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ビール × NFTの活用事例|NFTを活用するメリットなどを詳しく解説

解説系記事

近年、NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)は、様々なビジネスに活用され始めています。その中でも、ビール業界においてNFTを活用する動きも活発化しています。

この記事では、ビールにNFTを活用している事例や、ビジネス上でのNFTを導入するメリットなどをご紹介していきます。今後、自社ビジネスにNFTの利用を検討しているビール関連事業者の方は、ぜひ最後までご覧ください。

ビール × NFTの活用事例

早速ですが、本記事の本題となるビール × NFTの活用事例をいくつかご紹介していきます。大手企業のNFTの活用事例や自治体での取り組みなども解説しているので、詳しく確認していきましょう。

  • Asahi Super Dry Brand Card Collection:アサヒグループホールディングス
  • クラフトビール × NFT:横浜ビール
  • 月山ビールNFT:山形県西川町
  • Crypto Beer(クリプトビール):Crypto Beer Punks
  • LAMBIC ATSUGI(ランビックアツギ):厚木ビール

Asahi Super Dry Brand Card Collection:アサヒグループホールディングス

画像引用元:アサヒグループホールディングス公式サイト

2023年3月17日、アサヒスーパードライで有名なアサヒグループホールディングスは、「Asahi Super Dry Brand Card Collection」というNFTコレクションを発表しました。これはアサヒスーパードライの36周年を記念したNFTアートであり、3月17日〜4月30日の期間限定で販売されました。

NFTのデザインは、アサヒスーパードライの製品や広告の画像を組み合わせたものとなっており、合計36点で構成されています。なお、アサヒグループホールディングスはNFTを発行した理由として、以下のように説明しています。

なぜアサヒビールはNFTを発行するのでしょうか?

ASAHI SUPER DRYは気持ち高ぶる瞬間に立ち会いたいと願っています。もしこのNFTアートからあなたが高ぶる気持ちを抱くのであれば、それは私たちのブランドが目指した姿なのです。

引用元:ASAHI SUPER DRY BRAND CARD COLLECTION

それぞれのNFTは1点もののアート作品となっていますが、特別なユーティリティは付与されていません。しかし、36点のNFTのうち1点のみ、茨城工場にある「スーパードライミュージアム」の特別ツアーに参加できる機能が付与されています。

特別に独自性があるNFTの活用方法とはいえないかもしれませんが、大手のビール企業による代表的な事例の一つだといえるでしょう。

クラフトビール × NFT:横浜ビール

画像引用元:PRTIMES

神奈川県横浜市に拠点を置くクラフトビールメーカーの横浜ビールは、ブロックチェーン関連事業を行う株式会社イージェーワークスと提携し、NFTを活用した取り組みを開始することを発表しました。

これまで横浜ビールは、クラフトビールを通じて様々な地域交流、地域活性化の取り組みを行ってきました。今回のNFTに関しても、その取り組みの一環です。ビール生産者やデザイナー、ファンを繋ぎ、NFTの販売利益を地域に還元するなど、ユーザー自身が地域に貢献できる仕組みを構築するとしています。

具体的には、同社で販売する「REGULAR BEER」と「道志の湧水仕込」のラベルアートをNFT化する予定です。その他、横浜ビールの歴史やコンセプトが込められた「20周年アート」もNFT化される予定となっています。

画像引用元:PRTIMES

今後、より具体的な取り組みが行われていくと考えられるため、これからの横浜ビールの動向には注目です。

月山ビールNFT:山形県西川町

画像引用元:PRTIMES

山形県西川町は、NFT保有者が同町にある「道の駅にしかわ」でビールが1本無料で飲める「月山ビールNFT」のリリースを発表しました。無料で飲めるビールは西川町の特産品である「月山ビール」となっており、1人1回までビールを飲むことができます。

月山ビールNFTは、国産NFTマーケットプレイスとして有名なHEXA(ヘキサ)にてオークションが行われ、2023年9月10日に18,000円の金額で落札されました(入札開始価格は1,000円)。なお、西川町は月山ビールNFTのこだわりポイントとして、以下の3点を挙げています。

  • 町外のNFT保有者は、道の駅で1人1回まで月山ビールが1本無料で飲める
  • 二次流通(転売)でのNFT保有者に関しても月山ビールが1本無料で飲める
  • 西川町職員の月山ビールPR動画の撮影舞台裏映像が袋とじされている

NFT保有者は、実際に「道の駅にしかわ」を訪れて月山ビールを飲む必要があるため、西川町の観光誘致に繋がる可能性があります。西川町としては、月山ビールNFTをきっかけに同町の魅力を感じてもらい、関係人口の増加に繋げていく狙いがあると考えられるでしょう。

また、NFT転売時の10%が西川町の収益となるため、自治体の財政にも貢献するメリットがあります。新しい取り組みであるため、地域活性化への影響はまだわかりませんが、非常にユニークなNFTの活用事例だといえるでしょう。

Crypto Beer(クリプトビール):Crypto Beer Punks

画像引用元:Crypto Beer Punks公式サイト

Crypto Beer Punksとは、これまでにない新しい次世代ビール「Crypto Beer(クリプトビール)」を見つけることを目的としたコミュニティです。

Crypto Beerとは、「ビールを飲む人も飲まない人も『乾杯』という素敵な体験ができるコミュニケーションツール」だと定義されています。プロデューサーのNakan氏によると、「Crypto Beerはまだ見つかっていないものの、それを探すコミュニティとしてCrypto Beer Punksを設立した」とインタビューで語っています。

