USD Coin(USDC)はCircle社と暗号資産(仮想通貨)取引所Coinbaseが共同で発行しているステーブルコインです。
暗号資産の価格追跡サイトCoinMarketCapにおけるUSDCの時価総額は常に上位にあり、ステーブルコインとしてはUSDTに次いで世界第2位の時価総額を誇っています。
その一方で、USDCの機能や評価、あるいはUSDCも含んだステーブルコインそのものについて正しく理解している人はまだ少ないかもしれません。
この記事ではステーブルコインに関する基本事項について触れながら、USDCの特徴について解説します。
この記事の構成
USD CoinとUSDCの違い
引用元:CoinPost
詳細な解説の前に、USD CoinとUSDCの表記が持つ意味について確認しておきます。
個々の暗号資産の呼称において、「ブロックチェーン」技術そのものを指す言葉と当該ブロックチェーンを使用した「通貨」を指す言葉の2つが用いられることがよくあります。
例えばビットコインやイーサリアムなどは、上記のような用語の使い分けをしています。
Bitcoin、Ethereumがブロックチェーン技術そのものを指すのに対し、BTCやETHなどの「ティッカーシンボル」と呼ばれる表記は、通貨やその単位を示すものとして用いられています。
あるいはTether(USDT)のように、暗号資産を発行している企業名(Tether)とティッカーシンボル(USDT)で使い分けられるケースもあります。
ところが、USD CoinとUSDCにおいてはいずれもステーブルコイン自体を指すものとしてほぼ同一視されており、違いはあまりありません。
そして、ステーブルコイン自体を指す場合も通貨単位として用いる場合も、USDCの呼称が用いられることがほとんどです。
そこで本記事では、基本的にUSDCの表記を用いて記載します。
USDCの誕生〜現在までの歴史
引用元:Centre
USDCは2023年5月現在、ステーブルコインとして世界第2位の時価総額を誇っています。
ピア・ツー・ピアの決済技術会社Circleと暗号資産取引所Coinbaseにより開発され、2018年にローンチしました。
運営チーム
USDCの運営体は、CircleとCoinbaseが共同で設立したコンソーシアム「Centre」です。
コンソーシアムとは、複数の企業が「共同企業体」を組成して、1つのサービスを共同で行う形態のことを言います。
従来の企業組織とは形態が異なるため、Centre自体にはCEOなどのポジションは存在しません。
ただし、プロジェクト全体の方向性や戦略の決定には、CircleとCoinbaseのそれぞれのリーダーたちが深く関与しています。
Circleの創設者であり現CEOのJeremy Allaire氏や、Coinbaseの創設者であり現CEOのBrian Armstrong氏らを中心に、両社のメンバーがUSDCに関する重要な意思決定において様々な役割を果たしています。
出資者
Centreに直接出資している投資家やVCについては、明確な情報は公開されていません。
一方、Centreを運営しているCircleとCoinbaseは多数の投資家から出資を受けており、その資金を使ってUSDCの開発・運営が行われています。
Circleはゴールドマン・サックスからの出資金5,000万ドルを含め、2013年から2016年の4回のラウンドに渡り合計で1億3,500万ドル以上の資金調達に成功しています。
また、2022年4月には米資産運用最大手のBlackRockを含む4社から4億ドルの資金を調達する契約を結んだことを発表しています。
CoinbaseもAndreessen Horowitz、Union Square Ventures、Ribbit CapitalなどのVCから投資を受けており、その資金をUSDCの開発・運営に利用しています。
USDCの目的
USDCは、以下の特性を備えたデジタル資産として開発されました。
- より安全に利用できるデジタル資産
- 透明性、信頼性、規制対応に重点をおいたデジタル資産
USDCがローンチされた2018年は、その前年から暗号資産市場が急速に拡大して世界的な盛り上がりを見せた後にバブルが弾けた年です。
ゆえに、価格変動が激しい暗号資産の世界においても、安定した価値を持つデジタル資産の需要が高まっていました。
USDCなどのステーブルコインは、価格変動リスクを低減し、デジタル資産をより安全に利用できるというメリットがあり、上記のニーズにマッチしています。
また、当時最も利用されていたステーブルコインであるUSDTは、運営元のTether社の透明性や資産の裏付けに関する懸念が浮上し、信頼性に疑念が生じていました。
