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DEX(分散型取引所)とは?特徴・仕組みや使い方、人気の取引所まで徹底解説

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2022年10月に暗号資産取引所の大手だったFTXが経営破綻し、CEX(中央集権型取引所)への信頼が大きく揺らいでいます。

そんな中、再び大きな注目を集めているのが、中央集権的な管理者がいないDEXと呼ばれる分散型取引所です。

この記事では、そもそもDEXとはどのような取引所なのか?という基礎知識の部分から、DEXを利用するメリット・デメリットなどを徹底解説していきます。

また、現在主流となっている2種類のDEXの仕組みや、人気が高いDEXなどもご紹介していくので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

この記事の構成

DEX(分散型取引所)とは?

まずは、DEXへの理解を深めるためにも、概要・特徴などの基本情報をご紹介していきます。

以下の4つのトピックに沿って、詳しく確認していきましょう。

  • 中央集権的な管理者がいない暗号資産取引所のこと
  • スマートコントラクトによって取引所の自動化を実現している
  • CEX(中央集権型取引所)との違い
  • 現在DEX(分散型取引所)に注目が集まっている理由

中央集権的な管理者がいない暗号資産取引所のこと

DEXとは「Decentralized Exchange」という正式名称の略称であり、日本語では「分散型取引所」と呼ばれている暗号資産取引所です。

簡単に言うと、企業など特定の中央集権的な管理者がおらず、ユーザー同士がP2P(ピアツーピア)ネットワークを利用して直接取引ができる取引所となっています。

通常、Binance(バイナンス)などの中央集権型取引所では、まずアカウントを作成してKYC(本人確認)を行う必要があります。

しかし、DEXにはそもそも管理者が存在しないため、MetaMaskなどのウォレットを接続するだけで、誰でもパーミッションレス(許可なく)利用することが可能です。

また、DEXが作られているプログラミングコードはオープンソースで一般公開されており、誰でも開発に参加できる点も特徴と言えるでしょう。

スマートコントラクトによって取引所の自動化を実現している

「中央集権的な管理者がいない取引所」と聞くと、そもそも取引所の運営ができないのでは?と思った方も多いでしょう。

DEXが特定の仲介者なく運営ができる背景には、スマートコントラクトと呼ばれるテクノロジーが存在しています。

スマートコントラクトとは、「ある一定の条件で自動的に契約が実行される仕組み」となっており、様々な契約条件をブロックチェーン上に作成することができます。

よく例えられるものとして、スマートコントラクトは「自動販売機」だと言われています。自動販売機では、150円のお金を入れるとコーラやお茶を買うことができますが、これもある意味決められた条件で、自動的に契約を実行していると言えるでしょう。

DEXでは、このようなスマートコントラクトを様々な場所で使用し、中央集権的な管理者がいなくても互いに契約を締結し実行する集合体として動作する仕組みが導入されています。

CEX(中央集権型取引所)との違い

DEXの対義語として、中央集権的な企業が運営を行うCEX(Centralized Exchange)があります。

現状、暗号資産の取引のほとんどはCEXで行われており、この記事を読んでいただいている方もBinanceなどの取引所を利用している方が多いのではないでしょうか?

ここでは、DEXを深く理解するためにも、CEX(中央集権型取引所)との違いを以下にまとめていきます。

DEX(分散型取引所) CEX(中央集権型取引所)
管理者(運営者) なし あり
KYC(本人確認) なし あり
カスタマーサポート なし あり
カストディ ユーザーが管理 取引所が管理
取引所への信頼 トラストレス トラストフル
取引の流動性 低い 高い
決済 オンチェーン オフチェーン
法定通貨の対応 なし(ステーブルコインのみ) あり
取扱銘柄数 多い 少ない

