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【時価総額TOP20】BNBChain(BNB)について徹底解説

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世界最大級の暗号資産(仮想通貨)取引所として知られるBinance。

そのBinanceが運営するブロックチェーン「BNBChain」で流通している暗号資産がBNBです。

2023年現在、暗号資産取引所が発行する通貨として世界最大の規模を誇るBNBは、近年ますます注目を集めているといいます。。

暗号資産の価格追跡サイトCoinMarketCapにおけるBNBの時価総額は常に上位に位置しており、他の多くの暗号資産と競合しながらもその地位を確立。

その一方で、BNBChainやBNBが持つ機能や評価されている点について詳しく理解している人はまだ少ないかもしれません。

この記事では、暗号資産を活用したビジネスを作りたい方に向けて、「事業への応用」という視点から見たBNBChainおよびBNBの特徴について解説します。

BNBChainとBNBの違い

詳細な解説の前に、BNBChainとBNBの表記が持つ意味について確認しておきます。

個々の暗号資産の呼称において、「ブロックチェーン」そのものの技術を指す言葉と当該ブロックチェーンを使用した「通貨」を指す言葉が混在していることが多く見られます。

BNBChainとBNBについても、まずはその違いを理解しておきましょう。

BNBChainについて

BNBChainは、Binanceが運営しているブロックチェーンそのものを指す際に使用される表記です。

また、BNBChainで流通している暗号資産の時価総額等を論じる際も、本来はBNBChainという言葉を用いるのが適切だと言えます。

しかし、後述するBNBの表記がかなりメジャーであるため、本記事ではブロックチェーンを指す場合はBNBChain、広く暗号資産のことを指す場合はBNBと表記しています。ご留意ください。

BNBについて

BNBは、BNBChainで流通している暗号資産の通貨単位や取引における通貨記号として使用される表記です。

なお、BNBの正式な読み方は「バイナンスコイン」でしたが、2022年のブロックチェーン自体の呼称変更に伴い、「ビルドアンドビルド」に改名されました。

しかし、一般的にユーザーが用いる呼び名は「ビーエヌビー」とアルファベットのまま読むことが多いようです。

この表記は、BNB建ての金額を表示する際や取引所での取引ペア表示に使われます。

例えば「1 BNB」や「BNB/USD」のように用いられます。

まとめると、「BNBChain」はブロックチェーンそのものや暗号資産を総体的に呼ぶ名称であるのに対して、「BNB」は通貨単位や取引記号として使用されます。

BNBの誕生〜現在までの歴史

引用元:Binance Blog

BNBは世界最大級の暗号資産取引所であるBinanceのプラットフォームで用いられる暗号資産です。

2017年に発行され、当初はERC-20規格を用いたトークンとしてEthereumブロックチェーン上で機能していました。

2019年には独自のブロックチェーン「Binance Chain」に移行し、BEP2という新しい規格のBNBが誕生。

その後「Binance Chain」と並存する形で「Binance Smart Chain」が生まれ、BNBもさらに新しい規格であるBEP20 BNBとしての利用が可能になりました。

2022年2月からはBinance Smart ChainがBNBChainとなり、そこで流通するBNBは現在ではすでに述べた通り「ビルドアンドビルド」と呼ばれています。

創設者

BNBChainおよびBNBを運営・管理しているBinanceを立ち上げたのは、現在も同社CEOを務めるChangpeng Zhao(チャンポン・ジャオ)氏です。今では通称である「CZ」の方が有名になっています。

複数のソフトウェア開発企業でのシステム開発や、Blockchain.infoなど様々な暗号資産プロジェクトに携わった後、OKCoinの最高技術責任者も務めました。

2017年にOKCoinを離れてからBinanceを立ち上げ、設立後わずか8ヶ月程度で取引量世界最大(2018年4月時点)の暗号資産取引所にまで成長させました。

運営チーム

BNBChainおよびBNBを運営しているのはBinance社です。

世界中に開発者や技術者が分散して存在しているBitcoinのような暗号資産とは対照的に、Binanceの中央集権的な管理のもとで運営されています。

出資者

Binanceは、2017年に行われたICO(Initial Coin Offering)を通じて資金調達を行いました。

その際の具体的な大口VCや投資家の名前については未公表の情報も多く、詳細は明らかになっていません。

一方、直近では米国における独自の事業体であるBinance.USが、2022年4月にシードラウンドにて約250億円を調達したことを発表しました。

出資した企業はVanEckやCircle Venturesら7社。調達資金は、現物取引プラットフォームの拡大や新規プロダクトの開発、マーケティングなどに充てていく計画であると説明しています。

