「STEPN GO」は2021年から続くM2E事業「STEPN」を運営するFind Satoshi Lab(FSL)によって発表された新たなM2Eプロジェクトです。
FSLは栄枯盛衰の激しいWeb3ビジネスの中で、STEPN事業を3年以上も続けています。そのFSLが始める新規Web3事業ということで、STEPN GOには高い注目が集まっています。
本記事ではSTEPN GOの概要、STEPNとの違い、M2Eシステムについて分かりやすく解説します。
この記事の構成
STEPN GOとは?
STEPN GOはM2E(Move to Earn)とS2E(Social to Earn)を兼ねたBCG※です。STEPNを運営するFind Satoshi Lab(FSL)がプロジェクトを主導しています。
2024年5月にホワイトペーパーが発表され、事業の全容が明らかになりました。公式ローンチは2024年度中に行われる予定です。Web3ビジネスで実績のあるFSLの事業ということもあり、BCGファンや暗号資産トレーダーの間で話題となっています。
※ BCG(Block Chain Game)はブロックチェーンを活用したゲームです。
STEPNとの違いは?
項目 | STEPN | STEPN GO |
ガバナンストークン | GMT (Green Metaverse Token) | GMT (Green Metaverse Token) |
ユーティリティートークン | GST (Green Satoshi Token) | GGT (GO GAME TOKEN) |
使用チェーン | Solana、BSC、 ETH、Polygon |
未定 |
アカウント認証 | パスワード・秘密鍵 | FSL ID |
NFTの種類 | スニーカーNFT | スニーカーNFT、衣装セットNFT |
NFTのレンディング | なし | あり (Haus System) |
トークンの取得方法 | M2E | M2E、F2E、S2E |
STEPN、STEPN GOともにM2Eが可能です。しかし、STEPN GOは継続した運動でトークンを稼ぐ機能、他ユーザーとのつながりでトークンを稼ぐ機能が追加されています。
また、STEPN GOではスニーカーを借りることでM2Eを始めることができます。無料エントリー枠を設けることで、より多くのユーザー獲得が期待できます。
STEPN GO運営
STEPN GOはFSLによって開発運営が行われています。FSLの代表的なプロジェクトにはSTEPNの他にも、DOOAR、MOOAR、Gas Heroなどがあります。
STEPN GOはFSLの最新プロジェクトであり、2024年にもっとも注目されているWeb3事業の一つとされています。
FSLの展開するWeb3プロジェクトは長期に渡り続く傾向があり、多くのBCGファン、暗号資産トレーダーから高い評価を受けています。
STEPN GOの始め方
STEPN GOを始める際は、FSL IDとFSL IDを有効化するアクティベーションコードが必要です。一方で、STEPNのようにNFTは必須ではありません。
また、2024年6月時点で正式ローンチはされていません。FSL IDを用いたログインやDApps使用はできません。
1.FSL ID取得とアクティベーション
まずはFSL公式サイトでFSL IDを取得します。
FSL公式サイト:https://fsl.com/
FSL IDは、FSLエコシステム内で統一されたログインアカウントを提供します。メールアドレスの他、Google IDやApple IDでもFSL ID作成が可能です。
FSL IDアカウント作成後、自動的にFSLバッジが付与され、利用状況に応じてFSLポイントを獲得できます。FSLポイントは、MOOARの抽選券購入、特別な体験、グッズドロップ、GMTとの交換などに使用できます。
2.NFT購入 or レンタル
NFTを購入する、もしくは既存ユーザーからNFTをレンタルしてM2Eを行うことができます。NFTを貸し出す場合、利益率を0〜100%までの範囲で設定できます。
3.M2E開始
タイプ | Optimal Speed (最適速度) | Example Return (リターン率) |
Walker | 1 – 6 km/h | 90% |
Jogger | 4 – 10 km/h | 95% |
Runner | 8 – 20 km/h | 100% |
Trainer | 1 – 20 km/h | ランダム 90% ~ 110% |
STEPN GOのM2EはSTEPNのエコシステムに似ています。移動速度ごとに最適なスニーカーNFTがあります。稼ぐトークンはGGTです。
STEPN GOのM2E
STEPN GOではゲーム、フィットネス、ソーシャルで暗号資産を稼ぐことができます。詳しく見ていきましょう。
ゲームモジュール
ゲームモジュールでは、ユーザーがNFTスニーカーを使って運動しながらGGTを稼ぎます。スニーカーのミント、ジェムの使用、エネルギー管理などの機能があります。ジェムとソケットシステムでスニーカーの属性を向上させ、GGTの収益率を上げることが可能です。