DEXとCEXには様々な違いがありますが、主に上記のような違いがあると言えるでしょう。

しかし、やはり根本的な違いとしては「取引所を運営する管理者の有無」というポイントが挙げられます。

実際、管理者が存在するかどうかによって、「KYC(本人確認)」や「カストディ」といった項目に違いが生じているとも言えます。

また、DEXでは基本的に全ての取引がオンチェーンで行われるため、日本円などの法定通貨で暗号資産を取引することができません。

そのため、これから暗号資産を始める初心者の方は、やはり現状ではCEXの方が使いやすいと言えるでしょう。

現在DEX(分散型取引所)に注目が集まっている理由

DEXが本格的に利用され始めたのは、2018年にUniswap(ユニスワップ)と呼ばれるプロトコルがリリースされてからとなります。

そんなDEXが現在再度注目を集めているのは、やはり2022年10月に発生したFTXの経営破綻が大きな理由の一つと言えるでしょう。

当時、暗号資産業界でも2位の立ち位置だったFTXの破綻は業界内外に衝撃を与え、多くの中央集権型取引所の信頼が失墜する形となりました。

その後、各取引所はPoR(Proof of Reserves)と呼ばれる準備金の第三者証明を進めていますが、2023年1月現在ではまだ完全な資産証明の実現はできていない状況となっています。

そんな状況の中、中央の管理者を信頼する必要がなく、トラストレスで利用できるDEXに注目が集まるのは、ある意味当然のことと言えるでしょう。

まだまだCEXが市場のシェアを占めていますが、Binanceの創業者であるCZ氏も過去に「今後5〜10年以内にDEXはCEXよりも大きくなる」という旨の発言をしています。

もちろん将来のことはわかりませんが、今後さらにDEXが注目を集めていくことはほぼ間違いないと言えるのではないでしょうか?

DEX(分散型取引所)を利用する3つのメリット

次に、DEXを利用する3つのメリットを詳しくご紹介していきます。

ここでは、以下の3つのメリットに沿って解説していきます。

  • 世界中の誰でもパーミッションレスに利用できる
  • ​​CEX(中央集権型取引所)のように一つのエンティティを信頼する必要がない
  • CEX(中央集権型取引所)で取り扱いがないマイナーな暗号資産を取引できる

世界中の誰でもパーミッションレスに利用できる

DEXを利用するメリットとして、世界中の誰でもパーミッションレス(許可を必要とせず)に利用できることが挙げられます。

そもそもDEXでは何かアカウントを作成したり、KYCを行う必要がなく、MetaMaskなどのウォレットを接続するだけで利用することが可能です。

特に開発途上国の人々の中には、自国通貨の信頼性が低かったり、極度のインフレによって価値を保存することができないケースも珍しくありません。

しかしDEXであれば、国籍や人種など一切関係なく、全世界の人々が価値を共有する暗号資産の取引を行うことができるでしょう。

CEX(中央集権型取引所)のように一つのエンティティを信頼する必要がない

DEXには、中央集権型取引所のように一つのエンティティを信頼する必要がないというメリットもあります。

CEXは確かに利便性も高く、非常に多くのユーザーが利用していますが、どうしても自分の資産を取引所に預ける形となるため、運営企業を信頼する必要が出てきます。

もちろん頻繁に起こるわけではないですが、中にはマウントゴックスやFTXのように取引所が経営破綻し、資金が出金できなくなってしまうという危険性も考えられるでしょう。