BNBの目的

BNBは、Binanceのエコシステム内で様々な目的に使用されています。

主な用途には、取引手数料の支払いやBinance LaunchPad(Binanceが仕切るIEO)への参加などがあります。

また、BNBを利用することで取引手数料の割引が適用されたり、Binance DEXなどのサービスに優先的にアクセスできるといった特典があります。

さらにBinance Smart Chainの登場により、BNBはDeFi(分散型金融)プロジェクトにおいて重要な役割を果たすようになりました。

BNBはスマートコントラクトのガス代など、DApps(分散型アプリケーション)の機能を活用するために必要とされており、これによりBNBの需要と流動性も高まりを見せています。

BNBChainの技術的特徴

引用元:BNBChain

ここからはBNBChainおよびBNBの技術的な特徴について解説します。

特に、BNBをビジネスに活用していきたい方にとって、「BNBの価値」がどこにあるかをより理解できるようなポイントに絞って説明をします。

独自のブロックチェーンを持つ暗号資産である

BNBは独自のブロックチェーンを持つ暗号資産です。

暗号資産の価格追跡サイトCoinMarketCapでは、各暗号資産は「コイン」と「トークン」の2種に大別されています。

それぞれの特徴を簡単にまとめると、コインは独自のブロックチェーンを持つ暗号資産であるのに対し、トークンは既存のブロックチェーン上で作成された暗号資産だと言えます。

代表的なコインにはBTC、ETH、XRPなどがあります。一方、代表的なトークンにはUSDT、USDCなどがあります。

USDTやUSDCは既存のブロックチェーンであるEthereumなどの規格を用いて運用されているトークンであり、いわばEthereumのブロックチェーンを「間借り」している通貨だと言えます。

BNBもかつてはERC-20規格を用いたトークンとして、Ethereumブロックチェーン上で機能していました。

しかし現在では独自のブロックチェーンを持っているため、BNBの通貨としての信頼度は高いと言えます。

Ethereumよりも速い処理速度

処理速度の向上は、ブロックチェーンにとって重要な課題の1つです。

そしてBNBChainは、世界で最も利用されているパブリックブロックチェーンであるEthereumの処理速度を上回ることを目指すと明言しています。

これについてBNBChainのホワイトペーパーに以下のような記述があります。

Blocking time should be shorter than Ethereum network, e.g. 5 seconds or even shorter.

It requires limited time to confirm the finality of transactions, e.g. around 1-min level or shorter.

「ブロックの生成にかかる時間はEthereumネットワークよりも短く、トランザクションの最終確認に必要な時間も限定されている」

Ethereumのブロック生成にかかる時間は概ね13〜15秒と言われています。

これに対し、BNBChainでブロック生成にかかる時間は5秒以下であるため、処理速度においてはEthereumを上回っていると言えるでしょう。

定期的なバーン(焼却)による価値の維持・向上

BNBの最初の発行数量は2億BNBでした。

しかし、現在流通しているBNBの総量を足し合わせても2億BNBには届きません。

これは、定期的に通貨のバーン(焼却)を行い、価値の維持・向上を図っているためです。

Binanceは四半期に一度、自動バーンメカニズムによってBNBのバーンを行っており、これによりBNBの供給量は徐々に減少しています。

通貨の供給量が減少すれば希少性が高まり、価値も上昇しやすくなります。

ホワイトペーパーにも以下の記述があり、BNBにおいてはインフレ(=通貨価値の減少)が起きないとされています。

There is no inflation of native token: BNB

通貨としての価値が維持しやすい仕組みがある点は、BNBをビジネスに用いるにあたって1つの安心材料であると言えるでしょう。

BNBChainが有望銘柄とされる理由

引用元:BNBChain DaapBay

次に、BNBChainが有望銘柄とされる理由について、技術的な特徴以外の視点から解説します。

Binance社による中央集権的な管理

1点目は、BNBChainおよびBNBの運営がBinance社の中央集権的な管理のもとで行われている点です。

いわゆるweb3の思想においては「分散化=正義」とされることが少なくなく、中央集権的なプロジェクトは何かと批判されることもあります。

しかし、Web2.0からの過渡期にある昨今の環境下では、Binanceのような特定の企業がプロジェクトの進め方について適宜判断をし、修正していくことは必ずしも悪とは言えません。

