80万円の収益を出したということもニュースになりました。参入のしやすさは市場規模の拡大にもつながりますから、将来性は高いと言えるでしょう。

事実、「NonFungible.com」の発表しているレポートによると、NFT市場全体の取引高が2021年時点で2兆円規模に達しています。前年の取引高は97億円だったので、たった1年で200倍以上の成長を見せたということになります。

このようなことから、今後さらにNFTの存在感が増していくことが予想されます。特に相性が良いとされるイラスト・アニメ・マンガ・音楽などの分野は間違いなく成長していくでしょう。

そして今、このNFTを地域活性に繋げようという動きが各地で広がっています。たとえば、NFTを発行することで地域の収入を増やしたり、関係人口を増加させたりすることができると考えられています。また、地域の観光資源をNFTに取り入れることで、その地域に関心を持ってもらい実際に訪れる人の数を増加させること、いわゆる「聖地巡礼需要」を生み出すことで観光産業の活性化を促せるのではないかとも期待されています。

現在、NFTは海外で非常に活発なので、その地域を海外へアピールすることにも適していると考えられています。新たなインバウンド対策としてNFTが取り入れるのが当たり前になる日も、そう遠くないかもしれません。

また、日本の地方創生のみならず世界へ目を向けた動きとして、NFTを活用したウクライナ支援があります。「Samurai YouTuber プロジェクト」は「NFT×地方創生」をテーマとし、46道府県にちなんだ侍のNFTを作ることで、当該地域にまずは興味を持ってもらうことを目的にしています。その結果として、各地域の関係人口を増加させることで地方創成を目指しています。

そんなSamurai YouTuber プロジェクトを主導する「株式会社エニバ」は初陣として岩手・宮城・福島にちなんだ3種類のサムライNFTアートの販売を開始。初回売上金は東日本大震災の復興支援のお返しとして、ウクライナへ全額寄付しました。

最後にNFTを活用した今後の地方創生に関して、整理・考察してみましょう。
NFTを活用した地方創生には、現状の取り組みも含め、以下のようにまとめられます。

地方の観光資源を活用したNFT商品の開発

地方には多くの観光資源があり、それらを活用したオリジナルのNFT商品を開発することで、地域の魅力をアピールすることができます。例えば、地方の名産品や伝統工芸品をモチーフにしたNFTを作成し、地元の特産品とともに販売、さらにはふるさと納税にも活用することで、地方の活性化を図ることができます。

地方の歴史・文化をテーマにしたNFTアートの制作

地方には独自の歴史や文化があり、それらをテーマにしたNFTアートを制作することで、地方の魅力を世界に発信することができます。また、地方のアーティストがNFTを活用することで、新たな市場を開拓することもできます。

地方のコミュニティーを形成するNFTトークンの発行

地方には、地域住民や企業が協力して地域の発展を目指す「地域おこし協力隊」や「地域通貨」など、コミュニティーを形成する取り組みがあります。NFTを用いたトークンの発行によって、地方のコミュニティーを支援することができます。また、トークンの保有者には、地方での特典や割引などの恩恵を提供することもできます。

以上のように、NFTを活用した地方創生には、多くの手法があり、NFTの一般普及に伴い今後ますます発展していく可能性を秘めています。NFTを活用した取り組みによって、地方の活性化への貢献が期待できるでしょう。まずは本記事で紹介した事例を確認いただき、その内容を適用・応用し、自分たちの企業や自治体に積極的に取り入れてみることをおすすめします。

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保険や投資などの金融分野、Web3.0、メタバース、暗号資産、NFT、DeFi、DAO、保険、投資などの分野に精通しています。株や暗号資産取引の豊富な経験に加え、保険業界でのITコンサルの勤務経験、AFP(ファイナンシャルプランナー2級)の資格も保有。知識や業務経験を元に信憑性のある記事を執筆する。
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