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ビットコインETFとは?特徴やメリット・デメリットを解説

解説系記事

2023年6月15日、世界最大の資産運用会社であるブラックロック(BlackRock)がビットコインの現物ETFを申請し、大きな話題となっています。

その後、ブラックロックに続き、ヴァルキリー(Valkyrie)やインベスコ(Invesco)、フィデリティ(Fidelity)といった大手資産運用会社もビットコインETFを申請すると報道されており、暗号資産(仮想通貨)市場におけるトレンドとなっています。

この記事では、現在注目を集めているビットコインETFについて、そもそもどういった投資商品なのか?という概要・特徴をご紹介していきます。

また、ビットコインETFのメリット・デメリットに関しても解説していくので、興味のある方はぜひ最後までご覧ください。

ブラックロックがビットコイン現物ETFを申請!

アメリカ・ニューヨークに拠点を置く世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)が、2023年6月15日にビットコイン現物ETFの申請を行いました。

ブラックロックのビットコイン現物ETFは、「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト」と名付けられています。資産管理をするカストディアンにはCoinbase(コインベース)が採用されており、ナスダックがプラットフォームの運営・管理を行うなど、信頼性の高い運営方針を示しています。

ブラックロックにとって、今回が初めてのビットコイン現物ETFの申請になりますが、過去に申請した576回のETFのうち、否認されたのは1回のみという高確率で承認されています。

そのため、ブラックロックのビットコイン現物ETFは承認される可能性が高いのではないか?との意見が多く、暗号資産コミュニティでも注目のトピックとなっています。

SEC(アメリカ証券取引委員会)による審査結果は、2024年前半に出ると予想されています。ビットコインの半減期と近い時期であることから、今後もブラックロック関連のニュースには注目が集まると考えられるでしょう。

そもそもビットコインETFとは?

ここからは、ビットコインETFとはどういう商品なのか?という、概要・特徴をご紹介していきます。今話題のビットコイン現物ETFと、すでにアメリカで承認されているビットコイン先物ETFの違いについても解説します。

  • ビットコインを投資対象とした上場投資信託
  • 現物ETFと先物ETFの違い

上記の項目に沿って、確認していきましょう。

ビットコインを投資対象とした上場投資信託

ビットコインETFとは、ビットコインを投資対象とした上場投資信託です。上場投資信託は英語でETF(Exchange Traded Fund)と呼ばれており、証券取引所で売買ができる投資信託のことを指します。

一般的な投資信託は、証券取引所に上場していません。また、価格は1日1回算出される「基準価格」が適用される仕組みとなっており、取引する機会も1日1回に限定されています。

一方、上場投資信託は株式のようにいつでも取引が可能であり、価格も常に変動しています。売り(ショート)から入る信用取引もできるため、より柔軟性を持った売買ができるメリットがあります。

現物ETFと先物ETFの違い

ここでは、ビットコインの現物ETFと先物ETFの違いについて確認していきましょう。同じビットコインETFでも、現物と先物によって特徴が異なります。

最も大きな違いは、ビットコインの「現物」と「先物」のどちらの価格に連動するのか?という点です。

 

種類 特徴
ビットコイン現物ETF BTCの現物価格との連動を目指すETF
ビットコイン先物ETF BTCの先物価格との連動を目指すETF

また、ビットコインの現物ETFは、ETFが発行される裏でビットコインの現物が取引される仕組みとなっています。つまり、現物ETFが発行されるごとにビットコインの現物も購入されるため、価格に影響を与えやすい傾向があります。こういった特徴から、暗号資産市場において現物ETFの承認が大きく注目されています。

一方、先物ETFはあくまでもビットコインの先物価格に連動するため、裏で現物の取引は行われません。また、2021年10月にビットコイン先物ETFは米SECに承認され、すでにニューヨーク証券取引所で売買が行われています。

ビットコインETFのメリット

次に、ビットコインETFのメリットをいくつかご紹介していきます。

ビットコインETFが市場にどのようなポジティブな影響を与えるのか気になる方は、ぜひチェックしてみてください。

  • 証券口座でビットコインが取引できる
  • 信頼性の高い投資アセットとして認められる
  • 機関投資家が投資しやすくなる
  • 税制面で証券取引と同じ扱いになる

