Japan Open Chain(JOC)は国内有名企業がバリデーターとして参加するWeb3プロジェクトです。2024年にJOCトークンのIEOが予定されていることから、大きな注目を集めています。
本記事ではMade in JapanのブロックチェーンであるJOCの概要、特徴、競合チェーン、活用事例を詳しく解説します。
この記事の構成
JOCとは?
項目 | 説明 |
トークン/銘柄名 | JOC(Japan Open Chain) |
使用ネットワーク | Japan Open Chain |
発行年 | 2024年予定 |
開発/運営 | 日本ブロックチェーン基盤株式会社 |
関連サイト | https://www.japanopenchain.org/ |
JOCは、日本ブロックチェーン基盤株式会社が開発を進める「Japan Open Chain」のネイティブトークンです。JOCトークンは、ネットワーク上での手数料支払いに使用される他、バリデーターへのインセンティブ報酬でも使われます。日本発のブロックチェーンプロジェクトで、2024年にIEOが予定されていることから、大きな注目を集めています。
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JOCの特徴
- Ethereumとの完全互換
- Proof of Authority
- Made in Japan
Ethereumとの完全互換
JOCはEthereumと互換性があり、Ethereumで開発されたDAppsをそのまま利用できます。
Proof of Authority
JOCはProof of Authority(PoA)と呼ばれるコンセンサスアルゴリズムを採用しています。PoAでは、事前に承認された参加者のみがブロックを生成できるため、高いセキュリティが期待できます。
Made in Japan
JOCは日本発のブロックチェーンプロジェクトです。バリデーターにはNTTや電通など有名な国内企業が参加しており、ネットワークは高い信頼性を有します。
JOCはどんなユーザーにおすすめ?
JOCはユーザー側だけでなく、Web3ビジネスに成長チャンスを求める個人や企業にとっても有力な選択肢といえます。
ユーザー
JOCは、金融やビジネスの分野でEthereumと互換性のあるブロックチェーンです。安全でクリアな暗号資産取引を模索する個人や企業にとって、信頼できるソリューションとなります。
運営/開発者
Web3ビジネスを進める企業や個人、NFTクリエイターにとって、JOCは魅力的なWeb3プラットフォームです。NFT制作やバリデーター参加は大きなビジネスチャンスになります。JOCデベロップメント・パートナー・プログラムに参加する企業には、最大1万JOCトークンを配布する取り組みも行っています。
JOCトークンはどこで買える?
現在IEOを準備している段階であり、取引所などでは購入できません。JOCのシンボルや似たような名前の銘柄はJapan Open Chainとは関係がないので、注意してください。
一方で、IEO前にJOCトークンとNFTを報酬として貰える手法があります。詳細情報を「JOCの使用方法」で解説しています。簡単なプロセスですので、IEO前にNFTと1JOCを入手してみましょう。
JOCの使用方法
JOCはEthereum補完プロジェクトということで、メタマスクで利用可能です。しかし、公式サイトでは、JOC公式バリデーターのG.U.Technologies株式会社が提供する「G.U.Wallet」の利用が推奨されています。
ここでは、G.U.Walletを用いたJOCの使用方法についてステップバイステップで解説します。
G.U. Walletの準備
まずはG.U.Walletの準備をします。ダウンロードサイトから「Add to Chrome it’s free」をクリックしてください。ダウンロード後にパスワード設定をするだけで簡単に利用できます。
JOCダッシュボードの利用
ウォレットの準備ができたらJOCダッシュボードにアクセスします。ここでウォレット接続が必要です。
Ethereumに対応したウォレットであれば、問題ありません。G.U. Walletの場合は「Browser wallet」を選択して署名をしてください。
JOCダッシュボードは、JOCのウェブアプリです。DAppsやNFT作成のサポート機能を利用できます。また、Japan Open Chainでの保有銘柄残高も確認できます。
JOCトークン入手
JOCコミュニティに参加することで、NFTと1JOCが入手できます。メールアドレスを登録し、規約を確認することでコミュニティに参加します。まずは、コミュニティに参加してNFTを入手しましょう。
ログインに使用したウォレットに自動でNFTと1JOCが送金されますので、確認してください。
DApps、NFT作成
開発者向けのページも用意されています。
テストネットの利用やテストネットトークンの入手が可能です。また、SDK(ソフトウェア開発キット)を用いたDApps、NFT作成もできます。
JOCの競合チェーン
チェーン | JOC | Polygon | Cardano |
コンセンサス | PoA | PoS | Outrageous(PoS) |
ネイティブトークン | JOC | MATIC | ADA |
