Menu

SUSHI TOP MARKETING社が提供するNFT自販機とは?特徴と仕組みや具体的なマーケティング事例も解説

解説系記事

近年、NFTを活用したマーケティングの事例が多く生まれています。世にNFTが広がりつつある一方で「暗号資産(仮想通貨)とウォレットの準備」「ガス代の支払い」が普及を阻害する要因にもなっています。

そうした中で、2023年8月にマーケティング事業を行うSUSHI TOP MARKETING社が、大手町駅直結のビルにNFT自販機を設置したとして話題になりました。自販機を通じて獲得したNFTは、ブラウザウォレットを通じて保管することが可能です。

本記事では、SUSHI TOP MARKETING社が提供するNFT自販機の仕組みやNFTマーケットプレイスとの違いを詳しく解説していきます。

NFT自販機とは?

本記事で紹介するのは、SUSHI TOP MARKETING社が大手町ビル2階のMIRAI LAB PALETTEに設置したNFT自販機のことです。MIRAI LAB PALETTEとは、住友商事が2019年4月に立ち上げたプロジェクトもしくは場所であり、ビジネスから文化、芸術の分野で先進的な取り組みやイベントを開催しています。

過去にもNFT自販機は、東京の歌舞伎町やニューヨークの金融街に設置されたことがあります。いずれもNFTを身近に感じて興味を持ってほしいという思いから作られ、大きく話題を集めました。

SUSHI TOP MARKETING社が提供するNFT自販機は1回1,000円で利用でき、ハンドルを回すとQRコードが記載されたを含むカプセルが払い出されます。このQRコードを読み込むと、日本発のNFTであるVeryLongAmimalsの二次創作作品を入手できます。

NFT自販機は2023年5月から約半年間設置される予定です。暗号資産やウォレットの準備が必要なく多くの人に届けられることで、NFTの認知拡大が期待されています。

NFT自販機の特徴と仕組み

ここでは、NFT自販機の主な仕組みを紹介します。

  • ブラウザウォレットを使用
  • 入手したNFTを移動するためにはウォレットが必要
  • NFTはVeryLongAmimalsを採用

それぞれ詳しく見ていきましょう。

NFT Shotによるブラウザウォレットを使用

NFT Shotとは、SUSHI TOP MARKETING社が提供するNFT配布サービスです。発行側が画像をアップロードするとQRコードが自動で生成され、受取側はそれを読み込むだけでNFTに触れることができます。

そして、読み取ったNFTはブラウザウォレットに一時的に保管されます。ブラウザウォレットとは、NFTウォレットを持っていない人でも受信できるようになる仕組みのことです。メタマスクやトラストウォレットなどの、ブラウザの拡張機能として利用できるウォレットとは定義が異なります。

ブラウザウォレットは、名前の通り端末にインストールされているブラウザに紐づいたウォレットですが、キャッシュを削除してしまうとNFT自体も失われてしまうので注意してください。

入手したNFTを移動するためにはウォレットが必要

QRコードを読み取りNFTを受け取った段階では、まだブラウザウォレットに一時的に保存されている状態です。どのような作品であるかは確認できますが、外部のウォレットに移動したり、転売することはできません。

NFT自販機から入手したNFTをブラウザウォレットから移動するためには、ソフトウェアウォレットのメタマスクが必要です。具体的な手順は以下の通りです。

①QRコードを読み取り作品を確認
②「マイページに移動」を選択
③「NFTを移行する」を選択
④メタマスクのアドレスを入力
⑤SUSHI TOP MARKETING社のロゴを選択

メタマスクに移動した後は、他のNFTと同様自由に売買できるようになります。

NFTはVeryLongAmimalsを採用

SUSHI TOP MARKETING社が提供するNFT自販機からは、VeryLongAmimalsの二次創作作品7種類のいずれかを入手できます。VeryLongAmimalsとはMEISO合同会社が運営する日本発のNFTプロジェクトであり、可愛らしく描かれた顔の長い動物が特徴的です。

VeryLongAmimalsは、個人、法人、商用、非商用など条件を定めていません。作風を活かして加工した二次創作作品の制作や、お店のキャラクターにすることも認めています。NFT自販機以外にも芸能人やインフルエンサー、事業会社とのタイアップ実績が多くあり、特に大学生を中心とした若者に人気です。

作品の種類は多岐に渡り、投機や転売よりも作品を見て楽しんだりコミュニティ内で共有するといった用途が中心になっているようです。

NFTマーケットプレイスとの違い

NFT自販機とNFTマーケットプレイスでは、主に以下の点で異なります。

NFT自販機

  • VeryLongAmimalsの二次創作作品のみ入手できる
  • 現金で購入できる
  • ウォレットの準備が必要ない

NFTマーケットプレイス

  • VeryLongAmimals含むさまざまな作品の売買ができる
  • 取引には、原則暗号資産が必要になる
  • ウォレットがないとNFTを受送信できない

NFT自販機で入手できるのはVeryLongAmimalsの二次創作作品のみです。さまざまな作品を閲覧し購入できるNFTマーケットプレイスとは大きく異なります。

一方でNFT自販機は現金で利用できることに加え、専用のウォレットを準備する必要がありません。スマートフォンがあればNFTを保有し閲覧できるのでハードルが低く、多くの人にNFTに触れてもらうことができます。

