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【時価総額TOP20】チェーンリンク(LINK)について徹底解説

解説系記事

チェーンリンクは、ここ1年で時価総額が大幅に上昇している暗号資産(仮想通貨)です。2022年末時点では時価総額ランキング20位にも入っていないアルトコインでしたが、2024年2月現在は12位にランクインしています。

チェーンリンクが上昇した背景には、RWA(Real World Asset)トークンが大きく影響しています。RWAトークンは言い換えると「現実世界の資産のトークン」であり、資産価値のあるものの権利をトークン化したものを示します。

本記事では、チェーンリンクの概要や誕生から現在までの歴史、特徴や将来性をまとめました。2024年以降も大きな発展を期待できるので、記事を読んで理解を深めていきましょう。

チェーンリンク(LINK)とは

チェーンリンクとは、ブロックチェーン開発企業であるスマートコントラクト社によって開発されたプラットフォームです。また、そのプラットフォーム上で利用される暗号資産も同様にチェーンリンク(LINK)と呼びます。

チェーンリンクは、異なるブロックチェーン同士の取引を簡単に行い、スマートコントラクトが実社会で活用されることを目的に誕生しました。2019年5月にメインネットがリリースされ、すでに不動産や貿易、金融などの業界で応用されています。

また、近年投資家の間で注目を集める、RWAトークンを大規模に提供できるプラットフォームとしても話題です。2024年2月には、チェーンリンクの公式X(元Twitter)が以下のような投稿を行いました。

“Traditional financial institutions need data, compute, and cross-chain capabilities to adopt blockchains and tokenized #RWAs at scale.

Only the Chainlink platform provides all three.”

伝統的な金融機関が大規模にRWAを提供する場合には、データ、コンピュート、クロスチェーンの3つの要素が必要です。

チェーンリンクは3つすべてを揃えていることを強調しています。

NFTやDeFi、メタバースはあくまでデジタルの世界に限られた存在であり、現時点では一部の人にしか触れられていません。しかし、RWAトークンの用途は幅広く、伝統的な金融市場を含めたさまざまな業界へ応用されることが期待されています。

チェーンリンク(LINK)の誕生〜現在までの歴史

ここでは、チェーンリンクが誕生してから、現在に至るまでどのような道を歩んできたかを紹介していきます。

創設者

創設者は、ロシア人起業家のセルゲイ・ナザロフ氏です。ナザロフ氏は1990年に米国に移住しエンジニアだった両親の指導を受けてプログラムを学び、ニューヨーク大学に進学しました。

その後、ベンチャーキャピタルのFirstMark Capitalへインターンに行きブロックチェーン技術に興味を持ちました。その後数社の勤務を経て、チェーンリンクの開発に着手した経緯があります。

ナザロフ氏はブロックチェーン分野で成功を納めた1人であり、2019年には暗号資産メディアのCoindeskから「ブロックチェーンで最も影響力のある人物」に選ばれました。業界ではナザロフ氏はビットコインを世に生み出した「ナカモトサトシ」である、とまでも噂されていますが、明確な証拠はありません。

ナザロフ氏は起業家であるとともにエンジェル投資家でもあり、UberやAirbnbなどの有名企業にも積極的に投資を行っています。

運営チーム

運営と開発はChainlinks Labsによって行われています。Chainlinks Labsは、API、IoTデバイス、決済システムなど、あらゆるデータをブロックチェーンに接続し、実用化を進めています。

2021年12月にはGoogleの元CEOであるエリック・シュミット氏が、戦略アドバイザーとしてChainlinks Labsに参加したことで話題となりました。

出資者

チェーンリンクは2017年に2回のICOを実施し、合計3,200万ドル(約35億円)の資金を調達しました。

現在は暗号資産ファンドのグレースケールが提供する投資商品「Digital Large Cap Fund」にもチェーンリンクが組み入れられており、将来性を期待されています。

チェーンリンク(LINK)の目的

チェーンリンクの目的は「異なるブロックチェーン間の取引を容易に行い、スマートコントラクトを実社会で活用すること」です。

創設者のセルゲイ ナザロフ氏はベンチャーキャピタルでの経験を通じて、ブロックチェーンと現実世界のデータには大きな隔たりがあることを感じていました。そうした状況の中で、「ブロックチェーンネットワークと現実世界のデータの間のギャップを埋める」というビジョンを掲げ、数名の協力者と共にチェーンリンクを創設しました。