開発運営 | 日本ブロックチェーン基盤株式会社 | Polygon Technology | Input Output(IOG/IOHK) |
チェーンオープン | 2024年予定 | 2017年 | 2017年 |
PolygonはEthereumとの互換性を持ちつつ、低コストでスピーディなトランザクションが可能です。CardanoもEthereumとの互換性があり、高いスケーラビリティを実現させています。NFT開発やトレードといった観点からもPolygonやCardanoはJOCの競合チェーンといえます。Ethereum互換を追求したブロックチェーンは数多くありますが、JOCはMade in Japanということから、信頼性の面でアドバンテージを有します。
JOCのバリデーター
バリデーターへの国内企業参加はJOCへの信頼性を大きく向上させています。NTTコミュニケーションズ、株式会社電通、G.U.Technologies株式会社、株式会社みんなの銀行、ピクシブ株式会社、京都芸術大学といった有名な企業や大学が日本発のブロックチェーンプロジェクトを支援しています。
バリデーターへの参加は、基本的に国内企業に限定されています。これはプロジェクトを日本の法律に準拠させるためです。海外企業でも日本法人であればバリデーター参加はできます。
バリデーター企業の募集は常時行われており、将来的には日本の法制度に対応した海外法人も半数程度の割合で増やしていく計画があります。
JOCの活用事例
JOCトークンのIEOこそされていませんが、JOCネットワークを利用した活用事例は多くあります。ここでは、JOCの活用事例をまとめて解説します。
e-加賀市民証NFT
石川県加賀市では、2021年から「e-加賀市民制度」という取り組みの中で、デジタルドメインにおける市民創出を進めてきました。2024年3月には、JOCから「e-加賀市民証NFT」を発行することを表明しています。e-加賀市民証NFTとマイナンバーカードのリンクも計画されており、JOCの用途拡大の事例として大きな注目を集めています。
参照:JOC「石川県加賀市のe-加賀市民制度で提供される「e-加賀市民証NFT」がJapan Open Chain上で発行」
ステーブルコインへの取り組み
JOCでは、みんなの銀行、オリックス銀行、東京きらぼしフィナンシャルグループ、四国銀行などと、国内法に準拠したステーブルコイン発行計画を進めています。日本では2023年6月、ステーブルコインを規制する法律(資金決済法)が改正され、法定通貨に連動したトークンの発行が可能になりました。JOCは制度の転換に一早く対応し、銀行や関連技術会社とステーブルコイン試行実験を進めています。
参照:JOC「オリックス銀行と特定信託受益権型のステーブルコイン発行に向けた実証実験開始のお知らせ」
NFT Shotとの接続
企業のNFTマーケティングを支援するSUSHI TOP MARKETING株式会社は、JOCを利用したNFT配布ソリューション「NFT Shot(特許出願中)」を展開します。NFT Shotを使うことで、NFTのウォレットレス配布などが可能になります。
JOCの展望
2024年はJOCのIEOが計画されていることから、プロジェクトにとって節目の年になります。ここでは、2024年4月時点のプロジェクト進捗状況、独自の取り組みをまとめて解説します。
ロードマップの進捗状況
フェーズ | ビジョン | 実施計画 |
0-2 (立ち上げ) | 基盤づくり |
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3 (一般開放) | 一般利用者への利用環境整備 |
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4以降 | エコシステムの規模・分散性拡大
ネットワークの堅牢性・安定性向上 |
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2024年4月時点でフェーズ2まで完了している状態です。開発環境やメインネットワークが利用できます。フェーズ3以降はIEOの成否が重要なポイントといえます。
EIP4337対応
JOCプロジェクトでは、将来的にEIP4337対応を目指しています。EIP4337対応によって、スマートコントラクトによるアカウント機能が強化されることが期待できます。ワンタイムパスワードと生体認証の多重承認や、組織によるアカウント管理でセキュリティ向上を図ります。
ブロックチェーンのインターオペラビリティ
JOCと他ブロックチェーンとの相互運用(インターオペラビリティ)の計画もあります。異なるブロックチェーン間でトークンやデータを自由にやり取りできる環境を整備することで、JOCは世界規模のブロックチェーンネットワークとして成長を遂げる可能性があります。
まとめ
JOCは知名度の高い国内企業がバリデーターとして参加する大型のWeb3プロジェクトです。特に、PoAで国内法を遵守した法人バリデーターが多く参加する意義は大きいといえます。
以上、JOCの概要、特徴、競合チェーン、活用事例を解説させていただきました。日本発の有力なWeb3プロジェクトとして、これからの展開に注目です。
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