このような状況を受けてCircleとCoinbaseは、規制対応や透明性に重点をおいたステーブルコインとしてUSDCを開発・発行しました。
USDCの技術的特徴
引用元:BTCC
ここからはUSDCの技術的な特徴について解説します。
また、USDCについてより理解を深めるために、ステーブルコイン全般に当てはまる特徴についても触れていきます。
通貨価値が安定している
2023年5月現在、USDCは暗号資産全体でも時価総額は第5位、ステーブルコインの中では第2位です。
ステーブルコインにはUSDC以外にもUSDT、BUSD、DAIなど様々なものがあります。
これらに共通している最大の特徴は、通貨価値が安定していることです。
USDCは常に1米ドルの価格と連動することを目指しています。
この特徴について、実際の値動きを見ながら確認しましょう。
以下はBTCとUSDCの直近1年間の値動きを示したチャートです。価格は米ドル建てで表示されています。
<BTCの過去1年間の値動き、対米ドル>
引用元:CoinMarketCap
BTCは過去1年間の間に、最安値が約1万6,000ドル、最高値が約3万ドルの幅の中で動いていることがわかります。
大きな値動きが発生していることにより投資対象としては魅力的である一方、決済などに用いる通貨としては値動きが激しすぎるため不向きであるという特徴があります。
<USDCの過去1年間の値動き、対米ドル>
引用元:CoinMarketCap
USDCは上記チャートの通り、1USDC=1ドルをほとんどの期間に渡って維持し続けていることがわかります。
1ドルからペッグが大きく外れて価格が動いている瞬間がありますが、これは「シリコンバレー銀行の破綻」というイレギュラーな出来事が原因です。
例外的ではあるものの、シリコンバレー銀行の破綻によりペッグが外れたことはUSDCの信頼を揺るがす出来事として無視はできません。これについては後ほど解説します。
基本的にはUSDCの価格は約1ドルで安定しているため、価格上昇を狙った投資対象としてUSDCが買われることはほとんどありません。
一方で決済や送金など、純粋に「通貨」としての用途にはUSDCは適しており、様々なサービスですでに利用されています。
法定通貨担保型のステーブルコインである
ステーブルコインは「その価値をどのように担保するか」によって、大きく以下の4種類に分類されます。
- 法定通貨担保型
- 暗号資産担保型
- コモディティ担保型
- 無担保型(アルゴリズム型)
USDCをはじめ多くのステーブルコインは、特定の企業、あるいはそれに類似する組織が発行する形態をとっています。
したがって、安定的にステーブルコインを運用するには「発行体である企業がステーブルコインの価値をどのように担保するか」が重要になってきます。
その中で、USDCは「法定通貨担保型」のステーブルコインに分類されます。
つまり、流通している全USDCと同額の法定通貨(あるいはそれに準ずる金融資産)をUSDCの発行体であるCentreが保有することにより、「ユーザーが保有しているUSDCをいつでも同額のドルと交換できる状態」を作ることで、通貨としてのUSDCの価値を担保しています。
この他に、暗号資産を担保としている暗号資産担保型、金や原油などの商品を担保としているコモディティ型、担保資産を持たずにアルゴリズムによって価値を維持している無担保型のステーブルコインが存在しています。
CoinMarketCapにおいては独自のブロックチェーンを持たない「トークン」に分類される
USDCは独自のブロックチェーンを持たない暗号資産です。
暗号資産の価格追跡サイトCoinMarketCapでは、各暗号資産は「コイン」と「トークン」の2種に大別されています。
それぞれの特徴を簡単にまとめると、コインは独自のブロックチェーンを持つ暗号資産であるのに対し、トークンは既存のブロックチェーン上で作成された暗号資産だと言えます。
代表的なコインにはBTC、ETH、XRPなどがあります。一方、代表的なトークンにはUSDT、USDCなどがあります。
USDCは現在、ERC-20規格を用いたトークンとして主にEthereumブロックチェーン上で機能しています。
いわばEthereumのブロックチェーンを「間借り」している通貨であり、独自のブロックチェーンを持つ暗号資産に比べると他のチェーンへの依存度が高いという特徴があります。
複数のブロックチェーンに対応している