分散型プロジェクトの弱点として、「特定の管理者に権力が集中しない代わりに、意思決定が遅い(ことが多い)」というものが散見されるためです。

その反面、Binanceでは最高責任者であるCZ氏の最終決定で全てを進めることができることから、状況に応じたスピーディな対応ができます。

この点は、他の暗号資産よりもBNBが優れている点だと言えるでしょう。

暗号資産取引所が発行する通貨の中では最大規模

2点目は、暗号資産取引所が発行する通貨の中では最大規模である点です。

CoinMarketCapによると、2023年4月現在のBNBの時価総額は約530億ドル(約7.1兆円)で世界第4位となっています。

BNBより上位にあるのはEthereumなど他のチェーンの規格を用いて発行されているUSDTを含め、BTC、ETH、USDTのみであり、これらはいずれも分散型プラットフォームで流通している暗号資産であると言えます。

つまり、1つの暗号資産取引所が発行する暗号資産としてはBNBが世界最大の規模を誇っており、ゆえに暗号資産市場全体におけるBNBの影響力はかなり大きなものになっています。

この事実は、BNBの将来性を論じる際に十分なプラス材料であると考えられます。

保有目的や用途が多岐に渡る

3点目は、BNBを保有することで受けられるメリットや、BNBの用途が多岐に渡る点です。

BNBを持っていることのメリットには、具体的に以下のようなものがあります。

  • 取引手数料の割引:Binanceの取引所でBNBを使用すると、取引手数料が割引されます。
  • Binance Launchpadへの参加:BNBを保有することで、Binance Launchpadで開催される新規プロジェクトのトークンセール(IEO)に参加する権利を得ます。
  • ステーキング報酬:BNBをステーキングすることで報酬を受け取ることができます。
  • BNBChain上のDAppsの利用:BNBはBNBChain上のDAppsでの決済やガス代の支払いに使用できます。
  • ブロック生成報酬の受取:BNBChainのバリデーターに選出されることでブロック生成報酬を受け取り可能。
  • 他の暗号資産との取引:Binanceの取引所は世界最大級の取引銘柄数を誇っており、多くの暗号資産とBNBのペアが取引可能になっています。
  • コミュニティ投票権:Binanceが開催するコミュニティ投票に参加し、新規上場する暗号資産の選定に関与できます。

BNBを保有することで上記のメリットが享受できる点は、BNBが有望銘柄とされる十分な根拠だと言えます。

BNBの時価総額推移

次に、市場におけるBNBの立ち位置を数量的な面から把握していきましょう。

流通量と発行上限数

すでに述べた通り、BNBは最初に2億BNBが発行され、四半期ごとのバーンで発行数は徐々に減っています。

直近では2023年4月14日、通算23回目のバーンにて当時のレートで総額891億円に相当する約200万BNBが焼却されました。

その結果、約1億5,500万BNBが発行済みとして市場に流通しています。

リアルタイムチャート

以下のグラフは、BNBのリアルタイムの価格推移を示したチャートです。

引用元:CoinMarketCap

BNBの価格が大きく上昇したのは2021年前半。この背景にはDeFi(分散型金融)の人気の高まりがありました。

当時のBinance Smart Chain上で展開されたサービスの1つにPancakeSwap(パンケーキスワップ)があります。

PancakeSwapは2020年にローンチされたDEX(分散型取引所)で、当時のDeFiバブルと呼ばれた盛り上がりの中で非常に多くのユーザーに利用されました。

それに伴ってBSCで流通しているBNBの価格も上昇し、1BNB=7万円を超える高値をつけました。

その後、2021年後半に暗号資産市場全体の盛り上がりを受けて再度7万円程度の高値をつけた後、2022年の下落局面を経て現在は1BNB=4万円前後で推移しています。

単体時価総額推移グラフ

BNBの時価総額も、価格推移のチャートとほぼ同じ形状をしています。

引用元:CoinMarketCap

2021年11月に約12兆円の時価総額を記録した後は徐々に減少し、現在は約7兆円前後で推移しています。

他の上位銘柄との時価総額比較

次に、BNBと他の時価総額上位銘柄を比較してみましょう。

時価総額推移グラフ

以下のグラフは、2022年末時点の時価総額TOP10銘柄に関して、2013年から2022年までの10年間の時価総額推移を表したものです。データ取得のタイミングは各年の年末になっています。