しかし、DEXには運営している特定の企業が存在せず、取引所の中でウォレットを作成する必要もないため、トラストレスで利用することが可能です。

CEX(中央集権型取引所)で取り扱いがないマイナーな暗号資産を取引できる

DEXの最後のメリットとして、CEXでは取り扱いがないマイナーな暗号資産を取引できることも挙げられます。

基本的にCEXでは、トークンを上場させる際に厳しい審査が行われるため、誕生して間もないトークンの取り扱いは多くありません。

しかし、DEXでは誰でもパーミッションレスに利用できることから、マイナーなトークンも含め様々な銘柄がリスティングされています。

もちろん、マイナーな暗号資産を取引することがよいというわけではありませんが、CEXよりも多種多様な暗号資産を取引できることは事実です。

事前に知っておきたいDEX(分散型取引所)の3つのデメリット

ここまでDEXを利用するメリットをご紹介してきましたが、もちろんデメリットも存在しています。

今回は、以下の3つのデメリットをご紹介していきます。

  • ハッキングに遭う危険性がある
  • 流動性の観点ではCEX(中央集権取引所)に劣る
  • ウォレット内の資産は自己管理する必要がある

ハッキングに遭う危険性がある

DEXのデメリットとしてまず挙げられるのは、ハッキングに遭ってしまう危険性・リスクです。

先ほども少しご紹介しましたが、基本的にDEXはプログラミングコードをオープンソースとしており、誰でも開発に参加できるため、多くの視点からチェックされ、開発スピードが高い仕組みとなっています。

しかし、逆に言うと悪意を持ったハッカーがコードのバグを発見することも可能であり、場合によっては巨額の資金が不正流出してしまう可能性があることも事実でしょう。

DEXをはじめとしたDeFiのプロジェクトのハッキングは多数発生しており、多くのユーザーがDEXの利用をためらう要因になっていることは間違いありません。

特に、DEXのプロトコルの中で流動性を提供するイールドファーミング(流動性マイニング)を行う場合は、ハッキングのリスクは十分に理解しておく必要があります。

もちろん、コードをオープンソースにすることはコンポーザビリティ※の観点でメリットがありますが、現状ではデメリットの要素の方が強いと言えるかもしれません。

※様々なプロジェクトの要素を取り出し、レゴブロックの部品(コンポーネント)のように他のサービスにも転用できること。日本語では「構成可能性」と呼ばれている。

流動性の観点ではCEX(中央集権取引所)に劣る

DEXを利用する上でのデメリットとして、まだまだ取引の流動性は少ないことは知っておく必要があります。

実際、DEXとCEXを比較すると、流動性の観点ではCEXに劣っていると言わざるを得ません。

画像引用元:DEX to CEX Spot Trade Volume (%)|THE BLOCK

上記の画像は、DEXの現物取引の月間ボリュームをCEXの取引高で割り算した数値※となっています。

※計算式:(DEX取引高 ÷ CEX取引高)× 100

2023年1月時点のデータでは、DEXの取引高はCEXの15%にも満たない数値となっており、多くのユーザーがCEXで取引をしていることがよくわかるでしょう。

今後、DEXの取引高は徐々に上昇していくと言われていますが、現状流動性の観点ではCEXに劣っていることは知っておいてください。

ウォレット内の資産は自己管理する必要がある

DEXの最後のデメリットとして、ウォレット内の資産は自分で管理しなければいけないことが挙げられるでしょう。

CEXでは、取引所を運営する企業が顧客の資産を管理しますが、DEXにはそもそも運営企業が存在しないため、自分の資産は自己管理(セルフカストディ)する必要があります。

セルフカストディは、中央管理と比べて、管理者を信頼しなくてよいというメリットもありますが、暗号資産の取り扱いに慣れていない方にはリスクも存在しています。

特に、MetaMaskなどのウォレットに保管していた暗号資産やNFTが盗まれるハッキングは後を立たず、セルフカストディにおける大きな問題になっていると言えるでしょう。

また、シードフレーズの重要性を理解していないために、正しい保管ができておらずウォレットにアクセスできなくなってしまうケースも多発しています。

こういったリスクを防ぐためにも、DEXを利用する機会に「大きな資金はMetaMaskなどのホットウォレットに保管しない」「シードフレーズの重要性を理解する」といったリテラシーを高めることが重要になってきます。

現在主流となっている2種類のDEX(分散型取引所)の仕組み

中央集権的な取引所とは大きな違いがあるDEXですが、現在では以下の2種類のDEXが市場の主流となっています。

  • AMM(自動マーケットメイカー)形式
  • オーダーブック(取引板)形式

ここでは、それぞれのDEXの仕組みについて詳しく確認していきましょう。

AMM(自動マーケットメイカー)形式のDEXの仕組み

AMMとは、正式名称で「Automated Market Maker」というシステムであり、日本語では「自動マーケットメーカー」と呼ばれています。

多くのDEXがこのAMM形式を採用しており、ユーザー間の取引を自動化できることから、DEXのトレードシステムの主流となっています。

具体的には、複数の暗号資産が溜められた流動性プール(Liquidity Pool)というものが用意されており、ユーザーは取引を対人同士で行うのではなく、この流動性プールに対して取引を行います。