チェーンリンクは拡張性や信頼性、セキュリティの点において、ブロックチェーンコミュニティで広く受け入れられています。実績も幅広く、サプライチェーンや金融、保険など数多くの事例が生まれています。

チェーンリンク(LINK)の技術的特徴

次にチェーンリンク(LINK)の技術的な特徴を解説していきます。

スマートコントラクトと外部のブロックチェーンをつなぐ機能を持つ

一般的なスマートコントラクトは、基本的にブロックチェーン上でのみ実行される仕様です。この仕様によりセキュリティが担保される一方で、外部のデータやAPIと通信することができないため、柔軟性に劣るという弱点がありました。

チェーンリンクは異なるブロックチェーンをつなぎ、外部のデータとを橋渡しするミドルウェア(中間処理役)の役割を持ちます。これをオラクルと呼び、複数のノードで取引処理を検証することで、分散的な仕組みを実現しました。

暗号資産チェーンリンクは、オラクルサービスを提供するノードオペレーターへの支払いに用いられます。ステーキングをして配当を稼ぐことも可能ですが、現在は預け入れできる上限に達しており、次の募集を待たなければならない状況です。

RWAトークンの分野で大きな期待

RWA(Real World Asset)とは日本語訳で「現実世界の資産」になります。RWAトークンとは不動産や株式、金、債権や美術品、骨董品など、資産性があるものの保有権利を示すトークンです。

現在、個人や小規模な事業者が資産を出品して大規模な資金調達をする際には、証券会社や法的機関の審査や手続きを行わなければなりません。これには時間とコストが合わず、労働力の限られる事業者には実現が困難です。

しかし、ブロックチェーン上で発行されるRWAトークンは売買が容易です。既存の仕組みのように、売買に時間やコストをかける必要がありません。ブロックチェーン技術によって高い透明性を保ったまま、投資家へ所有権を受け渡すことができます。

また、流動性の向上にも期待できます。既存の仕組みでは株式や不動産など、一般には取引されない資産も多数存在します。RWAトークンは多くの人に取引されるようになり、価格の安定性が増すことでしょう。

柔軟なフレームワークで構築

チェーンリンクは、さまざまなAPIから情報を受け取ることが可能です。従来のスマートコントラクトは柔軟性に劣るという弱点がありましたが、チェーンリンクは「ハイブリッド スマートコントラクト」という仕組みでこれを解決しました。

ハイブリッドスマートコントラクトとは、オンチェーン(ブロックチェーン上で実行されるコード)とオフチェーン(ブロックチェーン外のデータ)の計算を組み合わせた仕組みです。チェーンリンクの特徴であるオラクルによって、オフチェーンのデータがブロックチェーンに安全な道筋で提供されることで、柔軟性とセキュリティの強さを実現しました。

2021年8月には、Google Cloudの天気データが利用できるようになりました。これにより、気候に対する主観の介入を排除し、保険決済に影響を及ぼすような誤った決定を避けられるメリットがあります。

チェーンリンク(LINK)の将来性

ここでは、チェーンリンク(LINK)の将来性について解説していきます。

RWAトークンの発展

RWAトークンの市場は、2030年に1,500兆円規模に成長すると予想されています。チェーンリンクはRWAトークンの普及に必要な要素を兼ね備えており、筆頭銘柄の一つになっています。

すでに実証実験も行われており、2023年9月にはオーストラリアの金融大手のANZ銀行が、チェーンリンクの技術を活用して、RWAトークンの取引を行ったことが発表されました。

RWAトークンは不動産や株式、債権を始め、美術品や貴金属などすべての資産が対象になります。その市場に対する期待は大きく、今後も実証実験を重ねながら発展していくと考えられます。

既存金融の仕組みを変える可能性

RWAトークンは資産の所有権をトークン化したものであり、プラットフォームで自由に売買できます。従来はオフチェーンで取引されていた資産が、ブロックチェーン上で取引可能となり、既存金融の仕組みを大きく変える可能性があります。

現在オフチェーンで取引されている資産は800兆ドル以上あるといわれています。その一部がRWAトークンに置き換わるだけでも、市場には大きなインパクトとなることでしょう。

現在RWAトークンは暗号資産市場のトレンドであり、JPモルガンやアポロなど大手金融会社によっても実証実験が行われています。しかし、課題があることも事実です。トークンに関する法整備や規制が進み、販売に制限がかかる可能性があります。また、実物資産とのリンクをどのように維持するか、という課題も残されています。