なお、TOP10に入っていない年度についてはデータなし(=数値上は0)としています。

引用元:CoinMarketCapよりデータを取得し作成

このグラフでは1位のBTC、2位のETHの数値が突出して大きく、3位以下の銘柄の規模が把握しづらくなっています。

そこで、3位以下の銘柄のみを抽出して作成したのが以下のグラフです。

引用元:CoinMarketCapよりデータを取得し作成

2022年は暗号資産市場全体の下落を受け、年末時点でのBNBの時価総額はステーブルコインのUSDT、USDCに続く5位に落ち着いていました。

しかし、BNBの誕生から数年間の推移を見ると、他の銘柄を急速に追い抜いてTOP5に食い込んでいることがわかります。

時価総額順位推移一覧表

次の表は、2013年から2022年までの10年間において、各年の時価総額TOP10の銘柄を表したものです。

2022年末時点のTOP10銘柄のうち、BTCとETHを除いた8銘柄を色分けしています。

引用元:CoinMarketCapよりデータを取得し作成

2019年以降、BNBは常に上位に入っており、特にDeFiの盛り上がりを経てBNB自体の影響力が拡大してからは2年連続でTOP5にも食い込んでいます。

本記事ですでに解説してきた通り、BNBの技術的な特徴や有望とされる理由がユーザーや投資家から評価され、常に時価総額上位に位置し続けてきたことがお分かりいただけるでしょう。

BNBを取扱っている暗号資産取引所

非常に人気の高い暗号資産であるBNBですが、取り扱っている暗号資産取引所については注意すべき点があります。

BNBの取扱いがある国内取引所

2023年4月現在、日本の暗号資産取引所でBNBを取り扱っている暗号資産取引所はありません。

これは、日本の暗号資産取引所は金融庁の規制や審査が厳しいため、取り扱える銘柄が限定されているためです。

なお、これまでは日本のユーザーは海外取引所であるBinanceの取引口座を直接開設することでBNBを売買すること自体は可能でした。

しかし、2022年11月30日にBinanceが日本国内からのユーザーの新規登録を停止したため、現在はBinanceの口座を新しく開設することもできなくなっています。

今後は、Binanceが全株式を取得した日本の暗号資産取引所「サクラエクスチェンジビットコイン」が「バイナンスジャパン」として日本国内での取引所業務を担っていくと見込まれています。

その際は、日本の取引所でBNBが扱えるようになるかも知れません。

BNBの取扱いがある海外取引所

一方、海外取引所にはBNBを取り扱っているところが複数あります。以下に具体的な取引所を紹介します。

  • Binance
  • KuCoin
  • Gate.io
  • Bybit
  • Huobi
  • Bitget

ただし、現在はBinanceが日本国内からの新規登録ができなくなったのと同じように、他の取引所についても状況が変わる可能性はあります。

利用を検討される際はご自身で最新の情報を調べた上で利用してください。

BNBの取得・購入および保管方法

BNBは基本的に上記で紹介した暗号資産取引所で取得・購入が可能です。

また、取得・購入したBNBの保管方法には以下のようなものがあります。

  • 購入した取引所の口座でそのまま保管する
  • メタマスクなどのソフトウェアウォレットで保管する
  • 物理的な形を持つハードウェアウォレットで保管する
  • BNBを用いた各種サービスの専用ウォレットで保管する

暗号資産を保管する時は、ハッキングや詐欺にあうリスクを極力減らすことを考えなければなりません。

そして上記の保管方法は、それぞれ以下のようなリスクがあります。

  • 取引所の口座:取引所自体がハッキング等の被害にあう危険性がある
  • ソフトウェアウォレット:資産を管理する秘密鍵を盗まれる危険性がある
  • ハードウェアウォレット:デバイス自体を紛失する可能性がある
  • 各種サービスの専用ウォレット:ハッキングや秘密鍵の紛失などの可能性がある

いずれの場合も、資産を失ってしまうリスクを完全にゼロにするのは困難です。

状況に応じて管理手法を使い分け、リスクを最小限に抑えるようにしましょう。

BNBChain(BNB)の今後の展望まとめ

本記事では、BNBChainやBNBが持つ特徴について解説しました。

DeFiやIEOなど、実用面での利便性やメリットが高く評価されているBNB。誕生以来、その価値は高まり続けており、暗号資産取引所が発行する銘柄としては引き続きトップを走り続ける可能性も十分にあります。

また、私たち日本のユーザーとしては、日本事業の今後の展開についても引き続き要注目であると言えるでしょう。

BNBの価値をご理解いただいた上で、BNBや他の暗号資産を活用したビジネスの構築に本記事の内容が役に立てば幸いです。

Sparrow

Sparrow

フリーランスのWebライター。ブロックチェーンの非中央集権的な世界観に惚れ込み、暗号資産・NFT・メタバースなどのWeb3領域に絞って記事を執筆。自らの暗号資産投資やNFT売買の経験をもとに、難しいと思われがちなブロックチェーンについて、初心者にもわかりやすい記事を書くことを心がけています。好きなNFTクリエイターは「おにぎりまん」氏。
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