NFT自販機はWeb3.0と判断できるのか

現状NFT自販機の仕組みは、Web3.0とは判断できません。

Web3.0とは「分散型インターネット」とも表現され、ブロックチェーンの仕組みを活用して管理者のいない状態でコンテンツを共有したり、暗号資産のやり取りができます。データの所有権はプラットフォームではなくユーザーにあることや、端末同士での通信が可能なことが特徴です。

NFT自販機ではNFT Shotという仕組みがベースとなっていますが、公式サイトでは「SUSHI TOP MARKETINGが開発するNFT配布サービス」と記載があります。そのため、NFT Shotは現時点で自立、分散的に動く仕組みではないと考えられます。

NFT自販機はWeb3.0の要素は含みません。一方でSUSHI TOP MARKETING社ではWeb3.0時代を見据えてトークングラフマーケティングを推進しています。このトークングラフマーケティングについては、次の見出しで詳しく解説します。

SUSHI TOP MARKETING社の取り組みについて

ここでは、SUSHI TOP MARKETING社の取り組みを紹介します。

・トークングラフマーケティングの推進
・東急電鉄の「開業記念NFTプロジェクト」
・NFTガチャ「開運福引き」

それぞれ詳しく見ていきましょう。

トークングラフマーケティングの推進

SUSHI TOP MARKETING社では、Web3.0時代に向けたトークングラフマーケティングを推進しています。トークングラフマーケティングとはNFTを利用したマーケティング手法です。

現在のデジタルマーケティングでは、Cookieによって顧客の情報を取得することが増えていますが、近年規制が強まりつつあります。Cookieには個人を特定できる情報は含まれないものの、企業側でWeb上の行動履歴が見え、個人情報以上のことも把握できる可能性があります。そのため、プライバシーの侵害や、情報の転売、流出の危険性も指摘されてきました。

トークングラフマーケティングでは、ブロックチェーン技術を活用して匿名性を維持した上で、NFTの所有履歴から趣味嗜好を予測し、顧客に対して最適なマーケティング手法の選択が可能です。

現在、SUSHI TOP MARKETING社ではウォレットの普及率が低い点を課題と捉えており、NFTの普及を後押しするサービスを提供しています。主には、ウォレットがなくても利用できるNFT自販機やNFT名刺、NFTコンビニなどがあります。

東急電鉄の「開業記念NFTプロジェクト」

2023年3月、SUSHI TOP MARKETING社は東急電鉄と協業し、東急新横浜線開業を記念して限定NFTをリリースしました。NFTのデザインは車両やイラストなど4種類があり、約3ヶ月間無料で配布されました。

この取り組みでも、ブラウザウォレットの仕組みを活用しています。顧客は暗号資産やウォレットを持っていなくてもNFTを受け取ることができ、開業記念コンテンツや保有者限定の特典コンテンツも用意されました。

NFTガチャ「開運福引き」

NFTガチャの「開運福引き」とは、QRコードを読み込むことでNFTの限定画像や500円分の買い物券、おみくじ、グッズの10%引き券などが当たるデジタルガチャのことです。観光名所の京都タワーに設置され、20日間で5,906名の人がNFTを受け取りました。

この取り組みでもブラウザウォレットが活躍し、中にはNFTをもらうために京都タワーに訪れた人もいたようです。

まとめ

NFT自販機から獲得したNFTはブラウザウォレットに保存され、暗号資産やウォレットを持っていなくても閲覧できます。今までNFTはハードルが高いと感じていた人も、触れやすさを感じることでしょう。

今後NFTは投機や、作品の閲覧、収集だけでなく、マーケティングでも活用されることが予想されています。

SUSHI TOP MARKETING社ではトークングラフマーケティングという今までにない手法を推進しています。デジタルマーケティングに興味がある人は、SUSHI TOP MARKETING社が提供する取り組みに注目してみてください。

S.G

SG

月間100万PV超えの投資情報サイトや、ニュースサイトなど、暗号資産に関する記事を数多く執筆するフリーランスのライター。自身も2016年から暗号資産投資を行なっており、日進月歩の進化を遂げる暗号資産業界を常に追ってきた。ライター歴は3年で「文章で読者をワクワクさせ、行動に移させる」をモットーに執筆を行う。東南アジア在住、海外留学の経験があり、英語の翻訳記事も得意にしている。
Author