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【NFTが学校や職場・転職市場のインフラに!】学歴・卒業証明や職務経歴書のNFT化を解説

告知・ニュース系 解説系記事

「卒業証明書がNFTになるって本当?」
「職務経歴がNFTに登録され、企業が参考できるようになるの?」

今回は、NFTと教育や就職・転職との関連性についての記事です。

NFTに関して、メタバースでの活用や、株や暗号資産のような投資対象としての売買がなされているということを知っている人は多いでしょう。しかしビジネスや教育の現場でどのように使用されつつあるかを知っている人は少ないのではないでしょうか。

近い将来、個人だけでなく、企業も含む社会全般でウォレットを保有・活用する時代が到来すると思われます。そこで本記事では、学歴や資格、さらには職務経歴を証明するためのツールとして、転売不可のNFTとされる”SBT(Soul Bound Token)が普及する可能性を解説します。
卒業証明書や職務経歴書としてのNFTが、Web3.0人材のマッチングサービスなど、教育市場や転職市場においてどのように活用されるようになるか詳しく解説しますので、教育現場や就職・転職など人材サービスなどで働いている人や、今後このような業界がどのように変化するか興味を持っている人には参考になるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。

【移転不可のNFT】SBTを解説!

卒業証明書や職務経歴書の役割を果たすNFTは、本人であることを証明する大切なもの。デジタルアートや人気アスリートのカード、メタバースでアバターに着せるファッションNFTなどと異なり、譲渡することができず、1回誰かのウォレットに発行されると移転不可となり二度と取引できません。

このような「転売不可」・「移転不可」の仕組みをもつNFTのことを、”SBT(Soul Bound Token)”といいます。SBTの場合、資産の流動性はありませんが、学歴や職歴などの個人情報はブロックチェーンに刻まれ、唯一無二の個人証明としての役割を果たします。

SBTに関して、より詳しく知りたい人は、「【譲渡不可能なNFT】SBT(ソウルバウンドトークン)を徹底解説」の記事をぜひご覧ください

【教育現場とNFTのコラボ】卒業証明書がNFTに!

就職や転職の際に学歴を証明する卒業証明書。いざ必要という時に学校から取り寄せようとしても時間がかかってしまい困った経験はないでしょうか。そんな学歴証明をNFTで実現できる時代がやってきました。

先程紹介したSBTの技術を活用して、千葉工業大学(千葉県習志野市)とPitPa社は、2022年8月18日、日本の国内の大学として初のNFTによる学修歴証明の発行を開始しました。具体的には、特定の授業を履修して単位を取得した学生に対して、学修履歴証明書をNFTとして配布。第一弾として、日本のベンチャーキャピタリストで元MITメディアラボ 所長でもある 伊藤穣一さんがセンター長を務める「千葉工業大学変革センター」にて、NFTによる学修証明書が発行されました。

NFTの仕組みを活用することで、学歴詐称のような改ざんを防止でき、またNFTが格納されたウォレットを提示することで、いつでも学歴を証明することができます。従って、学歴証明を求められるたびに卒業した学校に証明書発行を依頼したり、学校まで受け取りに行ったりという手間もなくなります。

このような仕組みが大学だけでなく、高校や中学校などへも普及していくことで、中学・高校・大学と一環して教育履歴が管理できるだけでなく、転校のようなケースでも学修履歴を蓄積していくことができます。通知表の内容はもちろん、授業の出席率や定期テストの結果などもSBTとしてブロックチェーンに刻まれることなるかもしれません。

そんな学修記録が蓄積されたウォレットを、就職活動や転職活動、さらには海外留学などのタイミングで、自身の学びの成果としてアピールすることが可能になるでしょう。

【NFTで職務履歴の可視化!】教育市場や転職市場におけるNFTの可能性

現在、就職や転職活動をする際は、学歴や経歴を証明するための履歴書や職務経歴書を作っているのではないでしょうか。このような自分自身で作成する履歴書や職務経歴書の内容は、「就職・転職を成功させたい!」という想いから、どうしても主観的になる傾向があります。

これでは採用担当者も記載されいてる内容を、そのまま鵜呑みにはできないというデメリットがあります。実際に企業の中には、履歴書・職務経歴書の内容が正しいか、応募者と一緒に働いた経験がある元同僚や、卒業大学の教授から話を聞き、真偽を確かめるといったリファレンスチェックを実施しているところも多いですが、かなり手間がかかります。また、回答者によっても見解が変わってくるため、リファレンスチェックの結果が正解とも一概には言えません。

そういった状況において、先程紹介した千葉工業大学の事例のように、NFTを学歴・経歴証明に活用する試みが広がりつつあります。応募者のこれまでの学歴や職務経歴はもちろん、ボランティア活動やコミュニティー活動などの活動履歴情報もNFTに刻まれるようになれば、企業はリファレンスチェックなどの面倒な手間を省くことができます。

また、NFTを介した認証付きWebサイトなどを通じて採用候補者の保有するNFTを閲覧すれば、「どのようなプロジェクトに参加してきたのか」、「どのようなプロジェクトを応援してきたのか」、さらには「どのようなコミュニティー活動やチャリティー活動を実施してきたのか」といった情報まで確認可能になります。