USDCは主としてERC-20規格を利用したトークンとしてEthereum上で用いられていますが、これに加えて他のブロックチェーンにも幅広く展開をしています。
USDCはローンチ当初、以下のブロックチェーンで展開されていました。カッコ内は各チェーンで機能するトークン規格やアセット表現です。
- Ethereum(Ethereum ERC-20)
- Algorand(Algorand ASA)
- Avalanche(Avalanche ERC-20)
- Flow(Flow FT)
- Hedera(Hedera SDK)
- Solana(Solana SPL)
- Stellar(Stellar Asset)
- TRON(TRON TRC-20)
その後、2022年には新たにArbitrum One、Optimism、Near Protocol、Polkadot、Cosmosの5つのチェーンに対応することが発表されています。
Centreの標準プロトコルによるシームレスな決済の実現
USDCを開発・運営しているCentreが提供するプロトコルは、USDCを用いることでよりシームレスな決済を実現しています。
これにより、異なる法定通貨を用いる主体同士でも、USDCを介してスムーズに商取引を行うことができます。
具体例で解説します。
あなたは自身のデジタルウォレットに日本円、あるいは日本円に価格が連動しているステーブルコイン(JPYCなど)を保有しているとします。
あなたはアメリカを旅行中に米ドル、または米ドル連動のステーブルコインのみで支払いを受け付ける決済アプリを利用している事業者から商品を購入しようとしています。
この時、「あなたが使用しているデジタルウォレットアプリ」と「事業者が使用している決済アプリ」は直接統合されていないため、あなたは保有している日本円、あるいは日本円連動型ステーブルコインで支払いを行うことができません。
しかし、上記のデジタルウォレットアプリを開発している会社と決済アプリを開発している会社の双方がCentreの標準プロトコルをサポートすれば、さきほどのケースでも問題なく支払いが可能になります。
具体的には、決済を行う時点における日本円連動型ステーブルコインと米ドル連動型ステーブルコインの交換レートに双方が同意することで、異なるアプリ間での支払いを完了することができます。
そしてUSDCは上記の一連の取引において、ドルの代わりに用いられるデジタル通貨の役割を果たします。
USDCの将来性
引用元:phemex
次に、USDCの将来性についてメリット・デメリットの両面から考察します。
ステーブルコインの中で時価総額最大のUSDTと比べても、USDCには様々なメリットがあります。
一方、最近になってUSDCの不安要素が明るみに出た出来事もありました。これについてはデメリットと捉えて解説します。
信頼性・安全性・透明性が高い
USDCのメリットの1つめは、信頼性・安全性・透明性の高さです。
USDCなどの「法定通貨担保型」のステーブルコインは、発行済の通貨と同額の法定通貨を発行体である企業が保有することによって、通貨としての価値を維持しています。
この点において、CircleとCoinbaseはUSDCの裏付け資産の内訳を毎月公表しています。第三者機関による監査も受けているため、公表内容は十分に透明性が高いものであると言えるでしょう。
また、アメリカ国内も含め各国でUSDCの利用を展開していくにあたり、CircleとCoinbaseは現地の法的規制に柔軟に対応する姿勢を見せています。これもUSDCの信頼性を高めることにつながっています。
さらに、デフォルトリスクの低さゆえの安全性もUSDCのメリットです。
USDCの発行体であるCentreはCircleとCoinbaseの2社で運営されているため、仮にどちらか一方に経営上のリスクが発生した場合も、もう一方の責任でUSDCの開発・運営は継続できます。
これに対し、USDTは最もメジャーなステーブルコインではあるものの、Tether社が単独で運営しているためUSDCよりもややデフォルトリスクが高いと言えます。
Apple Payに対応している
USDCのメリットの2つめは、Apple Payに対応している点です。
iPhoneをはじめとするApple社のデバイスは、いまや世界中で利用されています。
それらのデバイスがサポートしている決済サービスがApple Payです。
そして2022年11月、USDCがApple Payに対応したことが発表されました。
これにより、暗号資産で支払いを受け付けている事業者は、暗号資産を持たないユーザーからもApple Payを通してUSDCで支払いを受けることができるようになります。
