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【時価総額TOP20】ライトコイン(LTC)について徹底解説

解説系記事

引用:https://litecoin.com/en/

ライトコインは、2023年6月30日現在で時価総額第9位の暗号資産(仮想通貨)です。ビットコインやイーサリアムと並び古くから存在している銘柄で、開発は2011年頃から始まり、リリースは2013年4月に行われました。

昨今はブロックチェーン上でDeFiやメタバースなどのDApps開発が盛んですが、ライトコインは用途を決済に特化しています。すでにさまざまなプラットフォームで採用されており、今後暗号資産決済が普及すれば、大きな需要拡大を期待できるでしょう。

本記事では、ライトコインの歴史や技術的な特徴、将来性などを詳しく解説していきます。

ライトコイン(LTC)とビットコイン(BTC)の関係について

「ビットコインは金、ライトコインは銀」といわれるように、ライトコインはビットコインと似た存在として語られることが多いです。

ビットコインは誕生以来暗号資産の王様の地位に座り続けていますが、取引処理能力が低いことから、処理の遅延や手数料が高騰するスケーラビリティ問題が度々指摘されてきました。

そうした中、ライトコインはビットコインが抱える問題を解決できる銘柄として誕生しました。現在は暗号資産の開発が活発になり競合銘柄も増えていますが、いまだにTOP10に名を連ねているように、多くの投資家に愛されています。

ライトコイン(LTC)の誕生〜現在までの歴史

引用:https://litecoin.com/en/news

ここでは、ライトコインの誕生から現代までの歴史を紹介していきます。

創設者

ライトコインの創設者は、Googleでエンジニアとして働いていたチャーリー・リー氏です。2011年10月から開発が始まり、2013年の4月には暗号資産ライトコインがリリースされ、市場で売買ができるようになりました。

リー氏はライトコインの大口保有者でもありましたが、2017年12月に自身のツイートを通じて、すべてを売却もしくは寄付したことを発表しました。

この理由について「創設者で大きな影響力を持っており、ライトコインについてツイートすると自身の利益のためでないかと責められる。保有しながらツイートをするのはライトコインの健全な成長の妨げになるため、手放すべきと感じた」と述べています。

運営チーム

ライトコインは、米国のカリフォルニア州に拠点を置く「ライトコイン財団(Litecoin foundation)」によって運営が行われています。リー氏はライトコインをすべて売却した後、開発にコミットする方針を示し、2023年現在も主にツイッターを通じて進捗を報告しています。

公式サイトではライトコイン財団に所属するメンバーが顔写真付きで公開されています。

出資者

ライトコインに関して、出資が行われた情報は確認できませんでした。

暗号資産に関連するプロジェクトを立ち上げる際、多くはファンドや投資家から出資を募ります。ライトコインは、コミュニティや開発者の支援を受けながら成長してきたと考えられます。

ライトコイン(LTC)の目的

ライトコインは、ビットコインが抱えるスケーラビリティ問題を解決することを目的として誕生しました。取引情報を格納するブロックが、ビットコインは約10分に一つ生成されるのに対して、ライトコインは約2.5分に一つ生成される仕組みです。

ブロックのサイズは両者とも1MBで変わりませんが、生成される時間が異なるので、理論上はビットコインの4分の1の時間で処理を行うことできます。ライトコインはビットコインと比較して処理待ちが発生しにくく、マイナーへ支払う手数料を抑えることにもつながります。

ライトコイン(LTC)の技術的特徴

引用:https://litecoin.com/en/

続いて、ライトコインに関する技術的な特徴を挙げていきます。

承認方式はPoWを採用

ライトコインは、ビットコインと同様にPoWを採用しています。マイニングには、自分で環境を用意する「ソロマイニング」や、マイニング業者に出資して行う「クラウドマイニング」の方法があります。

2023年6月末には大きな高騰もあったことからマイニングの難易度は上昇しており、すでに個人レベルでの参入は厳しい状況です。

発行上限枚数や半減期がある

ライトコインの発行上限枚数はビットコインの4倍となる8,400万枚で、マイニング報酬が半分になる半減期も存在します。

ライトコインの半減期は4年に一度のペース(840,000ブロックごと)に訪れ、以前は2019年8月に迎えました。次の半減期は2023年8月7日頃と予想されており、報酬はブロックあたり「12.5LTC→6.25LTC」に変わる予定です。

