Menu

ホテル業界におけるNFTの活用事例|NFTを活用するメリットも解説

解説系記事

現在、NFT(Non-Fungible Token)は、デジタルアートの枠を超えて、様々なビジネスで活用され始めています。ホテル業界においても、NFTを活用する事例は徐々に登場しています。

この記事では、ホテル業界に焦点を当てて、その活用事例をいくつかご紹介していきます。ホテル × NFTのメリットについても解説していくので、これから自社ビジネスにNFTを取り入れていきたいホテル業界の方は、ぜひ最後までご覧ください。

ホテル業界におけるNFTの活用事例

早速ですが、当記事の本題となるホテル業界におけるNFTの活用事例をいくつかご紹介していきます。以下の4つの活用事例について、順番に確認していきましょう。

  • NOT A HOTEL
  • MikoSeaリゾート
  • マリオット・インターナショナル
  • VOYAN HOTELS(ヴォヤン・ホテルズ)

NOT A HOTEL

画像引用元:NOT A HOTEL

NOT A HOTELは、「世界をもっと楽しく」をコンセプトとした新しい住まいの形を提供するライフスタイルサービスです。物件を30日単位、最大12人でシェア購入できる仕組みが導入されており、リリース時には大きな注目を集めました。

NOT A HOTELのオーナー(購入者)は、所有している物件を自宅(別荘)として利用するか、ホテルとして貸し出すか、アプリ上で自由に設定できます。つまり、オーナーが物件をプライベートで使えるだけでなく、ホテルとして貸し出して収益化することも可能です。

また、NOT A HOTELは、毎年決められた日に宿泊できるメンバーシップNFT「NOT A HOTEL NFT」をリリースしています。宿泊できる物件はランダムで決まる仕組みが採用されているなど、ユーザーに新たな体験をもたらす面白いNFTの活用事例だといえるでしょう。

なお、NOT A HOTELについては、「毎年旅をする日」が付与されるNFT「NOT A HOTEL NFT」とは?の記事でも解説しているので、あわせてチェックしてみてください。

MikoSeaリゾート

画像引用元:MikoSea フィジタルNFTで関係人口を拡大!MikoSea リゾート NFTで人生を豊かにするデジタル会員権の提供開始

2023年6月22日、MikoSea株式会社はデジタル会員権プラットフォーム「MikoSeaリゾート」のリリースを発表しました。MikoSeaリゾートでは、毎年特定のホテルの宿泊券を受け取れる、デジタル会員権NFTを売買することができます。

獲得できる宿泊数や宿泊期間はデジタル会員権NFTによって異なりますが、自分が宿泊したいホテルの会員権NFTを購入すると、毎年宿泊券が付与されます。MikoSeaリゾートは、ユーザーによるホテルや別荘などの共同保有を通し、地域の関係人口を増加できる新たな体験を提供できるとしています。

また、会員権NFTだけでなく、毎年付与される宿泊券もNFTとして発行されるため、二次流通で売却したり、他の人にプレゼントするといった使い方もできるでしょう。NFTはクレジットカード、もしくは銀行振込で購入できるため、暗号資産(仮想通貨)に関する知識がない方でも使いこなすことが可能です。

画像引用元:【MikoSea リゾート】 熱海山龢年間1泊宿泊付きSANGA倶楽部NFT会員権、販売開始から1か月で売上9300万円を突破【2名6万円分食事無料の特典追加】

2023年9月1日には、MikoSeaリゾートにて、静岡県熱海市の高級旅館「山龢(さんが)」の会員権NFT「SANGA NFT会員権」が販売されました。毎年1泊 × 30年の宿泊券などが付与される会員権NFTとなっており、約1ヶ月で9,300万円もの売り上げを記録するなど、大きな成功を収めています。

マリオット・インターナショナル

画像引用元:Marriott Bonvoy Logs Into The Metaverse With Debut Of Travel-Inspired NFTs

2021年12月、高級ホテルブランドの「マリオット」や「リッツ・カールトン」を運営するマリオット・インターナショナルは、独自NFTのリリースを発表しました。今回のNFTは、マリオットが運営する会員プログラム「MARRIOTT BONVOY」におけるキャンペーンとして作成されたものです。

NFTは以下の3種類がリリースされ、デジタルアーティストのTXREK氏、JVY氏、Erick Nicolay氏と共同で作成されています。デザインとしては、これら3人のクリエイターのユニークな旅行体験を、NFTとして表現したものとなっています。

  • MΞMORIED
  • The Emotional Journey
  • THE EXPERIENTIAL IN BETWEEN

3種類のNFTは、2021年12月4日に開催されたイベント「Art Basel Miami Beach 2021」の参加者3名にプレゼントされました。独自性のあるNFTの活用方法ではありませんが、世界的に有名なマリオットのNFTということもあり、当時は業界でも注目を集めたといえるでしょう。