世界規模で利用されているApple Payに対応したことは、今後のUSDCの展開に大きなプラスとなるでしょう。
安全性の過信は禁物
USDTなど他のステーブルコインと比較して安全性や透明性が高いとされるUSDCですが、その価値は絶対に保証されているとは言い切れません。
その根拠として2022年3月、USDCのペッグが大きく外れて1USDC = 約0.97ドルまで下落したことがありました。
ペッグが外れた原因は、米シリコンバレー銀行の破綻です。
すでに述べている通り、USDCの担保資産(準備金)に関する情報は適切に公表されています。
しかし、シリコンバレー銀行の破綻が起きた際、USDCの準備金の一部がシリコンバレー銀行に預けられていることが明らかになりました。
これにより担保資産の信頼性が揺らいだUSDCは一時的に1ドルのペッグを外れて下落。数日後には再び1ドル水準に戻ったものの、「USDCとて必ずしも安全ではない」という印象を世界中に与える事になりました。
USDCの価値が完全に毀損されたわけではありませんが、USDCの将来性を考えるにあたって決して無視できないマイナス要素であると言えるでしょう。
USDCの時価総額推移
次に、市場におけるUSDCの立ち位置を数量的な面から把握していきましょう。
流通量と発行上限数
USDCには発行上限がありません。
USDCは、BTCのようにあらかじめ発行上限数がプログラムされている通貨ではなく、Centreのコントロールのもとで発行量が調整されています。
ただし、その発行には厳格な規制とコンプライアンスが伴い、発行機関であるCentreが保有する米ドルと同等のUSDCのみが市場に提供されます。
2023年5月現在、約300億USDCが発行済みとして市場に流通しています。
リアルタイムチャート
以下のグラフは、USDCのリアルタイムの価格推移を示したチャートです。
<USDCの価格推移、対日本円>
引用元:CoinMarketCap
このチャートからはUSDCの価格が大きく変動しているように見えますが、これはドル円の為替レートを反映していることによるものです。
1USDCの価格が連動しているのはあくまで1米ドルです。
つまり、米ドルと日本円の為替レートが変動すれば、日本円建てのUSDCの価格は上記のチャートのように変動します。
2021年以降、日本円建てのUSDC価格が上昇しているのは、ドル円の為替レートが大きく円安に進んでいるためです。
なお、ドル建てのUSDC価格のチャートは以下の通りです。
<USDCの価格推移、対米ドル>
引用元:CoinMarketCap
2020年以前は価格が上下に振れることがありましたが、現在では概ね「1USDC=1ドル」から大きく離れていないことがわかります。
単体時価総額推移グラフ
価格は1米ドルでほぼ固定されているUSDCですが、時価総額は成長を続けています。以下はドル建てで見たUSDCの時価総額の推移グラフです。
<USDCの時価総額、米ドル建て>
引用元:CoinMarketCap
上記グラフからは、特に2021年前半から急速にUSDCの時価総額が伸びていることがわかります。
これは、ちょうどこの時期にDeFiやNFTの人気が高まったことによるものだと考えられます。
その後、2022年の前半を頭打ちとして下降局面に入っています。これは暗号資産市場全体の冷え込みの影響によるものだと考えられます。
暗号資産の中では比較的安全とされ、一時的な資産保管の手段として利用されるUSDCでさえも、今般の市場の冷え込みの中で利益確定(または損切り)の対象として売却されたものと推測できます。
2023年5月現在のUSDCの時価総額は約300億ドル(約4兆円)前後で推移しています。
他の上位銘柄との時価総額比較
次に、USDCと他の時価総額上位銘柄を比較してみましょう。
時価総額推移グラフ
以下のグラフは、2022年末時点の時価総額TOP10銘柄に関して、2013年から2022年までの10年間の時価総額推移を表したものです。データ取得のタイミングは各年の年末になっています。
なお、TOP10に入っていない年度についてはデータなし(=数値上は0)としています。
引用元:CoinMarketCapよりデータを取得し作成
このグラフでは1位のBTC、2位のETHの数値が突出して大きく、3位以下の銘柄の規模が把握しづらくなっています。
そこで、3位以下の銘柄のみを抽出して作成したのが以下のグラフです。
引用元:CoinMarketCapよりデータを取得し作成
黄色のグラフがUSDCを示しています。
2021年まではBNBが、その人気の高まりと共に時価総額を伸ばしていました。