ライトニングネットワークに対応

ライトニングネットワークとは、ブロックチェーンの外で取引を処理することによって、速度の向上や手数料の削減を期待できる送金方法のことです。ライトコインはこのライトニングネットワークにも対応しています。

ライトニングネットワークでは、2人のユーザーをオフチェーンでつなぐペイメントチャネルを使い、細かな取引はブロックチェーンとは別枠にまとめられます。そして、ペイメントチャネルを閉じると、最終的な取引結果のみがブロックチェーン上で記録される仕組みです。

この仕組みによりブロックチェーンの負担を削減し、マイクロペイメント(少額支払い)の手数料や処理速度に関する問題点の解決が期待されています。

Segwitによりスケーラビリティ問題を解決

ライトコインは著名な暗号資産の中で初めてSegwitを採用しました。Segwitによって、ユーザーが増えることで発生するスケーラビリティ問題に対する対策を行っています。

Segwitは、ブロックチェーンに書き込む「取引データ(いくら取引するか)」と「署名データ(誰が誰に送るか)」2つの情報のうち、署名データを異なる領域にまとめることで容量を節約する仕組みです。

この仕組みにより、一つのブロックチェーンに多くの情報を書き込むことができ、送金待ちが発生しづらくなり、スケーラビリティ問題の解決につながります。

ペイパルで採用

2020年10月、電子決済サービスのペイパルは自社のプラットフォームで、暗号資産の取り扱い開始を発表しました。対象は、ライトコイン、ビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュの4つで、暗号資産を用いて決済できるようになります。

日本ではまだ未対応ですが、2020年からはアメリカ、2021年にイギリス、2022年にはルクセンブルグなど、年々利用範囲を拡大しています。

ペイパルは電子決済分野で世界でもっとも高いシェアを誇る会社です。今後利用できる国が増えれば、ライトコインの需要も増えることでしょう。

ライトコイン(LTC)の将来性

続いて、ライトコインの現状を踏まえた上での将来性を見ていきましょう。

歴史のある銘柄で信頼性が高い

ライトコインは、2013年に誕生した歴史のある暗号資産です。すでに、決済手段として採用している会社があるように、暗号資産としての信頼性は高いといえるでしょう。

ライトコインは国内・海外問わず、すでにほとんどの取引所で取り扱いがあるため、上場することでの一過性の価格上昇は期待できません。今後は暗号資産全体の盛り上がりや決済で使われることでの需要拡大が、価格にポジティブな影響を与えると考えられます。

決済に絞って開発を進めているが過去にはトラブルが発生

昨今はDeFiやメタバースなどのDAppsをブロックチェーン上で開発できるプロジェクトが増えていますが、ライトコインは決済一本に絞っています。これはライトコインの公式サイトを見ても明らかです。

ライトコインは決済に用いる暗号資産としては一定の地位を築いていますが、過去にはライトコイン専用の決済処理システムLitePayで失敗したことがあります。

LitePayはライトコイン財団とは異なるLitePay社によって開発が進められていましたが、同社の透明性が低く、出資する資金の用途が明確でなかったことを理由に中止が発表されました。

LitePayに関する一連の出来事に対し、ライトコイン財団は「企業のリスク調査を徹底し、今後も健全な経営を続けていく」と発言しています。

ライトコインの必要性に疑問が生まれたことも

競合となる暗号資産が誕生し優位性がなくなる、ビットコインがライトニングネットワークを利用すれば不要になる、過去から進歩していないなど、ライトコインにとって逆風となる意見が蔓延しています。

しかしこれらは、ショート(価格が下がると利益になる)ポジションを持った人による確証のない意見であることが少なくありません。

創設者のチャーリー・リー氏はこうした意見に対して、ライトコインは他のアルトコインよりもセキュリティ面で優れており安価な決済手段であり、一般の人が閲覧できないブランチでアップデートを続けていることを強調しています。

リー氏はツイッターを通じて意見を発信しています。公の場での対応がライトコインコミュニティの人々を安心させ、強い結束につながっているようです。今後もコミュニティはライトコインにとって重要な要素となり、進化や採用拡大に大きな影響を与えるでしょう。

ライトコイン(LTC)の時価総額推移

ここでは、Coinmarketcapが提供するチャートを用いて、ライトコインの流通量や時価総額の推移を解説していきます。

流通量と発行上限数

引用:https://coinmarketcap.com/ja/currencies/litecoin/

ライトコインの総発行枚数8,400万枚のうち、7,326万5,977枚が発行済みです。すでに9割近いライトコインが発行されていますが、半減期が訪れるごとにマイニングされる枚数は減少するので、100%を迎えるのはまだ先です。

