Theta NetworkはWeb3時代の動画配信プラットフォームです。動画クリエイターと視聴者双方にメリットのあるエコシステムが幅広い層から支持を集めています。
本記事ではTHETAの概要や始め方、注意点をまとめて解説します。
この記事の構成
Theta Network(THETA)とは?
出典:https://www.thetatoken.org/
Theta Networkは、ブロックチェーン技術を活用した分散型動画配信プラットフォームです。ネットワークのリソースをユーザー同士で共有することで、動画配信コストを削減し、高品質なストリーミングを実現します。自分のインターネット回線を使って、他の人に動画データを分け与えることで、暗号資産を報酬として受け取ることも可能です。
THETAのトークン
比較項目 | Theta (THETA) | Theta Fuel (TFUEL) | ThetaDrop(TDROP) |
種類 | ガバナンストークン | ユーティリティトークン | ユーティリティトークン |
用途 | ステーキング
ネットワーク管理 |
取引手数料
サービス利用 投げ銭 ステーキング報酬 |
NFTのエコシステム |
最大供給量 | 10億 | 無制限 | 20億 |
Theta Networkの分散型動画配信エコシステムを支えるのは2つのネイティブトークンです。Theta (THETA)は、ネットワークのガバナンストークンとして機能します。ステーキングを通じてネットワークの運営や意思決定に参加できます。総供給量は10億枚です。
一方、Theta Fuel (TFUEL)はユーティリティトークンとして、取引手数料の支払いやサービス利用、さらには投げ銭やステーキング報酬に使用されます。供給量に制限はなく、ネットワーク内のトランザクションや経済活動を円滑に進める役割を果たします。TDROPはNFT関連のエコシステムで使用されます。
THETAは日本でも買える?
日本国内でもBinance JapanでTHETAを購入することが可能です。ペアはTHETA/BTCのみとなります(2024年12月時点)。BTC以外の暗号資産を保有している方は一度BTCとトレードする必要があります。TFUELとTDROPは国内取引所で購入することはできません。
THETAの開発運営者情報
出典:https://www.thetatoken.org/
運営や投資者情報が明確だということは、プロジェクトの信頼性を高めます。THETAは運営や投資者情報が明らかにされているWeb3プロジェクトです。
Theta Networkの創設者はミッチ・リウ(CEO)とジェイ・ロング(CTO)です。ミッチ・リウはゲームや動画ストリーミング業界での経験を活かし、プロジェクトの戦略を主導しています。ジェイ・ロングは技術開発の担当者です。また、Sony Innovation FundやGREEなど、日本企業からの出資も受けています。
Theta Networkの始め方
Theta Networkでは、さまざまなエントリーゲートからプロジェクトに参加できます。コンテンツ制作者として収益化を目指すのか、視聴者としてコンテンツを楽しみながら報酬を得るのか、またはノード運営者やトークン保有者としてネットワークを支えるのか、自分に合ったポジションを選択することが重要です。以下で、それぞれの参加方法をわかりやすく解説します。
コンテンツ制作者(クリエイター)
Theta Networkに動画をアップロードし、視聴してもらうことで収益をあげることができます。
1. アカウント登録とアプリ作成
Theta Video APIの公式サイトで無料の開発者アカウントを作成し、ダッシュボードからアプリを新規作成します。このアプリでアップロードした動画を管理します。アプリの「Settings」タブでAPIキーを確認することで、バックエンドからの操作も可能です。
2. 動画のアップロードと公開
ダッシュボード上で「New Video」ボタンを押して動画をアップロードします。完了後に再生リンクが自動生成されます。このリンクを視聴者と共有するか、ウェブサイトに埋め込むことでコンテンツを公開することができます。
3. 視聴者から報酬の獲得
公開した動画を視聴者が再生する際、投げ銭(TFUEL)を得ることが可能です。アクセス料を設定して収益化もできます。アクセス料金を設定する際はNFTを利用し、特定視聴者へ限定公開をします。
視聴者
視聴者はコンテンツを視聴し、TFUELでクリエイターに報酬を与えます。逆に動画視聴によって収入を得ることも可能です。
1.ウォレットの作成
出典:https://www.thetatoken.org/
まずは、Theta Walletを作成し、TFUELを使える状態にします。専用ウォレットもありますが、MetaMaskでもTFUELを使用できます。
出典:https://www.thetatoken.org/
2.コンテンツ視聴