つまり、これまでの就職サイトや転職サイト上での登録情報や、職務経歴書では見極めることができない情報をNFTを通じて確認できる未来が訪れる可能性があるということです。この仕組みは言わば、「コストのかからないリファレンスチェック」です。採用する企業にとっては、自身の会社に適した人材を採用できる確度が高まることでしょう。

このような仕組みは既に「Desume Concierge」というサービスで一部実現されています。「Desume Concierge」は、これまでの履歴書や職務経歴書といった情報に加えて、「保有するNFT」といった項目で適した人材を検索可能です。現状、日本ではNFTの保有者がまだまだ少なく、システムの活用度としてはこれからである面は否めないですが、今後NFTやWeb3.0が普及するにつれて発展していくことが期待されています。同種のサービスも今後増加するでしょう。

【NFTで外国籍人材のキャリア証明書を発行!】海外人材採用・育成モデル構築を解説

これまでは、日本国内で日本人が学歴や職務経歴書としてNFTを活用する、といった内容を紹介しました。ここでは、NFTで外国籍人材のキャリア証明書を発行することを通じて、海外人材のキャリア支援や採用・育成モデルを構築し、さらに海外人材と日本企業の関係性を強固にする取り組みを解説します。

麺食とフォースバレーとPitPaの3社が、2023年4月6日、海外人材の採用やキャリア開発支援を目的に、NFTを活用した「キャリア証明書」の発行を開始しました。この証明書は、NFTと「VC」(Verifiable Credentials:内容の検証がオンラインで可能な自己主権型のデジタル証明書)という国際技術標準化団体が定めた規格を利用したものです。

外国人採用者の職歴の確からしさやキャリアの可視化に課題を感じていた麺食が、外国人材の採用基準をより透明化し、自社に適した人材を採用することで国際競争力を高めていくために導入しました。

このプロジェクトは、ネパールの私立大学「Mid-Valley International College」との協力で行われ、2022年度に同大学が開校した「Connect Job Class」を修了し、2023年4月に麺食に入社したネパール人卒業生に対して、「学位」と「職歴」に関する証明書を発行しました。これらの証明書は、国際技術標準化団体のW3Cが提唱する「Verifiable Credentials(VC)」の規格に準拠し、第三者が発行者に問い合わせることなく情報の真正性を検証できるため、リファレンスチェックのコストを下げられるメリットがあります。

このプロジェクトのポイントは、下記の3点です。

  1. 海外大学がデジタル学位証明書を発行し、日本国内での雇用ともつながった世界発のクロスボーダー事例であること
  2. 日本企業に人材を輩出した海外の教育機関に対して「育成還元金」を提供すること
  3. NFT証明書の発行を通じ、人材還流エコシステムを形成すること

また、NFTを活用した「キャリア証明書」には、3つの利点があります。1つ目は、国境を越えたアイデンティティの管理と検証ができること。2つ目は、職歴を蓄積・可視化し、海外人材のキャリア支援につながること。そして、3つ目は、企業のブランディングの向上につながり、優秀な人材を惹きつけることができることです。

この証明書を使うことで、海外人材の学歴や仕事の経歴を可視化し、日本でのキャリアアップだけでなく、帰国後のキャリアアップにも役立てることができます。NFTを活用した証明書の発行を通じて、フォースバレー社は海外人材のキャリアを支援し、海外人材と日本企業との関係性を強固にすることを目指しているとのことです。

まとめ【NFTを活用した証明書の未来の形】

本記事では、卒業証明書や職務経歴書としてのNFTが、Web3.0人材のマッチングサービスなど、教育市場や転職市場においてどのように活用されているか解説しました。教育現場や就職・転職など人材サービスなどで働いている人や、今後このような業界がどのように変化するか興味を持っている人には参考になったのではないでしょうか。

学歴や職務経歴書などの証明書をNFT化することで真正性や可視性を確保できるため、NFTが将来人材マーケットにおいて革新的なインフラになる可能性があります。また、今後、多くの学校や企業がNFTを活用した証明書発行を開始し、本サービスがますます充実することが期待されます。さらに、NFTで外国籍人材のキャリア証明書を発行することによる、海外人材のキャリア支援も今後ますます活性化することでしょう。

最後に、今後は学校や職場、転職市場などのインフラが変わり、スムーズなキャリアアップが可能になるかもしれません。企業から自身の能力を正当に評価されるようになることで、これまで以上に、新しいキャリアにチャレンジし易くなることも考えられます。NFT化された証明書は、海外就職や海外留学などのグローバルなキャリアにも活用でき、世界で活躍する人材としての価値を高めることになるでしょう。

Masa

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保険や投資などの金融分野、Web3.0、メタバース、暗号資産、NFT、DeFi、DAO、保険、投資などの分野に精通しています。株や暗号資産取引の豊富な経験に加え、保険業界でのITコンサルの勤務経験、AFP(ファイナンシャルプランナー2級)の資格も保有。知識や業務経験を元に信憑性のある記事を執筆する。
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