最後の半減期は、2142年頃と予想されています。

リアルタイムチャート

引用:https://coinmarketcap.com/ja/currencies/litecoin/

ライトコインは2021年9月に最高値「1LTC=約41,000円」を記録しましたが、その後は大きく値を下げ、現在は「1LTC=約15,000円」前後で推移している状況です。

最高値からは半値以下に落ちているものの、2023年初めからは上昇トレンドが続いています。再び最高値を目指す強い値動きになるか、暗号資産投資家の関心が集まります。

単体時価総額推移グラフ

引用:https://coinmarketcap.com/ja/currencies/litecoin/

時価総額は「単価×発行済み枚数」で求められます。ライトコインはバーン(市場から消失すること)機能がなく市場流通量が急増、急減することがないため、価格のチャートと同じような形を描くことが多いです。

現在の時価総額は約1兆円の10位で、11位のトロンの約9,800億円との差が詰まりつつあります。今後の値動きによってはTOP10を外れる可能性もあるでしょう。

他の上位銘柄との時価総額比較

ライトコインは2020年までランキング上位の常連でしたが、2021年と2022年はステーブルコインやミームコインなどの新興勢力に押されてTOP10から外れています。

2023年6月には、SECがバイナンスドルやポリゴンなどを有価証券と指摘(ライトコインは対象外)したことで、競合銘柄が大きく時価総額を下げています。2023年後半は再び勢いを取り戻しTOP10入りをキープできるか、注目していきましょう。

ライトコイン(LTC)を取扱っている暗号資産取引所

最後に、ライトコインを取り扱う取引所や保管方法を紹介していきます。

ライトコイン(LTC)の取扱いがある国内取引所

ライトコインは歴史のある暗号資産であり、ほとんどの国内取引所で取り扱いがあります。

主には以下の通りです。

  • コインチェック
  • ビットフライヤー
  • ビットバンク
  • GMOコイン
  • SBI VC トレード
  • ビットポイント
  • DMM ビットコイン

取引所選びで迷っている人は、ライトコインの取引手数料や取引所(ユーザー間での直接取引)で購入できるかをチェックするといいでしょう。

ライトコイン(LTC)の取扱いがある海外取引所

ライトコインは、多くの海外取引所で取り扱いがあります。

  • バイナンス
  • コインベース
  • クラーケン
  • クーコイン
  • バイビット
  • OKX
  • ビットフィネックス

2023年6月、バイナンスやコインベースが無断で証券の販売を行ったとして、SECから訴訟を受けています。両取引所はサービスの提供を続けることを公表していますが、今後出金停止や運営の中断も否定できない状況にあり、利用に際してのリスクが高まりつつあります。

海外取引所は、自己責任で利用するようにしましょう。

ライトコイン(LTC)の取得・購入および保管方法

ライトコインの取得や購入には以下の方法があります。

  • 暗号資産取引所やDeFiのプラットフォームで購入
  • レンディングで配当をもらう

また、保管方法は以下の通りです。

  • 取引所で保管
  • ライトウォレットなどのソフトウェアウォレットで保管
  • トレザーやレジャーナノなどのハードウェアウォレットで保管
  • ペーパーウォレットで保管

セキュリティ面を気にする人は、インターネットから切り離されたところで保管できるハードウェアウォレットがおすすめです。

ライトコイン(LTC)の今後の展望まとめ

ライトコインは暗号資産黎明期からある銘柄で、すでに決済手段としての実績があります。強固なセキュリティで市場からは評価されており、実用的なアルトコインとして足場を固めている状況です。

暗号資産決済が普及すれば、ライトコインの需要も自然に増加することが予想されます。そのために、ライトコインは健全な運営を続け、決済手段としての性能や機能を向上させることが求められます。

S.G

SG

月間100万PV超えの投資情報サイトや、ニュースサイトなど、暗号資産に関する記事を数多く執筆するフリーランスのライター。自身も2016年から暗号資産投資を行なっており、日進月歩の進化を遂げる暗号資産業界を常に追ってきた。ライター歴は3年で「文章で読者をワクワクさせ、行動に移させる」をモットーに執筆を行う。東南アジア在住、海外留学の経験があり、英語の翻訳記事も得意にしている。
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