証券口座でビットコインが取引できる

ビットコインETFのメリットとして、まず証券口座でビットコインの取引ができるようになることが挙げられます。

通常、ビットコインなどの暗号資産を購入するためには、証券口座とは別に暗号資産交換業者のアカウントを作成する必要があります。

暗号資産決済事業者であるTripleAの発表によると、全世界の人口のうち、暗号資産を保有している人口はわずか約4億2,000万人にすぎません。

しかし、ビットコインETFを証券口座で取引できることで、より多くのユーザーがビットコインを投資対象として認識すると考えられます。今後の暗号資産ユーザーの裾野を大きく広げる可能性があるでしょう。

信頼性の高い投資アセットとして認められる

ビットコインETFが承認されることは、ビットコインが信頼性の高い投資アセットとして認められることを意味します。

一般的に、証券取引所が何かしらの投資商品を上場させる際、投資家保護の観点から厳しい審査が行われます。

そのため、「ビットコインETFの証券取引所への上場=ビットコインがしっかりとした投資対象として信頼を得た」と考えられるでしょう。

機関投資家が投資しやすくなる

ビットコインETFのメリットとして、機関投資家が投資しやすくなることも非常に大きなポイントです。

基本的に機関投資家は顧客の資金を預かって運用しているため、信頼性の欠ける投資商品には資金を投じることができません。しかし、ETFとして証券取引所のお墨付きを得ることで、ビットコインに投資しやすい環境が整います。

画像引用元:TradingView

上記の画像は、ゴールド(金)の価格推移を表したチャートです。2004年11月、ニューヨーク証券取引所でゴールドのETFが承認されて以降、機関投資家などの大口資金が入り、急激に価格が上昇しています。

こういった過去の事例を踏まえ、ETFが承認されることで機関投資家からの資金が入り、ビットコインの価格も上昇するのでは?と期待されています。

税制面で証券と同じ扱いになる

ビットコインETFは、税制面でもメリットがあります。これは国によって異なる可能性もありますが、証券口座で取引できるビットコインETFは、税制面でも証券と同じ扱いになります。

2023年現在、日本における暗号資産取引の利益は「雑所得」に分類され、総合課税の対象となります。もし、日本でもビットコインETFが上場した場合、株式投資と同じ金融商品として扱われるため、分離課税が適用されると考えられるでしょう。つまり税率に関するメリットが生じると言えます。

このように、ビットコインETFは税制の面でもメリットが大きい商品となっています。

ビットコインETFのデメリット

メリットの多いビットコインETFですが、反対にデメリットに思われる要素もあります。以下の2つの項目に沿って、順番に解説していきます。

  • 証券市場の影響を受けやすくなる
  • ボラティリティ(値動き)が小さくなる可能性がある

証券市場の影響を受けやすくなる

ビットコインETFのデメリットとして、証券市場の影響を受けやすくなることが挙げられるでしょう。前述の通り、ビットコインETFが承認されることで、機関投資家の資金が入りやすくなります。

つまり、これまでは暗号資産マーケットの中だけで動いていたビットコインですが、証券市場との関連性が深い投資アセットに変化する可能性があります。

これにより、従来よりマクロ環境の影響も受けやすくなると想定され、ビットコインにさまざまな変化が発生すると考えられます。

ボラティリティ(値動き)が小さくなる可能性がある

ビットコイン現物ETFが承認されることで、多くの機関投資家がビットコインに参入してくると考えられます。大口投資家が参入すると、ビットコインの資金規模(時価総額)は現在よりも大きくなり、取引の流動性も高まります。

もちろん、これにはポジティブな要素もありますが、ビットコインの特徴である激しいボラティリティ(値動き)が起きづらくなる可能性が高いです。

人によって捉え方は異なりますが、ビットコインの激しい値動きを好むトレーダーにとってはデメリットになるでしょう。

ビットコインETFの特徴やメリット・デメリットまとめ

今回の記事では、ビットコインETFの特徴やメリット・デメリットなどをご紹介してきました。

ブラックロックによるETF申請のニュースが報道されたことで、再びビットコイン現物ETFに注目が集まっています。

これからの暗号資産市場に大きな影響を与える要素なので、今後も最新の動向は逐一チェックしていく必要があるでしょう。

GM

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2017年から仮想通貨投資を開始し、2020年から本格的にweb3.0の世界に参入。現在はフリーランスとして暗号資産やブロックチェーン、NFT、DAOなどweb3.0に関する記事を執筆。NFT HACKでは「初心者にもわかりやすく」をモットーに、読者の方々に有益となる記事の作成を行なっている。
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