VOYAN HOTELS(ヴォヤン・ホテルズ)

画像引用元:HINATAxVOYAN「記憶と記録に残る新しい旅行体験をあなたに」 特典付きVOYAN HOTELS 限定NFT会員権を発行!~ ベンチャーホテルブランドが手掛ける「旅行×NFT」

ラグジュアリーホテル事業を展開するVOYAN HOTELS(ヴォヤン・ホテルズ)は、2022年5月に「特典付きVOYAN HOTELS 限定NFT会員権」を発行しました。この会員権NFTは、同社が運営する「VOYAN Resort 富士山中湖・月湖荘」のリニューアルと営業再開を記念して、リリースされたものです。

複数の会員権NFTが発行されており、それぞれユーティリティが異なります。例えば、限定NFT会員権Grey ver.であれば、保有者には毎年1泊、無料で月湖荘に宿泊できる権利が永年付与されます。

その他、宿泊料金が永年割引される特典もあるなど、月湖荘のファンには嬉しいNFTだといえるでしょう。また、会員権NFTはNFTアートにもなっており、山中湖の客室から見える富士山を取り入れたデザインが採用されています。

また、2022年12月には一般社団法人SAKE WORLD協会とコラボし、宿泊権利と日本酒が特典となった会員権NFTを販売するなど、積極的にNFTを活用する取り組みを実施しています。

ホテルにNFTを活用するビジネス面でのメリット

ここまで、ホテル業界におけるNFTの活用事例を見てきましたが、ホテル × NFTにはどのようなメリットがあるのでしょうか。記事の最後に、ホテルにNFTを活用するビジネス面でのメリットを整理してご紹介していきます。

  • 自社ビジネスの認知の向上
  • キャッシュフローの安定化
  • ロイヤリティによる新たな収入源の確保

自社ビジネスの認知の向上

ホテル × NFTのメリットとして、まずマーケティング面での効果が期待できるでしょう。現状、ホテル業界を含め、本格的にNFTをビジネスに取り入れている企業は多くありません。

そのため、NFTを導入するだけで各種メディアに取り上げられ、暗号資産業界内外で一定の注目を集められるでしょう。これまでリーチできていなかった顧客層にも、自社ビジネスを認知してもらえるきっかけになるかもしれません。

キャッシュフローの安定化

ホテルにNFTを導入することで、キャッシュフローが安定化するメリットも挙げられます。

例えば、前述の静岡県熱海市にある高級旅館「山龢」であれば、MikoSeaリゾートで会員権NFTを販売し、9,300万円もの大きな資金を得ています。これはNFTを活用することで、将来的に得られる宿泊料金を先に確保していると考えることもできるでしょう。

このように事前に資金を確保することで、キャッシュフローが安定し、余裕を持ったビジネス展開が可能となります。結果的に、銀行融資を利用する必要がなくなり、事務負担や金利支払いを軽減できる可能性もあります。また、確保した資金で設備投資ができるメリットもあるでしょう。

ロイヤリティによる新たな収入源の確保

ホテルにNFTを取り入れることで、ロイヤリティという新たな収入源を確保できるというメリットもあるかもしれません。

例えば、ホテルの宿泊権利を得られる会員権などをNFTとして発行することで、ユーザー間での自由な売買を実現できます。自社のホテルが注目を集め、需要が高まるほど、ユーザー間でのNFT売買が活発になると考えられるでしょう。

その際、NFTにロイヤリティを設定しておくと、NFTが売買されるたびに手数料収入を得られる仕組みの構築が可能です。これはあくまで一例ですが、NFTのビジネス導入によって、本業以外の新たな収入源を作ることも不可能ではありません。

ただし、現在のNFT市場は、ロイヤリティを撤廃していく流れとなっています。今後の市場の動向によっては、ロイヤリティという概念がなくなる可能性も否定できないでしょう。

関連記事:NFTのロイヤリティ収入以外で、事業者はどうやってマネタイズする?現状の課題と今後について解説

ホテル業界のNFT活用事例やメリットまとめ

今回の記事では、ホテル業界におけるNFTの活用事例や、ホテルにNFTを活用するメリットについて解説してきました。まだ数としては少ないですが、ホテル業界でもNFTを活用する事例が登場しています。

これからNFTの活用を視野に入れているホテル業界の方は、他社の活用事例を参考にしながら、NFTの利用方法を検討してみてはいかがでしょうか。

GM

gm

2017年から仮想通貨投資を開始し、2020年から本格的にweb3.0の世界に参入。現在はフリーランスとして暗号資産やブロックチェーン、NFT、DAOなどweb3.0に関する記事を執筆。NFT HACKでは「初心者にもわかりやすく」をモットーに、読者の方々に有益となる記事の作成を行なっている。
Author