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マイナウォレットとは?マイナンバーカードを活用したウォレットサービスについて解説

解説系記事

マイナウォレットは、日本のICカード身分証である「マイナンバーカード」を活用したweb3.0ウォレットサービスです。2023年10月現在、まだ開発段階のウォレットではありますが、イーサリアム財団の研究開発助成プログラムに選ばれるなど、国内の暗号資産(仮想通貨)業界で大きな注目を集めています。

この記事では、そもそもマイナウォレットとは?といった概要・基本情報や、ウォレットとしての特徴・機能、今後想定されるユースケースなどをご紹介していきます。マイナウォレットについて詳しく把握しておきたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。

マイナウォレットとは?

マイナウォレットとは、日本国民ひとりひとりに付与された12桁の個人番号を記載している、マイナンバーカードを活用したweb3.0ウォレットサービスです。

a42x株式会社という企業によって開発が進められており、「子どもからお年寄りまで、日本に居住する誰もが今すぐに安心して利用できるweb3ウォレットを提供」することをミッションとしています。

2023年5月時点で、マイナンバーカードは約9,600万人が申請しているといわれており、すでに多くの国民が保有している本人確認書類です。

そんなマイナンバーカード自体をウォレットとして活用しているため、そもそもの利用可能ユーザー数が圧倒的に多く、将来的に大きくマスアダプションする可能性を秘めたウォレットだといえるでしょう。

また、a42x株式会社はマイナウォレットがイーサリアム財団(Ethereum Foundation)の研究開発助成プログラム「ERC-4337 Account Abstraction Grant Round」に採用されたことも発表しており、今後の研究開発が期待されています。

マイナウォレットの3つの特徴

ここでは、マイナウォレットの特徴について詳しくご紹介していきます。以下の3つの項目に沿って、順番に確認していきましょう。

  • マイナンバーカードをハードウェアウォレットとして活用
  • 設定やアプリの事前ダウンロードなど不要で手軽に利用できる
  • ウォレットの所有者を確認できる

マイナンバーカードをハードウェアウォレットとして活用

マイナウォレットは、マイナンバーカード自体をハードウェアウォレットとして利用する仕組みとなっています。物理的なマイナンバーカードに秘密鍵をオフライン保管する仕組みであるため、MetaMask(メタマスク)などのホットウォレットよりも安全性が高いといえるでしょう。

仮にマイナンバーカードを紛失してしまったとしても、デジタル資産を送付する際にはPINコード(暗証番号)の入力が必要となります。そのため、カードの紛失時にも資産を失わない仕組みをある程度確保していると考えられます。

なお、ハードウェアウォレットとは、インターネットから切り離されているコールドウォレットの一種です。ウォレットの種類については、【ホット?コールド?】ウォレットの種類と特徴を徹底解説!便利な使い方も紹介の記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてみてください。

設定やアプリの事前ダウンロードなど不要で手軽に利用できる

マイナウォレットを利用する際、事前の細かな設定やアプリのダウンロードなどは不要です。デジタル資産の送付や、ウォレットの残高確認、決済(支払い)などを行う際にアプリをダウンロードすれば問題ありません。

現状のweb3.0ウォレットの課題として、多くの一般ユーザーにとって非常に使いにくく、なおかつ学習コストが高いことが挙げられます。

前述の通り、a42x株式会社は「子どもからお年寄りまで、誰もが安心して利用できるweb3ウォレットサービスの提供」を目指しています。マイナウォレットは、ブロックチェーンやweb3.0、暗号資産に関する知識がない方でも、簡単に利用できるような配慮がされているといえるでしょう。

ウォレットの所有者を確認できる

マイナウォレットは、ウォレット所有者を厳密に確認できることも特徴の一つです。現状、MetaMaskなどの非カストディアルウォレットに関しては、特定の所有者を把握するのは非常に難しいです。

しかし、a42x株式会社は、マイナウォレットと公的個人認証サービスとの連携を計画しており、ウォレット単位での本人確認の実現を目指しています。これが実現すれば、AML(アンチ・マネー・ロンダリング)の規制に則った、web3.0ウォレットとして活用できる可能性があるでしょう。

マイナウォレットの3つの機能

一般的なウォレットとは異なる特徴を持つマイナウォレットですが、どのような機能が備わっているのでしょうか。ここでは、以下の3つの主要な機能についてご紹介していきます。

  • Tap to Generate
  • Tap to Receive
  • Tap to Auth

それぞれ順番に見ていきましょう。

Tap to Generate

画像引用元:MynaWallet – Tap to Generate

Tap to Generateは、マイナウォレットのアドレス生成機能です。マイナンバーカードをスマートフォンにタッチするだけで、カードに含まれている情報からユニーク(一意)なアドレスを生成します。