Theta.tvや他のTheta対応サービスで好みのコンテンツを視聴します。
3.投げ銭や支払い
気に入ったコンテンツクリエイターにTFUELで投げ銭を行い、直接支援します。
4.報酬の受け取り
視聴中に広告やデータ共有でTFUELを獲得する場合もあります。
ノード運営者
項目 | Guardian Node | Edge Node |
役割 | ネットワークの維持、検証 | 動画配信、計算処理
ストレージ提供など |
報酬 | ステーキング量に応じたTFUEL | 提供帯域、計算能力、
ストレージに応じたTFUEL |
ステーキング | 最低1,000THETAが必要 | ステーキング不要 |
デバイス条件 | CPU4コア
16GBメモリ 5Mbps以上の通信速度 |
Guardian Nodeと同等 |
ノードはTheta Networkの稼働維持に貢献します。参加条件がいくつかあるのでしっかりと押さえておきましょう。
1. 必要条件の確認
Guardian Nodeの運用には、最低1,000THETAのステーキングが必要です。またデバイスの推奨条件として、インターネット速度は上下5Mbps以上、CPUは4コア以上、メモリは16GB以上が挙げられています。十分なリソースが確保されていれば、ノードの安定した運用が可能となり、Theta Networkに貢献できます。
Edge Node参加者には1,000THETAのステーキング条件はありません。しかし、Guardian Nodeと同等なデバイススペックが求められています。
2. ノードソフトウェアを選択・セットアップ
Guardian Nodeのノードソフトウェアには、GUI版、CLI版、Google Cloud Marketplace版の3種類があります。初心者には、直感的な操作が可能なGUI版がおすすめです。CLI版はLinux環境向け、Google Cloud版はクラウドで運用したい場合に便利です。
3. ステーキングを開始(Guardian Node)
Guardian Nodeは最低1,000THETAをステーキングします。ウォレット内でノードの公開キーを入力し、ステーキング手続きを完了させます。ステーキングの成果を定期的に確認しましょう。
4. ノードの監視
ノードが正常に動作しているかをThetaのブロックチェーンエクスプローラーで確認します。稼働状況やネットワークの状態を定期的にチェックし、問題が発生した場合はインターネット接続やデバイスの状態を確認し、必要に応じて再設定を行います。
ステーカー(ステーキング利用者)
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THETAやTFUEL、TDROPをステーキングして、ネットワークの運営や安定性向上に貢献します。ステーキングしたトークンは、ネットワークにロックされ、報酬が発生します。
1. 必要なトークンと環境の準備
まず、自分がステーキングするトークン(THETA、TFUEL、TDROP)を決めます。収益として手にしたTFUELを運用するという戦略も有効です。
2. ノードソフトウェアのインストール(必要な場合)
THETAまたはTFUELをステーキングする場合は、ノードソフトウェアをインストールします。公式サイトから、対応するバージョン(GUI版、CLI版、Google Cloud版)をダウンロードし、指示に従ってセットアップを行います。
TDROPの場合はウォレット操作のみで済むため、上記ステップは不要です。Andoroid版アプリから利用することもできます。
3. ステーキング手続きの実行
ウォレットを使用してトークンをステーキングします。対象トークン(THETA、TFUEL、TDROP)とステーキング量を指定して手続きを進めます。
4. 報酬と運営状況の確認
ステーキングが完了すると、報酬がネットワークの運営貢献度、ステーク量に応じて定期的に支払われます。ウォレットやノードの管理画面から運営状況や報酬の詳細を確認します。
Theta Networkの注意点
- 技術的課題
- 暗号資産市場の動向
- 税制対応
Theta Networkは革新的な分散型動画配信プラットフォームですが、技術面の課題やトークン価値の変動、税制へのリスクを理解する必要があります。特に投資や運用を目的とする場合、これらの注意点を考慮し、十分な情報収集をすべきです。また、2024年12月時点では、暗号資産所得は雑所得として扱われます。納税の際は事前にしっかりと計算しておくことが大切です。
まとめ
Theta Networkは、分散型ノード運用による革新的な仕組みです。動画投稿や視聴によって、暗号資産を稼ぐ機会を提供します。ノード参加にも注目です。求められるデバイススペックは高くなく、一般的なPCからでもエントリーできます。
これからTHETAはどのような展開を進めていくのでしょうか?Web3の動画ビジネスとして期待は高まります。