フィットネスモジュール
ステージ | 説明 | 収益 |
SOFT FEET | 2エネルギーを毎日使用して進行する初期ステージ | 100% |
SORE FEET | 数日後に収益が50%に減少
⇒継続すると150%まで増加 |
50% ~ 150% |
STRONG FEET | 14日間連続で2エネルギーを使用して達成
5日連続で2エネルギーを消費し続けると効果維持 |
150% |
PAPER FEET | 60日以上の非アクティブ期間で収益が90%減少
30日以内に120エネルギーを使用して解除 |
-90% |
DIAMOND FEET | 1,000日間連続で毎日2エネルギーを使用
⇒永続的にマイナス効果免除 |
なし |
フィットネスモジュールは、ユーザーが運動を継続させることで収益が得られるシステムです。一方で、60日以上の非アクティブ期間が続くと「PAPER FEET」ステージに移行し、収益が90%減少するので注意が必要です。
エネルギーや報酬を獲得するクエストにも注目です。クエストをクリアすることでHausのアンロックが行えます(当初の予定クエスト)。下記が予定されているクエスト項目です。
- スニーカー1足を燃やしてエネルギーを 取得
- 10エネルギーを使用
- インベントリに少なくとも2足のスニーカーを所有
ソーシャルモジュール
機能 | 説明 |
The Haus | スニーカーを他ユーザーに貸し出し
エネルギーと収益を共有 |
3Dアバター | カスタマイズ可能なアバターを設定
マップ上で他のユーザーと交流 |
チャットボックス | マップ上で他のユーザーとコミュニケーション |
ランニング招待 | GGTを消費して他のユーザーを運動セッションに招待 |
フレンドリスト | コミュニティ拡大 |
イベント | イベントページで発表されるコミュニティイベントに参加 |
独自のソーシャルモジュールを通じて、ユーザー同士の交流を促進しながら稼ぐほか、The Haus機能ではスニーカーを貸し出し、エネルギーと収益を共有できます。3Dアバターやチャットボックスを使って他のユーザーと交流することも可能です。このようにSTEPN GOは、従来のSTEPNとは異なる「つながり」を追求しています。
M2E事業の評価
M2E事業はトークノミクスの設定や新規参入者の獲得の難しさもあり、継続した成長が難しいといわれています。しかし、実際に成功しているプロジェクトもあります。M2E事業の成功例とM2E事業が難しいといわれている理由、そしてM2Eの可能性を解説します。
M2E事業で成功しているところは?
- STEPN
- Sweatcoin
- Fitmint
M2E事業を成功させるために、既存ビジネスと協業することでユーザー以外からの収入を増やす事が大切です。また、トークノミクスを洗練させ、取得できるトークンのユーティリティを上げることも重要な取り組みです。
これらのポイントを押さえて、M2E分野でSTEPN、Sweatcoin、Fitmintが事業を成功させています。Sweatcoinは稼いだトークンをプレゼント応募などで消費させることで、プロジェクトの魅力を低下させずにトークン価格の下落を防ぐ工夫をしています。
M2E事業の難しさ
一般的にBCG、NFTゲームは先行者利益が過多となり、後から入ったユーザーが稼ぐことができないことから「ポンジスキーム」と評価されることも少なくありません。
新規参入者が敬遠するような状況を打破しなければ、M2E事業の継続は非常に難しいものになります。
無料エントリー枠の拡大、営業利益の分配など、Web3事業者はビジネスを継続・成功させるための対応が迫られます。
関連記事:「新規事業にBCG。ブロックチェーンゲームのビジネスモデルを解説」
M2E事業の再評価
評価項目 | 期待できる効果 |
健康促進 | 運動へのモチベーション付与
ウェルネスの向上 健康管理 |
コミュニティ交流 | イベント開催
相互サポート |
既存ビジネスへの導入 | 地域イベントや観光地をPR
フィットネス関連企業との協業 |
M2E事業は、健康促進、コミュニティ交流、既存ビジネスへの導入といった観点から再評価されています。Web3ビジネスとしてだけでなく、既存ビジネスやマーケティングを支援する戦略手法としても大きな役割を果たします。
「STEPN GO」のソーシャル性や新規参入者フレンドリーといった点は、今までにはないWeb3ビジネスとして成功を納めるのでしょうか?2024年、STEPN GOの動向に注目です。
まとめ
以上、STEPN GOの概要、STEPNとの違い、M2Eシステムについて解説しました。かつては一日数百万円を稼げた伝説のBCG「STEPN」。その開発運営を手掛けたFLSによるM2E後続プロジェクトが「STEPN GO」なのです。最新情報を見逃さないように、FSLやSTEPNの公式サイト、SNSを定期的にチェックしておきましょう。