具体的な活動としては、Crypto Beer PunksというジェネラティブNFTを発行しており、ユーザーとの双方向の関係性を構築しています。なお、NFT保有者は、リアルイベントの参加権や、オリジナルビールがもらえるなどの特典を獲得できます。

また、2023年10月6日、横須賀に「GRANDLINE BREWING」というブルワリーをオープンし、NFT保有者との交流を行っていく予定です。その他にも、クラフトビールメーカー「BREWDOG」とのコラボや、ビール注ぎの名人として知られる重富寛氏とコラボしたNFTを発行するなど、様々な取り組みを進めています。

まだ始まったばかりのプロジェクトではありますが、ユーザーを巻き込みながら、新しいビール作りを目指す面白い事例だといえるでしょう。

LAMBIC ATSUGI(ランビックアツギ):厚木ビール

画像引用元:FiNANCiE(フィナンシェ)公式サイト

神奈川県厚木市を拠点にクラフトビールを製造する厚木ビールは、ビールコミュニティ「LAMBIC ATSUGI(ランビックアツギ)」の創設を発表しました。「コミュニティと共にあるクラフトビールづくり」をコンセプトとしており、新しいシグネチャービールの開発を目指しています。

コミュニティの創設にあたり、次世代型のクラウドファンディングサービスFiNANCiE(フィナンシェ)にて独自のトークンを発行し、資金調達を行います。一定数以上のトークン保有者にはメンバーシップNFTを発行し、シグネチャービールの無料試飲権や、シグネチャービール販売ページへの先行アクセス権などを付与する予定です。

また、トークン保有者からのアイデアを「ビールの隠し味」として取り入れる方向性も示されており、コミュニティと一体となってビール開発を行う姿勢が見られます。トークンとNFTを活用した、これまでにない新規ビジネスの創業事例だといえるでしょう。

なお、FiNANCiEについては、FiNANCiE(フィナンシェ)とは?クラウドファンディング2.0と呼ばれる特徴や仕組みを解説の記事でご紹介しています。気になる方は、ぜひあわせてチェックしてみてください。

ビールにNFTを活用する3つのメリット

徐々に増えつつあるビール × NFTの活用事例ですが、ビジネスにおいてどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、考えられる以下の3つのメリットについてご紹介していきます。

  • 業界内外で話題を集められる
  • これまでにない価値や体験を提供できる
  • キャッシュフローが安定する

業界内外で話題を集められる

ビール × NFTのメリットとして、業界内外で話題を集められることがあります。現状、ビールに限らず、NFTをリアルのビジネスに活用している事例はそこまで多くありません。

そのため、ビールをはじめとした事業にNFTを取り入れることで、自然と注目を集められるでしょう。暗号資産(仮想通貨)やNFTの専門メディアにて、ニュースとして取り上げてもらえる可能性もあります。

企業としては、新しい顧客の獲得に繋がる可能性がありますし、自治体としては関係人口増加の機会になり得ます。そういった面において、ビールにNFTを導入するメリットはあるといえるでしょう。

これまでにない価値や体験を提供できる

ビールにNFTを活用することで、ユーザーに対して新しい価値や体験を提供できます。

例えば、前述のアサヒグループホールディングスの事例の場合、特定のNFTを購入すれば「スーパードライミュージアム」の特別ツアーに参加できるなど、通常では体験できない新たな価値を提供しているといえます。

また、山形県西川町の事例では、ユーザーは専用NFTを保有することで、特産品のビールを無料で飲めるというユニークな体験ができます。NFTをほかのユーザーに高値で転売すれば売却益を得られるなど、一般的にビールとは程遠い、新しい経験ができるでしょう。

上記はあくまでも一つの例ですが、NFTの活用方法によっては、さらに独自性のある面白い体験をユーザーに提供できるかもしれません。

キャッシュフローが安定する

ビールにNFTを活用するメリットとして、キャッシュフローが安定することも挙げられるでしょう。NFTなどを販売して先に資金調達することで、資金面で余裕を持ってビジネスを構築できます。今回ご紹介した事例でいうと、厚木ビールがトークンやNFTを使って資金調達した事例がこれに該当します。

通常、ビジネスを始める際には銀行などの金融機関で借入を行う必要があります。しかし、NFTなどを活用して資金調達すれば、煩雑な融資の事務手続きや毎月の借入金の返済、利払いなどを回避できるメリットがあるでしょう。

ビール × NFTの活用事例まとめ

今回の記事では、ビール × NFTの活用事例や、NFTを導入するメリットなどを解説してきました。ビール業界に限らず、リアルな世界でNFTを活用する動きが出てきており、ビジネスにおいて様々なメリットをもたらす可能性があります。

まだ事例としては少ないですが、ぜひこの機会に自社ビジネスにNFTを取り入れることを検討してみてはいかがでしょうか。

GM

gm

2017年から仮想通貨投資を開始し、2020年から本格的にweb3.0の世界に参入。現在はフリーランスとして暗号資産やブロックチェーン、NFT、DAOなどweb3.0に関する記事を執筆。NFT HACKでは「初心者にもわかりやすく」をモットーに、読者の方々に有益となる記事の作成を行なっている。
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