例えば「ETH – UDST」という、2種類の暗号資産が同じ割合で入っている流動性プールが存在しているとしましょう。

ユーザーは自分が持っているUSDTをETHに交換したい場合、この流動性プールの中に自分のUSDTを入れ、代わりにETHを取り出すことができます。

このようにユーザー同士ではなく、流動性プール相手に取引を行うのがAMM形式となっており、プールさえ用意しておけば取引を完全に自動化することが可能です。

また、AMM形式のDEXでは、ユーザーは自由にプールに対して暗号資産を預け入れ、流動性を与えることもできます。

この流動性を与える行為は、イールドファーミング(流動性マイニング)とも呼ばれており、その流動性プールが使用されるごとに見返りとして、ユーザーは報酬を得ることが可能です。

オーダーブック(取引板)形式のDEXの仕組み

オーダーブック形式のDEXでは、上記画像のように注文金額が並んで表示されている取引板を使ってトレードを行います。

CEXではオーダーブック形式の取引が一般的なので、こちらの方が馴染み深い方も多いかもしれません。

このオーダーブック形式のDEXは、基本的に取引板の管理をオフチェーンで行い、注文が約定したタイミングでオンチェーンに記録する形式を採用しています。

このようにオフチェーンとオンチェーンを使い分けるDEXは「ハイブリッド型DEX」と呼ばれており、オフチェーンを活用することで取引の高速化や手数料の削減を実現しています。

なお、オーダーブックの管理は「リレイヤー」という第三者によって行われていることも覚えておきましょう。

一般的なDEX(分散型取引所)の始め方・使い方

ここまで、DEXのメリット・デメリットなどを解説してきましたが、実際にDEXを利用するためにはいくつかの手順を踏む必要があります。

ここでは以下の手順に沿って、一般的なDEXの始め方・使い方を確認していきましょう。

  • 暗号資産取引所でイーサリアム(ETH)を取引する
  • MetaMask(メタマスク)のアカウントを作成する
  • 購入したイーサリアム(ETH)をMetaMaskに送金する
  • 利用したいDEX(分散型取引所)とMetaMaskを接続する

暗号資産取引所でイーサリアム(ETH)を取引する

DEXを利用するための一般的な手順として、まず暗号資産取引所でイーサリアム(ETH)を購入していきましょう。

DEXで暗号資産をスワップしたり、イールドファーミングを行うためには、必ず取引原資となるイーサリアム(ETH)が必要となります。

また、DEXで何かしらの取引を行う際には、ネットワークに支払うガス代もイーサリアム(ETH)で決済しなければいけません。

なお、今回はイーサリアムブロックチェーン上で開発されているDEXを利用する想定をしています。仮にバイナンススマートチェーンのDEXを使う場合は、バイナンスコイン(BNB)など、そのチェーンのネイティブトークンを準備するようにしてください。

MetaMask(メタマスク)のアカウントを作成する

暗号資産取引所でイーサリアム(ETH)を購入できたら、次にMetaMask(メタマスク)のアカウントを作成していきます。

MetaMaskの公式サイトにアクセスし、画面中央にある「Download for」と書かれたボタンをクリックしてください。

自分が使っているブラウザの拡張機能にダウンロードできたら、画面に沿ってパスワードの設定や、シードフレーズを紙などにメモしていきましょう。

手順自体はそこまで難しくないので、初心者の方でも数分程度でアカウントは作成することができます。

もう少し詳しい手順が知りたいという方は、初心者でもMetaMaskが使えるようになる。設定から送金方法までわかりやすく解説。の記事もあわせて確認してみてください。

