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トレジャーGOとは?NFT × 位置情報で地域活性化を目指すプロジェクトについて解説

解説系記事

デジタルアートとしての印象が強いNFT(非代替性トークン)ですが、近年はビジネスなどでの活用も進んでおり、様々な使い道が模索されています。中には、NFTと位置情報を組み合わせるという、ユニークな方法でNFTを活用するプロジェクトも登場している状況です。

この記事では、NFT と 位置情報を組み合わせ、地域活性化を目指すプロジェクト「トレジャーGO」の概要や特徴、仕組みなどを解説。また、NFTと位置情報を組み合わせた他のプロジェクト事例や、「NFT × 位置情報」の可能性についてもご紹介していきます。

今後、地域活性化などを目的にNFTの活用を検討している事業者や自治体職員の方は、ぜひ最後までご覧ください。

NFT × 位置情報で地域活性化を目指す「トレジャーGO」とは?

画像引用元:トレジャーGO公式X(旧Twitter)

トレジャーGOとは、「NFT × 位置情報」で地域経済の活性化を目指す実証実験のプロジェクトです。

公式では「宝探し型ポイ活」「デジタル宝探しエンターテイメント」などと呼ばれており、ユーザーは位置情報に設置されたデジタルトレジャー(NFT)を集めることを目的にプロジェクトに参加します。最終的に、デジタルトレジャー(NFT)を最も多く集めたユーザーが、優勝賞金を獲得できるという仕組みが導入されています。

なお、優勝賞金を獲得するには、実際にデジタルトレジャーが設置されている位置情報の場所まで訪れ、NFTを入手しなければいけません。現地を訪れるプロジェクト参加者は、その地域の店舗などで各種サービスを利用すると考えられるため、参加者が増えれば増えるほど地域経済を活性化する効果があるといえるでしょう。

また、参加費用は無料となっており、参加にあたって特別なアプリなどをダウンロードする必要はありません。このように、誰でも気軽に参加できる点もトレジャーGOの特徴となっています。

株式会社YUKIMURAが実証実験を実施

トレジャーGOの実証実験は、大阪府堺市に拠点を持つ株式会社YUKIMURAによって実施されました。株式会社YUKIMURAは、NFTを活用したシステム・アプリ開発をはじめ、NFTに特化した総合サービスを手掛けている企業です。

なお、トレジャーGOでは同社が特許を出願しているブロックチェーン基盤のデジタルグッズ配布支援サービス「NFT Drop」を活用し、NFT配布を実現しています。

そのため、メタマスク(MetaMask)などの暗号資産(仮想通貨)ウォレットを準備する必要はなく、LINEから登録して手軽に参加することが可能です。NFTやブロックチェーンの知識がない初心者の方に対しても、ユーザビリティに配慮されているといえるでしょう。

協賛金や参加人数によって優勝賞金は変動

トレジャーGOの優勝賞金は、“推しのまち協賛金“と呼ばれる、プロジェクトへの協賛金の総額によって変動する仕組みが導入されています。また、トレジャーGOの参加人数によっても優勝賞金は増額されるので、既存ユーザーが新規ユーザーを招待するほど優勝賞金が増えていきます。

獲得できる賞金総額が高額になるほど、より多くのユーザーから注目を集め、プロジェクト参加者が増加し、さらに優勝賞金も増額されるという好循環に入ると考えられます。結果的に、多くのプロジェクト参加者が現地に訪れることになれば、地域経済を活性化する効果が期待できるでしょう。

画像引用元:トレジャーGO

なお、“推しのまち協賛金“では、「デジタルトレジャー(NFT)の設置場所を決められる権利」を協賛メニューとして販売しています。つまり、協賛者側としてはデジタルトレジャー(NFT)の設置場所を自社店舗などに指定することで、自社ビジネスのサービス利用を直接的に促進することも可能です。

「NFT × 位置情報」の仕組みを導入した他のプロジェクト事例

ここまでトレジャーGOの特徴や仕組みを解説してきましたが、他にも「NFT × 位置情報」の仕組みを導入したプロジェクトは存在しています。

ここではNFTと位置情報を活用した、以下の3つのプロジェクトについて、詳しく確認していきましょう。

  • 北海道:縄文×NFT デジタルスタンプラリー
  • NEXCO中日本:中央道 戦国武将NFTトレカキャンペーン
  • 株式会社ゼクサバース:推し活★トレカ

北海道:縄文×NFT デジタルスタンプラリー

画像引用元:縄文 × NFTデジタルスタンプラリーを開催します。 | 北の縄文ポータルサイト

「縄文×NFT デジタルスタンプラリー」は、北海道とTOPPAN株式会社が共同で実施した、NFTを使ったスタンプラリープロジェクトです。

北海道に点在する世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」を実際に訪れると、各スポットごとに絵柄が異なるNFTデジタルスタンプを獲得できます。全7ヵ所の世界遺産のNFTを獲得すると「制覇記念NFT」という特別なNFTがもらえるなど、ユニークな取り組みも行われました。