アドレス生成後、専用のアプリを利用することで、ウォレット残高や保有しているNFTを確認できたり、PINコード(暗証番号)を入力してデジタル資産を送付することも可能です。また、アプリだけでなく、駅構内などにあるキオスクの端末でもウォレットを利用できるとされています。

Tap to Receive

画像引用元:MynaWallet – Tap to Receive

Tap to Receiveは、手軽にNFTなどのデジタル資産を受け取ることができる機能です。一般的なNFCカードリーダーにタッチすれば、NFTなどの受け取りが完了します。

また、この機能を利用する際にも、事前の設定やアプリのダウンロードなどは必要なく、カードをタッチするだけでデジタル資産を受け取ることができます。ユーザーが受け取ったNFTを確認する際に、初めて専用アプリのダウンロードが必要となります。

万人が利用できるようにするため、ユーザービリティに配慮された機能だといえるでしょう。

Tap to Auth

画像引用元:MynaWallet – Tap to Auth

Tap to Authは、ウォレットに特定のNFTを所有しているかどうかを確認する機能です。NFCカードリーダーにタッチするだけで、ウォレット内のNFTを確認できるので、メンバーシップの認証などに活用できると考えられます。

具体的な活用方法は後に解説しますが、様々なユースケースでの利用が想定できるでしょう。

今後想定されるユースケース・活用例

今後、マイナウォレットが実用化されると、どのような用途で利用されるのでしょうか。ここでは、今後想定されるユースケース・活用例についてご紹介していきます。

  • NFTを活用した住民サービスなどでの活用
  • 公金の受け取り口座やデジタル資産の出庫先として活用

NFTを活用した住民サービスなどでの活用

マイナウォレットのユースケースとして、NFTを活用した住民サービスなどでの活用が考えられます。例えば、地方公共団体などが「住民サービスの利用権利」を証明するNFTを発行したとしましょう。

そのNFTをマイナウォレットで受け取れば、「Tap to Auth」の機能を使ってマイナンバーカードをタッチするだけで、住民サービスを利用することができると考えられます。

また、a42x株式会社によると、住民サービスだけでなく「ふるさと納税NFT」の保有をTap to Authで認証し、実店舗での商品割引などにも活用できるとしています。

マイナウォレットであれば、ユーザーのリテラシーを問わず、web3.0関連のサービスを受けることができます。こういった特徴により、今後様々な場面でマイナウォレットが活用されていくかもしれません。

公金の受け取り口座やデジタル資産の出庫先として活用

将来的に日本国内でステーブルコインが普及した場合、マイナウォレットが公金の受け取り口座として活用される可能性があります。

2023年6月1日、改正資金決済法が施行され、日本国内でも法定通貨を担保としたステーブルコインの発行が可能となりました。すでに、三菱UFJ信託銀行などが金融機関を横断した協働を開始しており、国産ステーブルコインの誕生が現実味を帯びてきています。

そもそもマイナウォレットは、個人個人のマイナンバーカードと完全に紐付けされています。マイナウォレットを公金受け取り口座に指定することで、従来のような公金受け取り口座と個人を紐付ける作業自体が必要なくなります。結果的に、送金ミスの回避や事務手続きの簡略化に繋がり、コストを大幅に削減できる可能性があるでしょう。

今後、日本国内でもステーブルコインの利用が一般化すれば、マイナウォレットが公金の受け取り指定口座として利用される未来が来るかもしれません。

なお、ステーブルコインについては、ステーブルコインとは?法定通貨などにペッグする暗号資産の特徴やステーブルコインの種類まで徹底解説の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

マイナンバーカードを活用したマイナウォレットまとめ

今回の記事では、今話題のa42x株式会社が開発を進めているマイナウォレットについて解説してきました。ご紹介したように、マイナウォレットはマイナンバーカードを活用したweb3.0ウォレットとなっており、誰でも簡単かつ安心して利用できるウォレットサービスを目指しています。

2023年10月現在、まだ開発途上の段階ではありますが、今後日本国内で大きく普及する可能性を秘めたウォレットだといえるでしょう。イーサリアム財団の研究開発助成プログラムに採用されていることからも、今後の動向には注視していく必要がありそうです。

GM

gm

2017年から仮想通貨投資を開始し、2020年から本格的にweb3.0の世界に参入。現在はフリーランスとして暗号資産やブロックチェーン、NFT、DAOなどweb3.0に関する記事を執筆。NFT HACKでは「初心者にもわかりやすく」をモットーに、読者の方々に有益となる記事の作成を行なっている。
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