購入したイーサリアム(ETH)をMetaMaskに送金する

無事にMetaMaskの作成が完了したら、購入したイーサリアム(ETH)を送金していきます。

MetaMaskを立ち上げると上記のような画像が表示されるので、まず画面上部が「イーサリアムメインネット」になっていることを必ず確認しましょう。

もし、ここが別のネットワークになっていると送金したイーサリアム(ETH)が正しく着金せず、トークンを失ってしまうことになります。

暗号資産を送金する際には、それぞれのトークンが対応するネットワークのアドレスに送金しなければいけないので、その点は十分注意するようにしてください(ETHならEthereum、MATICならPolygonなど)。

正しい送金アドレスが表示されていることを確認したら、赤枠で示した箇所をクリックしてアドレスをコピーします。

再び暗号資産取引所の管理画面に戻り、先ほど購入したイーサリアム(ETH)の送金手続きを行いましょう。

また、送金手続きに少しでも不安がある方は、まず少額での送金をテストしてみてから、大きな金額を送ることをおすすめします。

利用したいDEX(分散型取引所)とMetaMaskを接続する

送金手続きも無事に完了したら、最後に利用したいDEXとMetaMaskを接続していきます。

上記の画像は、Uniswap(ユニスワップ)という分散型取引所のトップページとなっています。

基本的にどのDEXでも画面右上に「Connect Wallet」などと書かれたボタンが設置されているので、これをクリックしてください。

自動的にMetaMaskの画面が立ち上がるので、画面に沿って接続を許可すれば、DEXとの接続は完了です。

ここまでできれば、DEXを利用して暗号資産のスワップなどを行うことができるようになります。

前述のように、DEXが開発されているブロックチェーンによって最初に用意しなければいけないトークンは異なりますが、基本的には解説してきた手順でDEXの利用を始めることができるでしょう。

注目を集めている人気のDEX(分散型取引所)6選

最後に、数ある分散型取引所の中でも現在注目を集めているプロトコルを6つに厳選してご紹介していきます。

具体的にどのようなDEXが人気を集めているのか気になる方は、ぜひチェックしてみてください。

  • Uniswap(ユニスワップ)
  • PancakeSwap(パンケーキスワップ)
  • Curve Finance(カーブファイナンス)
  • Balancer(バランサー)
  • dYdX(ディーワイディーエックス)
  • ApeX(エイペックス)

Uniswap(ユニスワップ)

Uniswap(ユニスワップ)は、2018年11月からサービスを開始している世界的に人気が高いDEXの一つです。

イーサリアムブロックチェーン上で開発が行われており、同チェーン上のDEXの中でも最も活発な取引が行われています。

また、非常にシンプルかつ使いやすいUIが特徴となっており、これまでDEXを使ったことがない方でも直感的に操作することができるでしょう。

業界でも先駆者的な立ち位置のDEXなので、これからDEXの利用を検討している方はぜひ詳しくチェックしてみてください。

なお、Uniswapの詳しい使い方を知りたい方は、世界最大級の分散型取引所であるUniswap(ユニスワップ)の特徴や使い方などを徹底解説の記事もあわせて確認しておきましょう。

PancakeSwap(パンケーキスワップ)

PancakeSwap(パンケーキスワップ)は、2020年9月に正式リリースされたAMM型の分散型取引所です。

先ほどのUniswapとは異なり、世界最大の暗号資産取引所のBinanceが開発するバイナンススマートチェーン上で構築されています。

バイナンススマートチェーンはイーサリアムよりもガス代が安く使いやすいため、初心者の方はPancakeSwapからDEXの世界に入るケースが多いと言えるでしょう。

また、暗号資産のスワップといった基本的な機能に加え、NFTマーケットプレイスやIFO(Initial Farm Offerings)も利用できるなど、特徴的なサービスを展開しています。

詳しくはPancakeSwap(パンケーキスワップ)とは?特徴や利用できる機能、使い方までわかりやすく解説でもご紹介しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

Curve Finance(カーブファイナンス)