XRP、BNB、USDTなど以前から時価総額上位にランクインしていた銘柄がしのぎを削る中、USDCは2021年からトップ10に入っています。
その後、2022年の下落相場で多くの暗号資産の時価総額は縮小。一方で価格が米ドルと連動しているUSDCやUSDTといったステーブルコインは、市場全体の下落の影響をそれほど受けることなく、ほぼ横ばいを維持しています。
時価総額順位推移一覧表
次の表は、2013年から2022年までの10年間において、各年の時価総額TOP10の銘柄を表したものです。
2022年末時点のTOP10銘柄のうち、BTCとETHを除いた8銘柄を色分けしています。
引用元:CoinMarketCapよりデータを取得し作成
USDCが初めてTOP10に入ったのは2021年。その翌年にはTOP5に食い込み、2023年5月現在も5位をキープしています。
同じステーブルコインとしてよく比較されるUSDTに対しても、信頼・安全性などの面でUSDCは優れている部分が多く、今後も需要の高まりにあわせて時価総額も上位に位置し続けることが予想されます。
USDCを取扱っている暗号資産取引所
利用される場面が多岐にわたるUSDCですが、取り扱っている暗号資産取引所については注意すべき点があります。
USDCの取扱いがある国内取引所
2023年5月現在、日本の暗号資産取引所でUSDCを取り扱っている取引所はありません。
これは、日本の暗号資産取引所は金融庁の規制や審査が厳しく、取り扱える銘柄が限定されているためです。
しかし最近では、金融庁が2023年にも海外発行のステーブルコインについて国内流通を解禁すると、日経新聞が報じています。
海外発行のステーブルコインは資産保全や送金額に条件を設けた上で取り扱いを認めること、また流通にあたってはマネーロンダリング対策も求めるといった内容が今のところ明らかになっています。
近いうちに、日本の取引所でもUSDCが扱えるようになるかも知れません。
USDCの取扱いがある海外取引所
海外取引所でUSDCを取り扱っているところは多数あります。
時価総額も大きく、ユースケースも多岐に渡るため、知名度の高い取引所であればほぼUSDCの取扱いはあると考えて問題はないでしょう。
以下に具体的な取引所を紹介します。
- Coinbase
- Binance
- Kraken
- KuCoin
- Bitstamp
- Huobi Global
- Bitfinex
ただし、これらの海外取引所が必ずしも日本国内から利用できるとは限りません。
利用を検討される際はご自身で最新の情報を調べた上で利用してください。
USDCの取得・購入および保管方法
USDCは基本的に上記で紹介した暗号資産取引所で取得・購入が可能です。
また、取得・購入したUSDCの保管方法には以下のようなものがあります。
- 購入した取引所の口座でそのまま保管する
- メタマスクなどのソフトウェアウォレットで保管する
- 物理的な形を持つハードウェアウォレットで保管する
- USDCを用いた各種サービスの専用ウォレットで保管する
暗号資産を保管する時は、ハッキングや詐欺にあうリスクを極力減らすことを考えなければなりません。
そして上記の保管方法は、それぞれ以下のようなリスクがあります。
- 取引所の口座:取引所自体がハッキング等の被害にあう危険性がある
- ソフトウェアウォレット:資産を管理する秘密鍵を盗まれる危険性がある
- ハードウェアウォレット:デバイス自体を紛失する可能性がある
- 各種サービスの専用ウォレット:ハッキングや秘密鍵の紛失などの可能性がある
いずれの場合も、資産を失ってしまうリスクを完全にゼロにするのは困難です。
状況に応じて管理手法を使い分け、リスクを最小限に抑えるようにしましょう。
USD Coin(USDC)の今後の展望まとめ
本記事では、USDCが持つ特徴について解説しました。
2017年〜2018年の暗号資産市場の盛り上がりとその後の急落を受け、「より安全に扱える暗号資産」として生み出されたUSDCは、現在に至るまでその安全性・信頼性・透明性を強みとして広く利用されています。
異なるサービス間での決済の円滑化や、Apple Payを通じたグローバルでの利用促進など、USDCが今後使われる可能性は多岐に渡ります。
その一方で、シリコンバレー銀行の破綻をきっかけに一時的とはいえペッグが外れたという事実は、いかなるステーブルコインも絶対的に安全・安定ではないという教訓を与えるものだったと言えるでしょう。
USDCの機能や価値を理解した上で、ご自身の投資や事業に本記事の内容を役立てていただければ幸いです。