また、獲得したNFTはただのデジタルアートではなく、本プロジェクトに協賛している店舗・施設で使える特典(ユーティリティ)が付与されています。NFTと位置情報を組み合わせることで、観光客誘致を促進する面白いプロジェクトの一つだといえるでしょう。

関連記事:世界遺産 × NFT|北海道が実施している「縄文×NFT デジタルスタンプラリー」のプロジェクトの詳細やメリットを解説

NEXCO中日本:中央道 戦国武将NFTトレカキャンペーン

画像引用元:中央道 戦国武将NFTトレカキャンペーン|NEXCO中日本

「中央道 戦国武将NFTトレカキャンペーン」は、NEXCO中日本が2024年1月19日から実施したキャンペーンです。内容としては、特定の高速道路区間内にあるSA・PAに設置されたポスターのQRコードをスキャンすると、NFTトレカが入手できるというキャンペーンになっています。

入手できるNFTトレカは「戦国無双」や「信長の野望」などの人気ゲームに携わったイラストレーター、諏訪原寛幸氏がデザインした戦国武将の絵柄となっています。また、東京都・神奈川県であれば「北条氏」、山梨県は「武田氏」、長野県は「真田氏」など、地域によって入手できるNFTトレカが異なるという点も特徴的といえるでしょう。

なお、高速道路でNFTトレカを配布するのは日本で初めての取り組みであり、ユニークで面白いNFTの活用事例のひとつといえます。

関連記事:NEXCO中日本が戦国武将NFTトレカキャンペーンを実施!NFTを活用する目的とは?

株式会社ゼクサバース:推し活★トレカ

画像引用:推し活×エリア限定NFTでファンの心くすぐる集客体験を店舗やイベントに簡単実装するシステム「推し活★トレカ」を2024年6月20日~提供開始

「推し活★トレカ」は、近年話題となっている「推し活」と「NFT」を組み合わせることで、実店舗・イベントへの集客促進を実現するシステムです。

具体的には、シリアルナンバー付きの「推しの限定NFTトレカ」を発行し、指定の場所へ訪問した場合のみNFTトレカを入手できるというサービスを提供しています。つまり、店舗オーナーなどのサービス利用者は、自社店舗をNFTトレカの配布場所に指定することで、新規顧客の獲得や集客アップを狙うことが可能です。

関連記事:「推し活★トレカ」とは?推し活 × NFTで集客促進を行うプロジェクトについて解説

なお、「推し活★トレカ」では、高速・ガスレスを特徴としたダイバーチェーン(DIVER Chain)を採用しています。ダイバーウォレット(DIVER Wallet)をスマホなどにダウンロードし、専用QRコードを読み取るだけで、手軽にNFTトレカを受け取れる点も特徴といえるでしょう。

関連記事:DIVERとは?「個人を尊重する社会」を目指すプロジェクトのホワイトペーパーを徹底解説

関連記事:DIVER Walletとは?真のweb3を実現するウォレットの機能と利用例について解説

「NFT × 位置情報」の可能性を考察

ここまでご紹介した通り、「NFT × 位置情報」という組み合わせは、様々なプロジェクトで採用されつつあります。

実際、特定の場所でのみNFTを入手できるという仕組みを採用することで、自社店舗やイベントなどへの集客を促進する効果ができるでしょう。NFTをきっかけにすることで、自社のサービスなどを知ってもらい、新規顧客を獲得するチャンスとなり得ます。

また、「NFT × 位置情報」という組み合わせは様々な場面・シーンで活用でき、多様なユースケースが存在すると考えられます。

例えば、自治体が主体となり、特定の観光地でのみNFTを入手できるという仕組みを導入すれば、地域経済の活性化や関係人口の増加につなげることができるかもしれません。また、イベント会場の現地でのみ特別なNFTを配布するといった取り組みを実施すれば、会場動員数を大幅に伸ばせる可能性もあります。

もちろん、配布するNFTや企画自体が魅力的なものである必要はありますが、大きな経済効果が期待できるNFTの活用方法だといえるでしょう。

NFT × 位置情報で地域活性化を目指す「トレジャーGO」まとめ

今回の記事では、NFT × 位置情報で地域活性化を目指す「トレジャーGO」についてご紹介しました。トレジャーGOだけでなく、特定の場所でのみNFTを配布するという手法は徐々に広がりつつあります。

これからNFTの利用を検討している事業者や自治体職員の方は、「NFT × 位置情報」という活用方法にも注目してみるとよいかもしれません。

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2017年から仮想通貨投資を開始し、2020年から本格的にweb3.0の世界に参入。現在はフリーランスとして暗号資産やブロックチェーン、NFT、DAOなどweb3.0に関する記事を執筆。NFT HACKでは「初心者にもわかりやすく」をモットーに、読者の方々に有益となる記事の作成を行なっている。
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