ステーキングサービスの再開

チェーンリンクでは、自身が持っている暗号資産を預けて流動性を提供することで配当がもらえる、ステーキングサービスを提供しています。2023年11月には「Chainlink Staking v0.2」プログラムのリリースを発表し、2月現在では40,875,000LINK(約1,200億円)がロックされています。

チェーンリンクのステーキングは、好きなタイミングで預けられる仕組みではありません。そのため、参加したい場合は次の募集を待つことが必要です。チェーンリンクの人気はここ1年でも急上昇しており、次の募集時もすぐに埋まってしまうことが予想されます。

チェーンリンク(LINK)の時価総額推移

ここでは、Coinmarketcapのチャートを用いて、チェーンリンク(LINK)の流通量や時価総額の推移を解説していきます。

流通量と発行上限数

暗号資産チェーンリンクの発行上限枚数は10億枚で、そのすべてが発行されています。

リアルタイムチャート

現在のチェーンリンクの価格は「1LINK=2,743.93円」です。2023年末くらいから強く上昇し、高値圏で推移しています。

チェーンリンクが最高値だったのは2021年10月であり、その時は「1LINK=5,677円」を記録しました。急激に上昇する中でも、まだ半値以下にしか到達していません。

単体時価総額推移グラフ

時価総額は値動きとほぼ同じチャートを形成しています。

すでに発行上限に達していて、チェーンリンクが再発行やバーンされる予定はありません。今後も値動きによって時価総額が変動することになります。

他の上位銘柄との時価総額比較

リンクが時価総額10位以内にランクインしたのは、2020年の1回のみです。

2023年末から大きく時価総額を伸ばし、2024年には一度時価総額10位につけました。今後RWAトークンが普及することで、さらに上の順位を狙える可能性があります。

チェーンリンク(LINK)を取り扱っている暗号資産取引所

最後に、チェーンリンクを取り扱っている暗号資産取引所や、保管方法をまとめていきます。

チェーンリンク(LINK)の取扱いがある国内取引所の例

国内で暗号資産チェーンリンクを取り扱っている取引所は、主に以下の通りです。

  • コインチェック
  • ビットフライヤー
  • ビットバンク
  • GMOコイン
  • SBI VCトレード
  • DMM ビットコイン

日本国内でも注目度が高く、多くの取引所で取り扱いがあります。

チェーンリンク(LINK)の取扱いがある海外取引所の例

チェーンリンクは、主に以下の海外取引所で取り扱いがあります。

  • バイナンス
  • コインベース
  • バイビット
  • OKX
  • Gate.io
  • クラーケン

主要な取引所では、原則取り扱いがあるといっていいでしょう。

チェーンリンク(LINK)の取得・購入および保管方法

チェーンリンクの取得方法は、主に以下の通りです。

  • 取引所で購入する
  • DeFiで他の暗号資産と交換する

保管方法は以下が挙げられます。

  • 取引所で保管する
  • メタマスクやマイイーサウォレットなどのソフトウェアウォレットで保管する
  • トレザーなどのハードウェアウォレットで保管する

チェーンリンクは、ERC-20を拡張したERC-677規格のトークンです。主には、取引所やソフトウェア、ハードウェアウォレットで保管する方法があります。

チェーンリンク(LINK)の今後の展望とまとめ

チェーンリンクは、RWAトークン流行の後押しがあり直近で大きく時価総額を伸ばしています。RWAトークンは実世界の資産の所有権を持つトークンであり、秘めているポテンシャルは非常に大きいです。

一方で、法整備や規制がかかりトークンの売買に制限がかかる場合や、実物資産とのリンクをどのように維持するか、という懸念も残ります。RWAトークンにはまだ不確定な要素も多いため、今後も注意深く動向を見守る必要があるでしょう。

S.G

SG

月間100万PV超えの投資情報サイトや、ニュースサイトなど、暗号資産に関する記事を数多く執筆するフリーランスのライター。自身も2016年から暗号資産投資を行なっており、日進月歩の進化を遂げる暗号資産業界を常に追ってきた。ライター歴は3年で「文章で読者をワクワクさせ、行動に移させる」をモットーに執筆を行う。東南アジア在住、海外留学の経験があり、英語の翻訳記事も得意にしている。
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