ウェアラブルデバイスで移動距離や歩数、心拍数などの健康データが容易に手に入れられる時代になりました。多くの場合、健康データは自己管理のために使用されます。しかし、それら健康データで収益化ができるとしたらどうでしょう?
「Healthblocks」は健康データの可能性を広げるWeb3プロジェクトです。本記事ではHealthblocksの概要、使い方、注意点をまとめて解説します。
この記事の構成
Healthblocksとは?
出典:Healthblocks
Healthblocksは、Web3技術を活用した健康データ管理ツールです。ウェアラブルデバイスやスマホから収集された健康データを提供し、収益を上げることもできます。
Healthblocksの特長
- データ所有権はユーザー
- 健康データのDePIN
- ポリゴンチェーン
Healthblocksで収集された健康データは全てユーザーが所有します。ユーザーの許可なしに外部機関やマーケティングに使用されることはありません。
また、DePIN※1プロジェクトとしての側面も評価されています。健康データはブロックチェーン技術を用いて管理され、チャレンジプールでの収益化、健康目標の設定の他、研究機関などに提供し役立ててもらうこともできます。
さらに、DApps※2はポリゴンチェーンでのローンチが予定されています。オンチェーン操作は低コストでスピーディーです。
※1 DePIN(Decentralized Physical Infrastructure Network:分散型物理インフラネットワーク)
※2 DApps(Decentralized Applications:分散型アプリケーション)
Healthblocksは誰でも利用できる?
Healthblocksは18歳以上であれば誰でも利用可能です。必要なものはウェアラブルデバイス、スマートフォンです。ポリゴンチェーンを利用するため、POL(旧MATIC)も用意する必要があります。なお、ウェアラブルデバイスを持っていなくても、参加可能なチャレンジが設けられる予定です。
公式サイトやSNSの発表は全て英語が使われています。必要に応じて翻訳ツールの活用が推奨されます。
Healthblocksの運営情報
出典:Healthblocks
Healthblocksは、オランダに拠点を置く開発チームによって運営されています。チームの幹部は全て公式サイトで紹介されており、LinkedInやX(旧Twitter)などでの活動も確認できます。
新興Web3プロジェクトでは、運営情報が明らかでないケースも多いです。運営者情報が明確な場合は、事業の信ぴょう性が向上します。
$HEALTHについて
$HEALTHはHealthblocksでマイニングできるトークンです。ホワイトペーパーなどでトークノミクスが公開されていないので、ガバナンスなどに使用されるかは不明です。
公式サイトではDApps画面が掲載されており、ウォレット残高には$HEALTHの表示があります。2024年11月時点では、DApps内のユーティリティトークンとして$HEALTHが採用されると考えられます。
関連記事:トークンを企業が発行するメリットは?独自のトークノミクスと成長戦略
Healthblocksの始め方
出典:Healthblocks
2024年11月時点でHealthblocksは利用できません。ロードマップ上では、2024年10月〜12月にアーリーエントリーユーザーによる利用開始が計画されています(Early Access Period)。計画の遅延などは発表されていないので、ウェイトリスト申し込みを済ませた方は待ってみましょう。
Healthblocksのウェイトリスト参加は、公式サイトから行います。メールアドレスや氏名、Healthblocksの気になる機能、DAppsへの支払い手段に関するアンケートに答えるだけでウェイトリストに参加できます。
11月半ばには、ウェイトリスト申し込み者に対してメールによるマーケティングが行われました。内容を簡単にまとめると「早期エントリーとしてβプレイが近く開始される」というものでした。
Healthblocksの使い方
公式サイトの情報から「Healthblocksの使い方」を解説します。なお、まだローンチ前なので、DAppsの仕様がこれから変更される可能性もあります。最新情報は公式サイトやSNS、配信メールで確認しましょう。
1.アカウント登録
アカウントを登録し、リンクさせる健康アプリ(ウェアラブルデバイス)を決定します。アプリ内ウォレットが用意されているので、パスワードやバックアップフレーズはしっかりと保管しておきましょう。
ポリゴンチェーンでのローンチとなるので、ウォレット内資産を外部に送金する際はPOL(旧MATIC)が必要になります。ポリゴンチェーンのガス代は安いので、数十円程度入金しておけばよいでしょう。
2.チャレンジへエントリー
チャレンジプール(アクティビティプール)に参加することで、健康目標達成に応じて収益化が可能になります。ただし、参加料が必要になるチャレンジもあるので注意してください。
3.健康データの収集
チャレンジプールに参加してもしなくても、健康データはHealthblocksで収集され、一元管理されます。ウェアラブルデバイスでのデータ収集の他、スマホカメラで顔スキャンをして、ストレススコアを計測するといった機能も実装が予定されています。
4.収益化
チャレンジプールに参加した場合は達成度に合わせて報酬が貰えます。また、健康データを研究機関などへ提供することで報酬が得られるシステムも実装されるようです。
Healthblocksのリスク
- 正式ローンチできる?
- トークノミクスは準備されている?
- 運営側の資金は?
ここではWeb3プロジェクト「Healthblocks」のリスクについて考察していきます。Web3プロジェクトには魅力的なものが多いですが、リスクも認識する必要があります。詳しく見ていきましょう。
正式ローンチできる?
Healthblocksは健康データを収益化できるという魅力的なWeb3プロジェクトです。しかし、正式にローンチされるまでは投資は控えた方がよいでしょう※3。
いままで多くの似たようなWeb3プロジェクトが資金だけを集めて消えてきました。早期エントリーで大金を費やすのはハイリスクといえます。Healthblocksは無事正式ローンチできるのでしょうか?2024年12月に注目です。
※3 2024年11月時点でトークンプレセールやプール(資金を預けてロックする)などの資金調達は行われていません。Healthblocksを名乗ったプレセールなどの詐欺には注意してください。
トークノミクスは準備されている?
Healthblocksは1年以上前からプロジェクトが進行していますが、未だにホワイトペーパーが出されていません。トークノミクスの発表もまだです。
ガバナンストークンやユーティリティトークンの具体的運用は、Web3プロジェクトにとって極めて重要です。早期の公開が求められます。
なお、トークノミクスやロードマップなどは、SNS(主にX:旧Twitter)で発表されることがあります。また、AMA(Ask Me Anything)動画も公開されています。プロジェクトに関する重要な情報であることは間違いありませんが、断片的です。
運営側の資金は?
最後に、運営側の資金に対する不安が挙げられます。有力なWeb3プロジェクトであればVC※4などによって資金提供が実施されますが、今のところは確認できません。Healthblocksは、どのように事業費を捻出しているのかが不透明です。
もし、トークンプレセールなどで事業資金を得るという場合は注意が必要です。DAppsがローンチされなかったらトークンは無価値になります。βプレイでDAppsがしっかりと機能しているかなどを確認し、事業の持続性を評価しましょう。
※4 VC(Venture Capital)はスタートアップに対して早期に資金を提供する組織です。ハイリスクハイリターンといった投資戦略の特徴を持っています。
関連記事:Web3.0プロジェクトの資金調達方法とVCが果たす役割
まとめ
Apple WatchやFitbitなどのウェアラブルデバイスは、広く使われるようになりました。歩測や移動距離の計測、心拍数トラッキングなどを自動で行ってくれるため、健康データの管理や分析はとても簡単です。
Healthblocksを用いれば、ウェアラブルデバイスでいつでも入手できる健康データで収益をあげることができます。研究機関に健康データを提供し、社会に貢献することも可能になります。プロジェクトは順調に成長を遂げるのでしょうか?まずは、2024年12月のローンチに注目していきましょう。