Curve Finance(カーブファイナンス)は、有利なレートでステーブルコインのスワップ(交換)ができる人気の高いDEXです。

ステーブルコインとは、米ドルをはじめとした法定通貨などの価格にペッグするトークンとなっており、暗号資産業界における法定通貨の役割を果たしています。

Curve Financeでは、そんなステーブルコイン同士を非常に小さなスリッページ(注文と約定の時のレートの差)で交換できるため、DeFiを頻繁に利用する方に重宝されています。

取引画面が見にくく、少し使いづらさを感じることは事実ですが、非常に注目度が高いDEXであることは間違いないでしょう。

詳細は、ステーブルコインに特化した分散型取引所(DEX)であるCurve Financeの特徴・使い方を徹底解説でご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

Balancer(バランサー)

Balancer(バランサー)とは、2020年3月にリリースされたイーサリアムブロックチェーン上の分散型取引所です。

最も大きな特徴としては、通常のAMM型のDEXの機能に加え、プール内の資産をアルゴリズムで自動的にリバランスしてくれる点となっています。

簡単にイメージするのであれば、暗号資産業界における「インデックスファンド」のようなサービスと理解すればよいかもしれません。

ただし、従来のインデックスファンドのようにリバランス時にブローカーに手数料を支払うのではなく、ユーザーが暗号資産をスワップすることで手数料を徴収し、自動的にリバランスを行うという仕組みが採用されています。

また、イーサリアム以外にもPolygonやArbitrumといったレイヤー2にも対応しているので、ガス代を安く抑えて利用することもできるでしょう。

dYdX(ディーワイディーエックス)

dYdX(ディーワイディーエックス)は、暗号資産のデリバティブ取引に特化した特徴を持つ分散型取引所です。

元CoinbaseのAntonio Juliano氏によって開発されたDEXとなっており、AMM形式ではなくオーダーブック(取引板)形式で暗号資産のトレードを行うことができます。

通常、中央集権型取引所(CEX)でデリバティブ取引をするためには、アカウントを作成してKYCを行う必要があります。

しかし、dYdXであれば本人確認をする必要がなく、MetaMaskを接続するだけでウォレット内の資産を証拠金としてトレードをすることが可能です。

また、開発ブロックチェーンはイーサリアムのレイヤー2である「StarkEX」が採用されていますが、今後はCosmos SDKを使用した独自のアプリケーションチェーンへの移行を目指しています。

詳しい使い方などはdYdXとは?特徴や仕組み、使い方などを初心者にもわかりやすく解説でご紹介しているので、興味のある方はあわせてチェックしてみてはいかがでしょうか?

ApeX(エイペックス)

ApeX(エイペックス)は、2022年にリリースされた比較的新しい分散型取引所です。

先ほどのdYdXと同様、暗号資産のデリバティブ取引に特化しており、イーサリアムのレイヤー2ソリューション「StarkEX」で開発が行われています。

また、暗号資産のトレードを行うことで独自トークンのBANAが獲得できる「Trade to Earn(T2E)」という独自のキャンペーンを行っていることも大きな特徴と言えるでしょう。

2022年12月には、海外取引所として日本人にも人気が高いBybit(バイビット)と統合するなど、今後も大きな注目を集めていくことが予想されます。

DEX(分散型取引所)の特徴や仕組み・使い方まとめ

今回の記事では、中央集権的な管理者がいないDEX(分散型取引所)の特徴や仕組み、使い方などを解説してきました。

ご紹介したように、DEXには企業などの運営者がいないことから、特定のエンティティを信頼しなくてもよいというメリットがあります。

また、利用時にKYCが必要なく、ウォレットを接続するだけで世界中の誰もが平等に利用できる点も大きな特徴と言えるでしょう。

しかし、ハッキングのリスクやセルフカストディをしなければいけないデメリットなども存在しているので、それらを把握した上で利用するようにしてください。

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2017年から仮想通貨投資を開始し、2020年から本格的にweb3.0の世界に参入。現在はフリーランスとして暗号資産やブロックチェーン、NFT、DAOなどweb3.0に関する記事を執筆。NFT HACKでは「初心者にもわかりやすく」をモットーに、読者の方々に有益となる記事の作成を行なっている。
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